落ち着いた試合運びで中大に快勝!

男子バレーボール

 連勝をまた一つ伸ばした。ここまで無敗と圧倒的な強さで首位を走る早大は中大と対戦。所々に課題も見つかり会心のゲームとはいかなかったものの、ミスの出た中大を冷静に押し切り、セットカウント3−1(25—20、29−31、25−22、25−20)。安定した試合運びで勝利をつかんだ。

 「チームとして試合の出だしから落ち着いていた」(小林光輝、スポ3=長野・創造学園)。中大のミスによって得た連続得点を最後までしっかりと守りきり、1セットを先取。幸先のいいスタートを切った。続く第2セット。出だしから長いラリーとなりこのセットの熱戦を予想させた。序盤から、互いに点の取り合いとなる。中大が3連続でミスをした隙に一歩リードしたが、鋭いスパイクやブロックポイントで逆転を許した。そのまま一進一退の攻防が続き試合はデュースへと突入する。セットポイントを握っている優位な状況ではあったが、あと1点が遠い。相手に連続でサーブミスが出るなど、付け入る隙はあったものの、その機会をものにすることができなかった。それに対し、1度の機会で決めきってみせた中大。29—31と粘りはしたが、このセットを落としてしまう。

この日3本のサービスエースを奪った小林

 第3セット。小林のこの日3本目のサービスエースで3点のリードを得る。その後も藤中優斗(スポ2=山口・宇部商)と小林が立て続けに1枚ブロックで相手スパイクをシャットアウト。終盤に詰め寄られる場面もあったが、最後は喜入祥充主将(スポ4=大阪・大塚)の2段トスを宮浦健人(スポ1=熊本・鎮西)が決め、このセットを奪った。第4セット、サーブレシーブでレフトを潰される苦しい場面もあったが、宮浦やセンター陣が踏ん張り得点を重ねる。序盤、中盤と連続得点を奪い、余裕を持って終盤を迎えた。最後は3セット目同様、コートから大分離れた位置から喜入主将が上げた2段トスを、宮浦がハーフスイングで相手のコートの穴に落とし勝利を決めた。

これでチームは開幕8連勝となった

 疲れの影響からか、レフト陣のスパイクが決まらない場面もあったこの試合。そんな中でも、サーブレシーブが返った場面ではセンター陣が相手にマークされながらもスパイクを決めた。また、1点が欲しい場面で2段トスになっても宮浦が確実に得点。「相手のミスに助けられた部分が大きかった」と加賀が言うように、確かに中大に多くのミスも見られたが、チームとして全員が万全ではない中でもしっかりと勝ち切ったことは収穫と言えるだろう。次の相手は春季リーグ戦で黒星を喫した学芸大だ。「自分たちのやれることをやる」(堀江友裕、スポ2=和歌山・開智)。この日の第1試合の結果次第では、勝てば優勝が決まるというプレッシャーの中の試合となる可能性もある。しかし、まずは目の前の一戦に集中し確実に白星をつかみたい。

(記事 杉山睦美、写真 藤原映乃)

セットカウント
早大 25-20
29-31
25-22
25-20

中大
スタメン
レフト 加賀優太(商4=東京・早実)
レフト 藤中優斗(スポ3=山口・宇部商)
センター 武藤鉄也(スポ2=東京・東亜学園)
センター 村山豪(スポ1=東京・駿台学園)
ライト  宮浦健人(スポ1=熊本・鎮西)
セッター 小林光輝(スポ3=長野・創造学園)
リベロ 堀江友裕(スポ2=和歌山・開智)
コメント

加賀優太(商4=東京・早実)

――中大戦ということで気合が入った部分もありましたか

上位校同士の戦いなのでみんな気合は入っていましたし、僕は相変わらず気負いすぎている部分がありました。他のメンバーは調子がいいのでそこに助けられています。

――2セット目の中盤、サーブの前に監督に声をかけられている場面が印象的でした

自分の中ではそういうつもりはなかったのですが、外からプレーを見ているとかなり気負いすぎている部分が見受けられたみたいです。ベンチのメンバーからもそういう指摘があって、ここ3試合コントロールが上手くいかない部分もあるので、もう少しリラックスできるといいと思います。

――きょうの試合を振り返って

相手のミスに助けられた部分が大きかったです。相手のクイックに対しても、対応できずに終盤まで決め続けられてしまいました。序盤で相手がスパイクミスをしてくれて助かったなというのはすごく感じます。

――中大のサーブミスが目立ちましたが、早大はサーブについてはどのような考えがありましたか

相手はサーブで攻めてくるチームだということはわかっていました。早大もサーブが武器ではあるのですが、お互いサーブミスをしてのミスのし合いに付き合わないようにしようということは考えていました。

――ブロックに関して

ブロックに跳べていてコースにも入れているのですが、形が悪かったりして相手に出されたり、吸い込んだりという場面が見られます。レフトに対してブロックを3枚目まで揃えるという練習はしてきていたのですが、まだまだだなと思います。

――ラリーになった時に最後の一本が決めきれないという印象がありました

監督がこれまでのリーグのデータを分析した中で、早大はラリー中のスパイクミスが多いということがありました。ラリー中の余裕がない中でスパイカーが気負って決めにいって、ブロックにかかったりミスをしたりというデータが出ているので、それぞれ考えてはいると思いますが、きょうの試合でもそれが出てしまったかなと思います。きょうは勝ちはしましたが、内容としてはあまりよくはなかったと思います。

――サーブで攻められライトにボールが集まる苦しい部分もありました

今は苦しい時に宮浦に上げて上手く決まってはいるのですが、ここまでのリーグ戦でも日大戦など宮浦が調子を落とした時に苦しい試合になってしまいました。やっぱり早大は、センターがあってそこからの展開というのが軸としてあります。そこを僕がキャッチで乱してしまっているので頑張らなくてはいけないなと思います。

――学芸大戦へ向けて

春に敗れた時と同じ会場の同じコートでやることになると思います。そういう思いもあるとは思いますが、相手よりがどうこうというよりも、ブロックの形やブロックとディグの関係、3本目をスパイカーがどう決めきるかという部分を自分たちがどう詰めていくかということだと思います。その結果勝ち切れればいいと思います。

小林光輝(スポ3=長野・創造学園)

――試合を振り返って

自分たちとしては調子が良くない選手もいたりして、その中でもチームの雰囲気として慌てずにできました。合宿を通してだったり、試合を通して自分たちの自信になっていったからうまく勝てたのかなと思います。

――勝てた要因は

相手の方にミスが多くて、自分たちのバレーができたわけではないんですけど、相手に対しての対応はできていたのでその部分が良かったのかなと思います。自分としても調子が悪い選手がいても、組み立てというのを落ち着いてできていたので良かったと思います。

――どのようなゲームメイクを心がけましたか

やってきたことをやろうと思ってやりました。真ん中からのミドルやバックアタックの攻撃は自分の中で意識してできました。サイドの単調な攻撃にならなかったのが良かったのかなと思います。調子が悪い選手をゲームの中でどうやって復活させ、本調子に持っていけるかということは考えてやりました。

――4セット目の序盤は宮浦選手を中心に攻撃を展開させていまして

出だし勝負なので、宮浦が当たっていたので、そこでまず自分たちのリズムをつくってそこからどうするかを考えました。まずは自分たちのリズムをつくるために当たっている選手に上げました。

――落としてしまったセットは何が良くなかったですか

自分たちのリズムがつくれない中でサーブを攻めたり、自分たちがやってきたことをできなかったことが拮抗した場面で取りきれなかった要因だと思います。そういう場面でも攻め切るということを意識してやっていきたいです。

――サービスエースやブロックポイントもありましたがご自身のプレーを振り返って

自分の思った通りのプレーができたのでそれが結果につながっただけです。セッターとしてはスパイカーに気持ちよく打たせるというのは100パーセントできてはいないので、そこが課題です。

――学芸大戦に向けて

春リーグは単調な攻撃しかしてなかったですが、自分たちの攻撃の種類も増えて、チームとして成長しているので3ー0で勝ち切ります。

堀江友裕(スポ2=和歌山・開智)

――東日本大学選手権(東日本インカレ)で敗れた中大が相手でした

自分は東日本インカレはいなかったので、春勝ったイメージのままだったんですけど、チームとしては春勝って東日本で負けていました。チームとしての結果なので、自分もリベンジという気持ちで臨めたかなと思います。

――きょうの試合を振り返って

スパイクレシーブが、チームの対応として相手がデータと違う部分もあって、決められっぱなしという感じではあったのですが、それ以上にこっちのスパイカーも頑張ってくれたので、終始大量リードを許さずいけたと思います。

――サーブレシーブでは加賀選手をカバーする場面も見られました

加賀さんも藤中さんもあまり調子が上がっていなかったので、自分にできることはないかなと考えたときに、サーブレシーブでカバーしてスパイクを頑張ってもらおうと思いました。中大はジャンプサーブが多いのですが、そんなにビッグサーバーはいなかったので、ジャンプサーブの場合この辺まで行きますよということは伝えて自分で取りに行くようにしました。

――2セット目、セットを落としてしまったデュースの場面を振り返って

ずっとこっちがセットポイントを握っている状態でした。いつもデュースになった時にセットをとられるパターンが、リードしていても取りきれずに次に相手にリーチを許して取られるというパターンです。そうなってしまう前に自分もディグであげれたはずのボールがあったので、粘り強くすることはいいのですが、30点に行く前に早めに仕留められるようにできたらいいと思います。

――きょうの勝利へとつながった良かった点は何かありますか

僕もキャッチでAパスBパスくらいは返せていたのですが、相手のブロックが厚くなっていてもセンターが速攻を決めてくれていました。そうすることでサイドのブロックが一枚になります。2段トスになった時に相手の18番にシャットされる場面はありましたがそれ以外では相手にブロックポイントを奪われることがなかったので、そういうセンターの働きが大きかったと思います。

――あすは春季リーグ戦で敗れた学芸大との対戦となります

春の負け方は次につながる負けというよりも、できることをやらずに負けたという印象が自分の中であります。勝ち負けは結果として、きょうのようにセットを取られても自分たちのやれることをやって、結果がついてくればいいなと思います。

村山豪(スポ1=東京・駿台学園)

――試合を振り返って

東日本インカレで負けた相手だったのでしっかりリベンジしたいなという思いで臨みました。

――どのような対策をして臨みましたか

サーブで崩して相手のレフトにブロックを絞り、3枚ブロックでブロックに掛けるなり、拾ってこっちのバレーを展開するというのがきょうのテーマで、それができていたと思います。

――ご自身のサーブを振り返って

まだまだ課題は多いんですけど、しっかり前後に揺さぶって、相手が嫌がるようにバレーを展開させていきたいと思います。

――ブロックを振り返って

きょうは疲労が溜まっていたぶんスパイクが決まっていなかったので、そこでブロックなりサーブで崩していくというのがテーマでした。ブロックでそれができていたのでよかったかなと思います。

――ブロックとレシーブの関係もきょうはよかったと思います

前半はできていなかったと思うので、あしたに向けて修正していきたいなとは思います。

――クイックについて

レフトサイドの2人が疲労も溜まっていてあまり決まらなかった部分もあるので、センターがそこでしっかりおとりに行ってブロックを引きつけて、サイドへのブロックを1枚にするというのがきょうはできたのかなと思います。

――学芸大戦に向けて

春リーグで負けてしまったのがみんな悔しかったので、あしたはなんとしてでもどんな試合展開でも勝ちを取りたいと思います。