日大の速攻に苦しみながらも勝利を収め、8連勝!

男子バレーボール

 秋季関東大学リーグ(秋リーグ)第8戦で、早大は日大と対戦した。第1セットは大差で奪ったものの、第2セットは前半の日大の強烈なサーブやスパイクに圧倒され、後半の追い上げが叶わず、競り負けてしまう。第3セットは危なげなくセットを勝ち取り、第4セットは両者譲らなかったものの、早大の全員バレーで得点を重ね、見事セットを勝ち取った。途中、苦しむ場面もあったが、セットカウント3―1(25―15、23―25、25―15、25―22)で勝利した。

麻野のライトからのスパイク

 OH水町泰斗主将(スポ4=熊本・鎮西)のスパイクから始まった1セット目。前半は水町のスパイクとMB麻野堅斗(スポ1=京都・東山)のブロックで4連続得点を決め、前半は難なく得点を稼いでいく。中盤では麻野のライトからのスパイクがチームを盛り上げる。日大の速攻に苦しめられつつも、OP畑虎太郎(スポ2=福井工大福井)のライトからのストレートコースのスパイクが決まり、点差を詰まることがなかった。最後は麻野と畑のブロックが決まり、25―15で危なげなくセットを先取する。

 続くセットでは前半でミスが重なり、相手に6連続得点を許してしまう。しかし、MB伊藤吏玖副将(スポ4=東京・駿台学園)が速攻を決め、日大の流れを切った。そこから流れに乗るように、OH山田大貴(スポ4=静岡・清水桜が丘)が相手のブロックを吹き飛ばす強烈なスパイクを決め、続くローテーションでそのままサービスエースを決めた。中盤は日大を追い上げるような試合展開を見せたものの、相手のブロックや、前後に揺さぶる攻撃に翻弄(ほんろう)され、23―25と競り負けた。

サーブレシーブをするリベロ荒尾怜音(スポ4=熊本・鎮西)

 麻野の速攻が決まるところから始まった第3セット。前半は早大のサーブによって相手を崩し、順調に得点を重ねた。中盤では水町、山田の強烈なバックアタックが決まってゆく。後半は山田の相手コートを突き刺すような強烈なサーブで日大を崩し、セッター前田凌吾(スポ2=大阪・清風)のサービスエースでセットを締めた。第4セットでは、初めにブロックアウトを取られたものの、早大の多彩な攻撃によって、相手を翻弄(ほんろう)していく。中盤までは、シーソーゲームで両者譲らなかったが、後半にかけて水町のエンドラインすれすれの強烈なクロス、畑のダイレクトスパイク、前田のブロックポイントに加え、途中出場の浅野翼(スポ3=宮城・東北)による安定したサーブなど、早大らしい全員バレーによって見事セットを勝ち取った。

 ここまでの8戦、危なげなく勝ち進めている早大。4年生を中心に圧倒的な強さ見せ、戦ってきた。期待の1年生、麻野もチームに戻り、高さを生かしたブロックや速攻でチームを勢いづけている。「去年勝たせられなかった4年生の分まで今年は全部勝ちたい」(荒尾)というように、この勢いのまま、目標である全勝での優勝を目指して、健闘して欲しい。

(記事 井口瞳、写真 町田知穂、指出華歩)

セットカウント
早大 25-15
23-25
25-15
25-22
日大
スタメン
アウトサイドヒッター 水町泰杜(スポ4=熊本・鎮西)
アウトサイドヒッター 山田大貴(スポ4=静岡・清水桜が丘)
ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ4=東京・駿台学園)
ミドルブロッカー 麻野堅斗(スポ1=京都・東山)
オポジット 畑虎太郎(スポ2=福井工大福井)
セッター 前田凌吾(スポ2=大阪・清風)
リベロ 荒尾怜音(スポ4=熊本・鎮西)
途中出場
浅野翼(スポ3=宮城・東北)
佐藤遥斗(スポ1=東京・駿台学園)
布台聖(スポ1=東京・駿台学園)
コメント

荒尾怜音(スポ4=熊本・鎮西)

――今日の試合を振り返って

 この秋はチームとして連続得点、ブレイクを取るというのを課題にしてやってきました。その中でサイドアウトが取り切れていないということが現状としてあって、相手にジャンプサーブが多いので、そこをうまくAパスじゃなくてもBパスでも良いから上げるというのをチームとしても個人としても決めています。まだ耐えるべきところと返すべきところの区別がなかなかうまくできていなくて、すべてクイックが使えるか使えないかわからないくらいのパスになっていたので、そこはちょっと反省点なのかなと思います。

――チームの試合内容を振り返ると

 落としたセットというのは2、3点差を取られていて、今日もそうで。終盤のエース勝負になったら絶対に負けないので、それまでに我慢するところを我慢して、攻めるところは攻めるというメリハリがなかったかなと思います。チームとしては反省であり、成長できる部分だと思います。

――秋リーグを拝見する中で1本目の精度が上がってきているような印象を受けるのですが、ご自身でどのように感じていますか

 大学は打点の高さやスピード、パワーが変わっているのでちょっと違うとり方をしなきゃなと思いながら、高校までのやり方を4年間やってきました。やっと自分に合った取り方が見つかってきたので、それをあとは定着させるだけなのかなと思います。もっと練習して、高い確率で返せるように頑張りたいです。

――サーブレシーブはリベロを避けてエースが狙われることも多いと思います。その場合、なにか指示出したりするのですか

 今日は特に前半に山田(大貴、スポ4=静岡・清水桜が丘)が狙われていて、崩されて決められない場面が多かったので、フォーメーションを変えました。またその中で他の攻撃を潰しにくることがあったので、ラインをちょっと微調整してどちらが前に行くかとか、やっています。

――春は2枚リベロでやりにくさを感じていらっしゃったと思いますが、今基本的に1枚になってみてどのように感じていますか

 強みを生かすというのが早稲田のバレーですが、その点でいえばまだ布台の方がディグで強い球に対して強いということはわかっています。その分、強い球が上げられないならこぼれ球とか周りを落ち着かせることとか、1枚じゃないとできないこと、自分にしかできないことを探してやっていこうと思っています。

――今日は後半に相手のクイックが増えてくる中で、ディフェンスの収穫や反省はありましたか

 早稲田はリードブロックをやっていますが、ポイントポイントでコミットをしていました。それでもまだ止め切れないということで、ますは個人で止める能力をブロッカー陣をつけるということが一つです。もう一つは、ブロッカーが跳んだ脇にしっかり(レシーバーが)入ることですね。前がどうするから後ろはこうするよという連携の声をもっと出していけたら上がるボールやつなげるボールはあったのかなと思います。

――実際に点を取る立場ではないが全体を俯瞰する立場として、どのような声掛けを意識していますか

 高校の時もやってはいたのですが、自分は大学に入ってからブロックを見て自分がコンビを作るというか・・・セッターがちょっとタッチ早いとか、逆にスパイカーが早く入りすぎているという全体の流れを交代の時に見ています。そして戻ったときに今こうなってるよとか、次これで切ってみようという話をポイントポイントでやっているので、特に全体の流れとセッターの動きを見ています。

――いよいよインカレも迫ってきましたが、残りのリーグ戦はどんなことを意識してプレーしたいですか

 (秋リーグは)残り3戦ですね。4冠ということを掲げて今までやってきて、春は最終戦で負けているので、まずは全勝優勝したいです。去年勝たせられなかった4年生の分まで今年は全部勝てるように、明日の順大戦から自分のできることをしっかりやっていきたいです。

梶村颯汰(スポ2=東京・安田学園)

――今日の試合を見ていて

 早稲田のバレーではなかったかな、良いバレーではなかったかなと思うので、課題が出た試合でした。

――課題とは

 トスの配球がレフトに偏ってしまっていました。あとレセプションとサイドアウトを取るという、春リーグの時点で達成していなければならない目標も、今日はサイドアウト率があまり高くなくて。そういう意味ではまだまだ足りないところが出た試合なのかなと思います。

――最近ベンチに入っている様子を見ているので、どういったお仕事をしているのか気になっていました

 マネージャーという形で入らせていただいていて、松井監督(平3人卒=千葉・八千代)の補佐をしています。情報を管理して先生が欲しい情報を即座に提供、選手の状態を把握、相手のローテーションの管理、選手交代のマネジメントといったことを行っています。

――アナリストの方々と連絡を取っているのですよね。データはそちらで出ているのですか

 はい。ベンチでもリアルタイムで見ることはできますが、そこでは見切れないようなことをアナリストの方に連絡・相談をして、今後の対策をバックアップしてもらいます。それを松井先生に話して、さらに対策を講じていく形です。

――今日は監督がいらっしゃらなかったと思いますが、仕事内容に変化はありますか

 そうですね、松井先生がやってくださっている分を補わなければならなかったので、少し大変ではありました。松井先生が管理している情報を自分が請け負う分、結構増えるのですが、先生の存在の大きさを感じながらやっていました。明日はいらっしゃると思うので、頼らせていただいて、いろんなところを吸収したいと思います。

――今日のセット後半の選手交代などはだれが指示していたのですか

 あれは主務の布台さん(駿、社4=東京・早実)と相談して、こうやっていくのがいいだろうとアナリストを通して考えた結果ああいう形になりました。

――仕事をする上で意識していること

 円滑に進めることが1番かなと。僕は試合に出ていない分僕が主役ではないので、主役となる選手たちが気を散ったりしたら良くないなと思うので、真摯にプレーに向き合ってもらえるようにするのが僕のモットーです。

――残りの試合の意気込みをお願いします

 残り3戦ということで、勝ちにこだわっているのが早稲田のバレーではなくて、結果的に勝っているのがのが正しい形だと思います。早稲田の強いバレーを見せて、結果的に優勝できたらなと。そこからインカレに向けて、良いステップアップになる試合にしていきたいです。