東海大にストレート勝利し決勝進出 優勝まであと一つ!

男子バレーボール

 全日本大学選手権(全日本インカレ)準決勝、対戦相手は東海大だ。去年準決勝で敗北し、優勝を逃した苦い記憶がある中、第1セットは終盤まで接戦になったが、デュースの末にセットを先取。その後、2、3セットは危なげなく得点を重ね、連取する。セットカウント3―0(26―24、25―18、25―17)で決勝戦進出を決めた。

スパイカー陣を巧みに操った前田。「全然ダメでした」とまだ満足はいっていない

 第1セットの序盤は、MB伊藤吏玖副将(スポ4=東京・駿台学園)、MB麻野堅斗(スポ1=京都・東山)のクイックで得点を重ねる。その後、OH山田大貴(スポ4=静岡・清水桜が丘)のスパイクも決まるが、終盤まで拮抗(きっこう)した試合展開に。その後、相手のサービスエースやブロックに苦しめられ、20ー23とリードされてしまう。しかし、OP畑虎太郎(スポ2=福井工大福井)のサービスエース、セッター前田淩吾(スポ2=大阪・清風)のブロックで同点とし、勢いにのる早大。その勢いのまま、26ー24でセットを先取した。

サービスエースでチームに勢いをもたらした畑

 続く第2セットは伊藤のクイックから始まった。第1セットと同様に点差が開くことがなく中盤に。OH水町泰杜主将(スポ4=熊本・鎮西)と畑のスパイクで得点を重ね、18ー15と3点リードする。しかし、連続失点をしてしまい、19ー18で終盤へ突入した。その後、早大の連携の取れたブロックにより6連続得点を決め、最後は山田が打ち切ると、25ー18で第2セットを取った。

相手をシャットアウトし吠える山田

 麻野のサービスエースで幕を開けた第3セット。序盤、早大が主導権を握り9ー5とリードする。相手に3連続得点を許してしまい、相手に流れが傾きそうになるが、麻野のブロックなどで早大が4連続得点を決めた。その後も山田のスパイクが光り、21ー14と7点差で終盤に。前田のツーアタックや水町のスパイクなど、安定したプレーで25ー17とセットを取り、東海大に勝利した。

 第1セットは競り合った試合展開が続いたが、第2セット目以降は主導権を握り、早大らしい安定したプレーが見られた。「緊張からか硬くなってしまった」と前田は今試合を振り返る。去年の準決勝敗北の悔しさから1年。悔しさを晴らし、ついに次戦は決勝戦だ。成長を遂げた早大バレーボール部の、熱い戦いに期待したい。

(記事 荒井理沙、写真 五十嵐香音、三條大翔、末松花菜)

 

セットカウント
早大 26-24
25-18
25―17
東海大
スタメン
アウトサイドヒッター 水町泰杜(スポ4=熊本・鎮西)
アウトサイドヒッター 山田大貴(スポ4=静岡・清水桜が丘)
ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ4=東京・駿台学園)
ミドルブロッカー 麻野堅斗(スポ1=京都・東山)
オポジット 畑虎太郎(スポ2=福井工大福井)
セッター 前田凌吾(スポ2=大阪・清風)
リベロ 荒尾怜音(スポ4=熊本・鎮西)
リベロ 布台駿(社4=東京・早実)
途中出場
浅野翼(スポ3=宮城・東北)
板垣慧(政経2=京都・洛南)
布台聖(スポ1=東京・駿台学園)
コメント

山田大貴(スポ4=静岡・清水桜が丘)

――今日の試合にどのような気持ちで臨みましたか

 去年、自分はスタメンとしては出てないんですけど、準決勝で負けたということで、相手どうこうではなく、去年の雪辱を果たすというのはありました。東海大さんは、昨日中大さんにストレートで勝っていて勢いがあるということはわかっていたし、向かってくることも、わかっていました。それに物怖じしないように、向かっていこうという話はしてました。

――ただ、ピリピリしてるというより、雰囲気は良かったですよね

 そうですね。雰囲気としては良かったんですけど、プレーとしての硬さは少し序盤にあったかなと。主導権を最初に握られてしまって、点差がじりじりと開いてって、自分たちも少し引いてしまう時があったと思います。

――チーム全体を振り返って

 1セット目とかは特に主導権を握られて、終盤も結構点数を取られたのですが、そこで全体で、全員で跳ね返す力というのが今日の試合で見られたのかなと思いました。2セット目も、中盤くらいまでずっと均衡していた中で、全員のつなぎやしつこいブロックなど、秋リーグが終わってから全日本インカレに向けて、チームで取り組んできたことが、試合に出て良かったのかなと思います。

――ブロックが当たっていたとおっしゃっていましたが、どこが具体的に良くなったですか

 相手をしっかり止めるということです。当たって弾くボールが結構秋には多かったんですけど、全日本インカレに向けて、当たったらしっかり落ちる、そして後ろが見やすいブロックを意識してきました。絞り込みもそうなのですが、 相手のパスやローテに応じて、自分たちでどこをマークするのかというのが、明確になったから、 準備の段階で良くなって、形が綺麗になっているのかなと思います。

――ご自身のプレーで、第2セット終盤に連続ブロックがありました。どういった意識でしたか

 相手のパスが割れた瞬間に、やっぱクリアな状態でしっかり見たものに動くということを意識しました。ちょっと難しいなと思ったボールもあったのですが、ちょっとでも出してなるべく相手スパイカーにプレッシャーをかけたくて。相手もこっちのブロックが相当嫌だと思うので、どれだけストレスをかけられるかというのを実行したところを、自分に当たって、止められたのかなと思います。

――攻撃面を振り返って

 相手のリベロを中心にレシーブが良かったので、序盤は相手の強いところに対してこっちがスパイクを打ってしまって、相手のムードになってしまうとこありました。1セット目の終盤ぐらいからは修正して、なるべく相手の弱いところを攻めるように、シフトチェンジしたら、いい感じにハマったのかなと思います。

――適宜軟打とかも結構あったと思うのですが、結構冷静に見えていましたか

 冷静というか、基本的に自分はそんな器用じゃないとわかっているから、その中で自分にできることを選んだ結果、ああいう選択肢になった感じです(笑)。トスが少し暴れてるときも軟打にしたというか、なるべく、こっちがリバウンドを取ろうとして、吸い込みとかになった形ですね。

――明日への意気込みをお願いします

 この1年、プレッシャーのかからなかった試合なんて一度もなかったので、特に決勝だからどうこうとかは全くなくて。 本当に、自分たちがやってきたことを信じて、 自分たちがやりたいことをやれば勝てると信じています。自分を信じて頑張ります。

前田凌吾(スポ2=大阪・清風)

――去年つらい思いをした準決勝、個人的に今日の試合はどのような気持ちで臨みましたか

 ちょうど去年のこの試合(準決勝)で負けているので、自分的には怖さが正直ありました。やはり固くなったりもしましたし、 今年への4年生の思いも強かったので。自分がもっとやらないといけないなと思っていたのですが、少し固くなって今日は全然ダメだったので、明日切り替えて頑張ろうと思います。

――チーム全体での意識統一みたいなものはありましたか

 東海大さんはやっぱりサーブレシーブがいいので、もうある程度割り切って、 サーブを返されてもブロックディフェンスに切り替えてやっていこうと話していました。今日の3セット目につれてその形ができていたので、そこは良かったかなと思います。

――今日の自身のプレーの振り返りをお願いします

 もう全然ダメでした。全然ダメだったんですけど、使い所では点は取れていたかなと思います。あとはもっと質を上げて、スパイカーの打てるピンポイントのところで上げないといけないと思うので。そこが今日全然できてなかったので、もっと周り見て、相手のブロックと勝負するというところを明日やっていきたいなと思います。

――序盤、厳しいスタートでしたが、どのようなことを意識しながら組み立てをしていましたか

 1セット目は相手に(流れが)いかれるかで、結構取られたらまずい展開だったんですけど、22点目で虎太郎がサーブを決めて。そこから少し追いつけたというのは、流れは来てるなと思いました。1セット目取れたっていうのは本当に大きかったんですけど、やはりスタートのところでもたついたので、全体を通して明日はスタートからどんどん行かないといけないなと思います。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

 明日はただやるだけなので。とりあえず4年生の学生最後という大会で、自分は4年生にいい形で終わってもらえるようなトスや雰囲気作りというのをやっていきたいので、とりあえず自分が出せるものを全部出そうと思います。