強敵・中大を下し、5戦全勝でリーグを折り返した!

男子バレーボール

 秋季関東大学リーグ戦(秋リーグ)5戦目では、春リーグに辛酸をなめた相手の中大と対戦した。前セットをデュースの末に奪われ、迎えた第4セット。緊張感のある展開が続いたが、セッター前田凌吾(スポ2=大阪・清風)の貴重なブロックポイントでブレイクし、一歩前に出る。以降、両エースを中心に得点を重ね、セットカウント3―1(25-20、25-22、28-30、25-21)で勝利。リーグを全勝で折り返した。

 この日は立ち上がりからOH水町泰杜主将(スポ4=熊本・鎮西)が絶好調。開幕初得点からブロックポイントが飛び出したほか、直後に回ってきたサーブでも連続得点を演出した。ノータッチサービスエースで5-1とし、早速タイムアウトを取らせた。しかし中盤、二段トスになったり片手でのトスになったりと良い形で攻撃できず、続いたラリーを相手がものにして逆転される。ここでOP畑虎太郎(スポ2=福井工大福井)に代わり、佐藤遥斗(スポ1=東京・駿台学園)がコートに送られた。佐藤は、完全にブロックにつかれたところを両手でリバウンドを取り、水町の攻撃につなげる。また、MB伊藤吏玖副将(スポ4=東京・駿台)はネットに背を向け、アタックライン付近からレフトにオーバーの二段トス。これを水町が打ち切るなど、各々丁寧なつなぎのプレーが見られた。最後は佐藤が25点目を取るなど、久々の長時間の出場で攻守に貢献した。

水町への二段トスを上げる伊藤

 続くセットはOH山田大貴(スポ4=静岡・清水桜が丘)の緩急あるスパイクや、佐藤の2本のサービスエースなどで流れをつかみ、16-11と先行した。終盤には、菅原啓(教1=山形南)がセッターに代わるワンポイントブロッカーとして出場。伊藤・山田と共に高い壁を作り出し、相手ミドルからの攻撃を阻んだ。最後は山田が左手でボールを押し込みブロックアウトでセットを連取した。第3セットは、前日と同様に苦戦する展開となった。MB板垣慧(政経2=京都・洛南)がクイックをブロックし9―8。中盤は相手のサービスエースやフェイントで連続得点を許したものの、レシーブが短くなり歩かされた前田が逆方向のライトへ長く伸びるトスを供給し、山田がバックアタックで切ってみせた。水町のネットインサービスエースで20-20と点差がつかないまま終盤に突入。デュースになっても一進一退の攻防が続いたが、最後の最後に3連続得点を許し、惜しくもこのセットを落とした。

 勝ちきりたい第4セットだが、序盤は中大優位の雰囲気が流れていた。開幕から立て続けの3連続得点で2-6。相次ぐ相手のミスに救われて同点に追いつくが、水町とリベロ荒尾怜音(スポ4=熊本・鎮西)の間に落ちるサービスエースで6-8。追いついたと思えば離される歯がゆい状況が続いたが、前田のブロックポイントで貴重なブレイク。「春リーグの記憶がかすめた。ここで絶対止めると思っていたら、来た」(前田)。空中で体をひねり、相手のボールをコートに叩き落した。以降、水町のブロックやアタックでブレイクを重ね、最後はパイプ攻撃で勝ちきった。

安定感のあるプレーで攻守にわたって貢献した佐藤

 今季は2セットを連取した後の第3セットを落とすことが3回目。相手の戦術や対策が追いついてきた中でも勢いをそがれることなく、ストレートで勝ちきりたいところだ。しかし、東日本大学選手権(東日本インカレ)の決勝で雪辱を果たしたとはいえ、春の記憶が選手たちの頭にもはっきりと残る中、暗雲立ち込める状況を打開し、勝利を得られたことの意味は大きかった。次戦は1週間空く予定であったが、延期試合の影響で木曜日、金曜日と連戦になる。調整の難しさはあるだろうが、全勝のまま折り返した早大のさらなる飛躍を期待したい。

(記事 五十嵐香音、写真 三條大翔、末松花菜)

セットカウント
早大 25-20
25-22
28-20
25-21
中大
スタメン
アウトサイドヒッター 水町泰杜(スポ4=熊本・鎮西)
アウトサイドヒッター 山田大貴(スポ4=静岡・清水桜が丘)
ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ4=東京・駿台学園)
ミドルブロッカー 板垣慧(政経=京都・洛南)
オポジット 畑虎太郎(スポ2=福井工大福井)
セッター 前田凌吾(スポ2=大阪・清風)
リベロ 荒尾怜音(スポ4=熊本・鎮西)
途中出場
布台駿(社4=東京・早実)
浅野翼(スポ3=宮城・東北)
麻野堅斗(スポ1=京都・東山)
佐藤遥斗(スポ1=東京・駿台学園)
菅原啓(教1=山形南)
コメント

佐藤遥斗(スポ1=東京・駿台学園)

――本日の試合に臨むうえでのコンセプトや方針はありましたか

 昨日の試合に関しては、自分たちの中で精度を上げていったらしっかり勝ちきれるような試合だったと思うのですが、今日の試合はやることをしっかりやっても負けてしまうかもしれないという、僕の中では実力的に五分五分だったので、しっかり集中することです。あとは、昨日は向かっていくということができてなかったので、今日は点差がついても落ち着かずに向かっていくということをチームとしてコンセプトにしてやっていました。

――今日の試合内容を振り返ってみていかがでしたか

 1、2セット目は序盤に走れたので、自分たちも雰囲気をうまく作ることができて、しっかり盛り上がっていけてたと思います。3セット目の取られたセットに関しては、相手に点数をはしられてしまったときに、雰囲気が落ちてしまったので、そこは改善しないといけないと思います。

――第3セットって難しさがあるのでしょうか

 自分たちが先に2セット取っていての3セット目だと、どうしても1、2セット目は良い形でとれていた分3セット目もいけるんじゃないかなと思ってしまう部分ですかね。それプラス、相手が負けてたまるかっていう感じでより向かってくるので、それにどうしても受けてしまう部分が強いのかなと思います。

――昨日の落としてしまったセットは、自分たちのつなぎのミスが多かったと振り返られていました。今日の要因はなんだったのでしょうか

 難しいですね・・・序盤でサーブが走らなくて。となったときに、自分たちの中で焦りとかがどんどん出てきてしまって、最後決め急いでシャット食らったり。サーブも無理に打ちに行ってミスというはきだしのミスがちょっと多かったかなという実感があります。僕の体感ですけど。

――佐藤選手は二段トスを上げる場面も多いと思うのですが、昨日の反省であったつなぎの部分は、いかがですか

 精度はまだまだ低いかなと思います。僕はディフェンシブで入っている選手なので、そういうところをもっときっちりできていないと、うまく自分の魅力をアピールできないのではないかなと感じました。

――昨日は強打のサーブが多かったかなと思っていて。今日は軟打が多かったように思うのですが、使い分けがあるんですか

 昨日は全体としてミスなくいこうという雰囲気で、途中で入った僕がちょっと強く打ってもいいかなと思って打っていました。今日はサイドの大貴さん(山田、スポ4=静岡。清水桜が丘)と泰杜さん(水町、スポ4=熊本・鎮西)にサーブでしっかり勝負してもらいたいので、僕のサーブのところでミスが出てしまうと思うように攻められないんじゃないかなと思って。うまく嫌なところを狙ったりしていました。駿さん(布台、社4=東京・早実)とかが結構指示を出してくれて。その通りだなと思っていたので、そのまま打ちます。

――秋の個人の目標

 今現在スタートで虎太郎さん(畑、スポ2=福井工大福井)が入っていることが多いので、僕は多分途中からっていう形になると思うのですが、途中から入ったときにどうチームに馴染んで、どうチームに貢献するかということを練習から意識したいです。ディフェンシブで入っているので、もうちょい安定感出して、ブロックの基準とかつなぎの二段トスとか、細かいところの精度を秋リーグ中にもっと上げていきたいです。

――次戦に向けて、意気込みをお願いします!

 土日連戦した後、木曜日金曜日ということでなかなか調整が上手くできない部分はあると思うのですが、自分の中でオフも使って調整して、いつ試合に出ても活躍できるように頑張りたいと思います。