国際武道大にストレート勝利 天皇杯本選出場を決めた!

男子バレーボール

 天皇杯全日本選手権(天皇杯)予選関東ブロックラウンドの初戦を勝ち上がった早大は、国際武道大との決定戦に臨んだ。早大はリズムに乗り切れない中、接戦の末1セット目を取る。続く第2セットは、試合終盤にOH水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)のサーブからの8連続得点で一気に突き放し、セットを大差で連取。セットカウント2-0(25-23、25-12)で勝利し、天皇杯本戦への出場を決めた。

 

 試合はOH大塚達宣(スポ4=京都・洛南)の強烈なスパイクで始まった。序盤で4点差をつけるが、サーブがネットに掛かる場面が何度かみられ、なかなか流れを引き寄せることができない。その間もサイドアタッカー陣を中心に得点したものの、終盤に3連続で得点され19-19に。ここで相手のミスが重なり、リベロ荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)のディグから水町がスパイクを決め点数を引き離した。その後は互いに点を取り合い、25-23で第1セットを先取した。

トスを上げる前田

 そのまま勝ち切りたい早大は、早稲田バレーらしい多彩な攻撃を披露する。サイドアタッカー陣は強打と軟打を使い分け、相手レシーバーを前後に揺さぶる。MB岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市尼崎)の速攻や岩本と大塚のパイプ攻撃など、センター線でも得点を重ねることで、狙いを絞らせないセッター前田凌吾(スポ1=大阪・清風)のトス回しも光った。極めつけは水町のスパイクからの8連続得点だ。サーブで相手の体勢をくずし、チャンスボールが返ってきたところをOP重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田)、大塚、途中出場のOP山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)、岩本らアタッカー陣が好機を逃さずに得点し、水町自身も2度のサービスエースでチームを盛り立てる。ここで一気に24-11まで持ってきた早大は、そのまま逃げ切り25-12でセットを連取。2セット目に国際武道大に許したブレイクは一度だけという圧倒ぶりで、天皇杯本戦へと駒を進めた。

自身のサーブを起点に8連続ブレイクを演出した水町

 第1セットでは早大のペースで試合を運ぶことはできなかったが、それでもセットを落とすことなく第2セットでの大差をつけた勝利につなげられた。ここから調整を重ねて今回見えた課題をクリアしていけば、さらに手強い相手でも早大らしいバレーを展開することができるだろう。格上のチームも多い本戦で、どこまで自分たちの力が発揮できるか。そして全日本大学選手権(全日本インカレ)に向けて、今回出た課題をどう修正して臨むのか。1年の集大成に向け、早大の進化はまだまだ続く。

(記事 新井沙奈、写真 山田彩愛)

 

セットカウント
早大 25-23
25ー12
国際武道大
スタメン
アウトサイドヒッター 水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)
アウトサイドヒッター 大塚達宣(スポ4=京都・洛南)
ミドルブロッカー 岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市尼崎)
ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台学園)
オポジット 重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田)
セッター 前田凌吾(スポ1=大阪・清風)
リベロ 荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)
途中出場
山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)
中島明良(法4=京都・洛南)
馬渕純(スポ2=岐阜商)
 
コメント ※コメントは国際武道大戦と併せたものとなっております

MB岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市尼崎)

――久しぶりのスタメン出場となりましたが、ご自身の状態やバレーボールの感覚についてはいかがでしたか

 感覚はあまり良くなかったのかなと感じています。ゲームを通して試合に出ること自体が久しぶりだったので、試合勘が鈍っていたところがありました。そういったところでいうと、1試合目の時の方が僕自身としては感覚が良くて。国際武道大戦では、僕のミスから他のプレーにも影響が出てしまったので、そのあたりのメンタルのコントロールがしきれなったかった部分があったと思います。

――「安定感」という部分ではチームの状態は全カレ(全日本大学選手権)に向けて良いかたちになってきていますか

 そうですね。ちょっとしたきっかけでのミスから中大戦では敗北につながってしまったので、そこを詰めることを今週はやってきました。今日の試合を振り返ってもレセプションがすごく安定してきたということは、パスを入れてもらう身として感じました。そこの部分では秋を経ての変化を感じます。しかし1本目が安定しだした分、2本目、3本目との差が見られるので、そのあたりを練習していきたいと思います。

――チーム全体として今日の2試合を通して収穫は

 大塚(達宣副将、スポ4=京都・洛南)が帰ってきた今のメンバーで試合ができることだけでも収穫だと思っています。そこでどれだけできるのかというところを試すことができたので、先週に引き続き良かったところです。

――個人としてプレー面で収穫や課題はありましたか

 課題としては、ゲームの中でのサイドとミドルのブロックの合わせ方であったりだとか、感覚的なところで僕はチームを離れていた分、馴染めなかったところがありました。ところどころ良いプレーもあったので、悪いところを修正するというイメージではなく、良いところを伸ばしていくイメージでここから先インカレに向けて頑張っていきたいと思っています。

――早慶明戦に向けての意気込みをお願いします!

 明治には高校時代との同期や後輩もいるので、楽しく試合ができればいいなと思っています。インカレに向けて弾みがつく定期戦にしたいです! 

 

リベロ荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)

――1試合目の振り返りをお願いします

 初戦のところは、今までずっと対戦してきた関東1部の学生らしいというか元気にやってくるチームとは違って大人のチームだったので、雰囲気を作るのがすごく難しかったです。ただ試合ではみんな一人一人の役割や基礎基本、やらなければならないことが技術的な部分でしっかりできていたかなと思います。でも雰囲気が作れていないというのも現状としてあるので、今後インカレに向けてもボールが動いているときの声をもっと大切にした方がいいなと思いました。

――では2試合目の振り返りをお願いします

 決定戦の時は1セット目のハプニングからその後のずるずる感というか、一つ一つをしっかりやっていけばいいところを、自分たちで自分たちの首を絞めている感じがありました。どんな状況になっても、松井先生がよくおっしゃる「軸をぶらさない」という意識で切り替えて、「何ができるか」とか「何をしなきゃいけないか」を一人一人が考えられていないというのもあったのかなと思います。人任せにならずに、それぞれがもっと個人としても戦える人にならなければいけないのかなと1セット目を終えて感じました。2セット目はサーブアンドブロックなど自分たちがしたいバレーができていたと思います。その1セット目のぐだぐだした感じが、今季まだどこのタイトルも取れていない原因が出たのかなと思いました。

――チームのディフェンス面ではどんな収穫がありましたか

 初戦では相手があまり良い状態で打ってくるシチュエーションがなかったので、しっかりブロックをそろえて脇にレシーバーが入ってということができました。決定戦の時はブロックとレシーブの連携がうまくいかずに、「もっと上がるボールあるのに」とか「ブロックでもっと引っ掛けられるのに」という場面がすごくありました。抜け球に関しては1年間通してみんな反応も良くなってきて、コート内に収めるということができてきましたが、絶対に欲しい1点を取るための1本目の精度がまだ低いのかなと思っていて、そこは個人としてもチームとしても精度を上げていくことでもっといいディフェンスができると思いました。

――自身のプレーについてはどう評価していますか

 決定戦の時は2、3本取りそびれたボールがあって、そこがしっかりできていればもっといい点数で試合が運んだと思います。そこを取り切れない現状もしっかり受け止めた上で、いつもよりはすごく楽にバレーができたというかいい意味で力が抜けてプレーできたので、インカレでは力が入ってしまうと思いますが今日の感覚を忘れずにやっていけたらいいのかなとは思います。

――春からチームでレセプションアタックに力を入れていますが、完成度はいかがですか

 フローターサーブに対してのレセプションアタックは強くなってきました。ですがジャンプサーブやハイブリッドサーブの時に、ボールが割れたとしてもクイックが使える割り方にしていかないと欲しい点数が取れなくて落とすセットもあるので、キープするボールの質も高めていけたら、もっといい数字も残せると思いますし、勝てる確率も上がってくると思います。

――早慶明戦に向けて意気込みをお願いします

 早慶戦はちょっとずつやらせていただきましたが、早慶明戦は初めてで3年生以下はどんな感じなのか知らないです。インカレの良い準備期間として楽しんでやれたらいいなと思います! 

 

OH水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)

――今日の試合を振り返って

 初戦の東京ヴェルディ戦は、ひとつカテゴリーが上のチームに対して点差を付けて勝てた部分は良かったのかなと思います。細かいミスやブロックやフロアの関係性などはできていない部分もあったので、もっと全カレに向けて詰めていく必要があるなと感じました。国際武道大戦は、チャンスボールが相手に返ってしまったりだとか、取れるところで取り切れない凡ミスが多かったので、上のレベルではそれが命取りになってくるので、しっかり詰めていきたいです。

――ご自身のサーブで終盤に連続ブレイクされていましたが、サーブについてはだいぶ手応えはありましたか

 対角線をしっかり打ち抜くことができました。大貴(山田大貴、スポ3=静岡・清水桜が丘)とかが「力抜いて」などの声掛けをしてくれるので、そういうのも力になっていますね。

――守備も安定感がありましたが振り返ってみていかがですか

 レセプションは崩されてしまった部分もあったので、もっと頑張らなきゃいけないなと感じました。ディグは狙ってAパスを上げるのは難しいものなので、ブロックとの関係性を見直したり、「上がればいい」くらいのメンタルで、それでももっとディグ率を上げるためには、ブロックとの連携をもっと取れるように。僕自身もブロックの面の形などにこだわっていきたいです。

――チーム全体の攻撃面で良かった点は

 凌吾(前田凌吾、スポ1=大阪・清風)が今日はライトを多く使おうとしているのかなという意識を感じました。秋リーグの終盤戦で、レフト、クイックにブロックを絞られてしまったことを凌吾なりに考えてライトを多く使おうとしていたので、それは良かったのかなと思います。

――逆に全カレに向けてもっと磨いていかなければいいけないと感じている部分はありましたか

 ラリー中のクイックもチームとしての課題にはなってくるので、1本目の質であったり、クイックを上げられるパスを返すことに力を入れて、チーム全体でクイックをラリー中も使うという意識を上げていければいいなと思います。

――早慶明戦に向けての意気込みをお願いします!

 早慶明戦は初めて挑む大会になるのでどういうものなのかもまだわからないのですが、インカレ前の貴重な試合になるので1本1本を大事に頑張りたいと思います!