攻守に躍動し、筑波大に勝利!

男子バレーボール

 関東大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)も折り返しとなる第7戦目を迎えた。対するはエバデダン・ラリー(筑波大)、西川馨太郎(筑波大)をはじめとした日本代表を擁する筑波大。水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)が「リーグ戦の一つの山場」と口にするように、両者一歩も引かないせめぎあいが繰り広げられた。早大が積極的に仕掛け、第1セットを先取する。その後、筑波大にテンポの早いクイックとブロックアウトで得点を奪われ、第2セットを落としてしまう。しかし第3セット以降、ブロックを軸として粘り強い守りをみせ、そこから力強いスパイクへとつなげられた。流れを掴(つか)んだ早大がセットを連取し、セットカウント3-1(25-19、20-25、25-14、25-19)で白星をあげた。

 

 お互いにサーブミスを重ねるかたちで幕を開けた第1セット。水町のバックアタックや前田凌吾(スポ1=大阪・清風)のツーアタックなどが決まり、序盤にブレイクを重ねる。7-3とリードに成功した早大は、相手ブロックにも怯(ひる)むことなくスパイクを打ち切る攻撃的な姿勢をみせた。序盤のリードを保ったまま終盤に突入すると、水町のサービスエースなどで3連続得点をあげる。そして25ー19で第1セットを奪った。第2セットでは積極的にブロックに付くが、相手にブロックアウトを狙われ、得点を重ねられる。また筑波大ミドルの速いクイック攻撃を止めることができなかった。筑波大に有利な展開で試合は進み、そのまま第2セットを落とした。 

 

バックアタックを打つ山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)

 

  第3セットに入り、ブロックを中心として攻守のかみ合ったバレーを展開する。ブロックで相手スパイクの威力を弱めることでレシーブにつなげ、そこから攻撃に転じられた。しかし相手の高いブロックと堅い守備を前に、簡単にはスパイクが決まらない。1-2の序盤からお互いに粘りを発揮し、長いラリーとなる。しかし、決め急ぐことなくしっかりとつなぎ、山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)のスパイクでこのラリーを制した。また重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田)、山田らがサービスエースを決め、早大を勢いづける。中盤には山田がサーブで崩し、自らのバックアタックで得点する活躍をみせた。守備では伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台学園)と重藤がブロックポイントを上げ、早大は攻守で精彩を放った。第3セットを奪い、早大は流れに乗ったまま第4セットを迎えた。第4セットでもブロックが機能したことで、リベロの荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)が相手の鋭いスパイクに対応。荒尾らのレシーブから重藤、水町、山田らを中心としてスパイクを決め、得点を重ねた。そしてそのまま逆転されることなく第4セットも連取し勝利。春季リーグ戦6勝目をあげた。

 

 

ブロックする重藤(右)、伊藤(中央)、水町

 

 筑波大との一戦、サーブレシーブや相手の速い攻撃に苦しむ場面はみられたものの、試合の中で対応し勝ち切ることができた。また相手に主導権が移っても、焦ることなく堅実につなぎ、攻め続けられた。苦しい展開でも我慢強さを発揮できたことが勝利に結びついたといえる。明日は昨年の秋季関東大学リーグ戦王者・日体大との顔合わせとなる。強敵ではあるが「一発で決まらなくても攻められるような気持ち」(山田)で早大らしいバレーが展開できれば、自ずと結果はついてくるはずだ。昨シーズン苦しめられた日体大相手に白星を挙げられるか。秋、そして日本一へとつながる1勝を挙げるべく、勝利に向かって突き進んでいく。

 

(記事 山田彩愛、写真 冷水睦実)

 

 

セットカウント
早大 25-19
20-25
25-14
25-19
筑波大
スタメン
アウトサイドヒッター 水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)
アウトサイドヒッター 山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)
ミドルブロッカー 岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市立尼崎)
ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台学園)
オポジット 重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田)
セッター 前田凌吾(スポ1=大阪・清風)
リベロ 荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)
 
コメント

水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)

――筑波大戦、どんな気持ちで試合に臨みましたか

 今日は筑波大、明日が日体大でリーグ戦の一つの山場になるので、ここでしっかり耐えて頑張ろうという話をチームでして臨んだので、結果が出てよかったかなと思います。

――序盤サービスミスが続きましたが、サーブを振り返っていただけますか

 サーブは攻めることを意識してやっていました。うまく修正ができなかったというのと、サーブミスに関してはそんなに気にしていないので、明日も点数取れるようにガンガンサーブ打っていきたいと思います。

――ブロックにつかれる場面多かったですが、決め切るために意識したことはありますか

 松井先生(松井泰二監督、平3人卒)からもお話があったように、最後は攻撃で終わろうということでしっかり声を出して、3人目の選手がしっかりボールを叩くことを意識しました。打つときのポイントとしては、ブロックが高いので指先を狙って打つように心がけていました。

――第2セットを取られてからどのように立て直しましたか

 相手にやられたというよりは、こちらのレセプションとかが乱れたりラリー中慌てたりしたことだけだったので、もう一度レセプションから集中して頑張ろうと3セット目はチームで切り替えました。

――明日の日体大戦への意気込み

 明日も厳しい戦いとなると思うのですが、しっかり耐えて攻めるところはしっかり攻めて、早大らしいバレーができたらと思います。

 

山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)

――今日の試合を振り返って

 プレーだけでなく気持ちの面で、チームとして今日の試合に向けて集中して一丸となれたかなと思います。

――第2セットでブロックアウトを取られる場面が多かったことに対し、第3セット以降何かブロックで意識したことはありますか

 とにかくサーブで攻めて相手の攻撃の選択を狭めました。2セット目は相手にクイックとかをたくさん取られて、攻撃の幅が広すぎて対応ができなかったです。サイドだけにとか攻撃の幅を狭めることでブロックしやすくなったのかなと思います。

――相手の速いクイックにはやはり苦しみましたか

 そうですね。自分は真ん中に立っていることがないので、ヘルプとかしか行けないのですが。筑波大のミドルの方たちは攻撃力が高いので大変でした。

――ご自身のアタックを振り返って

 1セット目から自分の調子を100パーセントまで持っていけないことが課題です。セットを経れば点数を取ることができていたと思うのですが、スロースターターであることが課題なのでそこを改善したいです。

――日体大戦への意気込み

 相手はレシーブがすごく良いと思うので、それに対して一発で決まらなくても攻められるような気持ちを作って明日臨みたいと思います。