全日本大学選手権3日目、早大は中国大学リーグ戦王者・東亜大と対戦した。強烈なサーブとスパイクを繰り出す相手に対し、早大はしっかりとブロック、レシーブでつなぎ、引くことなく攻撃的なバレーを展開した。競り合う場面もあったが、終盤でしっかりと取り切り、セットカウント3-0(25-20、25-17、25-21)でストレート勝利を収めた。
第1セットからブロックタッチを取り、守備から攻撃へとスムーズに移ることができた。リベロ荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)が上げたボールをOH大塚達宣(スポ4=京都・洛南)が決め切り、立ち上がりから早大はエンジン全開。だが点差は動かず、7-6。ここでサーブが回ってきたOH水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)が2連続でサービスエースを決め、3連続ブレイクする。10-6と点差を広げ、ここからサイドアウトの奪い合いとなる。パワーのある東亜大のスパイクに対し、ブロックとフロアで連携を取り粘り強くつなぐ。そしてセッター前田凌吾(スポ1=大阪・清風)が落ち着いたトス回しを見せ、大塚のサイド、水町のパイプなど多彩な攻撃を繰り出した。終盤にはMB伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台学園)のサーブを起点に3連続ブレイクし点差を広げると、最後は前田とMB秋間直人(スポ4=愛知・桜台)がブロックを決め、セットを先取した。
トスを上げる前田
第2セットも水町のバックアタック、伊藤のクイック、大塚のスパイクと前田が巧みなトス回しを見せ、さまざまな攻撃を展開していった。中盤には2段トスをOP重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田)と水町が立て続けに打ち抜き、早大に勢いを与える。さらにここで3枚でのシャットアウトが飛び出し、10-5と点差を広げた。中盤以降もラリーからのクイック攻撃や、パイプ攻撃など、守備から速いリズムで攻め続け、じわじわと差を広げていく。最後は途中出場のOH山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)がバックアタックを叩き込んだ。
サーブでブレイクの起点となった伊藤
続くセットでも序盤から早大のポイントが先行した。5ー5の場面から大塚がパイプ攻撃を、重藤がサービスエースを決め抜け出す。その後も前田がツーアタックを、水町が3枚ブロックを打ち抜くパワフルなスパイクを決め、攻撃的なバレーを展開した。さらに連続でブロックを決め、18-14とリードを広げた。終盤には相手に点差を詰められてしまったものの、荒尾の好ディグから何度もブロックでワンタッチを取り、チャンスを生み得点へとつなぐ。最後は水町がラインぎりぎりにバックアタックを叩き込み、試合終了。強烈なスパイクを擁する相手に対し、攻める気持ちを絶やすことなく戦い抜き、ストレート勝利。準々決勝へと駒を進めた。
ブロックとフロアの関係性や個々の攻撃力など、早大は要所で強さを発揮した。明日迎えるのは、2回戦で明大を、3回戦で近大を打ち倒し、破竹の勢いに乗る国士館大。全てを懸けて果敢にぶつかってくる相手に対し、早大も一歩も引かずに攻める気持ちを前面に出していきたいところ。「明日も自分たちのバレーをしっかり出していけるように」(水町)。『早稲田のバレー』を体現できるのもあとわずか。明日もこれまでに培ったことの一つ一つを出し切り、次へとつながるバレーを展開できるか。目が離せない。
(記事 山田彩愛、写真 冷水睦実)
セットカウント | ||||
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早大 | 3 | 25-20 25-17 25ー21 |
0 | 東亜大 |
スタメン | ||||
アウトサイドヒッター 水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西) アウトサイドヒッター 大塚達宣(スポ4=京都・洛南) ミドルブロッカー 秋間直人(スポ4=愛知・桜台) ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台学園) オポジット 重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田) セッター 前田凌吾(スポ1=大阪・清風) リベロ 荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西) |
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途中出場 | ||||
中島明良(法4=京都・洛南) 山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘) 馬渕純(スポ2=岐阜商) 布台駿(社3=東京・早実) 芳賀雄治(商4=山形南) |
コメント
OH水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)
――今日の試合を振り返っていかがですか
一昨日や昨日からは一段階レベルが上がって、チーム力もすごく高いチームなので気合い入れていこうという話をして挑みました。レフトサイド中心に組み立ててくるので、サイドにプレッシャーかけていこうという話をしました。
――チーム全体のアタックを振り返っていかがでしたか
凌吾(前田)がうまく組み立ててくれて、うまくボールをさばいてくれていたかなっていう印象があります。
――今日は長いラリーからでも、得点につながっていた印象でした。トランジションについても振り返っていただけますか
今までは早大が取られるイメージが僕の中ではあるんですが、今日はしっかりつなぎ、トスが上がって、それを攻撃までつなげることができたというのが大きかったと思います。
――個人として良かった点を教えてください
インカレ通して、サーブが強く打てているのでそこは良かったと思います。
――明日の試合に向けて意気込みをお願いします。
どのチームと当たるかまだわからないですが、しっかり万全の準備をして、明日も自分たちのバレーをしっかり出していけるように頑張ります。
セッター前田凌吾(スポ1=大阪・清風)
――今日の試合を振り返っていかがですか
早大と比べても少し高い相手で、ここがインカレの一つの山になるかなと思っていました。チームとしては良い結果になりましたし、受けずに攻めることができたという点でチームとしても良いゲームができたと思います。
――攻撃の幅がとても出ていた印象を受けましたが、トス回しを振り返っていかがですか
今日は良いところに上げられたイメージがあります。ですが、まだまだトスが浮いているところもありますし、詰めていけるところもあると思います。クイックを使えたのは良かったと思うので、明日もセンター線を使えるところはしっかり使えるように頑張りたいです。
――緊張してしまうと言っていましたが、今日も緊張しましたか
1セット目のスタートは緊張しました(笑)。ですが、緊張することも僕の中では大事なことです。それを超えてしっかりと1年生らしくプレーすることが僕にできることだと思っています。チームを盛り上げることも頑張っていきたいと思っています!
――明日以降、この先に向けて調整していきたい部分はありますか
トスの上げ方を変えてから、サイドのトスが漏れてしまったりして、まだまだ完成しきれていない部分があります。その中でももう試合という状況下になったので、試合の中でサイドのトスを見つめ直して、トスを合わせていきたいです。あとは、クイックだとかセンター線を大事にしてあげることを意識していきたいと思っています。
――長いラリーからでも得点していました。トランジションについて振り返っていただけますか
ブロックがしっかりワンタッチを取れていたので、そこから焦らずにしっかりとトスを上げられるようになったことが、秋を超えてチームとしても自分としてもできるようになったところです。明日もそこを詰めて頑張っていければなと思います。
――明日の試合への意気込みをお願いします!
準備をしっかりして、自分たちのかたちでしっかりと試合に入れるようにしたいです。僕自身の課題も見つかったので、動画を見て見直して、明日の分析もしっかりして、頑張れたらいいなと思います!