全日本インカレ優勝コメント集 監督・上級生偏

男子バレーボール

 全日本大学選手権(全日本インカレ)5連覇を達成した早大バレー部。本記事では、大会を終えた選手たちのコメントをお届けします。

関連記事

全日本インカレ初戦!全員バレーでストレート勝利を飾る!(12/1)

攻めのバレーで専大にストレート勝利!(12/2)

中京大にストレート勝利!一人一人の力がかみ合い準決勝進出を決めた!(12/3)

頂点まであと一つ!準決勝は盤石な試合運びで中大にストレートの快勝を収める(12/4)

全日本インカレ5連覇達成!紆余曲折経て『強い早稲田』見せる(12/5)

〇監督・上級生編

松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)

――優勝の感想を聞かせてください

自分たちの力を全部出すという意識を持って臨みました。相手がなかなかそうさせてくれない状況の中で、勝ち切れたということは(自分たちの力を)全部出せたのかなとは思うので、評価したいと思います。

――1セットを取られましたが、これまで失セットゼロで順調に勝ち上がり優勝できました。この結果をどのように受け止めていらっしゃいますか

1セット目は相手に押されっぱなしでした。やはり向かってきましたね。強いサーブやアタック、ブロックも相当粘り強かったので、セッターも相当混乱したと思います。秋とは見違えるほど精度が高く、気持ちがボールに乗っかっていたので、本当に素晴らしいチームだと思いました。しかしこちらもよく耐えたと思います。最初の1セット目を取れて、それが最後の勝ち負けにつながったセットになったという部分では、最終的に自分たちのやってきたことが少しは出せたのかなと思います。

――早稲田も試合を重ねるにつれ完成度が高くなっていったと思いましたが、松井監督の目にはどのように映っていましたか

昨日の中大戦が完璧なゲーム展開だったので、次の試合はどうかなと心配に思っていた部分はありましたが、決勝というのは力を出せる舞台ではないので、力を出し切れたことは褒めてあげたいです。

――以前インタビューで「今年のチームは例年よりも不安定だ」と心配されていましたが、優勝されてみていかがですか

決勝も不安定でしたが、ボールを落とすことが減ったのは大会を通して感じられたので成長したと思いました。

――この春からチームをまとめることが難しく、なかなか満足のいくプレーや結果を出せない時期もありましたが、立て直せた要因は何だったと思いますか

4年生と3年生が1つになって、4年生が3年生をサポートすることを、覚悟を持って割り切ってくれました。逆に3年生は自分たちがリーダーになってくれ、それがこのような結果につながったのだと思います。

――セッターとスパイカーのコンビやトランジションの場面での攻撃は秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)での課題となっていましたが、克服されているように感じました

そうですね。セッターの佐藤(玲、社3=東京・早実)が急速に伸びました。メンタルもスキルもですね。それが大きかったと思います。最初は自信なさげにやっていたものが、昨日も今日も自信を持ってプレーしていたなという印象でしたね。

――4年生に向けてメッセージをお願いします

4年生は1年生のときから優勝してきたという、相当なプレッシャーを感じていたと思います。しかしプレッシャーを感じるというよりかは、自分たちのやってきたことを全部出すことをやりぬこうとした姿勢には敬意を表したいと思います。4年間ありがとう、お疲れ様でしたということを伝えたいです。

――来年以降のチームに期待したいことは何ですか

今年のチームはスタートから4年生が入っていませんでしたので、さらに精度を高めて、高みを目指して頑張ってもらいたいと思います。

岩本大吾主将(スポ3=兵庫・尼崎)

――優勝した感想を教えてください

順大が相手で、相手の高橋(和幸)選手を中心とした粘り強い守備が特徴のチームでした。それに自分たちがどう対応したらいいかを考えてプレーした結果が、優勝という結果に結びついたのだと思います。今シーズンを通して早稲田は順調ではありませんでしたが、優勝できて良かったと思います。

――この秋から主将としてチームを引っ張ってきたと思いますが、プレッシャーはありましたか

プレッシャーを感じていると言っていましたが、いざ優勝してみて、次に自分たちの代で6連覇するということの方がプレッシャーを感じるということもあって。去年や今シーズンではなく、次に自分たちの代でどれだけ結果を残せるかということを考え、切り替えて頑張ろうと思っています。

――勝たないといけないという重圧があるんですね

今まではコートの外から見ていて、勝ってうれしいという感じでしたが、コートの中でつかんだ優勝は自分としては意味合いが違いますね。4連覇という成し遂げたものが、少しはプレッシャーになっていたのかなとは思います。しかし試合は楽しめました。

――相手の順大は日体大、筑波大を破ったダークホースと呼ばれるチームでしたが、試合ではどのようなことを意識していましたか

決勝に上がってくるくらい強いチームで、ましてやシード校も破ってきているという勢いで。守備がいいチームなので、一本で決まらないことは想定内でした。こちらのミスが出ないように我慢してバレーをすれば勝機はあるのかなと思って試合に入りました。我慢しきれずに1、2セット目は苦戦してしまいました。しかし終盤は全日本インカレに向けて詰めてきたものが出せたので、そこはお見せできて良かったと思っています。

――秋季関東大学リーグ戦ではセッターとスパイカーのコンビやトランジションの場面での攻撃を課題としていましたが、今大会で克服されていたように感じます

セッターの玲(佐藤玲、社3=東京・早実)が気持ちをちゃんと整理してプレーしてくれたので、そこはよく頑張ってくれたと思います。ラリー中にバタバタしていたというのが、秋リーグではあって、体の調子があまり良くない人が多かった中、ゲーム練習で修正することは難しかったのですが、ゲーム練習だけじゃないところでも意識していたのが、全日本インカレでのあのようなプレーにつながったのだと思います。

――岩本主将自身のクイックやブロックも良くなった気がします

クイックに関してはリーグでも後半戦になるにつれて決まらなくなって、ブロックもトータルディフェンスにならないようなブロックをしていました。もう一回松井監督からチームルールを確認するように言われて、ブロックの出し方を確認することができて、少しは修正できたと思います。クイックはAクイックやBクイック、コースをしっかり詰めてやってきたので、大会を通してスパイクのミスが出なかったので良かったと思います。

――来年は最上級生になりますが、どのようなチームを作っていきたいですか

もちろん勝ったことによって早稲田を倒す目的で向かってくるチームは増えてくると思うので、そういう相手にチャンピオンチームとしてのふるまい方やプレーの仕方を詰めて、もう一回り強くなって来年もあの場所で優勝できるように頑張りたいなと思います。

――最後に4年生に向けてメッセージをお願いします

4年生がいたから最後あのようなかたちで終われましたし、4年生の力なしでは4強に残れるか分からなかったのでとても感謝しています。プレー以外のところでも良くしてもらったので、来年はプレーで恩返しできるようにまた頑張りたいと思います。

大塚達宣副将(スポ3=京都・洛南)

――優勝した感想 を聞かせてください

まず、大会開催にご尽力してくださった関係者の皆様に感謝申し上げます。限られた人数ではありますが、有観客で試合ができたことを幸せに思います。4年生のためにも結果を残したいという気持ちが強かったので、勝つことができて良かったです。

――連戦でしたが体の疲労は大丈夫でしたか

僕たちは準決勝まで3-0で勝ち上がってくることができていたので、他のチームと比べて疲労は少なかったと思います。最後は気持ちの強い方が勝つと思っていたので、そこまで疲労は気にならなかったです。

――チームが審判の判定に抗議をする中でも冷静に対応していたのが印象的でした。意識的に感情的にならないようにしていたのですか

意識はしていませんが、熱くなるのではなく、審判さんも人間なのできちんと話をして確認は取るようにしていました。

――ブロックとサーブが良かったですが、ご自身で実感はありますか

個人的に代表から帰ってきてからはサーブやブロックといった、同じ一点でも流れを大きくつかむプレーに力を入れていたので、それが少しずつ成果として出てきているのかなと思いました。

――代表から帰ってきてますますパワーアップしたように見えました 

今年は本当に自分が引っ張る年だと思っていましたし、自分の出来がチームの勝利に関係すると言っても過言ではないと思っていました。その自覚と責任を持って日々の練習に取り組んでいました。

――サーブ賞を受賞した感想を聞かせてください

サーブというのはバレーボールにおける唯一の個人技なので、(代表の活動から)帰ってきてからは1人でコツコツと練習していました。僕はパワーやスピードのあるサーブを打つ方ではないので、自分の特徴を考え、相手の嫌なところに打つという狙いを持って取り組んでいたので、それがインカレを通して発揮できたのかなと思います。

――来年は最上級生になります。副将としての仕事があるのはもちろん、代表の活動もありますが、どのようなチームを作っていきたいか、また、個人としての目標もお願いします

来年のチームとして、周りからは6連覇という声も聞こえてくるかもしれませんが、チャレンジ精神を忘れず、変化することを恐れず、さらに強いチームを作っていきたいと思います。そのためには個の力を大きくする必要があると思うので、それぞれが目標を持って取り組んでいければいいと思います。個人的には、重複しますが、個人のスキルアップをまず第一に考え、新しいことにチャレンジする気持ちを忘れずに取り組みたいと思います。

上條レイモンド(スポ4=千葉・習志野)

――優勝した感想をお願いします

4年間の最後の大会ということで、いいかたちでチームを終えられてまずうれしいです。あと、自分としては少し悔しい思いもあったのですが、このチームが自分の(バレー人生の)終わりではないので、また次に向けて頑張ろうという気持ちがあった試合でした。

――優勝という結果をどのように受け止めていますか

1年間を通じてチームにとって苦しい時期もありました。優勝できないという苦しい状況の中で4年生だけではなく、3年生、2年生、1年生と一つになってやってきた結果が、最終的に優勝というかたちに現れてくれて、とてもうれしく思います。

――途中出場が多かったですが、コートに入る時はどのようなことを意識していましたか

特にブロックでコートに入ることが多かったので、相手の選手がどういう状態なのかということや、相手選手の傾向などを事前にしっかり頭に入れていました。松井監督からも事前にそういうところのアドバイスをいただいて、相手に対してこちらがブロックをしっかり機能させて、チームの勝利に貢献するという気持ちでコートに入っていました。

――学生時代最後の大舞台が終わりましたが、早大バレー部での4年間を振り返っていかがですか

最初も言った通り、最終的には少し悔しい部分もあります。しかし、4年間総じて本当にとても勉強になったし、お世話になったし、この4年間で得られるものが多くあったので、この経験を生かして次に向けて頑張りたいと思います。

――来年は東レアローズでプレーされますが、どのような選手になりたいですか

1年目は特にフレッシュさを出して、チームで求められていることを精一杯表現したいなと思っています。

平田康隆(スポ4=宮崎・日南振徳)

――優勝した感想をお願いします

いろいろあった1年間でしたが、最後に優勝というかたちでいい終わり方ができて本当に良かったです。

――優勝という結果をどのように受け止めていますか

去年、インカレ4連覇を達成して、4年生のなかで5連覇しようという目標があったので、達成できて良かったです。

――マネジャーとしてベンチに入っていましたが、どのようなことをしていましたか

戦術は松井監督が考えてくださっているので、特に自分はチームに声をかけて雰囲気を作っていくことを心がけてやっていました。

――4年間を振り返っていかがですか

入学してからずっとけがが多くて、ちゃんとバレーをできた時期が少なかったのですが、それもいい経験だったなと思います。

――後輩のみなさんにメッセージをお願いします

来年6連覇という偉業を達成するのは難しいと思うのですが、3年生を中心に頑張ればきっと達成できると思うので、また1から頑張ってほしいなと思います。

仲濱陽介(スポ4=愛知・星城)

――優勝した感想をお願いします

この1年間、この日のために頑張ってきました。ここに至るまでにすごくいろんなことがあって、平らな道ではありませんでしたが、最後に優勝で終えられてうれしかったです。下級生みんなに感謝の気持ちでいっぱいです。

――途中出場が多かったと思いますが、どのようなことを意識して試合に臨んでいましたか

毎試合自分が出るときに考えていたのは、純粋にバレーボールを楽しむことと、「この試合が最後」という気持ちで一つ一つ大切に試合に臨んでいました。

――優勝の瞬間は涙を流していらっしゃいましたが、込みあげてくるものはありましたか

そうですね。このチームが始まるときに「日本一を取りたい」とチームを発足して。先ほども言いましたが、いろんなことがあってチームがまとまらないこともありましたが、そういうことを考えたらいろいろ込みあげてくるものというか、ほっとした気持ちになりました。

――荒尾選手(荒尾怜音、スポ2=熊本・鎮西)がけがをしたり燃え尽き症候群になったりしたときにたくさん相談に乗っていたとお聞きしました

彼自身悩みこんでしまう性格で。そういうときに何に悩んでいるのかを話すことで頭の整理ができるので、自分が聞き役になりました。自分から言葉を掛けるというよりかは、話を聞くことに徹していました。

――優勝の瞬間、荒尾選手と泣きながら抱き合っていましたよね

そうですね(笑)。特にこの1年は怜音に僕自身も助けられました。僕が悩んでいる時に相談に乗ってくれました。怜音とは気が合うので、「お互いよく頑張った」と最後は称え合っていました。

――以前インタビューで「思い通りにいかないことの方が多い4年間だった」とおっしゃっていましたが、早大バレー部での4年間を振り返っていかがですか

振り返ると、先輩にも後輩にもすごく恵まれました。バレーボールの難しさとか、最後に勝ちあがるのは1チームで、そこにたどり着くまでの難しさを痛感しました。一方で、勝つことで得られる喜びや学びもあったので、学びの多い4年間だったと思います。

――後輩にメッセージがあればよろしくお願いします

また(どのチームも)早稲田を倒しにやってくると思いますが、チャレンジャー精神を忘れず、またこの舞台に戻ってきてほしいです。そこでみんなが笑っている姿を見たいです。

北川諒主務(教4=東京・早実)

――優勝した感想を聞かせてください

優勝した実感がないですね。

――北川さんのバレー人生で最後の大舞台を終えられました

これも実感がないですね(笑)。無事終われてよかったと思います。

――優勝の瞬間、涙を流していらっしゃいましたが、込みあげてくるものはありましたか

自然と涙が出ました。やり切ったという涙でした。

――主務としての1年間を振り返っていかがですか

主務としての仕事は100点満であれば2点くらいですね。そんなに大したマネジメントはできていませんし、主務と選手を両方やるのはかなり難しかったです。どちらも中途半端になってしまったと思うので、いいマネジメントができたかと言われたらそうじゃなかったと思います。

――最後に後輩に向けてメッセージをお願いします

今年は4年生がすごく迷惑を掛けましたが、その中で頑張ってくれてうれしかったです。来年は日本一を目指すのも大事ですが、それ以上に大事なものは他にもあると思うので、3年生を中心にチーム一丸となって、またこの舞台に戻ってきてほしいなと思います。

※次回は優勝コメント2、3年生編をお送りいたします。

(取材・編集 西山綾乃、日浅美希)