黒鷲旗全日本男女選抜大会(黒鷲旗)から一週間。春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)が再開したきょう、早大は同じく黒鷲旗に出場した明大と戦った。「Vと戦った感覚が残った状態でプレーすることができた」と堀江友裕主将(スポ4=和歌山・開智)が振り返るように、Ⅴ1相手に連勝した強さをきょうも遺憾無く発揮し続けた早大。序盤からリードし続けセットカウント3-0(25-21、25-17、25-14)で見事ストレート勝利を飾った。
「序盤が少し悪い」と中村駿介(スポ3=大阪・大塚)が振り返るよう、サーブミスや明大のサービスエースが続きなかなかうまく試合を運ぶことができない早大。しかし5-7と2点リードされた場面。明大のサーブミスを皮切りに武藤鉄也副将(スポ4=東京・東亜学園)のCクイックを含む3連続得点を重ね、11-8に。ここで明大にタイムアウトを取らせることに成功。その後も依然に流れは早大に。16-12には中村がアンテナ沿いのカットすることが難しいボールをスーパーレシーブする場面も見られた。このまま流れを明け渡すことなく第1セットを先取する。続く第2セット。堀江主将の的確なトスから大塚達宣(スポ1=京都・洛南)の強烈なスパイクが決まり1点目を獲得する。続いて武藤副将のサービスエースでブレークに成功。連続得点を幾度となく重ねていく。セット終盤、点差が10点と大きくリードした場面で早大は選手を積極的に入れ替える。中村に交代して入ったセッター仲濱陽介(スポ2=愛知・星城)の安定したトス裁きから村本涼平(法4=京都・洛南)がスパイクを決めて23-13。明大はその後3連続得点を獲得し、反撃するも時遅し。最後は早大がサーブミスを落ち着いてジャッジしセットを連取する。
フェイントを決める大塚
第3セットも1,2セット同様序盤から早大の勢いは止まらない。相手がレシーブしたボールが天井にまで飛ぶほどの力強い宮浦健人(スポ3=熊本・鎮西)のスパイク、ブロックの隙間を抜く技ありな村本のスパイクなどが決まり8-5に。その後も点差を広げていく早大。17-14できょう絶好調の武藤副将のクイック。その後、村本のブロック、中村のサービスエースが決まり早大はブレークを取り続ける。最後は村本と途中出場の岩本大吾(スポ1=兵庫・市立尼崎)の2枚ブロックが機能し、25点目。圧巻の8連続得点で大差をつけこのセットも獲得し、明大に快勝を収めた。
安定感のあるサーブを放つ村本
黒鷲旗では破竹の勢いを見せた早大。疲れも残っている中で全員が躍動しストレート勝ちを収めたきょうの一戦は個々の成長を春季リーグ戦の目標として掲げている早大にとって大きな意味を持つ。しかし「まだ受け身に入ってしまった部分もある」と堀江主将は結果に満足していない。あすの対戦相手は筑波大。昨年の春季リーグ戦では2位の結果を残している強豪だ。早大には武器であるサーブを駆使し、『攻め』のバレーボールを見せて最終戦へつなげてほしい。
(記事 萩原怜那、写真 松谷果林)
セットカウント | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 3 |
25-21 25-17 25-14 | 0 | 明大 |
スタメン | ||||
レフト 村本涼平(法4=京都・洛南) レフト 大塚達宣(スポ1=京都・洛南) センター 武藤鉄也(スポ4=東京・東亜学園) センター 村山豪(スポ3=東京・駿台学園) ライト 宮浦健人(スポ3=熊本・鎮西) セッター 中村駿介(スポ3=大阪・大塚) リベロ 堀江友裕(スポ4=和歌山・開智) |
コメント
堀江友裕主将(スポ4=和歌山・開智)
――きょうの試合を振り返ってみて
疲れがある中でストレートで勝てたので良かったです。
―ブロックフォローなどご自身のプレーはいかがですか
ブロックフォローは最近上がるようになってきてはいますがまだまだで、スパイカーを助けることがもっとできると思うので上を見て頑張ります。
――黒鷲旗の後どんな練習を積んできょうに臨みましたか
Aチームはほぼ練習せずというか疲労を抜くことだけを考えてやっていました。練習メニューはシークレットで(笑)でBチームはがっつり練習していました。
――黒鷲旗で実業団のチームと戦っていて久しぶりの大学生との対戦でしたが感覚などに違いはありましたか
V相手に向かっていけたのでそれを大学相手にもやろうと思いつつまだ受け身に入ってしまった部分もあるのでそれは仕方ないことですが、Vと戦ったという感覚が残った状態できょうプレーすることができたのでそれがあったからきょうは勝てたかなと思います。
――最後にあすへの意気込みをお願いします
筑波は僕らのように考えてプレーするチームなのでそれに負けないようにというかやはりリーグの終盤になっていく中で仕上げというか春季リーグ戦の目標を達成しないといけないと思うので、でも勝ちにこだわりつつ、頑張りたいと思います。
武藤鉄也副将(スポ4=東京・東亜学園)
――きょうの試合を振り返っていただけますか
きょうは黒鷲旗の疲れがある中で、明治も同じく黒鷲旗に出ていたので疲れていた部分もあったと思いますが、そこはしっかり僕らがプレーしている分体力で上回っていて向こうもやりたいことができていないという感じだったのでこっちが良かったというよりかは向こうが悪かったかなと思います。
―クイックも好調でしたがきょうのプレーを振り返っていただけますか
コーチの伊東さん(克明氏、平12年卒)にも去年からC クイックが有効になるということも言われていたので駿介(中村、スポ3=大阪・大塚)もその点を意識して上げてくれたと思います。
――黒鷲旗で実業団のチームと戦っていて久しぶりの大学生との対戦でしたが感覚などに違いはありましたか
やっぱり企業のチームの方が高さとパワーがある分、それを経験していたからこそ今回レベル的には落ちる相手に対して楽にプレーできていた部分はかなりあると思うので他のチームにはない良い経験ができていた一週間だったなと思います。
――最後にあすへの意気込みをお願いします
あすも1試合目で朝早くて体もキツくて動かないかもしれないですけどその時のためにトレーニングしてきているので動かない時こそしっかり基本を大切にしてプレーしてあすは向かってくる相手なのでこっちも受けずにサーブで攻めていける自分たちのバレーをしたいです。
宮浦健人(スポ3=熊本・鎮西)
――きょうの試合を振り返って
黒鷲旗で高いレベルの相手と戦えて、そこで得た収穫をきょうの試合で生かせたので、きょうかしっかり3-0で勝てました。
――ブロックをよく見たスパイクが印象的でした
きょうはちゃんとコースに打てていた部分もありましたが、まだまだブロックされてしまう場面もありました。そこをもっと磨いていきたいなと思っています。もちろんリバウンドを取ろうということもありましたが。きょうはコースを抜いていくというのが意図的にしっかりできていたかなと思うので、継続していきたいです。
――サービスエースを取られていましたが、サーブで意識したことは
去年はやっていなくて、今もまた戻していますね。自分がレフトから打てたら、ローテーションなどで色々な選択肢が増えると思うので、それにチャレンジしているというかたちでやっていました。ですが、相手が強くなるにつれてチームの中でその形が回らなくなってきてしまったので、元に戻したという形です。「個を大きくする」ということで、チームとしてこれまで取り組んできました。
――Vのチームとの対戦経験が生きた面もありましたか
まだ力んで自分が狙ったところにいかなかったり、アウトになってしまったりすることが結構あります。きょうもそういう場面がありましたし。まだトスが安定していない感じがありますね。トスからしっかり意識を集中して、8割ぐらいでコースに打っていけるようなサーブにしたいと思っています。
――あすに向けて
あすも厳しい試合になると思うので、それに向けてしっかり準備したいです。きょうと、あすの試合前までに最高の準備をして、自分たちの持っているものをしっかり出せるようにしたいです。
中村駿介(スポ3=大阪・大塚)
――きょうの試合を振り返って
黒鷲旗(全日本男女選抜大会)でVのチームに勝てたことで、大学生との対戦は気持ち的に余裕がありました。
――明大のスタメンがいつもと違いましたが、攻撃の組み立てとしてはどのようなことを意識されていましたか
そうですね、相手のスタメンは予想していなかったですし、少し驚きました。配球としては、佳朗さん(鎌田、明大)が前の時は、ブロックが低くなるので積極的に宮浦(健人、スポ3=熊本・鎮西)を使って攻めていこうと考えていました。また、村山(豪、スポ3=東京・駿台学園)にマークが結構厚めについていたので、そこをなるべく使わないで引っ掛けてサイドにトスを集めるようにして、武藤さん(鉄也副将、スポ4=東京・東亜学園)でなるべくクイックを通していこうというかたちでいきました。
――サービスエースを取られていましたが、サーブで意識したことは
明大のリベロが左側に寄っていて、佳朗さんがサイドにいたのでコートの真ん中が空いていました。サイドを少し見ながら真ん中に打つなど、少し工夫して、一癖入れながら打ちました。
――Vのチームとの対戦経験が生きた面もありましたか
粘り強さという面で、Vのチームにはあるなと感じましたね。決まるボールが全部上げられてしまいましたし、1本で返ってくる時もあって、セッターとしても(スパイクを)拾われてしまうと「なんでだろう」と思ってしまいます。その点、きょうはわりとスパイクもよく決まったので、そのあたりが違いかなと感じています。
――あすに向けて
きょうも出だしが少し悪くて、雰囲気も少し悪くなってしまいました。筑波大は勢いがあるチームということもあり、序盤にやられてしまうとしんどい部分があるので、序盤からいいかたちが作れるように頑張っていきたいと思います。