リベンジ果たす 筑波大にストレート勝利で開幕7連勝!

男子バレーボール

 秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)7戦目、早大は筑波大と対戦した。筑波大とは6月の東日本大学選手権(東日本インカレ)準決勝以来の顔合わせとなるが、その時は接戦の末敗北を喫している。第1セット、第2セット共にサイドアウトの応酬(おうしゅう)となり、ほぼ点差がないまま20点台に突入。早大は終盤にOH山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)のサーブでブレイクし、セットを連取した。第3セットでも拮抗(きっこう)した戦いを繰り広げたが、しっかりと決め切り、セットカウント3-0(26-24、25-21、25-21)でストレート勝利。東日本インカレでのリベンジを果たし、秋季リーグ戦7勝目を挙げた。

 

 第1セットは序盤から競り合う展開となった。早大はクイックやサイドからのスパイクで得点するも、サービスミスが続きなかなかブレイクすることができない。一方の筑波大は細かいブレイクを重ねリードを奪うと、早大が筑波大を追う展開のまま試合は終盤へと差し掛かった。20-23とここで点数が欲しい場面、山田がクロスコースへスパイクを決める。その山田が強気のサーブで相手を崩し、OH水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)がブロックアウトで得点。山田の勢いは止まらずさらにサービスエースを2連続で決め、早大は4連続得点で24-23と逆転した。その後相手に1点を返されデュースにもつれこんだが、相手がミスをし、早大がセットを先取した。

丁寧なレシーブで攻撃の起点を作るリベロ荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)

 

 2セット目は、開始早々にMB伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台)のクイックが立て続けに決まった。MB陣を中心として3枚ブロックで相手をシャットアウトするなど、攻守で躍動した早大だったが、1セット目同様点差が開かないまま20点台へ突入した。20-21の場面で山田のスパイクが決まると、水町も追撃。サイドからの攻撃で終盤に猛攻を見せると、最後は山田のサービスエースで25点を取り、5連続得点でセットを連取した。3セット目に入ってからも、水町、山田、伊藤中心に得点を重ねていった。相手のブロックを利用したスパイクや、セッター前田凌吾(スポ1=大阪・清風)のツーアタックも決まり、相手を翻弄(ほんろう)する。またも互角の戦いとなるが、このセットでも終盤に早大が勝負強さを見せた。ブロックで相手攻撃を阻み、マッチポイントを握ると、最後は水町がスパイクを叩き込み、試合終了。接戦を見事制し、春からの成長を示すようなストレート勝利となった。

ブロックする伊藤(左)と水町

 

 「ここからもう1点という場面でのチーム全員としての得点が増えてきた」と試合を振り返るMB岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市尼崎)。その言葉通り、今日の試合では終盤の勝負どころ、得点が欲しい場面でしっかり決め切れていた姿が印象的であった。次は強敵・日体大、春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)で惜敗した順大との連戦が控えている。タフな試合が続いていくが、早大らしいバレーで勝ちを重ねていきたいところだ。

(記事 山田真由、写真 山田彩愛、新井沙奈)

 

セットカウント
早大 26-24
25-21
25ー21
筑波大
スタメン
アウトサイドヒッター 水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)
アウトサイドヒッター 山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)
ミドルブロッカー 秋間直人(スポ4=愛知・桜台)
ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台学園)
オポジット 重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田)
セッター 前田凌吾(スポ1=大阪・清風)
リベロ 荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)
途中出場
中島明良(法4=京都・洛南)
岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市尼崎)
浅野翼(スポ2=宮城・東北)
 
コメント

MB岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市尼崎)

――東日本インカレでのリベンジとなりましたが、今のお気持ちは

 東日本がどうかということよりかは、試合に出たメンバーと、アップの時から温かい雰囲気を作ってくれた1年生をはじめとしたメンバーも含めて全員で、修正してスタートから入ることができました。それがストレート勝利という結果に結びついたのかなと思っています。

――秋の試合では終盤での連続得点がよくある印象ですが、春からの成長を感じますか

 中盤の連続得点でというよりかは、「取りたいときに得点をとる」とか「ここからもう1点」という場面での、個人としての得点ではなく、チーム全員としての得点が増えてきたのかなと思います。

――今日の試合は全体としてブロックがよく機能していた印象でしたがそちらについては

 自分自身としてはダメだったのですが(笑)。アナリストが中心となって緻密なデータを出してくれたので、僕もそれを見ながら指示を出すことができましたし、そのデータを元にみんながブロックを決めてくれたのかなと思います。

――チームとして今日の試合の収穫は

 昨日の試合(中大戦)が延期になって、試合へのモチベーションの持って行き方が難しい部分がありました。ですが昨日、前回の試合の課題などをしっかりと練習できたので、今日の試合でそれを生かすことができたことが収穫かなと思います。

――日体大戦への意気込みをお願いします!

 来週対戦する順大さんには春(春季関東大学リーグ戦)で負けていますし、日体大さんはここまで順調に勝ってきていて、どちらも手強いチームだと思います。できることは少ないかもしれませんが、もう一度集中してこの1週間やっていきたいです。

 

リベロ荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)

――東日本インカレのリベンジが懸かった試合でしたが、どのような気持ちで臨みましたか

 チーム的には東日本のリベンジをしようというところが大きかったのですが、個人的にはそういうことにとらわれすぎず、自分のプレーをしっかりやることと周りの雰囲気づくりをテーマに掲げて今日の試合に臨みました。結果として3-0で勝てたのは大きいと思います。後半戦もきつい戦いが続きますが、その1戦目ということでいいスタートが切れたと思います。

――ブロックでの得点も多くありましたが、トータルディフェンスの部分はどのように考えて動きましたか

 昨日は試合がなくなって練習をしたのですが、その時にブロックとレシーブの関係だったり、チャンスボールでブロックをどう飛ぶかということ、(ディフェンスの)下がり方などを再度確認しました。そこでみんなもデータがしっかり頭に入って、やるべきことを明確にできた結果が、ポイントやつなげるボールに出たのかなと思います。

――レセプションアタックについての振り返りをお願いします

 筑波さんはジャンプサーブが強くて、すごく勝負してくるというか押されることが多かったです。東日本やこのリーグ戦では、チーム全体で(レセプションが)相手コートに返ったり、サーブからの1本目が直接得点につながることがすごく多くて。それを減らすためにも、きついサーブはアタックラインに高さをつけて上げることを、しっかりとチームで意識を統一してできました。持っていけるボールはしっかり持っていくという割り切りが今日はしっかりできたので、その点に関しては自分の役割は7割8割は果たせたと思います。

――ディグなどで体を張ったディフェンスが要所で見られましたが、手応えはありましたか

 体がまだまだ弱いので、今そこを中島明良(法4=京都・洛南)さんと一緒にトレーニングしていて、細かいところまで指導してくださっています。おもりを上げるだけではなく、プレーにつなげられるようなトレーニングがしっかりできているので、そういうところでは成果が発揮できたのかなと思います。ただ、フリーボールのときに自分が1本目を取るという自覚がもっと出てこないと、これから先のインカレ(全日本大学選手権)だったりは戦えないというか、絶対に欲しい1点がもらえないので、自分がもっと1本目を触る責任感と自覚を持って、周りを動かしたり自分からボールに行ったりしたいと思いました。

――次戦に向けての意気込みをお願いします

 相手が変わっても自分たちがするべきことは変わらないので、しっかり明日休んで火曜日から基礎を大切にしながら練習していきたいです。相手のデータも頭に入れて、何をするべきかをもう一度明確にして、試合では自分の役割を全うできたらいいなと思います。

 

セッター前田凌吾(スポ1=大阪・清風)

――東日本インカレでのリベンジマッチとなりましたがどんな気持ちで試合に臨みましたか

 秋リーグを通して少しずつチームとして良い状態になってきました。やはり自分たちのやることをしっかりやろうということを意識して臨みました。一人一人が役割を100パーセント果たそうということを意識して、それができていたのかなと思います。

――前田選手自身としてもその役割は果たせましたか

 まだまだできる部分はあったと思うのですが、できていなかったことを試合で修正したり、先輩方からの話を聞いたりしてできたこともありました。次につながるゲームにはなったのかなと思います。

――ツーアタックなど積極的なプレーが見られましたが、攻めることを意識されたのですか

 攻めることはあまり意識していなくて(笑)。感覚的というか、試合の流れの中で出たプレーでした。やはりスパイカーが頑張ってくれていたり、特に4年生が練習中からブロックやトスについて、僕ができていないことを随時声をかけてくれたりしていています。それがあって、自分から点を取りに行くことにつながったのかなと思います。

――長いラリーが多い中で、トス回しの部分でどんなことを意識しましたか

 サイドが今日は決まっていたので、そこに丁寧にトスを持っていくことを意識しました。今まで高校と大学(バレーボール)の差があって、トスが速くなったり短くなったりしていたのですが、日を重ねるごとにトスに安定感が出てきたのかなと思います。今日は3セット目に勝っているとき点数を取り急いだ場面はありましたが、それ以外は良かったのかなと思います。

――今日の試合の収穫は

 やはり3-0で勝ち切れたことは大きいです。4年生と試合する時間も減っていくので、大塚さん(大塚達宣副将、スポ4=京都・洛南)が戻ってきたときに、大塚さんに頼るのではなく、しっかりと自分たちが作り上げてきたものを100パーセント出せるように頑張って行きたいと思います。

――日体大戦への意気込みをお願いします!

 日体大さんはしつこくプレーすると思うので、僕たちも今日の試合のように粘り強くやっていければ良い試合になるのではないかと思います。まずは練習からしっかりと取り組んで、良い状態で迎えられるように頑張りたいです。