勢いに乗る東海大をはねのけ、開幕2連勝!

男子バレーボール

 秋季関東大学リーグ(秋リーグ)、第2戦の駒大戦が延期となり、東海大と2戦目を戦った。前日に日体大と戦い1セットを奪った東海大はこの日も快調で、攻めのサーブと多彩な攻撃でこちらを翻弄(ほんろう)するが、セットカウント3-1(25 ―22、23-25、26-24、25-21)で勝利した。

 第1セットから一進一退の攻防が展開された。OH畑虎太郎(スポ2=福井工大福井)のサーブで、伸びたレシーブをセッター前田凌吾(スポ2=大阪・清風)がスパイカー顔負けの強力なダイレクト。続くプレーでは畑のサービスエースがあり、前田はコートを走り回って全身で喜びをあらわした。OH水町泰杜主将(スポ4=熊本・鎮西)の2本のサービスエースを含む連続得点で12-10。後半にも、水町のサーブから連続ポイントを演出した。リベロ荒尾怜音(スポ4=熊本・鎮西)のディグから、OH山田大貴(スポ4=静岡・清水桜が丘)がライン上にクロススパイクを打ち込むなど、ディグ局面での強さを見せた。MB伊藤吏玖副将(スポ4=東京・駿台学園)、畑のブロックでセットポイントを握ると、水町のバックアタックでこのセットを得た。

タイムアウト中の選手たち

 続くセットでは、早大にサーブミスが相次いだ。こちらが攻めあぐねる中、東海大は強力なサーブで攻め、クイックを多用した多彩な攻撃で翻弄(ほんろう)してきた。早大はサイドからの攻撃がブロックされ、パイプ攻撃を主軸に反撃するものの、23―25で惜しくもセットを献上する。第3セットは、幕開けからMB板垣慧(政経2=京都・洛南)のクイックが決まり、早大がふたたび流れを得た。レシーブがレフトに寄ったところ、前田があえて逆サイドに美しいバックトスで引っ張り、畑が決めて12―8。終盤にかけ、東海大のサーブに追い上げられ、一時逆転を許す。ここで、布台駿(社4=東京・早実)がディグリベロとして入り、雰囲気を引き締めた。菅原啓(教1=山形南)や浅野翼(スポ3=宮城・東北)も相次いでコートに入り、なんとしてもこのセットを取り切るため、各々が役割を果たした。山田のライトからの攻撃で追いつき、24―24とした場面、畑の1枚ブロックで貴重なブレイク。最終的には相手のミスだったが、逆転でこのセットを取り切った。

得点し喜ぶ水町主将(左)、板垣

 第4セットは、相手のコンビバレーで8-11と先行を許す。中盤、水町のパイプ攻撃や両サイドからの攻撃で15-13と逆転し、タイムアウトを取らせる。その後、布台がブロックのワンタッチカバーでコート外まで滑り込んだかと思いきや、中に入る直前に相手のアウトのスパイクを避けるファインプレーを見せ、チームを大いに盛り立てた。ジャンプフローターを武器とする伊藤のサービスエースで21-16。早大がマッチポイントを握ると、浅野がこのセットでも途中出場。得点にはならなかったものの、ディグに二段トスとオールマイティーさを見せてつなぎに貢献した。締めくくりは水町のパイプ攻撃で25-21とした。

(記事 五十嵐香音、写真 井口瞳)

 

セットカウント
早大 25-22
23-25
26-24
25-21
東海大
スタメン
アウトサイドヒッター 水町泰杜(スポ4=熊本・鎮西)
アウトサイドヒッター 山田大貴(スポ4=静岡・清水桜が丘)
ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ4=東京・駿台学園)
ミドルブロッカー 板垣慧(政経2=京都・洛南)
オポジット 畑虎太郎(スポ2=福井工大福井)
セッター 前田凌吾(スポ2=大阪・清風)
リベロ 荒尾怜音(スポ4=熊本・鎮西)
途中出場
布台駿(社4=東京・早実)
浅野翼(スポ3=宮城・東北)
菅原啓(教1=山形南)
布台聖(スポ1=東京・駿台学園)
コメント

松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)

――夏の間のチームの様子について

 今年は4年生がしっかり、水町を中心に方針が決まっていて課題が明確だったので、誰が抜けたとしても入った選手がその課題をこなしたりしたので、選手層の厚みの部分でも充実した夏を過ごせたのかなと思います。

――課題というのは、春におっしゃっていたような、引いてしまう気持ちの部分なのか、戦術の部分なのかどちらでしょうか

  気持ちの部分はなかなか鍛えようがない部分があるのですが、それと合わせて戦術的な部分でもある目標を立てていたので、それをしっかりこなせていたんじゃないかと。それが実際できるかできないかというのを秋のリーグで試してみるということですね。

――そのような夏の期間を経ての開幕戦、ご覧になっていかがでしたか

 大学生なので競るというのは前提で、慌てる部分はあったものの、トータルで見て大事な場面では大分自分たちの良さが出てきたと思います。目指しているチーム像には近づいてきていると思います。

――メンバーが入れ替わって、2年生が中心になってきたという印象を受けます。それぞれ非常に良い働きをなさっていると思いますが、監督の目から見ていかがですか

 畑に関しては、もともと能力のある子で。自分が大学でも通用するんだと気づいたときに、今急速に伸びている選手ですね。バレーボールのセンスや、状況判断の良さが素晴らしいので、 その良さをもっと伸ばしていって欲しいですね。板垣に関しては、今回麻野がいないからではなくて、身長が高くない分、上がってから速く打つだとか、自分で工夫しながら賢くやって伸びてきていますね。前田は、教育実習中にバイスリーダーもやらせて、彼は元々リーダーシップを取れる選手なので、2年生でも遠慮しなくていいんだという部分に気づいてくれています。そういう意味では3人がそれぞれ良い面を出してスタメンになっているなと思います。

――プレー面で、水町主将はチームとしてディグ局面に力を入れてきたとおっしゃっていたのですが、畑選手はよく良いところにいますよね

 基本があまりできていなかったのですが、ひとつひとつ教えていくと非常によく理解してできる学生だなとわかったし、本人もわかったと思いますので、伸びている理由はそこだと思います。

――さらにディグの話でいうと、布台選手については

 布台の持ち味はコースをしっかり読むこととボールに負けない体の強さですし、メンタリティも責任感がある学生なので、荒尾とまた違った良さですね。2人は同じような選手ではないので、その良さがチームにとって必要でもあったし、今日も持ち味が発揮できたんじゃないかなと思います。

――現状、チームの完成度はいかがですか

 まだまだ100%に近づけていないのが実際なので、取られてしまうようなセットがあっても、残りを自分たちで立て直したというのが収穫だったなと思います。

――どこのチームも春とは桁違いの完成度だと感じます。これからも勝っていくために必要なことは

 まずは自分たちが秋リーグ何をするべきかを明確にすることです。勝ち負けよりもインカレに向けて自分たちが通用するのかしないのかを確かめる大会にしてほしいと思っています。

畑虎太郎(スポ2=福井工大福井)

――夏に個人として力を入れたこと

 今まではスパイクだけを好きでやっていたんですけど、夏からはチームに貢献できるように、ブロックとかトスとか、レシーブとかを頑張ってやってきて秋からは、そうですね、まあそこは自信持って出来るようになったかなと思います。

――サーブの方が進化したように感じられたのですが、いかがですか

 自分で意識しているのは、100%で毎回打っていても、絶対ミスが増えるという考えに至って、8割で打っているんですけど、たまにそれがいいのが行くなあという感じです。

――夏合宿で出てきた課題

 さっき言った通り、レシーブとかブロックとても下手だったので、夏合宿ではそこを課題にして、ずっと試合をしていました。

――今日のご自身のプレーを振り返ってみて

 1セット目は周りを見れてて、集中してたんですけど、2セット目ちょっと気が抜けたところがあって、でも3セット目、4セット目をしっかり集中できたので良かったかなと思います。

――秋リーグの個人目標を教えてください

 スパイクとかで貢献するよりも、レシーブをしてやっぱ泰杜さんとか大貴さんにしっかり打ってもらえることが目標です。

――次戦への意気込みをお願いします

 最初2連戦なんでちょっと疲れるかもしれないですけど、疲れ負けずに頑張っていきたいと思います。