夏の成果を随所で発揮し駒大に勝利!  

男子バレーボール

 ついに秋シーズンが幕を開けた。秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)初戦となる本日、早大は春季関東大学リーグ戦12位の駒大と対戦した。第1セットを先取したものの、第2セット中盤に6連続ブレイクされると、相手に点差を広げられセットを落としてしまう。だが第3セットは多彩な攻撃で早大が流れをつかんだ。その勢いのまま第4セットへ。第4セットでは序盤からリードを奪うが、中盤に相手に連続得点を許し、逆転される。しかしここから再び追い上げをみせ、相手を振り切るとセットカウント3-1(25-23、20-25、25-14、26-24)で勝利し、秋季リーグ戦を白星発進した。

 

 公式戦初スタメンとなる馬渕純(スポ2=岐阜商)をセッターとして起用し、早大は初戦に挑んだ。第1セット序盤、リベロ荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)の安定したレセプションから、MB秋間直人(スポ4=愛知・桜台)のAクイックが立て続けに決まる。ここで早大は細かくブレイクを重ね、徐々に点差を広げていった。その後一時は逆転を許したが、OP重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田)のサーブを起点として、OH水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)のパイプ攻撃などが決まり一気に3連続ポイント。再び早大リードの展開となる。その直後にはOH山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)が2連続でサービスエースを決め、チームをさらに勢いづける。ここから再び相手の追い上げにあい、どちらがセットを先取するのか最後までわからない展開となった。だが終盤に水町やMB伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台学園)がブロックポイントを挙げ、25-23で第1セットを奪った。

 

レシーブをする荒尾

 

 第2セットに入ってからは、サイドアウトの取り合いとなり、10-10と試合は膠着(こうちゃく)状態となる。ここから早大は駒大のサーブに苦しめられ、一気に6連続失点。そのまま追い上げることができず、第2セットを奪い返された。第3セットでは長いラリー戦が何度も繰り広げられた。ブロックで相手のスパイクのコースを絞り、ディグをしっかりと上げ素早い攻撃に転じる。山田のプッシュや重藤のスパイクが勝負所で決まり、ラリー戦を制すると序盤に10ー4と点差を付けた。中盤には、馬渕に変わりセッター前田凌吾(スポ1=大阪・清風)がコートに投入され、勢いそのままに得点を重ねていく。そして25-14と大差を付けてこのセットを奪った。

 

ゲームキャプテンとしてプレーでチームを引っ張った重藤

 

 続く第4セット、開始直後に秋間、重藤のブロックが連続で決まりブレイクに成功する。前田の鮮やかなツーアタックも決まり、15-11と早大有利な点数で試合が進んでいった。だがここから相手サーブにレセプションを乱され、次々にコートへボールを押し込まれる。一気に6連続得点され、16-17と逆転を許してしまった。ここで重藤がなんとかサイドアウトを取り、これ以降は一進一退の攻防に。21-23と後を追うかたちとなったが、得点がほしい場面で水町や山田のバックアタック、重藤のブロックが決まり、逆転に成功する。最後は水町がバックアタックをコートに叩き込み、試合終了。初戦を勝利で飾り、良いかたちで秋季リーグ戦に突入した。

 

 「「全部出す」ということを目標に」(松井泰二監督、平3人卒=千葉・八千代)、「やってきたことを全部出そう」(重藤)という気持ちで挑んだ秋季リーグ初戦。相手に大量ブレイクをされても立て直せたことや、第4セット終盤の勝負どころでのポイントなど、春シーズンに浮き彫りになった「受け身になってしまう」ことや「勝ち切ることができない」という課題からの成長が伺えた試合となった。夏の成果を発揮し、自信をつけることができたという点では収穫があったといえる。しかしまだまだ新しい課題は試合を経るごとに浮かび上がってくる。更なる成長を遂げるべく、歩みを止めずに進化し続けたい。

 

(記事 山田彩愛、写真 五十嵐香音、荒井理沙)

 

 

セットカウント
早大 25-23
20-25
25-14
26ー24
駒大
スタメン
アウトサイドヒッター 水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)
アウトサイドヒッター 山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)
ミドルブロッカー 秋間直人(スポ4=愛知・桜台)
ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台学園)
オポジット 重藤トビアス赳ゲームキャプテン(スポ4=神奈川・荏田)
セッター 馬渕純(スポ2=岐阜商)
リベロ 荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)
途中出場
浅野翼(スポ2=宮城・東北)
前田凌吾(スポ1=大阪・清風)
芳賀雄治(商4=山形南)
布台駿(社3=東京・早実)
 
コメント

松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)

――今日の試合を振り返って、夏の期間の手応えは

 春の課題の克服が合宿の中ではできたのですが、今日の試合ではできていた場面とできていなかった場面がありました。

――できていたことと、できていなかったこととは何でしょうか

 いつも「全部出す」ということを目標にやっています。自分たちのリズムが出せているときには、余裕があるので力が出せているのですが、やはり相手が良い状態のときは、受けてしまうというか、力を全部出すことができていなかったのかなという印象ですね。

――第4セットに駒大が6連続ポイントを取って、逆転された場面がありました。そこで逆転されてもすぐにタイムアウトを取らなかったのは何か意図があったのでしょうか

 今日は、自分たちがどれくらいできるのかなというか、選手たち自身でそういった状況を解決してほしいという思いがありました。外の力を借りないと、流れを引き寄せられないというところがありましたので、まだまだ力が足りないのかなと思います。その時にやはり受けに回ってしまっていて、その時間が長いこと続いてしまっているので。その部分を選手がどうしていくのか見たかったというところがありました。

――今日は得点したときに選手たちが感情をすごく表に出して喜んでいた姿が印象的でした

 自分たちで声を出して、アクションを大きくした方が体がより動くということを感じ取ったようですね。僕たちは今1番、チャンピオンではないので、向かっていく気持ちというのを表現しているのだと思います。

――明日の試合に向けての意気込みをお願いします!

 どのチームもコロナ禍ということもあり、満足のいくような練習ができていないかもしれません。ですが、与えられた試合で(力を)全部出し切って(選手同士の)お互いの良さを引き出してくれればなと思っています。

 

OP重藤トビアス赳ゲームキャプテン(スポ4=神奈川・荏田)

――今日の試合を振り返って

 初戦ということもあって難しいとは思っていました。その中でも2セット目はみんな少しみんな縮こまってしまいましたね。それ以外はやってきたことを全部出そうとして良い感じの雰囲気だったかなと。4セット目の最後もセットを奪われかけたのですが、ちゃんと立て直しができたのは良かったと思います。

――今日はみなさん非常に声が出ていましたね

 そうですね。夏の練習試合で、やはりチャンピオンではないので向かっていく姿勢を見せたセットの方がみんなもやりやすく、内容も良いゲームができていました。声を掛け合おうというのを前々から話していて、それが今日生きました。

――本日キャプテンをされていましたね

 特に変わらなかったです。ただ棒がついただけなので(笑)。そこまでキャプテンだからこうしようとかもなく、いつも通り頑張りました。

――今日のチームのアタック、ディフェンスをそれぞれ振り返って

 アタックに関しては今日2人のセッターが出ましたが、馬渕の方は初めての公式戦ということもあって硬くなっていました。スパイクを盛り上げてあげようとしたのが空回りしてしまった部分がありました。代わった前田の方は、短期間でしたが、ずっと合わせてきたのでみんな阿吽(あうん)の呼吸で、良いスパイクが打てたと思います。ディフェンスは、一貫してそこまで良くなかったと思っています。相手の打ってくるコースには入れていたのですが、ディグで上にあげるところはそうでもないかなと。今日はそこが課題だと思います。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

 明日は専大さんとの対戦です。(専大は)非常に勢いのあるチームで難しい試合になると思います。(早大の)メンバーもそろっていないので、その中でどういったかたちでチームをまとめて、相手にどこまで挑めるのかを確認しつつ、勝利に向かって貪欲に頑張りたいです。

 

リベロ荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 初戦で結果として勝てたのは良かったのですが、個人としての反省が大きい試合になってしまったと思います。

――その反省点とはなんですか

 馬渕がセッターの時は、セットアップが高いのでサーブカットをネット際に寄せるというのをチームでしっかり認識してやっていました。ですが、前田になるとそれが少し低くなってしまうので、同じようにやっていたら何本か(ネットを)超えてしまったボールがありました。セッターによってパスの精度というか、パスの長さを変えることも出来たのかなという反省があります。あとはフリーボールの精度が、終盤になればなるほど下がっていったことです。あとは熱中症になってしまったので、自分の中で調整というか全部出しすぎてしまってもいけないから、配分を考えようと思いました。

――トータルディフェンスが春から凄く成長したと感じたのですが、そこを振り返っていただけますか

 今日は相手のデータが少ないという中で、対策をチームである程度決めていたのですが、相手のセッターが工夫してきて、パイプを多く使った時に得点されたケースが多かったです。そこを1、2本で見極めて、ディフェンスのシフトを組んだりだとか、ブロックとレシーブの関係を早めに動かすことが出来たのではないかと思います。あと、軟打ボールとかタッチボールというのは、春よりも上がってきたように感じたので、そこは継続しながら対応する部分はしっかりと改善した方がいいかなと思いました。

――長いラリーが多かった中で取りきれた場面と取りきれなかった場面の違いはどこにあると思いますか

 取りきれた場面では1本目の精度が高くて、空間を作って上げてミドルも下がれることができる、4枚攻撃が常にできる良い状態でした。元々わかっていたのですが、ラリーになればなるほど1本目にもっと集中して、ちゃんと自分の中で余裕を作った方が良いのかなと思いました。それが良いところも悪いところもどっちのケースも出た試合だったので再認識というか、明日からもっと1本目を大切にしようと思いました。

――明日の試合への意気込みをお願いします。

 (専大は)今日の筑波大戦でフルセットになっているチームです。関東はどこのチームもレベルが高いと感じるので、相手がどうこうではなく、まずは自分たちがやることを考えて自分の役割を全うして、明日またスタートからしっかりできるように準備したいです。