開幕2連勝!『誰が出ても強いチーム』への足掛かりつかむ

男子バレーボール

 2日に開幕した秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)。早大は2戦目を迎え、東京学芸大と対戦した。初戦とは打って変わり、序盤から主導権を握る。サイドを中心とした攻撃で得点を重ね、1セット目を先取。2セット目は3年生の活躍で均衡を破る。セット後半も途中出場した選手たちの奮闘により、流れを渡さず連取した。3セット目はブロックを利用した攻撃で連続得点を重ね、早い段階でタイムアウトを使い切らせる。セット終盤で5連続得点し、最後は途中出場した平田康隆(スポ4=宮崎・日南振徳)のスパイクでゲームセット。終始リードを譲らずセットカウント3-0(25-17、25-17、25-10)でストレート勝利を収め、今後の試合に弾みをつけた。

 早大は前日の駒沢大戦からスタートのメンバ―を変更し、セッターの佐藤玲(社3=東京・早実)とミドルブロッカーの伊藤吏玖(スポ2=東京・駿台学園)がコートに入った。序盤からサイドを中心に攻撃を組み立て、着実に得点を重ねる。秋季リーグ戦からオポジットにポジションを変更した重藤トビアス赳(スポ3=神奈川・荏田)の強烈なスパイクを皮切りに3連続得点し、12-7と点差を広げた。タイムアウトを挟んで後半に入ると、重藤、大塚達宣(スポ3=京都・洛南)のスパイクや伊藤の好守備もあって4連続得点する。点差を19-10として一気に相手を引き離した。その後はサイドアウト(※1)を取り合うかたちとなり、最後は水町泰杜(スポ2=熊本・鎮西)がエンドラインぎりぎりのノータッチエースを決め25-17に。上々のスタートを切った。

 

ブロックで得点した重藤

 2セット目は1セット目とは異なり一進一退の展開となった。開始直後は少し慌ただしい場面があったが、大塚の多彩かつ安定した攻撃や重藤の1枚でのシャットアウトなどで徐々に点差を広げていく。大塚のフェイントから2連続得点し、13-8とした。後半に入ってからもサイドアウトを取り合う展開が続いたが、ここでは途中出場した選手の活躍があった。佐藤に代わりコートに入ったオポジットの山田大貴(スポ2=静岡・清水桜が丘)が豪快なスパイクを決めてブレイクをもぎ取り、流れを渡さない。セット終盤に送り込まれたミドルブロッカーの上條レイモンド(スポ4=千葉・習志野)は、ブロック3枚をそろえ相手チームのスパイクをシャットアウトし、195センチの高さを生かしたクイックでセットポイントを取った。最後は相手レシーブをはじき飛ばす重藤のスパイクで25-17とし、2セット目も連取した。

 3セット目はスタートのメンバーを一部変更し、上條とセッターの仲濱陽介(スポ4=愛知・星城)を起用した。序盤から水町のノータッチエースや、上條の相手ブロックを置き去りにするクイックで点数を重ねていく。リベロの荒尾怜音(スポ2=熊本・鎮西)のフライングレシーブから重藤がエンドライン近くの長いスパイクを決めきり、相手にタイムアウトを取らせる。その後も流れは早大にあった。ブロックが機能し、相手のスパイクミスを誘う。さらに、ラリーでは相手リベロの好レシーブが続いたが、ブロック3枚でシャットアウトし、12-5に。流れを渡さず、相手のタイムアウトを使い切らせた。その後も荒尾の献身的な守備も後押しして、サイドアタッカーを中心に順調に得点を重ねていく。セット終盤に近づくと重藤のアタックラインを刺すクロススパイクでさらに勢いづいた。重藤のノータッチエースやミドルブロッカー岩本大吾(スポ3=兵庫・市尼崎)の強烈なクイックなどで5連続得点し、マッチポイントに。このセットから途中出場したアウトサイドヒッターの平田が最後の1点を決め、25-10に。早大ベンチからひときわ大きな声が上がった。

得点し吠える平田

 秋季リーグ2戦目、1セット目の最初の1点を除き一度も東京学芸大にリードを許さず快勝した。大きなミスなく、長いラリーでも粘り強くボールをつなぎ、安定感を感じさせる試合となった。途中出場の選手も多かったが、どの選手もすぐに順応し、『誰が出ても強いチーム』への足掛かりをつかんだといえるだろう。これからさらに手ごわい相手に立ち向かうことになるが、今後の彼らの成長に期待が膨らむ一戦となった。

(記事 新井沙奈、写真 西山綾乃)

(※1)サイドアウト…サーブレシーブ側のチームが得点すること
 

セットカウント
早大 25-17
25-17
25-10

東京学芸大
スタメン
アウトサイドヒッター 大塚達宣(スポ3=京都・洛南)
アウトサイドヒッター 水町泰杜(スポ2=熊本・鎮西)
ミドルブロッカー 岩本大吾(スポ3=兵庫・市立尼崎)
ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ2=東京・駿台学園)
オポジット 重藤トビアス赳(スポ3=神奈川・荏田)
セッター 佐藤玲(社3=東京・早実)
リベロ 荒尾怜音(スポ2=熊本・鎮西)
コメント

重藤トビアス赳(スポ3=神奈川・荏田)

――今日の試合を振り返っていかがですか

今日の試合は、みんな自分の持っているものを出そうという雰囲気やチームで学芸大さんに向かっていこうという姿勢が見られたので、いいゲームだったと思います。

――チームの感じは良かったということですが、ご自身はどのような気持ちでプレーされましたか

昨日はあまり良くなくて、水町と達宣に負担をかけてしまいました。今日も泰杜の膝の状態があまり良くなかったので、自分が昨日迷惑かけている分今日取り返さないといけないなと思っていたので、そういう気持ちでプレーしました。

――けがから復帰されてのリーグ戦2戦目でしたが調子はいかがですか

足首の状態で多少左右されてしまうところはあるのですが、調子は元通りに戻っていると思います。

――今日の試合では重藤選手の1枚のブロックでの得点が何度もありましたが、ご自身でどう分析していますか

自分はもともとレフトの選手でずっとやってきたので、ライトのブロックにまだ全然慣れてないんです。足のステップとか手の出し方とかの感覚が違って、(スパイクを)止めるよりも自分のブロックで失点することが多いのでそこはまだまだかなと思います。

――お話にもありましたが、サイドアウトヒッターからオポジットにポジションが変更になりました。やりにくさはありませんでしたか

もともとスパイクに関してはレフトで打つよりライトで打つほうが得意ですし、試合中にレセプションする機会もほぼないので、いい意味で気楽といえば気楽です(笑)。

――今日の試合の反省点はありますか

相手の状態が悪い時のフェイントを3球落としてしまったことと、まだ全然自分のブロックが機能してないので、そこは来週や再来週に向けて改善していかないといけないなと思います。

――次の試合に向けての意気込みをお願いします

次に試合をするのは筑波大学さんで、トスのテンポが非常に速くてブロックがとても大事になってくると思うので、自分もブロックをちゃんと跳べるようにして、後ろのディグ(※2)が入りやすいようにしていきたいと思います。

水町泰杜(スポ2=熊本・鎮西)

――今日の試合を振り返っていかがですか

昨日は初戦だったのでチームに硬さがあったのですが、今日は自分たちのいいところで勝負できたと思います。

――サーブの威力が増したように見えましたが、ウエートトレーニングやサーブの練習はたくさんしましたか

ウエートトレーニングは質を高めてやっていました。量を増やすわけではなく、トレーニングがあるときに一番高い質を求めてやっています。

――「高い質」というのは

フォームですね。違うフォームでやってしまうとうまく筋肉に刺激が入らないので、正しいフォームで、かつ重い重量でやるというのを意識してやっています。

――1セット目は打数が多かったのですが、2、3セット目は少なくなりました

いろんなところから攻撃ができている証拠だと思うので、別に悪いことではないと思います。点差的にも余裕があったので。

――重藤選手のインタビューでは水町選手がいい状態ではないとお聞きしました

いい状態ではないですね(笑)。でもいいパフォーマンスを出すための準備を習って、悪い状態でスタートさせることがなくなったので、そこは良いかなと思います。

――それまでは悪い状態で試合に入ることが多かったのですか

そうですね。うまくアップとかで自分の悪い調子をいかに良くするかというところを疎かにしていたと思います。アップもわりとこなすタイプなのですが、痛めているところを温めたらいい体の状態で試合に臨めるので、そこは大学に来て勉強になりました。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

次の相手はレベルが上がってくるので、まずは自分たちのいいところを全部出すということで、いいパフォーマンスをしていい試合ができればいいかなと思います。

(※2)ディグ…スパイクレシーブ