東日本大学選手権(東日本インカレ)が開幕した。直前まで4年生が抜けていたこともあり、試合ごとに調整をしていくことが必要になる今大会。早大はシード校として2回戦からの参戦し、国士館大と戦った。かみ合わずに簡単なミスが出る場面もあったが、サイドアウトを取り早大のペースで試合を進め、セットカウント3―0(25―18、25―16、25―16)で勝利した。
OP畑虎太郎(スポ2=福井工大福井)の緩急あるスパイクや、OH水町泰杜主将(スポ4=熊本・鎮西)のアタックで6-2と良い滑り出し。教育実習期間あまり体を動かすことがなく、合流後の練習に肩で息をしていたというMB伊藤吏玖副将(スポ4=東京・駿台学園)だが、それを感じさせない速いスイングのクイックをみせる。中盤、相手のサービスエースもあり14-13まで追い上げられたが、ツーにリベロ布台駿(社4=東京・早実)が反応し、水町が決めきるなど、落ち着いた対応で背中をつかませない。OH山田大貴(スポ4=静岡・清水桜が丘)、畑、MB麻野堅斗(スポ1=京都・東山)の高い3枚ブロックで20-15とし、この勢いのままセットを先取した。
片手でCクイックに持っていく前田
第2セットは、畑のバックアタックで幕を開けた。ブロックが整い始め、相次いでブロックポイントが出る。中盤に印象的だったのは、前田の華麗なセットアップ。あるときは伊藤へのクイックでやや乱れた相手ブロックを振り切り、ライトへと伸びるバックトス。畑がラインぎりぎりを抜くストレートスパイクを叩き込み10―6。また、あるときは伸びたレシーブを、ジャンプして片手でセット。麻野のクイックは惜しくもつながれたが、畑がブロックアウトを取って17-10とした。攻撃の手を緩めず、25-16でこのセットも奪った。
第3セットは、下級生が躍動した。序盤は畑にトスが集まり、鋭いスパイクでこれに応える。2本目が乱れた際も、水町がレシーバーのいないところを狙ってインナーに軟打を落とし込み13-11。中盤は水町がサーブで攻め、相手を突き放す。ここで、安食浩士(スポ1=宮城・東北)がコートへ。1度、サービスエースがノーカウントとなったものの、次のプレーでもノータッチサービスエースを決めた。さらに浅野翼(スポ3=宮城・東北)がセッター、滝谷照(スポ3=宮崎・日南振徳)がオポジットとして出場し、3年生以下主体のチームに。安食のレシーブから浅野のセット、佐藤遥斗(スポ1=東京・駿台学園)のアタックで23-15。最後は浅野が滝谷にボールを託し、3年生コンビが決勝点を演出した。
決勝点となった滝谷のスパイク
序盤に簡単なミスが出るなど、やや噛み合っていないような場面も見られたが、直近に合流したメンバーもおり試合を通して調整していくしかないと話していたのを考えると、個々人のプレーはブランクがあると思えないものだった。明日は、ダブルヘッダーのハードスケジュールとなる。メンバー交代も必要になってくるであろう中、今日の最終セットで下級生たちがのびのびとプレーし、良い形で終われたことの意味は大きい。次戦も誰が出ても強い早稲田を体現し、全員で勝ちきりたいところだ。
(記事、写真 五十嵐香音)
セットカウント | ||||
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早大 | 3 | 25-18 25-16 25-16 |
0 | 国士館大 |
スタメン | ||||
アウトサイドヒッター 水町泰杜(スポ4=熊本・鎮西) アウトサイドヒッター 山田大貴(スポ4=静岡・清水桜が丘) ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ4=東京・駿台学園) ミドルブロッカー 麻野堅斗(スポ1=京都・東山) オポジット 畑虎太郎(スポ2=福井工大福井) セッター 前田凌吾(スポ2=大阪・清風) リベロ 荒尾怜音(スポ4=熊本・鎮西) リベロ 布台駿(社4=東京・早実) |
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途中出場 | ||||
浅野翼(スポ3=宮城・東北) 滝谷照(スポ3=宮崎・日南振徳) 板垣慧(政経2=京都・洛南) 安食浩士(スポ1=宮城・東北) 佐藤遥斗(スポ1=東京・駿台学園) |
コメント
浅野翼(スポ3=宮城・東北)
――4年生がいない期間の練習を振り返っていかがですか
自分がその期間キャプテンをやらせてもらったのですが、自分たちが中々プレーで貢献できていなかった分、みんなに表現する機会があまりなかったので、たった2週間でしたが結構1日1日の重みを感じました。
――キャプテンを務める上で意識していたこと
自分が最初にやらないと、チームが動かないので、まずは自分がやることを第一にしました。そこから全員が活躍できるように、今まで試合とかでなかなかボールを触れなかった人含めて全員で層を厚くするとともに、東日本インカレに向けての調整という意味でもバランスよくみんなが頑張ってくれたので、いい感じに調整できたかなと思います。
――その期間はどういった練習をしていたのですか
とことん基礎練習です。基本的には組織練習というよりも個人の強みを自分で理解して、それを活かす練習をしていました。 コンビはやっていましたが、ゲーム形式はやっていないですね
――4年生がいない期間があった中で、今日の立ち上がりというのは外から見ていていかがでしたか
また違った早稲田が見えてきたというか、一皮むける段階なのかなという感じがしました。いつもだったらできているけど、さらに個人個人が高いものを要求しているからこそ出てしまう簡単なミスがありました。そこが合致したらもっと強くなるのかなと思いました。
――今日いきなり入られて佐藤選手や滝谷選手にセットされていましたが、ゲーム練はしていないということでご自身のプレーを振り返っていかがですか
あんまり良いパスが来なかったので自分の中で思っていた展開とは違ったのですが、意外とスタンダードな攻撃で、基礎練の間にも合わせてきた攻撃だったので自分の中で問題ないというか、自信をもって上げられました。
――最後滝谷選手が決めたプレーを振り返って
本当は真ん中か滝谷で最後まで迷っていたのですが、パスも割れてしまっていましたし、滝谷ならいけるかなと思って信じてあげました。
――次戦に向けて意気込み
明日は2連戦ということで、全員で戦わないと体力的にもきついと思うので。全員が出る覚悟を持って全員で勝ちに行って、最終的にはいい結果が出せるように頑張りたいです。
――今日最後あの形で終われたのはかなり自信につながりますよね
そうですね。セッターとしてあのような形で出るのは初めてだったので、突破口としては良いスタートだったと思います。
滝谷照(スポ3=宮崎・日南振徳)
――4年生がいない期間があった中で、今日の立ち上がりというのは外から見ていていかがでしたか
先輩たちが教育実習で抜けていてバレーができなかったと思いますが、すごい声が出ていて雰囲気はよかったです。でも何回かお見合いとかあったので、そこは4年生が明日以降切り替えてくれるのではないかなと思います。
――4年生不在の期間中は誰を中心にリーダーシップをとっていらっしゃったのですか
3年生全員と凌吾(前田)で、その中でも浅野がリーダー、凌吾がバイスリーダーという感じでやっていました。3年生の中でスパイクは誰が教えるとか役割分担をして、みんなで基礎を徹底してやっていました。
――滝谷選手がその期間中に意識していたこと
自分が松井先生に教わった意識するポイントとかを後輩に伝えながらやるということは意識していました。説明する時もポイントをしっかり伝えて練習に取り組みました。
――ご自身の持ち味は
自分はサウスポーなので、オポジットとしてサーブだったりスパイクだったり、攻撃でチームに攻撃していきたいです。
――次戦に向けて意気込み
明日は2試合連続で、楽な展開になることはないと思うので、今日できなかった声で連携をとるということを、コート内外問わず一緒に全員でやっていって、万全な状態で勝ち進みたいと思います。
安食浩士(スポ1=宮城・東北)
――今日の試合を振り返って
チームとしても自分としても初戦という中で、まずは自分の中で上級生がパフォーマンスしやすい環境づくりを意識していました。第3セットで試合に出させていただきましたが、4年生がいない期間中でしっかり3年生主体のチームで準備することができたので、その一部を自分が出せたのかなと思い、よかったです。
――最後サービスエースにバックアタックと大活躍でしたが、ご自身のプレーを振り返って
本当にそれはたまたまで。でも、凌吾さんからアイコンタクトがあって、「これ絶対自分に来る」って思って一瞬身構えていました。直前までドリンク作ってたりとか、準備は万端ではなかったのですが、その中でも最低限のプレーができたのかな思います。
――守備面についてはいかがですか
自分としてもこの身長で、同じポジションのまわりの先輩方と比べるとサイズが小さいのでレシーブをまだまだ頑張らなければいけないと思っていて。練習に特に力を入れられる期間で、レシーブに力をいれられたので、ちょっとだけですけど成果として出せたのかなと思います。
――1本目はノーカンとなりましたが2本目もサービスエースを決められた時の気持ちは
変な意味で力が入りすぎないように意識して打ったので、ちょっとほっとしたというか、ネットじゃなくてよかったという方が大きかったです(笑)。
――次戦に向けて意気込み
まずは1年生としてチーム全体をサポートするのと、もし出させていただいたら今まで通り自分の持ち味を出してチームに貢献していきたいです。