両者譲らぬ展開も、全明大に競り勝ち 全早慶明戦優勝

男子バレーボール

全早慶明バレーボール定期戦 11月3日 

 第1試合目の対全慶大では、ストレート勝利で勝負を終えた。第2試合は全明大戦。第1セットは両校の白熱したプレーの応酬が見られ、デュースから先制するも、続くセットを落とし振り出しに。しかし、第3セット目は全早大が意地のブレイクを重ね、セットカウント2-1(28-26、22-25、25-21)で勝利を収め、昨年に引き続き全早慶明戦優勝を果たした。

 1セット目序盤は一進一退の戦いとなる。セッター前田凌吾(スポ3=大阪・清風)のブロックや多彩なトスワークを皮切りに勢いづき3点リード。しかし、相手のサービスエースや粘りの攻撃もあり、追いつき追い越されの均衡状態のまま試合は終盤へ。デュースに突入した25点目、OP畑虎太郎(スポ3=福井工大福井)がライトからクロスに鋭いスパイクを決め、チームを活気づけた。その後相手のスパイクも決まり追いつかれるも、最後はMB麻野堅斗(スポ2=京都・東山)とOH佐藤遥斗(スポ2=東京・駿台学園)による2枚ブロックが決まり、28―26で1セット目を取った。

コート外からトスを送る前田

 2セット目、畑のブロックで得点し幕を開ける。1セット目の勢いのままストレートで勝ち切りたいところだが、相手のつなぎのラリーにより、早大にスパイクアウトが見られ3点ビハインドに。苦しい中、OH徳留巧大(スポ1=長野・松本国際)がクロスやエンドライン上にスパイクを決め、ブレイク。さらにMB福山汰一氏(平28スポ卒=熊本・鎮西)のトスからまたも徳留が点を取り、全明大に追いつく。前田がネットを超えかけたボールをセットするなど全早大も粘りを見せるが、うまく追い越せず2セット目を22-25で落とす。

プッシュする徳留

  続く3セット目では、相手のスパイクにより先制を許すも、畑のブロックが2連続で決まり、MB菅原啓(スポ2=山形南)のクイックや佐藤のレフトからのスパイクなど多様な攻撃で点を重ねる。その後も長いラリーの中でリベロ布台聖(スポ2=東京・駿台学園)がブロックフォローに走り、前田がブロックを決めるなど執念深い守備で相手の得点を許さなかった。そして福山氏のブロックも決まりマッチポイントとなると、最後は畑がライトからスパイクを決め、第3セットを25-21で勝利した。

福山氏のブロック

 全早慶明定期戦は、OB参加ということもあり、リーグ戦とは異なる空気で、さらにはダブルヘッダーというハードな試合を戦うが、全日本大学選手権大会(全カレ)前の貴重な時期でもある。この全明大戦では疲労が溜まり、さらには相手の粘り強さに1度では攻撃を決め切れず苦戦した展開も見られた。全カレに向けて、早大はさらなる決定力の獲得が課題といえる。目の前に迫った全カレに向けて、各々磨きをかける選手たちの成長が期待される。

(記事 末松花菜、写真 芦刈れい、町田知穂)

 

セットカウント
全早大 28-26
22-25
25-21
全明大
スタメン
アウトサイドヒッター 佐藤遥斗(スポ2=東京・駿台学園)
アウトサイドヒッター 徳留巧大(スポ1=長野・松本国際)
ミドルブロッカー 麻野堅斗(スポ2=京都・東山)
ミドルブロッカー 菅原啓(教2=山形南)
オポジット 畑虎太郎(スポ3=福井工大福井)
セッター 前田凌吾(スポ3=大阪・清風)
リベロ 布台聖(スポ2=東京・駿台学園)
途中出場
本間隆太(スポM1=前ジェイテクト)
福山汰一(平28スポ卒=前ジェイテクト)
芳賀雄治(令4商卒)
浅野翼(スポ4=宮城・東北)
馬渕純(スポ4=岐阜商)
板垣慧(政経3=京都・洛南)
安食浩士(スポ2=宮城・東北)
コメント

MB福山汰一氏(平28スポ卒=前ジェイテクト)

――久しぶりの早稲田としての試合を振り返って、どのような気持ちで臨みましたか

 秋リーグの最終戦を見に行ったんですよ。その時にブロックディフェンスがすごかったと思ったのですが、そこからのつなぎで攻撃まで持っていく過程もすごく綺麗だなと思って。僕は現役を半年以上やってないので、ましてやミドルの動きが絶対できないと思ったので、みんなをけがさせないように、そのことだけを意識して挑みました。

――後輩たちとプレーしてみていかがでしたか。また、特に目に留まった選手はいましたか

 僕がいいなと思ったのは21番(OH徳留巧大(スポ1=長野・松本国際))の子ですね。1年生であれだけ気持ちの表現だったり勝負どころの球の処理、打ち方というのは、なかなかできる子は少ないんじゃないかなと思うので、本当にすごいなと思いました。また、早稲田のいい時って両ミドルの決定率が高いと思うんです。今回、ミドルの選手のスパイクの打ち方は、僕がミドルをやってたということもあって試合中ベンチで聞きながら、という感じでした。

――プレー面では1試合目、クイックが決まっていましたが、前田選手とのコンビはいかがでしたか。これまで前田選手と合わせたことありましたか

 今日初めて合わせたんです。ああいうのをミドルでやるのって怖いんです。だけど前田選手が「いけますよ!」って感じだったので、変なプレッシャーとかをこっちに与えずに使ってくれたので、そつなくできて良かったです。

――早稲田の後輩に向けてメッセージをお願いします

 さっき選手達には言ったのですが、秋リーグから全カレまでのスパンが今年は短いので、さらに詰めるというのはすごく難しいと僕は思います。その中でも選手たちはやらなければいけないことはわかってるので、そこはやりつつ、全カレはトーナメントとなるので、どういう状況になるかは分からないですけど、絶対に苦しい状況になる時はくるので、そこで自分たちがブレないようにチームとして残りの20日間を詰めていければどんな場面でも自分のプレーができると思います。頑張ってもらいたいです。

OH徳留巧大(スポ1=長野・松本国際)

――今日の試合は公式戦ではないですが、インカレ前で大事な時期だと思います。どのような位置付けで挑みましたか

 秋リーグが終わって全カレ前という中途半端な時期だと思います。秋リーグで優勝したけど、全カレに向かっていかないといけないという時期での試合だったので、自分的にはあまり集中しようという気持ちに最初なかなかなれなかったのですが、試合が始まったら入らなきゃという感じで、少し曖昧な気持ちでやってしまったと思います。

――初の全早慶明戦はいかがでしたか。普段やらないOBとも一緒に戦った感想は

 自分は1年生でOBと関わりがない学年だったのですが、OBの方が話しかけてくださってありがたかったです。せっかくOBの方と話せる機会を設けてくださっているので、自分からOBの方ともっと話せるといいなと思いました。

――今日の2試合を振り返っていかがですか

 全慶應戦の1セット目は、自分が曖昧な雰囲気で入った割には全カレに向けてチャレンジしていこうと思っていたことが噛み合っていたので、それはいい財産だったと思います。全明治戦は1試合目の疲れがみんなあって、だらけた試合になってしまいました。全カレは2試合連続のことはないので、1試合に集中する、と考えながらですが試合が長くなっても後半戦でもしっかり戦えるようにしたいなと思います。

――全明大戦、連続して4、5点決める場面もありましたが調子はいかがでしたか

 調子いいというと、この後が調子がでなくなってしまうので調子はどうと言われたら悪いか普通と答えるようにしています。でもコートに入ったら自分を表現したりとか、チームに貢献できるようにしています。

――早関戦への意気込み

 早関戦は初めてなのでどういう試合なのか分かっていないのですが、試合のための準備が好きではないので、毎日同じプレーをリーグ前でも今日の試合の前も、日々の積み重ねだと思っています。なので早関戦というよりは全カレの強化合宿みたいに思っています。意気込みとしては怪我をしないということを最優先に、日々レベルアップできたらなと思っています。