3年ぶりの全早慶明戦 最終局面で逆転し、全慶大にストレート勝利!

男子バレーボール

 3年ぶりに、3校による伝統の戦い「全早慶明定期戦」が行われた。1試合目は、秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)で1部へと返り咲いた全慶大との対戦。緩めのボールも織り交ぜながら冷静に得点し、第1セットを危なげなく先取する。第2セットは、後半に全慶大エース・松本善輝のスパイクに苦しめられリードを許したが、OH水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)を中心に点を重ね逆転する。最後はOP重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田)がサービスエースを決め、セットカウント2-0(25-20、26-24)でストレート勝利を収めた。

 第1セットは、バックアタックにクイックと、セッター前田凌吾(スポ1=大阪・清風)の華麗なトスワークで幕を開けた。重藤のブロックや、MB伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台学園)のサービスエースで7-4と一気にリードを広げる。中盤は、OH陣が緩急をつけた攻撃で相手の守備を翻弄(ほんろう)し、リードを保ちながら終盤へ。MB岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市尼崎)のクイックでセットポイントを握ると、相手のフェイントを3枚ブロックで阻み、第1セットを先取した。

トスを上げるセッター前田

 2戦目の全明大戦に備え、勝ちきりたい第2セット。中盤はブロックでワンタッチを取りながら、抜けたボールもリベロ荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)中心につないだ一方、レシーブが伸びたところをダイレクトで叩かれるなど嫌な失点でリードを許す。前田の鮮やかなツーなどで追い上げ、全慶大の背中をとらえかけたがまた離れ15-17と依然追う展開に。そこからはエース同士の打ち合いとなった。相手の好守備で、一度で決めきれない場面でも、水町がリバウンドやブロックアウトで打ち分けながら要所で決め23-23。ここで、良い流れで決めていた水町がシャットアウトされ、セットポイントを握られる。やはり早慶の戦いはフルセットにもつれ込むのか、と7月の早慶定期戦の記憶がかすめた。しかし秋季リーグ戦の後半以降、終盤の勝負強さを発揮してきたのが早大だ。デュースに持ち込み、OH大塚達宣(スポ4=京都・洛南)のバックアタックで逆転。最後は重藤がサービスエースで勝利を決めた。

サーブで試合を決めたOP重藤

 全早慶明定期戦は、OBの選手も参加するとあってイベント的な側面もあるが、岩本主将が「この時期にできる貴重な試合としては、インカレに向けて非常に良い位置づけ」と述べたように、盛り上がりつつも集中力を発揮し、しっかり勝ちきった試合であった。最大でもたった3セットしかない短い試合の中で、相手のペースになった際にも押し切られずに、逆転してストレートで勝利できたのは大きい。とはいえ、まだまだこれから「磨きをかけ詰めていくところがある」というのが選手たちの共通の認識だ。早稲田が再び覇者として頂点に立つため残り1カ月、ラストスパートをかける。

(記事 五十嵐香音、写真 山田彩愛、山田真由)

 

円陣を組む選手たち

 

セットカウント
早大 25-20
26ー24
慶大
スタメン
アウトサイドヒッター 大塚達宣副将(スポ4=京都・洛南)
アウトサイドヒッター 水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)
ミドルブロッカー 岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市尼崎)
ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台学園)
オポジット 重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田)
セッター 前田凌吾(スポ1=大阪・清風)
リベロ 荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)
途中出場
中野博貴(OB、平30教卒=東京・早実)
前田真治(OB、平30政経卒=京都・洛南)
 
コメント

MB岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市尼崎)

――1年生ぶりの早慶明はいかがでしたか

 OBさんも入っての3チームによる定期戦ということで、普段とは違う雰囲気もありながらでした。この時期にできる貴重な試合としては、インカレに向けて非常に良い位置づけの試合だと思います。その辺は気持ちの面も良い状態で入ることができました。3年ぶりの定期戦でしたが、慶大も明大も知り合いが多いので、すごく楽しく2試合できました。

――クイックなど、コンビの完成度はいかがですか

 春夏と比べると良くはなっているのですが、まだ使いどころやトスに対してどういった打ち方をするか、そもそもどういう攻撃に入るかというところはまだまだこれから調整して詰めていくところだと思います。単発のコンビという点では練習でやってきたので、あとは試合でどれだけしっかり使えるかというところを、ゲームを通して詰めていきたいです。

――トータルディフェンスについては

 まあよかったんのではかなと思っています。インカレ(全日本大学選手権)は上に行けば行くほど、サイドアウトだけでなくブレイクしていかないと勝てない相手になってくるので。そこに関しては夏過ぎからやってきたところではあるのですが、ブロックも一つの課題です。今日は良いイメージで相手の状況を頭に入れながら対応できたので良かったと思います。

――課題がブロックということですが、インカレに向けまだ残っている課題などほかにあれば教えてください

 今日はちょっとあのネットのせいでちょっとやられたところがあったのですが(笑)。サーブがまだまだですね。一応コントロールサーバーとして、相手の嫌なところにミスを少なく攻めていけるかということが役割だと思います。その辺サーブは役割の認識と、どこに打っていくかというところを1カ月で調整していきたいです。攻撃に関しては悪くないので、チームとして総合力を上げて臨めるようにしたいと思います。

――あのネットはやはり感覚が狂いますか

 ジャンプサーバーはかなりやられましたね(笑)。

――インカレに向けて意気込みをお願いします

 特に厳しい1年だったので、最後しっかり結果を残せるように。主将としてもですが、一選手としてもう一度チームを勝たせられるように1カ月やっていきます!

 

OP重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田)

――1年生時以来の早慶明戦でしたが、いかがでしたか

 雰囲気とかを忘れていましたが、始まったら「ああこんな感じだったな」みたいな。OBの方と楽しくやれていたなというのを思い出しました。

――慶大戦では序盤にミスが見られた場面もあり、後半そして明大戦と調子を上げたような印象でしたが、ご自身のプレーについて振り返っていかがですか

 1試合目は、ここの体育館が久々だったので、ライトは問題ありませんでしたが、凌吾(前田、スポ1=大阪・清風)も初めての体育館で、バックライトのトスがまだ合っていなかったときに自分がミスを出してしまったなという印象です。明大戦は、ちょっとトスが合わなくても会場にも慣れて、良い感じのコースに打ちにいったり、こなしたりとそういうメリハリがつけられていたかなと思います。

――2試合とも最後の得点を決められていましたが振り返っていかがですか

 1試合目は、2セット目の中盤で自分がチームに迷惑を掛けたので、最後良いサーブを打って崩せればいいなと思っていました。サービスエースになってラッキーでした。最後は冷や冷やしましたが、馬渕(純、スポ2=岐阜商)に「パス返ったらパイプ上げろ」と言っていて。そうしたら自分に上がってきたので、びっくりしつつ打って、決まったからラッキーって思っていました。どっちもラッキーです(笑)。

――インカレに向けてどのような練習をしていきたいですか

 達宣(大塚副将、スポ4=京都・洛南)が帰ってきてまだ試合とかを重ねられていないので、どんどんゲームライクというかチーム練習を重ねていって、細かいところを詰めていけたらいいかなと思います。