圧巻の10連続得点! ブロックで魅せ専大に勝利した  

男子バレーボール

 秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)2日目、早大は専大と対戦した。接戦となった第1セットを取り切り、その流れに乗り第2セットも連取する。そのまま第3セットを奪いたかったところだが、専大のスパイカーが意地の反撃をみせ、第3セットを落としてしまった。続く第4セット、中盤までは均衡した試合展開となったものの、早大ブロックが躍動し一気に大量ブレイク。そのまま試合をものにし、セットカウント3-1(25-23、25-20、20-25、25-15)で勝利を収めた。

 

 第1セットは抜きつ抜かれつのゲーム展開となる。序盤、ブロックが奏功し、リベロ荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)がナイスレシーブ。上がったボールをセッター前田凌吾(スポ1=大阪・清風)が上手く処理し、OH水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)がバックアタックを叩き込んだ。ここで4連続ブレイクしたものの、今度は相手が連続得点し12-14と逆転されてしまう。だがOP重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田)のサーブから攻撃のリズムが生むと、OH山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)のスパイクや、水町のバックアタックが決まる。重藤はサービスエースも決め、さらにチームを勢いづけた。この場面での5連続得点で17-14と逆転に成功。だが再び専大の追い上げにあい、18-20と先に20点の大台に突入したのは専大であった。勝負どころの場面、荒尾に代わりコートに入ったリベロ布台駿(社3=東京・早実)が、相手の強烈なスパイクをレシーブ。この好機を山田が確実に仕留めきり、再び逆転すると早大がセットポイントに到達した。最後は相手がサーブミスし、25-23でセットを取り切った。

 

粘り強いレシーブを見せたリベロ布台

 

 第2セットは大量ブレイクこそなかったものの、細かいブレイクとサイドアウトを取ることができた。布台がディグを上げ、MB伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台学園)がAクイックを決める。相手のスパイクをなんとかつなぎ、高く上がった二段トスを山田が2連続で打ちぬくなど、守備からの攻撃を得点に結ぶことができた。多彩な攻撃を展開し各々が得点すると、25-20でセットを連取した。第3セットでも粘り強いつなぎからの攻撃をみせたが、レセプションの乱れや相手スパイカーの勢いもあり、中盤から追う展開に。重藤、水町、山田がサイドから反撃をみせたものの、追いつくことができず。このセットを20-25で落とした。

 

第4セットで得点を量産したMB秋間のクイック

 流れを変えたい第4セット。序盤から相手が立て続けにクイック攻撃を決め、5-8と専大のポイントが先行していた。これに対し、前田が強気のトス回しをみせ、MB秋間直人(スポ4=愛知・桜台)と伊藤の両ミドルがクイックで得点を量産。15-15と相手に追いつくと、ここから早大が怒涛(どとう)の連続得点をみせる。荒尾の鮮やかなレセプションから山田がバックアタックを叩き込み、甘く返ってきたチャンスボールを秋間がクイックで決め切る。16-15となり、ここから秋間、水町、重藤を中心として何度も相手のスパイクをブロックで封じた。どんどん点差を広げていくと、堪らず相手がタイムアウト。このタイムアウト明けでも早大の勢いが止まることはなかった。そしてブロックを中心として一気に10連続ポイントを挙げ、勝利を決めた。

 

 

 開幕2連勝と幸先の良いスタートを切った早大。終盤の連続ブロックや、サーブの威力、粘り強いつなぎなど、各々が着実に進化していることを要所で示した2試合となった。大塚達宣副将(スポ4=京都・洛南)を欠き、メンバーが完全とはいえない状態でも「勝ち取ることができたということは大きい」(前田)。また前田が「トスが合わない部分があった」と振り返るが、課題があるなかで勝利をつかんだことは、課題が修正されたときの更なる伸びしろを期待させる。まだまだ秋季リーグ戦も始まったばかり。これから更なる厳しい戦いが待ち受けているが、まずは目の前の一戦を全力で戦い抜きたい。

 

(記事、写真 山田彩愛)

 

セットカウント
早大 25-23
25-20
20-25
25ー15
専大
スタメン
アウトサイドヒッター 水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)
アウトサイドヒッター 山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)
ミドルブロッカー 秋間直人(スポ4=愛知・桜台)
ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台学園)
オポジット 重藤トビアス赳ゲームキャプテン(スポ4=神奈川・荏田)
セッター 前田凌吾(スポ1=大阪・清風)
リベロ 荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)
途中出場
布台駿(社3=東京・早実)
 
コメント

リベロ布代駿(社3=東京・早実)

――今日の試合を振り返って

 サーブが良い相手だったので、それに序盤苦しめられたなという印象がある試合でした。

――普段レセプションにあまり参加されてない中で難しさはありましたか

 最近はディグリベロをやることが多かったので、ディグとレセプションの両方をやるとなった時は心の準備ができてなかったです。でもやるしかなかったので、みんなに助けてもらいながらなんとかやりきれました。

――ディグでチームを救う場面がありましたが、ディグを振り返って

 自分の持ち味はディグだと思っていて、結果的に試合の中でディグでチームに貢献することができたところは、すごく良かったのかなと思います。

――手応えはいかがでしたか

 専大との対戦での(ディグの)感覚があったので、そこまでマイナスな状態ではなく試合に入れたのかなと思います。

――夏の成果は発揮できましたか

 そうですね。夏の合宿で怜音(荒尾怜音、スポ3=熊本・鎮西)と2人でリベロをやったりだとか、怜音がレセプションで、僕がディグでプレーしたりだとかを練習して今の形になっているので。そこは練習の成果が出たのかなという風に思います。

――荒尾選手と良くコミュニケーションを取られていましたね

 いつもはライバルですが、コートに入れば仲間なので、お互いの良いプレー、悪いプレーを指摘しあっています。相手が何をしてきているのか、どうやって対応していくのかを2人で話し合っています。

――最後に次戦への意気込みをお願いします!

 スタートになるかはわかりませんが、出場した際はチームに貢献できるように頑張りたいと思います。

 

セッター前田凌吾(スポ1=大阪・清風)

――対戦相手の印象は

 乗ったら強さを増すチームで、良いスパイカーがそろっているという印象でした。結構良い試合になるのではないかなと思っていました。

――今日の試合でのトス回しを振り返って

 U20から帰ってきて、全然練習ができていなくて。フルでトスを上げたのが久しぶりだったので、トスが合わない部分がありました。そのことに対しては、チームとして了解していたのですが、3セット目にはもたついた部分があったのでそこを修正していきたいと思います。

――第4セットはクイックを多用されていましたがそちらについては

 松井先生(松井泰二監督、平3人卒=千葉・八千代)の判断でした。それまでも全体的に真ん中を通そうとしていたのですが、キャッチが安定してきたのでもっとクイックを通せるのではないかと考えました。4セット目はかなり良いクイックが通せたのかなと思います。

――自分のプレー振り返って

 松井先生に言われたことはしっかりとできた部分はありました。ですがコンビが合わないことで、自分の中で不安が多いことがあって、チームとしてもそれが不安要素になってしまいました。それでも勝ち取ることができたということは大きいので、来週に向けてまた考えてやっていきたいと思います。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

 海外で経験して良くなったところもあるのですが、やはり個人ではなく(バレーボールは)チームスポーツなので。個人としてではなく、組織力を上げるためにこの1週間コンビを完璧に近い状態までもっていきたいと思います。