疲労たまる中、華あるプレーで日大に快勝!/準々決勝

男子バレーボール

 東日本大学選手権2日目、慶大戦から数時間、お昼を挟んで準々決勝の日大戦が行われた。第1セットは序盤こそ拮抗(きっこう)したものの、華のあるプレーでチームが盛り上がり、勢いに乗った。2セット目以降は流れを渡さず、セットカウント3―0(25-21、25-13、25-14)で快勝。準決勝へと駒を進めた。

  第1セットは幕開けから3連続得点を許し、一時は3―8まで離される。しかし、ブロックでワンタッチを取りながらリベロ布台駿(社4=東京・早実)を中心にフォローし、OH山田大貴(スポ4=静岡・清水桜が丘)らが決める形でブレイクを重ねた。MB伊藤吏玖副将(スポ4=東京・駿台学園)がクイックを決めたのを皮切りに、OP畑虎太郎(スポ2=福井工大福井)が目を覚まし、サービスエースで15-13。終盤もその勢いは止まらない。バックからのプッシュが決まらず、もう一度セッター前田凌吾(スポ2=大阪・清風)が畑を選択。強打を打ち込むと思いきや、OH水町泰杜主将(スポ4=熊本・鎮西)へフェイクセット。水町もうまく合わせて決めきると、意外過ぎるプレーに大いに盛り上がった。興奮冷めやらぬ中、前田のここぞとばかりのツーや、水町のインナーへのスパイクで追い打ちをかける。最後は伊藤のクイックでこのセットを取った。

前田のツー

 続くセットは、好調の畑がつなぎでも貢献。両エースでラリーを制し主導権を握った。その後はMB麻野堅斗(スポ1=京都・東山)を中心にブロックポイントが相次ぎ、12-4まで突き放す。リベロ荒尾怜音(スポ4=熊本・鎮西)の上質なパスから、伊藤のクイックという理想の攻撃で16-8とした。後半は途中出場の安食浩士(スポ1=宮城・東北)が今日も頼もしかった。長いラリーで何度もボールを託され、最後はインナーに打ちきってみせた。菅原啓(教1=山形南)、浅野翼(スポ3=宮城・東北)も出場してブロックに跳び、25-13で第2セットも奪取した。

スパイクを打つ畑

 第3セットも早大のペースで進んだ。麻野が1枚で相手をシャットアウトし7―3。中盤には山田がディグしたボールを伊藤がセット、ほぼ真後ろから上がる難しいボールを水町が打ち切って13-8とし、対応力の高さを見せた。19-12の場面では、畑、布台が何度もブロックのワンタッチへを処理したり、強打をディグでつないだりと長いラリーになったが、この大事な1点を山田がものにした。終盤再びコートに戻った安食が、今まで強打で打ってきたサーブから一転、前に落とすような形でサービスエース。最後に伊藤昌輝(商1=山梨・日本航空)や板垣慧(政経2=京都・洛南)らも出場し、25-14でゲームセット。全員で戦い切った。

 ダブルヘッダーとなったこの日。序盤にしっかり流れをつかんだ上で下級生たちが出場し、関東1部を相手に勢い尻すぼみになることなく戦った。準決勝の相手は明大。1日1試合ということでしっかり集中して、立ち上がりから早大のペースにもっていきたいところだ。

(記事 五十嵐香音、写真 町田知穂)

 

セットカウント
早大 25-21
25-13
25-14
日大
スタメン
アウトサイドヒッター 水町泰杜(スポ4=熊本・鎮西)
アウトサイドヒッター 山田大貴(スポ4=静岡・清水桜が丘)
ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ4=東京・駿台学園)
ミドルブロッカー 麻野堅斗(スポ1=京都・東山)
オポジット 畑虎太郎(スポ2=福井工大福井)
セッター 前田凌吾(スポ2=大阪・清風)
リベロ 荒尾怜音(スポ4=熊本・鎮西)
リベロ 布台駿(社4=東京・早実)
途中出場
浅野翼(スポ3=宮城・東北)
板垣慧(政経2=京都・洛南)
安食浩士(スポ1=宮城・東北)
伊東昌輝(商1=山梨・日本航空)
佐藤遥斗(スポ1=東京・駿台学園)
菅原啓(教1=山形南)
コメント

前田凌吾(スポ2=大阪・清風)

――4年生がいない間、副キャプテンを務められたとお聞きしましたが、意識していたことや頑張っていたことはありますか

 自分が試合に出ている身としてチームをいい方向に向かわせるために、チームの底上げという点で、下級生が4年生に頼るのではなく、4年生についていけるように、4年生がミスした時にカバーできるような力をつけられるように意識しました。今日も途中から下級生が出ていい働きができたので、成果にはつながっていると思います。

――今日の2試合を振り返っていかがでしたか

 慶應戦は4年生が教育実習から帰ってきて間もない状態で、コミュニケーションをとってできたかな、という試合内容ではありました。日大の試合は2試合連続ということで疲れもある中、集中が切れることが多く、全くコミュニケーションが取れていないときがありました。トーナメントをやっていくにつれてチームを作っていくために、明日はもっとコミュニケーションをとってやっていかなければいけないと思います。

――下級生の調子が良かったと思いますが、結構合わせられていたのですか

 そうですね。基礎、基本というところをしっかりやりました。チャンスボールや声掛けといった当たり前のプレーやサーブを、ベンチの人が出ても同じ雰囲気、チームで戦えるようにやっていたので、今日はそれが良かったと思います。

――特に菅原選手とのクイックが良くなっていましたね

 お互い思うこともあるので、コミュニケーションをとるというのは、4年生がいなかった2週間、自分が意識して話してきたことでした。それをクイックで表現できたのは良かったと思います。

――ご自身のセットアップについてはいかがでしたか

 セットを取られていないのと、終盤で点数を離せているという点は良かったのですが、やはりチームを通して、試合の中でコンビを組めていないので、そこはしっかりと確認し合いながら明日もやっていきたいと思います。

――セッター目線で、抜けていた4年生の調子の良し悪しなどは感じますか

 確かに春リーグに比べて状態は落ちているのかもしれないですが、それでも4年生はプレー以外のところでやってくれていることも多いです。いい状況を作るというのは僕の役割だと思うので、あとは自分が引っ張っていくというところを意識したいです。

――明日に向けての意気込みをお願いします

 明日は4年生に頼るのではなく、自分がチームを引っ張るということ、やってきた2週間のことを活かしたいのと、チームとしていい状況にならないこともあると思うので、そこはチーム全員で助け合っていければなと思います。

畑虎太郎(スポ2=福井工大福井)

――2試合をそれぞれ振り返っていただけますか

 まず1試合目は、正直なことを言うと2試合目のことが頭にあり、集中できていなかったので直さなければならないと思いました。日大戦は逆に集中して入ることができたので良かったと思います。チームとしてはやはり春リーグと比べてミスが少ないかと言われると全然そうではなくて。まだ直せるミスやつなげるボールがあると思うので、準決勝、決勝で直せたらなと思います。

――今疲労感はいかがですか

 出ていた時間としてはそこまで多くないですが、終わってみるとやはり疲れています。

――日大戦はかなりノリノリでしたね

 はい。朝、ちゃんと海苔を食べてきたんです。それでノリノリでいきましょうみたいな感じで、願がけしたのがよかったのかな。

――フェイクトスがありましたが、遊びか練習でやったことがあったのですか

 遊びでは結構やったことがあったのですが、試合は緊張してできないです。でも今日ちょっと「よしきた!」と思ってやったらうまくいったのでよかったです。

――水町選手はびっくりしていませんでしたか

 「お前できるんかー!」みたいな感じでした。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

 明日からは1試合しかないので、今日の1試合目みたいにはならずに、ちゃんと最初から全力を出し切れるように頑張りたいです。

佐藤遥斗(スポ1=東京・駿台学園)

――今日を振り返って

 途中から出させてもらったのですが、改善しなければならないところと上手くいったところが両方あったのでよかったと思います。

――改善したいところとは

 強いジャンプサーブに押されたときに結構崩れてしまうことがあったので、それはもっと綺麗に返せるようにならなければいけないと思いました。

――下級生主体のチームになったとき、佐藤選手が最後に託される場面も多いですが、どのようなことを意識していますか

 練習でやったことしか試合で出てこないと思っています。ストレートでブロックアウトか抜いて決めるということをずっと練習していたので、今日はそれが上手くできてよかったです。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

 スタートから出られなくても、しっかりチームに貢献していきたいと思います。