慶大、明大をストレートで下し3連覇達成!

男子バレーボール

 第72回全早慶明定期戦が早稲田アリーナにて開催された。早大は今回加賀優太氏(平30商卒=東京・早実)と中野博貴氏(平31教卒=東京・早実)をOBとして迎え参加。加賀が背番号1、中野が背番号2をつけて臨んだ。いつもと違った雰囲気での試合となったものの、慶大戦、明大戦ともにストレートで勝利。3年連続の全早慶明定期戦優勝を決めた。

 第1試合の慶大戦では、久々に村本涼平(法4=京都・洛南)をスタメンとして起用。序盤からレシーブにスパイクに大活躍を見せ、復活の兆しをうかがわせた。序盤から宮浦健人(スポ3=熊本・鎮西)を中心に連続得点を重ねていく。堀江友裕主将(スポ4=和歌山・開智)がワンハンドレシーブでつないだボールを武藤、宮浦がブロックポイントへと変えると会場は一気に盛り上がった。第1セットを25-21で先取すると、第2セットはスタメンとして加賀が登場。現役時代からコート内の盛り上げ役だった加賀がスパイクを決めて勢いづくも、慶大の力強いサーブに押されて一時5点のリードを奪われてしまう。しかし、吉田悠眞(スポ2=京都・洛南)のサーブから村山豪(スポ3=東京・駿台学園)の連続スパイクや宮浦のバックアタックで一気に形勢逆転。ダメ押しのサービスエースも飛び出し、25-23でゲームセット。逆転に次ぐ逆転で早慶戦を制した。

クイックを放つ村山

 

 

 第2試合の明大戦第1セットは実戦を想定した白熱の試合展開となった。序盤から大塚達宣(スポ1=京都・洛南)のスパイクなどで4点のリードを奪うも、試合中盤までに鎌田(4年)や島(3年)のスパイクから15-17と逆転を許してしまう。「勢いに乗ると怖いチーム」と選手が口を揃えるように、明大の勢いとダイナミックなプレーを止められなかった。長く続いた守りの時間を打ち破ったのは、村本のサービスエース。弾道の変化するフローターサーブで明大のレシーブ陣形を崩すと、明大のエース池田(3年)のスパイクミスを誘った。22-20と再逆転に成功したところでたまらず明大がタイムアウトを取るも、すでに主導権は早大の手中。最後は大塚のブロックで25-20と第1セットの先取に成功した。続く第2セットは序盤から2本のブロックポイントが飛び出して流れをつかむと、21-17の場面で宮浦に代わり中野がコートに立った。中村駿介(スポ3=大阪・大塚)のトスを現役の頃と変わらない丁寧なスパイクで打ち切ると、コートの盛り上がりは最高潮に。2本連続で中野がスパイクを決め、勝利の立役者となった。

久しぶりにスタメン出場を果たした村本

 「早稲田は今年も安定して強い」とOB二人も口を揃える。「楽しく良い雰囲気でやれた」(武藤鉄也副将、スポ4=東京・東亜学園)。卒業した先輩と共に再びコートに立った選手たちの表情は明るく、全日本インカレに向けてますます気合いが入ったことだろう。全日本インカレまであと2週間、選手たちの入念な準備は進んでいく。

(記事 松谷果林 写真 平林幹太、萩原怜那)

セットカウント
早大 25-21
25-23

慶大
スタメン
レフト 村本涼平(法4=京都・洛南)
レフト 大塚達宣(スポ1=京都・洛南)
センター 武藤鉄也(スポ4=東京・東亜学園)
センター 村山豪(スポ3=東京・駿台学園)
ライト 宮浦健人(スポ3=熊本・鎮西)
セッター 中村駿介(スポ3=大阪・大塚)
リベロ 堀江友裕(スポ4=和歌山・開智)
セットカウント
早大 25-20
25-20

明大
スタメン
レフト 村本涼平(法4=京都・洛南)
レフト 大塚達宣(スポ1=京都・洛南)
センター 武藤鉄也(スポ4=東京・東亜学園)
センター 村山豪(スポ3=東京・駿台学園)
ライト 宮浦健人(スポ3=熊本・鎮西)
セッター 中村駿介(スポ3=大阪・大塚)
リベロ 堀江友裕(スポ4=和歌山・開智)
コメント

 

加賀優太氏(平30商卒=東京・早実)

――きょうの試合はいかがでしたか

本当に足を引っ張ってしまって、トラウマになりかけましたね(笑)。後輩がとても強かったので、助かりました。

――サーブでもかなり狙われていました

本当にそうですよね。でも、試合が終わったあと実は(相手が)謝ってくれました。試合なので仕方がないですし、自分の力不足なので全然気にしてないです!

――大学生と試合をやってみて

スパイク、サーブ、レシーブどれをとっても球の質がすごく良くて、やっぱり違うなと思いました。

――久々にエンジのユニホームでコートに立ってみていかがでしたか

去年も感じたことですが、クオリティが高いなと。1番感じたのは宮浦(健人、スポ3=熊本・鎮西)の成長かなと思っています。僕が4年のときも一緒にコートに立っていて1年生ながらすごく頼りになるなと感じていたのですが、(プレー面で)さらに増したように思いますね。

――後輩の皆さんへ一言お願いします

周りから「全カレ(全日本大学選手権)3連覇」などすごくプレッシャー懸けられると思いますが、普通に楽しんでやれば勝てると思っています。全力で頑張ってください!応援しています。

中野博貴氏(平31教卒=東京・早実)

――きょうの試合はいかがでしたか

まだ社会人1年目なのですが、現役との差を痛感しました(笑)。

――大学生との試合はいかがでしたか

やっぱりすごいですね(笑)。一緒にやっていたメンバーなのですが、改めてすごいなというのが第一印象です。

――久しぶりに後輩の選手たちとプレーされてみて

自分が4年生のときはBチームでやっていたのですが、その時に一緒にやっていた駿介(中村、スポ3=大阪・大塚)、涼平(村本、法4=京都・洛南)や悠眞(スポ2=京都・洛南)がAチームで頑張っているのを見ると、こいつら頑張っているな、と思ってすごく嬉しかったです。

――明大戦の終盤は大活躍でした

体が全然動かなくて。週に1回バレーボールやっているのですが、やはり限界がありますね(笑)。いいトスを上げてもらって、なんとか決めることができたので良かったです。現役のおかげです!

――久々に早大のユニホームを着用されました

久しぶりにエンジのユニホームという伝統のあるユニホームを着させていただいた、というのも本当に嬉しかったですし、去年自分の代では光輝(小林、平31スポ卒=現ジェイテクトSTINGS)がつけていた番号なのでそこも(嬉しかったです)。イケメンがつけていた番号なので(笑)。恥のないようなプレーを頑張りました。

――今年の早大について

個のプレーがすごくしっかりしていますし、考え方もしっかりしているので、チームが1つにまとまれば(全日本インカレでも)優勝できると思っています。

――後輩の皆さんへ一言お願いします

きょうはありがとうございました。インカレ(全日本インカレ)に向けてぜひ頑張ってください。優勝して、おいしいお酒を飲んでくださいと言いたいです!

堀江友裕(スポ4=和歌山・開智)

――まず慶大戦を振り返っていただきますか

個人として良くない中で慶大戦は周りに助けてもらいながら試合を進めることができました。

―明大戦を振り返ってください

一部のチームであり全カレ(全日本大学選手権)でも当たる可能性のあるチームなのである程度対策を練って臨んでうまくはまった部分がありました。なのでその部分を忘れないようにしたいです。

――ご自身のレセプションはいかがでしたか

(秋季関東大学リーグ戦)での明大戦では狙われて崩されることがあったのできょうは返してやろうという気持ちでいました。まだ数字は見ていないですがある程度の成績は残せたんじゃないかと思います。

――久しぶりにOBの方々とプレーできていかがでしたか

2個上の加賀さん(優太氏、平30商卒=東京・早実)と1個上博貴さん(中野氏、平31教卒=東京・早実)と久しぶりに会えて活躍してもらったのでよかったです。楽しかったです。

――ボールが変わったと思います

とりあえずボールに慣れるということを考えていました。そんなにやりにくくもないのであんまり意識はしてないです。

――感触などはいかがでしたか

僕はあんまりわからないですが、フローターサーブとかで他のメンバーは前のボールの方が変化していたと言っていました。

武藤鉄也副将(スポ4=東京・東亜学園)

――きょうの2試合を振り返っていかがですか

きょうはリーグ明けということで、まず涼平(村本涼平、法4=京都・洛南)が復帰して初めての試合でした。彼はあまり調子に波が生まれることがないですし、ある程度はできるということがわかったのがよかったです。全カレ(全日本大学選手権)では慶應は逆の山ですが、明治とは順当にいけば準決勝で戦うことになるので、その相手と試合できたというのもよかったと思います。

――ご自身のプレーはいかがでしたか

秋季リーグに調子がよかったこともあり、マークが厳しくなることが予想されていました。その中でリーグほどは決めきれなかったのですが、相手がどのぐらいマークをしてくるか、またどんなブロックをしてくるかというのがわかっただけでも収穫かなと思います。

――OBの方も参加しての試合となりましたが、普段の試合と比べて雰囲気など違う部分はありましたか

加賀さん(優太氏、平30商卒=東京・早実)と博貴さん(中野氏、平31教卒=東京・早実)は雰囲気をつくってくださる方々だったので僕らもすごく明るく、楽しくやらせてもらえました。いい雰囲気だったのではないかと思います。

――ボールが変わって感じることはありますか

サーブレシーブがやりづらいのかなということは感じたのですが、サーブは特にやりづらいということはなかったです。サーブはもっと強く打つことを意識し、サーブレシーブはもっと慣れが必要だと思うので練習していきます。