最終日を残し、4年ぶりのリーグ戦優勝を決める!

男子バレーボール

 ついに歓喜の瞬間が訪れた。秋季関東大学リーグ戦10日目。ここまで9戦全勝の早大は東海大と対戦した。勝てば優勝決定というプレッシャーのある中でも、1点目から気持ちの入ったプレーを見せる。序盤で大量リードを得て危なげなく2セットを連取した。3セット目は競り合う展開となったが、最後に突き放しセットカウント3−0(25−19、25−18、25−21)でストレート勝ち。最終日を残し、悲願のリーグ戦優勝をつかみ取った。

 優勝を決めるための戦いが幕を開けた。試合開始のホイッスルが鳴り、小林光輝(スポ3=長野・創造学園)が放ったサーブがカーブを描くと、いきなりのサービスエース。ラリーになった場面では、堀江友裕(スポ2=和歌山・開智)が大きく弾かれたボールをベンチを乗り越えてレシーブし、これを宮浦健人(スポ1=熊本・鎮西)が決め切り得点に。これには選手たちも大きな盛り上がりを見せた。サーブで攻めることでブロックもしっかり機能し、コンスタントにブレイクポイントを奪う。序盤に大量リードを得ると、終盤も相手を寄せ付けない。24−18から小林が途中出場の喜入祥充主将(スポ4=大阪・大塚)にトスを託すと、喜入がストレートへのスパイクでこれを決め、まずは1セットを先取した。2セット目も依然として早大ペースは変わらず。サーブで相手のレシーブを乱し、満足に攻撃させない。序盤で主導権を握ると、最後は山﨑貴矢副将(スポ4=愛知・星城)が重さのあるクイックをサイドライン上に決め25—18。簡単に2セットを奪うことに成功し、勝利に王手をかけた。

堀江の献身的なレシーブが早大のバレーを支えている

 続く第3セット。今までとは一転競り合う展開となる。「もどかしかった」(加賀優太、商4=東京・早実)。サーブレシーブの乱れから、主導権をつかみきれない時間が続く。しかし、小林のサーブから自分たちのかたちを取り戻すと一挙に7連続得点。22−16から3連続得点を許す場面もあったが、タイムアウト後に武藤鉄也(スポ2=東京・東亜学園)のクイックで悪い流れを断ち切った。そして、宮浦のブロックアウトを狙ったスパイクで24−21。迎えたマッチポイント。土屋健太郎(スポ4=群馬・高崎)がピンチサーバーとしてコートに立つ。喜入主将、山﨑副将、加賀、土屋の4年生4人がコート立っていた。土屋がしっかりサーブで相手を崩すと、加賀がブロックでボールを相手コートに叩き落とす。25−21。コート中央で円陣を組み、笑顔で喜びを分かち合った。

優勝を決め喜ぶ選手たち

 「全部のタイトルを狙っていく」。新チームが始動した時の喜入主将の言葉だ。春季リーグ戦・東日本大学選手権は共に3位。2点差のゲームを落とすなど、あと一歩優勝に手が届かず悔しい思いをした。しかし負けを無駄にせず、そこで見つけた課題を一つ一つ解決することで、確実にチームとして成長してきた。「相手に関係なくやるべきことを全部やる」。この秋季リーグ戦で、選手たちは幾度となくこう口にした。1試合1試合常に自分たちがやってきたことを全部出す。目の前の一戦に常に集中してきたことが、この秋季リーグ戦でついに優勝という結果として実を結んだのだ。リーグ戦優勝は2013年に27年ぶりにリーグ制覇をした時以来の快挙である。しかし、これで終わりではない。「全日本大学選手権で勝つためには、あしたが一番大事な試合」(武藤)。早大史上初の全勝優勝へ、そして全日本大学選手権での優勝へーー。秋季リーグ戦の締めくくりにふさわしい、次につながる試合を最終戦でも見せて欲しい。

(記事 杉山睦美、写真 藤原映乃、越智万里子)

 

セットカウント
早大 25-19
25-18
25-21
東海大
スタメン
レフト 加賀優太(商4=東京・早実)
レフト 藤中優斗(スポ3=山口・宇部商)
センター 武藤鉄也(スポ2=東京・東亜学園)
センター 村山豪(スポ1=東京・駿台学園)
ライト  宮浦健人(スポ1=熊本・鎮西)
セッター 小林光輝(スポ3=長野・創造学園)
リベロ 堀江友裕(スポ2=和歌山・開智)
コメント

加賀優太(商4=東京・早実)

――優勝を決めた今のお気持ちをお願いします

最初で最後のリーグ戦優勝なので嬉しいです。でも、チームは勝ちましたが自分のプレーとしてはまだまだ納得のいくものではないので、このまま全日本大学選手権を迎えてしまったら怪しいなと思う部分があります。優勝してはいるのですが自分としては納得いかない部分も多いです。

――優勝をかけた試合ということで、試合前のチームの雰囲気としてはいかがでしたか

監督からもあったのですが、優勝などは意識せず一戦一戦自分たちのバレーをやって勝ちを積み重ねていくということを今週もそうですがリーグが始まった時から意識していました。優勝というのは意識せずに取り組んではいました。

――チームとしてきょうの試合を振り返って

1、2セット目は相手のミスもあったのですが、サーブで攻めて自分たちのかたちに持っていくことができました。序盤から大量リードできたので、試合を進めやすかったです。3セット目はレセプションが乱れたり、光輝(小林)が取りづらいタイミングの返球が多かったりして、自分たちの攻撃がうまく回らない部分がありました。相手を崩して2段トスにしても、得点にできない場面など、もどかしかったのですが、最後に光輝のサーブの場面から自分たちのかたちを取り戻してストレートで勝てたことは良かったと思います。

――最後は加賀選手のブロックポイントで優勝を決めました

ずっと自分のブロックで弾いて相手の得点にしてしまう場面が多かったです。土屋がサーブで崩してくれたので、恩返しというわけではないですが、その分最後はしっかり止めなければいけないという思いがありました。

――最後の場面は4年生4人がコートに立っていました/p>

監督の配慮もあったとは思いますが、土屋もサーブで崩してくれましたし、それぞれ4年生が監督の期待に応えられて最後にリーグ優勝という瞬間を迎えられたことは良かったと思います。

――優勝をつかめたポイントはありますか

下位のチームと当たっている時も、フルセットになったりというゲームがありましたが、それでも自分たちが苦しい場面で冷静になって、ここ一番というメンタルがキツイ場面で勝負に出て、それはいい結果に転がっているのでそういう部分が大きかったと思います。

――あすへ向けて

優勝は決まっていますが、日体大とは来週の天皇杯予選でも当たりますし、そういう部分でもあしたしっかりと勝って全勝優勝という形で締めくくりたいです。

藤中優斗(スポ3=山口・宇部商)

――優勝おめでとうございます。感想からお願いします

きょう勝てたことはよかったんですし、優勝決まりはしましたけどあしたも試合があります。あまり優勝は意識していなかったので全カレに向けて良い弾みをつけていければと思っていたので、結果として優勝という形になりましたけど、明日の試合に調整していけるといいなと思います。

――まだそんなに気持ちが実感として湧き上がっているわけではないですか

そうですね、全カレを意識してやっているので。

――きょうも危なげなく試合を運びました。強さの要因は

相手の対応というよりも自分たちのバレーができれば大丈夫なので、そこを1番意識して、どんな状況でも先に1セット取られても点差がついても自分たちのバレーをということをチーム全員が意識していたので、そこをブレずにやっていけたのがよかったのかなと思います。

――ご自身のプレー、良かったのでは

序盤しかしっかりスパイク決まっていないので、後半は宮浦だったり加賀さんがしっかりスパイク決めてくれてローテが回るというかたちでした。2段トスをもっと決めていけたら楽にチームが回っていくと思うので、スパイクに関しては課題ばっかりかなと思います。

――サーブレシーブに関してはいかがでしたか

きょうは乱される部分ばっかりだったので、課題です。

――全勝優勝に向けて一言お願いします

きょう終えてまだ明日あるのでそこは気持ちブラさずに、全カレに向けて自分たちのバレーを完成させるという形で自分たちのやることをやっていきたいと思います。

小林光輝(スポ3=長野・創造学園)

――優勝した今のお気持ちをお願いします

今は全然実感がないので、とりあえず全カレに向けての秋リーグであるので、全カレは負けたら終わりなので一戦も負けられません。そういう意味であしたも負けられません。あしたが勝負だと思うのであしたにつなげます。

――立ち上がりから良いペースをつくれていた

一本目はセッターがミスしたり、一本目をミスするとチームの流れが悪くなってしまうと考えています。最初から攻めていこうかなと自分でも思っていたのでそれが得点につながっていい入りができたのはよかったです。

――きょうの試合を振り返って

ブロックが良くて、それに対してディグの関係も良くてこっちとしてブレイクが取れていたのは良かったです。でも、ファーストブレイクが悪くて今まで積み上げていたものが戻ってしまいました。ファーストブレイクをしっかり取るのが自分の役目だと思うのでもう一度考えていきたいです。

――サーブからの攻撃が良かったですが振り返って

自分たちはサーブを武器にしてやっていて、そこが強みなのでサーブで攻めれる状況をつくれたっていうのが良かったかなと思います。向こうのレセプションも良くないので崩れたところからブロックが絞れて、得点につなげられていたのでブロックで勝った試合じゃないかと思います。

――冷静に相手を見ながらトスを上げている印象がありました

相手を見ていたんですけど全員が全員気持ちよく打ててはいなかったので、どうやってスパイカーを楽な状況で打たせるかが自分の仕事だと思うのでそこは徹底してやっていきました。

――4年生に決めてほしいという気持ちは強くありましたか

そうですね、最後の秋リーグっていう思いもありますし、4年生に上げて決めてもらうのが一番僕としても嬉しいです。最後は4年生4人全員がコートに入って、土屋さんがサーブで崩して加賀さんがブロックして4年生が最後に優勝を決めたというのは最高です。

――一点一点喜ぶ姿も見られましたが、みなさん気持ちが高まっていましたか

意外に冷静にみんなできていて、相手も単調なことしかやってこないですけど相手を冷静に見れていたので落ち着いてはできていたと思います。集中力欠けたりという部分もあったと思うので終始キチッとしたバレーができたらと思います。

――改めて優勝した要因は

武器であるサーブで相手を崩して、ブロックとレシーブで得点するということができたので苦しい場面でも攻め切れました。また、他のチームよりも基礎の部分がキチッとしていて、当たり前のことを当たり前にできるのがワセダだと思います。そういう細かいところで勝てたんじゃないかなと思います。

――最終戦、全勝優勝に向けて意気込みをお願いします

全カレに向けて秋リーグ全勝優勝して、最後4年生を胴上げできるように頑張りたいと思います。

堀江友裕(スポ2=和歌山・開智)

――優勝を決めた今のお気持ちは

素直に嬉しいです。今までの人生で優勝をしたことがなかったので。でもあと一戦残ってると思ったら気は抜けないので、またあした頑張りたいと思います。

――優勝をかけた一戦となりましたがプレッシャーは感じていましたか

感じないようにとは思っても、多少はプレッシャーを感じてしまいます。それがサーブカットがあまり返らなかったところなどに出てしまったかなと思います。

――きょうのチームの戦いを振り返って

うまくいくことが多かったと思います。ディグとスパイクが決まったらいい展開に持っていけました。それでも、ブロックはもう少し止めれたり、ワンタッチ取れたりという場面があったと思います。個人としてはサーブレシーブを安定させることができずに3セット終わってしまったことは後悔しています。

――ベンチを乗り越えてレシーブしたボールが得点につながる場面もありました

今までだったらぶつかってケガをするのが怖くて、行かなかったのですが、そういう俊敏性や瞬発力が付いてきたのか「行ける」っていう思いが出てきました。そういうのもボール練習だけではなく、日頃のトレーニングの成果が少しづつ出てきているのではないかなと思います。

――ご自身のディグを振り返って

手をケガしているというのもあって、足元のボールに手を入れられていないです。上げれるボールは上げれてはいたと思います。100点満点のプレーはいつまでたってもできないと思うのですが、もう少し手に当たっているボールを上げれるようにしたいです。

――小林選手が1本目を触った時でも、2段トスから攻撃を展開できることが早大の強みとなっていますが、そのつなぎのプレーを振り返って

速い攻撃ができたらいいなと思って日頃から練習はしています。それでも光輝さんが1本目を触ってしまった時点でチームとしての攻撃力は下がってしまうので、行けるボールは僕がどんどん触りに行って光輝さんに2本目を触ってもらえるようにしたいです。最近は1本目を光輝さんに任せすぎてしまっているかなと思います。

――優勝という結果につながったポイントなどはありますか

偉そうなことは言えないのですが、4年生が試合に出ていなくてもしっかり仕事をしてくれています。あまり言葉にはできないですが、そういう先輩がしっかりしてくれているからこその結果だと思います。途中で出てきても、先輩のために頑張ろうって僕も思えているので、そういうことを思わせてくれる先輩のおかげだと思います。

――あすの試合に向けて

早大は全勝優勝をまだしたことがないです。勝つというよりは、やってきたことができれば勝てるというのが今のチーム状態だと思うので、そういうのを意識して、結果的に全勝優勝ができればいいです。

 

武藤鉄也(スポ2=東京・東亜学園)

――優勝を決めた今のお気持ちは

向こうの状態があまり良くなかったということもありますが、早大がやりたいことをやってストレートで勝てたので良かったと思います。

――1週間インターバルがありましたがどのような練習をしましたか

最初の1週は落とし気味で、体の状態を整えようということで取り組みました。今週に入って水曜と木曜にゲーム練習で一度スイッチを持って行って、また金曜に一度脅しました。きょうにベストな状態を持ってこれたのではないかと思います。

――どのような意識で試合に入りましたか

まずは相手のレセプションがあまり良くないので、しっかりサーブで攻めてブレイクを取るということを意識しました。あとは早大が一本でしっかりファーストブレイクを決められるようにということを意識しました。

――きょうの試合を振り返って

全体的にサーブで攻めれていて、ブロックで効果的にゲームを運べていたと思います。

――3セット目競り合いになった要因と、その中でも取りきれた要因はありますか

ブレイクは取れていたと思いますが、逆にファーストブレイクが取りきれていなかったと思います。勝てた要因としてはレシーブとブロックでブレイクを取れたからだと思いますが、きょうの試合は全体を通してファーストブレイクの確率がそんなに高くなかったと思うので、あすはそれを修正していきたいです。

――優勝という結果につながったポイントはありますか

練習してきたことを全部出すというのがこのリーグ戦のテーマでした。優勝することも大事ですが、あくまでも全日本大学選手権で優勝することが目標です。それに向けて今やるべきことをしっかりできていることだと思います。

――あすへ向けて

全日本大学選手権で勝つためには、あしたが一番大事な試合だと僕は思っています。あした勝てる勝てないではなく、やるべきことができなければこのリーグ優勝もあまり意味がないと思います。勝ち負けも大事ですが、やるべきことをやって練習してきたことを全部出すということを意識して、全日本インカレへの課題を見つけていきたいです。

 

村山豪(スポ1=東京・駿台学園)

――優勝おめでとうございます。感想からお願いします

夏合宿から通して練習してきたことが試合で成果として出たと思うので、優勝できてよかったなと思います。

――秋リーグ、貢献度が高かったのではないでしょうか

まだもっと貢献できると思うので、貢献したかしてないかと言われたらあまり自分では評価できないです。

――きょうのご自身のプレーに関してはいかがでしたか

上がってきたトスを全部決めようという気持ちでやったので、きょうはしっかり決めきれた部分が多かったのでよかったと思います。

――あまり優勝を意識せずにプレーできましたか

そうですね、意識してしまうと勝ち急いでミスが出てしまうので、インカレにつなげるための試合だと思ったので、優勝は意識していないです。

――明日に向けて一言お願いします

明日勝って全勝優勝して全カレにつながるような試合になるように頑張りたいと思います。

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