最後は富士通にストレート勝ち!残りのリーグ戦へ弾みをつける

男子バレーボール

 早大にとって黒鷲旗全日本男女選抜(黒鷲旗)最終日のこの日は、Vチャレンジリーグの富士通カワサキレッドスピリッツと対戦した。ここまでこの大会ではVプレミアリーグのジェイテクストSTINGSと堺ブレイザーズと戦い、負けたもののどちらの試合も格上相手に1セットは奪ってきた。きょうこそは勝利をと選手らも意気込んでいた富士通戦。思い切りのいいバレーで相手のミスを誘いセットカウント3-0(27-25、26-24、25-19)とストレート勝ちを収め、良いかたちで今大会を終えた。

 第1セットの立ち上がり、相手の対策はしていたもののクイックを止められず、さらにレフトのコースにも対応しきれず富士通ペースで試合が進んでいく。12-16で早大がタイムアウトを取るとその後流れが変わってきた。村山豪(スポ1=東京・駿台学園)や喜入祥充主将(スポ4=大阪・大塚)らがスパイクを確実に決めはじめ、じわりじわりと追い上げる。18-20で相手がついにタイムアウトを取るも早大の勢いは止まらず、20点台で逆転に成功。最後は粘って27-25でこのセットをものにした。

途中出場した中村

 続く第2セット。序盤からお互い譲らずシーソーゲームとなるが、武藤鉄也(スポ2=東京・東亜学園)と村山らのセンター線が活躍。チーム全体が終始安定したプレーをみせ、2セットを連取した。3セット目も早大ペースは依然として変わらず。ブロックがうまく機能し、優位にゲームを展開することができた。さらに加賀優太(商4=東京・早実)、藤中優斗(スポ3=山口・宇部商)らサイドも得点を量産。20-14でリードし20点台に入るとセッターを小林光輝(スポ3=長野・創造学園)から中村俊介(スポ1=大阪・大塚)に代え、さらに鵜野幸也(スポ3=東京・早実)、中野博貴(教3=東京・早実)らも投入した。その後も得点を重ね、最後は村山のドシャットで試合終了。理想的なかたちでストレート勝ちを決めた。

ストレート勝ちを決め喜ぶ選手たち

 今大会を通して最も印象的だったのは、心からバレーボールを楽しんでいる選手たちの姿だった。ここまでの春季リーグ戦では勝たなければならないプレッシャーを感じ「みんなバレー自体を楽しめていなかった」と加賀は振り返った。格上相手にどこまで戦えるか、挑戦者として挑んだ黒鷲旗。自分たちのバレーが通用すると実感し、選手たちは自信を得たようだ。次は春季リーグ戦に舞台を戻し、順大戦が待っている。残りの3戦すべて勝利をめざす早大にとって今後のプレッシャーは大きいものだが黒鷲旗での収穫や課題を生かし、バレーボールを楽しむことも忘れないで頑張ってほしい。

(記事 越智万里子、写真 杉山睦美、藤原映乃)

セットカウント
早大 27-25
26-24
25-19

富士通
スタメン
レフト 加賀優太(商4=東京・早実)
レフト 藤中優斗(スポ3=山口・宇部商)
センター 武藤鉄也(スポ2=東京・東亜学園)
 センター 村山豪(スポ1=熊本・鎮西)
ライト  喜入祥充(スポ4=大阪・大塚)
 セッター 小林光輝(スポ3=長野・創造学園)
リベロ 堀江友裕(スポ2=和歌山・開智)
コメント

喜入祥充(スポ4=大阪・大塚)

――ストレート勝ちという結果について

デュースとかもあったのですが、きっちり取り切ることができたので良かったです

――競り合ったセットを取り切れた勝因などはありますか

攻め切ることができ、攻めてる中でもこっちのミスが出なかったことが大きいと思います。

――コースを狙ったサーブでサービスエースを取られる場面もありましたが、レシーブ面を振り返って

何個か取られてしまった部分はあるのですが、その都度確認して同じミスが出なかったのが良かったと思います。

――ブロックでコースを絞りスパイクレシーブも上がっていました

レシーブしやすいブロックにこだわってやって行こうという話がありました。スパイクレシーブが上げれるチームだと思うので、そういうブロックをやっていこうという感じです。

――2段トスを打つ場面も多かったです

まだまだライト打ちができていなくて、点が取れる部分で取り切れていない場面がありました。まだまだ頼られるように2段トスを決め切れる打ち方を練習していきたいです。

――大会3日間を振り返って

自分たちのやるべきバレーが確認できました。サーブで攻めて、しっかりサイドアウトを取るというところをリーグ戦でも出していきたいです。

――リーグ戦は残り3試合となりました

相手どうこうよりも自分たちのバレーをするというところにこだわってやっていきたいです。

――順大戦へ向けて

きょうのストレート勝ちの勢いそのままに勝ち切りたいです。

加賀優太(商4=東京・早実)

――きのうの宣言通りの勝利、ストレートでしたね

試合が始まる前からストレートで勝とうとか思っていたんですけど、まさかストレートで勝てるとは思ってなかったですけど、結構ブロックとかもはまっていていい感じで終われたかなと思います。

――立ち上がりは富士通ペースでしたが

相手の対策とかはしっかりデータを見てできていたんですけど、なかなか序盤のクイックも止まらなくて、レフトのコースとかもわかってはいたんですけど、最初は少し対応できていなかったかなというのはあります。

――1セット目中盤からじわりじわりと追い上げていきましたが、その辺り何か改善したことはありましたか

地力ではそんなに劣っていなと思っていたので、相手も格上というプレッシャーの中で戦っていると思っていたので、そこで自分たちの対策がはまって、この点差を縮めていけば相手が勝手にプレッシャーを感じてミスが出てくるなと思っていたので、変えてはいないですけどブロックの絞り方とかが少しずつはまっていったかなというのはありました。

――格上の相手ではありましたが、実際対戦してみてどうでしたか

今まで2試合プレミア相手にやってきたので、高さも大学生とそんなに変わらないなと思いましたし、むしろ自分たちのほうが優っている部分とかもあったと思うので、格上相手に試合しているというイメージで試合はしていなかったです。

――2セット目以降安定してゲームが進んでいきました

なかなかこっちがレシーブあげても、決めきる場面は少なかったんですけど、ブロックポイントがあったのは大きかったかなと思います。終盤の村山のブロックもありましたし。

――きょうの早大はブロックが良かったということでしょうか

そうですね、ブロックポイントが結構出たと思います。

――3セット目は点差が開き、終盤はベンチの選手もコートに入りました

試合が始まる前から、きょうベンチに入っていた中野は春リーグから試合に出る機会がなくて、きょうこそは試合に出してあげようという話はしていたので、ああいう形で出すことができて良かったかなと思います。

――途中出場した中村選手とスパイクを決めたあとハグしていましたね

あいつが試合に入って緊張しているのはすごいわかっていて、序盤も少しあいつの思ったようなプレーはできなくて、縮こまっちゃってたんですけど、きっと1番あげやすい自分に上げてくるだろうなと思ったので、しっかり決めてあげようというところでちゃんと決めれたので、序盤のミスは気にするなよという意味でもああいう励ましじゃないですけどそういうかたちで接してあげました。

――これで黒鷲旗が終わりましたが感想や収穫があれば教えてください

春リーグ通してずっと勝たなきゃいけないというプレッシャーの中で僕もそうですけどチームのみんなも多分バレー自体を楽しめていなくて、思い切ったプレーがワセダの持ち味だと思うんですけど、なかなかそういうプレーが出せていませんでした。この黒鷲旗では格上相手で負けるの前提で思い切ったプレーをどんどん仕掛けていって、そこでVプレミア相手に2日連続で1セット取れましたし、思い切ったプレーでの得点というのが結果に結びついたんでそれは自信になったのではないかと思います。

――最後に、次の春リーグでの順大戦へ意気込みをお願いします

ここ3試合は負けることが許されないと思うので、負けてはいけないというプレッシャーを感じつつも黒鷲旗で得た思い切りのいいプレーのようなものをどんどん出していってワセダらしいバレーができればいいかなと思います。

藤中優斗(スポ3=山口・宇部商)

――ストレート勝ちという結果について

3ー0を目指してやっていました。1、2セット目は厳しかったですが、うまく自分たちのバレーができたことが良かったです。

――競り合ったセットも取り切ることができました

相手がミスを出してくれて、その分助かった部分はあります。1、2セット目は勝負どころでスパイクが決まっていたので、それが勝ち切れた要員だと思います。

――勝負どころで決められるときとそうでないときは何が違うとら考えられますか

自分たちの気持ちに余裕があるかないかというところが大きいと思います。

――キャッチで我慢が必要という話をされていましたが

きょうの相手はそれほどサーブが強いチームではないですが、序盤自分たちが足を使わずに手だけでいっていた部分があったので、最初から自分たちのかたちをつくっていかなければいけないと思いました。

――ブロックに関しては

相手のスパイクのデータが出ていたので、ブロックを抜かれてもレシーバーがあげることができるようなブロックをしていました。うまくいっていたと思います。

――きのうはスパイクレシーブに関して反省をしていましたがきょうの試合では

個人的にはもっと上がるボールがあったと思います。相手が強くなる分もっと上がらなくなるボールが増えていくと思うので、練習して頑張りたいと思います。

――3日間通してスパイクもよく決まっていました

セッターが気持ちいいところであげてくれるので僕も打ちやすいです。レフトをやっている分、難しいトスも来るとは思うので、そういう部分も大事な場面で決め切っていきたいです。

――この大会の総括をお願いします

格上相手に向かっていくことができましたし、格上相手にでも自分たちのバレーが通用することが分かりました。来週からまたリーグが始まりますが、この感覚や課題を忘れずに残り3試合全部勝っていきたいです。

――順大戦へ向けて

自分たちのバレーであるサーブで攻めるということを、順大戦でもしっかりやっていきたいです。

小林光輝(スポ3=長野・創造学園)

――宣言通りのストレート勝ちとなりました

きのう言ったこと有言実行できて良かったです(笑)。自分的に振り返って相手を見て冷静にできたかなと思うのでこの3日間を通して成長できたと今は思ってます。

――ミドルの攻撃も通せていました

相手がVチャレンジリーグのチームということもあって、そうは言ってもそこで1位のチームなのですがきのうよりもブロックに対してのストレスがなかったのでミドルを中心に組み立てようとは試合前から思っていていました。でも、ただのクイックじゃなくてBクイックだとか場所をずらしてやっていけて、ミドルが通っていたからサイドも生きたのかなと思います。

――サイドは喜入選手、加賀選手が交互に打たれていましたが何か意識しましたか

この2日間でみんなが自分のスタイルを見つけてると思うのでそれに合ったトスを上げようとは意識しました。

――チームとしてブロックが良かったと思います

サーブを攻めれていたので攻撃が絞れていました。相手のコースにしっかりブロックを位置取りできていたのでブロックでリズムをつくるという展開ができたとは思います。

――1、2セット目は競り合いの中で取れたという点できのうの課題を修正できていたと思います

そうですね。終盤で断ち切れたということは成長だと思います。自分たちの課題が克服できたというのもありますが、拮抗(きっこう)した場面でサービスエース取られたりだとか結果的にはセットを取りましたが内容としてはまだ反省すべきところがあると思います。そこは自分たちで受け止めていかなければならないと思います。でもセットを取れたこと、勝ち切れたことは自分たちの成長した部分かなと自信にしていきたいなと思います。

――3日間を通して得た収穫

3日間を振り返って自分たちがやりたいバレーというのがプレーとしてできていて自信につながりました。それが成果であり収穫だったと思います。

――来週からのリーグ戦に向けて

この勢いをリーグ戦でも出せたらと思いますし、まだ優勝はあると思うので1セット、1点を無駄にしないようにやっていきたいと思います。

武藤鉄也(スポ2=東京・東亜学園)

――ストレート勝ちとなりました

きょうは全体的に自分たちのやりたいバレーっていうのができたんじゃないかと思います。1セット目の序盤っていうのは相手に合わせちゃったりとか1、2セット目競ったときも相手のミスで終わっているのでそれを自分らから取って終わるようにまたリーグに向けてやっていきたいなと思います。

――きょうはミドルからの攻撃もよく通っていました

高さ的には全然相手も低かったんですけど1セット目は最初はあまり決まっていなかったのでちょっとは工夫しなきゃなと思っていました。マークも来ていたので2セット目から3セット目は自分で打つコースを工夫してできたのでそれが決まって良かったのかなと思います。

――ブロックがよくはまっていましたが何か指示はありましたか

クイックが序盤多くて最後はサイドで来ていたので、序盤にクイックにプレッシャー与えるような位置取りして、後半はサイドの基準取りしてそれに合わせるという感じでした。相手も打ってきてブロックに引っかかったらミスを出すという感じでした。

――3日間を通して得た収穫

昨日、一昨日と格上のチーム相手にやらせていただいて自分では通用しない部分もありました。でもやりたいバレーができれば試合にもなるし戦えるっていうのがわかりました。同等の相手、きょうみたいにチャレンジさん(Vチャレンジリーグ)とは自分たちのバレーをやればストレートで勝てるとわかったのでそれが良かったと思います。

――来週からのリーグ戦に向けて

中央大学は石川(祐希)さんがいないと聞いて、やっぱり絶対負けちゃいけないと思います。優勝に向けては1セットも落とせないのでそこは1セット1セット大事にしっかり勝ちにいきたいと思います。

堀江友裕(スポ2=和歌山・開智)

――ストレート勝ちとなりました

試合の初めはあまり自分たちのバレーができなくて難しいところもあったんですけど結果的に(セットカウント)3ー0で勝って良かったです。

――サービスエースを取られてしまう場面が見られました

サーブが強いというより自分のやるべきことができていなかったので修正していきたいと思います。

――どのようなところを修正していきたいですか

ミスしだしたらすぐそこに頭がいってしまうので、正面入ることを意識しようと思います。

――ブロックがよくスパイクレシーブも絞りやすかったと思います

レシーブ上げるとみんなナイスって言ってくれるんですけど、ブロックがあってのレシーブだと思うので今日はブロックが良かったと思います。

――2段トスからの攻撃というのがきょうも上手くはまっていたと思います

ただ上げるだけじゃなくて速い平行(トス)とかも12月のインカレ(全日本大学選手権)までにできたらいいなと思っています。2段トスというよりは僕がセッターだというくらいのつもりで上げたいなと思います。

――大会を通して得た収穫

調子が良すぎて今後がどうなるか怖いんですけど(笑)。プレーを継続するというのを常に意識してこの出来が普通になるくらい頑張っていきたいです。

――来週からのリーグに向けて

優勝するには3戦全部で連勝しなきゃいけないと思うのでそのために今から1週間時間が空きます。この黒鷲のようなプレーができたら負けないと思うのでしっかり修正するとこ修正して、いいところは伸ばしてこの1週間頑張りたいと思います。

村山豪(スポ1=東京・駿台学園)

――きょうのふりかえりをお願いします

きょうで黒鷲旗が最後ということだったので、全ての力出し切ろうという思いでプレーしました

――対戦してみて、相手の印象は

相手は自分たちより格上なんですけど、勝てない相手ではないと思っていたので、3-0で勝ちきれたというのはすごく自分の自信になりました。

――きょうもたくさんのスパイクを決められていました

この3日間いつもよりも高さのある相手と対戦したのでそれに慣れてきて、相手が見えるようになったので、多分決まったなと思います。

――ブロックも良かったのではないかと思いますがご自身ではどうですか

まだまだです。やはり横の動きなどもそうなんですけど、しっかりその辺りをこれから練習していきたいと思います。

――今回の黒鷲旗の収穫は高さでしょうか、他にもありますか

高さやパワー、技術とかもそうですね。やはり当然向こうの方が上なので、それと戦える力をこれからつけていきたいなと思います。相手の高さやパワーのあるスパイクをブロックで触ってひっかけてチャンスボールに持っていけるようにしていって自分たちのリズムを作っていけたらなと思います。

――次は春リーグに戻り、順大戦です。一言お願いします

まだどういう形になるのかはわからないですが、しっかりと自分の役割を果たしたいなと思います。