チーム全員の力で慶大から白星を挙げた!

男子バレーボール

 春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)も最終節に突入した。第11戦目となる早大は、慶大との対戦となった。ブロックが効果的に働いた第1セット、多彩な攻撃を組み合わせ手堅く先取する。続く第2セットは、拮抗(きっこう)した展開を先に早大が抜け出したが、後半慶大に追い上げられゲームはデュースにもつれこんだ。だがここで我慢強さをみせ、セットを取り切ることができた。その後の第3セットは、中盤まで続いた均衡を早大がブロックで破り、流れを引き寄せた。そしてセットカウント3-0(25-18、28-26、25-20)でストレート勝利を収めた。

 

 安定したサーブレシーブからの攻撃、ブロックでのシャットアウトと幸先良い立ち上がりをみせた第1セット。前田凌吾(スポ1=大阪・清風)がサイドでのスパイク、バックアタック、クイックと多彩な攻撃を引き出す。序盤にブレイクを重ね、11ー5と大きくリードする。その後も水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)の持ち前の強烈なサーブを起点に相手の守備陣形を崩し、4連続ブレイクに成功するなど攻撃に安定感がみられた。また、相手に崩され体制が乱れた場面でも、前田が粘り強いレシーブでつなぎ、最後は岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市立尼崎)が決めるなど、流れを引き寄せた。そしてこのセットを25ー18と、慶大を20点の大台に乗せることなく奪った。

 

 

勝負どころでクイックを決めた岩本主将

 

 早大の勢いそのままかと思われた第2セットは、序盤からサイドアウトの取り合いが繰り広げられる。9-8とブレイクを取りたい場面。伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台学園)の揺れるサーブで相手のレシーブを乱し、自陣コートに返ってきた球を重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田)がそのまま押し込む判断の良さをみせた。相手のポイントを1つ挟んで、再び重藤がサービスエースでブレイクポイントを挙げ、12ー9とリードを広げた。しかし、ここから松本喜輝(慶大)が力強いスパイクでブロックアウトや得点を量産し、徐々に点差を詰められる。終盤、慶大が5連続ブレイク、4連続ブレイクと怒涛(どとう)の追い上げをみせ、24ー24と同点まで追いつかれてしまった。ここで、秋間直人(スポ4=静岡・桜台)がブロックポイントを、水町がスパイクを決めるも、松本(慶大)の活躍や自らのミスによって我慢の時間が続く。26-26となり、ここで相手が連続ミス。デュースに及んだ第2セットを耐え抜き、28ー26でセットを連取した。

 

初出場となった板垣慧(政経1=京都・洛南)とトスを上げる馬渕純(スポ2=岐阜商)

 

 第3セットも第2セットと同様に、序盤から一進一退の攻防となる。全員が攻撃、守備で活躍し、得点を重ねた。だがブレイクしたい場面でサーブミスやアウトオブバウンズ(※1)など自らのミスで失点してしまう。その後11-11まで均衡が続く。だが前田が1枚ブロックを決めたことを皮切りに、早大ブロックが冴(さ)えわたる。直後に伊藤と水町がブロックを連続で決め、欲していたブレイクを4つ重ねた。大きく点差を広げたところで、リベロ荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)に代わり浅野翼(スポ2=宮城・東北)、セッター前田に代わり馬渕、山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)に代わり布台駿(社3=東京・早実)、伊藤に代わり板垣と新戦力が次々にコートへ投入される。そして水町のスパイクや伊藤のブロックなどで得点し、マッチポイントに。最後は馬渕のトスを、大学デビュー戦となった板垣が決め、試合終了。慶大にストレート勝利を収めた。

 

 前半は多彩な攻撃で落ち着いた試合運びを発揮したが、相手の攻撃に乱され、上手く守備がかみ合わずに失点する場面もみられた。これに対し前田は「ディグに関してはブロックとの関係ができていなかった」と振り返る。次なる改善点はトータルディフェンス。攻守ともに組織力をさらに高め、早大らしさを磨きたい。次戦、早大は春季リーグ戦最終日を迎える。春に出た課題と成長をもう一度見直し、次戦も『全員バレー』をみせ、勝利で終幕といきたいところだ。

 

(記事 山田彩愛、写真 宮島真白)

 

(※1)アウトオブバウンズ…ボールがアンテナに触れたり、アンテナの外側を通ってボールを相手に返す反則のこと

 

 

セットカウント
早大 25-18
28-26
25-20
慶大
スタメン
アウトサイドヒッター 水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)
アウトサイドヒッター 山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)
ミドルブロッカー 岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市立尼崎)
ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台学園)
オポジット 重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田)
セッター 前田凌吾(スポ1=大阪・清風)
リベロ 荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)
 
 
コメント

板垣慧(政経1=京都・洛南)

――初めての出場となりましたが、どんな気持ちでコートに立ちましたか

 最初は、2セット目の一番最後のところで出たのですが、正直あまり出るとは思っていなかったです。初めてだったし、すごく緊張して少し足が震えてしまっていました。自分の思うような、チームとしてやろうとしていることは実行できていなかったので、次に出る機会があったら、そこはしっかりと改善して、自分もしっかりとチームの一員になれるようにやっていきたいと思いました。

――自分のプレーの中で良かったなというところはどこですか

 3セット目に(コートに)入った時は、周りも盛り上げてくれました。自分も2回目である程度余裕があったので、しっかりと声を大きく出してチームを盛り上げるというところはできたと思います。

――これからどのようなプレーをしていきたいという思いがありますか

 1年のうちはレギュラーとかは難しいと思うのですが、ワンポイントで入ったときにしっかりとチームを盛り上げて勢いをつけられるようなプレーをして1点でもつくっていけるようにしたいです。

――タイムアウトのときに岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市立尼崎)に声をかけられる場面がありましたがどのような声かけをされていたのですか

 今どのような感じで相手が動いてるかというのを細かく教えてもらって、(板垣は)こういう感じでついていけよというような戦術のところを教えてもらいました。そこをしっかりやっていこうかなという感じでした。

――今後の意気込みを

 今回は初めて(の出場)だったのですが、これからはワンポイントで出たときにしっかりと自分のプレーを見せられるように実力をつけていきたいと思います。

 

前田凌吾(スポ1=大阪・清風)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 前半はライトのエースの人に取られていたのですが、徐々に詰めてブロックが止められたのが良かったなと思います。それと、サイドがしっかり打ち切ったのとクイックが要所で決まったのが良かったなと思います。

――チーム全体の守備を振り返って

 やはりサーブレシーブが崩れてる場面やバタバタしている場面があったのですが、2セット目の途中からリバウンド取ってしっかり切り返そうという話になったので、そこは良かったです。あとディグに関しては、まだまだクイックにも対応できておらず、ブロックとの関係ができていなかったのでそこは改善しないといけないなと思いました。

――2セット目の終盤には慶大に追い上げられましたが、そこについては

 サーブミスなど自分たちのミスが続いてしまいました。相手どうこうではなく自分たちがミスしていたので、そこは反省して次に生かしていかないとといけないなと思いました。

――その時間帯、チームではどのような話がありましたか

 先輩方がしっかり声をかけてどうやって切れるかを考えてくれていました。しかし、何本も相手チームにやられていたので、そこをどうやったら切れるかをもう一度チームで1週間考えて最後の試合に臨みたいなと思います。

――今のチームの雰囲気は

 4年生がしっかりまとまって(自分たちは)やりやすい環境でやらせてもらっているのでそこはありがたいなと思います。

――次戦、リーグ戦最終戦への意気込みをお願いします

 優勝はできないですが、それでも一戦一戦戦うことを大事にしたいです。今年の早稲田のバレーというのをもう一度確認して臨みたいなと思います。

――今年の早稲田バレーとは

 今年の早稲田というか毎年なのですが、全員で戦うことです。僕も1年生で試合に出ている分、昨年とは全然違うバレーになっていると思うし、足を引っ張っていることも多いのですが、それでも自分のできることをまずやっています。(早大には)すごい選手たちが集まっていると思うので、昨年の全日本インカレのように全員で戦う姿勢をもってやることが大事かなと思います。