下級生が奮闘するも東海大に一歩及ばず、2つ目の黒星を喫す

男子バレーボール

 6勝1敗で並ぶ東海大との一戦は勝てば首位浮上となり今後を左右する重要な試合。1セット目を良いかたちで先取し勢いに乗ったと思われたが、その後のセットでは相手のサイド攻撃に対応し切れず後手に回る展開に。速攻を生かし追い上げを見せるもセットカウント1ー3(25ー16、23ー25、23ー25、23ー25)で白星を逃した。

 サーブで攻める。そして、サイドアウトを確実に取る。春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)で早大が掲げている目標だ。1セット目はまさにそれがよく表れたセットとなった。藤中優斗(スポ3=山口・宇部商)が2つのサービスエースを取るなど、サーブから連続得点を奪い差を広げる。また、このセットでの東海大の連続得点は一度だけ。サイドアウトをしっかりと奪った結果だ。25ー16と大きく点差をつけ1セット目を先取した。
  

最上級生としてチームを引っ張った加賀

 勢いそのままと思われたがそう簡単には勝たせてもらえない。1セット目でははまっていた早大のブロックが機能しない。セット間に修正してきた相手のサイド陣にブロックアウトを取られ、クロスのスパイクを打ち込まれる。2セット目を落とし、3セット目では途中6連続失点。たまらず、この日普段と違うオポジットでプレーするもなかなか決定率が上がっていなかった喜入祥充主将(スポ4=大阪・大塚)に代え、1年生の宮浦健人(スポ1=熊本・鎮西)を投入する。17ー23と6点差の場面で武藤鉄也(スポ2=東京・東亜学園)のクイック、2連続ブロックなどチームで力を合わせ意地を見せるも失セット。続く4セット目も3セット目の終盤同様、最上級生は加賀優太(スポ4=東京・早実)のみで下級生中心のメンバーで臨んだ。「下級生のプレーに不安な部分は全然ない」と加賀が言うように思い切りのよいプレーを見せる。しかし、少し噛み合わなくなり相手に得点を許すと気圧されてしまう姿がところどころ見られた。加賀の鼓舞もあり後半再び追い上げを見せるもやはり2点届かず。セットカウント1ー3で敗戦となった。

途中出場で活躍した宮浦

 村山豪(スポ1=東京・駿台学園)、宮浦、武藤ら下級生の活躍であと一歩まで迫るもあと2点、届かなかった。ここまで喜入主将のサーブなどでブレイクポイントを奪ってきたが、対戦相手のレバルが上がるにつれて一筋縄ではいかなくなってきた。また、サイド陣のコンディションが上がらず、早大にとっては苦しい時期となっている。きょうの試合を終えて1週間のインターバルをはさむが、その間早大は黒鷲旗全日本選抜に出場する。対するのは福山汰一(平28スポ卒)の所属するジェイテクトSTINGSや山口頌平(平29スポ卒)のいる堺ブレイザーズなどVリーグのチームだ。格上のチームを相手に思い切り自分たちのプレーをすることでどこまで通用するのか。先輩たちの胸を借り、勝敗にこだわらずに戦えるこの大会が後半戦へ向けての起爆剤になるだろうか。

(記事 藤原映乃、写真、杉山睦美、越智万理子)

セットカウント
早大 25-16
23-25
23-25
23-25

東海大
スタメン
レフト 加賀優太(商4=東京・早実)
レフト 藤中優斗(スポ3=山口・宇部商)
センター 武藤鉄也(スポ2=東京・東亜学園)
 
センター 村山豪(スポ1=東京・駿台学園)
ライト  喜入祥充(スポ4=大阪・大塚)
 
セッター 小林光輝(スポ3=長野・創造学園)
リベロ 堀江友裕(スポ2=和歌山・開智)
コメント

喜入祥充主将(スポ4=大阪・大塚)

――きょうの試合を振り返って

出だしは良かったのですが、相手と競り合ったときに、勝負どころでまた決めることができずに、落としてはいけない試合を落としてしまいました。

――1セット目は何が良かったですか

僕たちが普通にプレーができていて、相手がミスが多かっただけだと思います。

――2セット目以降相手に流れを渡してしまいました

相手も練習をしてきていて、僕たちもやれていたとは思うのですが、要所で点が取れていなかったと思います。

――敗因を挙げるとすれば

相手の攻撃に対してもっと粘り強くレシーブすることや、レシーブを挙げた後の2段トスもしっかりスパイカーが打ち切れるトスではなかったので、そういう次の人のことを考えた細かいプレーができていなかったと思います。

――東海大・新井選手のスパイクに苦しめられている印象でした

高いだけで、1セット目はミスも多く拾えている部分もあったのですが、それ以降は高さで押されてしまいました。相手は1人なので、もっと6人で戦えればレシーブの位置やブロックの位置でまだまだ拾えるところはあったと思います。

――ここ何試合かはサイドの選手の調子が上がってこないセットが多いです

あまり決まっていないというか、いい感じで打ててないです。打ち切ることよりも違うことを考えないとダメだと思います。自分の武器を持たないといけないと思います。ブロックに付かれてもストレートでブロックアウトを取って決めるであったりそういうところを磨かないといけないと思います。

――きのうからオポジットのポジションでプレーされていますが、まだ決まらない場面もありました

来るトスも違うので、打ち切れなかったです。セッターの小林(光輝、スポ3=長野・創造学園)が安心してライトに上げておけば大丈夫だと思えるようなプレーではなかったのでそこは修正しなければいけないと思います。

――宮浦健人(スポ1=熊本・鎮西)選手と途中交代となりました

宮浦は左利きで、ずっとオポジットでプレーしてきたので、僕のきょうのスイッチの状態よりも良いプレーができるだろうというところでした。1年生としては良い役割を果たしてくれたと思います。

――終盤競り合ったセットも落としてしまいましたが、チームの雰囲気としては

押されたときに押し返せないです。勝ち負けも大事なのですが、もっとバレーボールを楽しんでやって欲しいというのはあります。

――黒鷲旗全日本男女選抜に向けて

格上のチームと試合ができるので、胸を借りるつもりで、1プレー1プレー頑張っていきたいです。

加賀優太(商4=東京・早実)

――きょうの試合を振り返って

1セット目は自分たちのいいかたちで取れてそのままいけると思ったのですが相手も強いチームなので1セット目(相手が)うまくいかなかった部分をちょっと変えて来て、そこを自分たちが対応できませんでした。

――相手はどのような部分を対応してきましたか

1セット目は相手のオポジットの選手に対するブロックの飛ぶ位置をストレート寄りのコースにはまっていて、ワンタッチを取って切り返せていました。しかし、第2セット目以降はオポジットの選手が工夫してきてクロス寄りに打ってくるようになったのですがそこに最後まで対応できていなかったかなと思います。

――ブロックとレシーブの関係について

(スパイクレシーブが)上がっていた部分もあるとは思うんですけど相手のレフトの2年生の選手にはずっとやられ続けてましたし。まだブロックとディグの関係はつくってないんですけどそれにしても1試合通してやられ続けちゃったかなと思います。

――サイドの決定率が上がらないことについて

ちょっと僕以外の2人( 喜入祥充主将、スポ4=大阪・大塚、藤中優斗、スポ3=山口・宇部商)がコンディションがあまり良くなくてそのせいにするわけではないんですがなかなかいい状態で臨めてないというのは事実です。その中でインカレ(全日本大学選手権)など連戦の中で勝ち続けなきゃいけないというのがあると思うのでコンディション悪い中でどうしていくのかということはそれぞれ考えてはいると思うんですけどまだちょっとうまくいってないのかなと思います。

――今週はオポジットからレフトに変えて試合に臨まれました

僕の高さを出すスパイクっていうのはオポジットよりレフトの方が出せるなというのは僕の印象やチームの印象としてあります。なので加賀はレフトから打たせるというローテーションを組んだんですけど、やっぱりレフトの方が二段トスとかも気持ちよく打ち込めるんですけど、そのぶん喜入に負担をかけてはしまうんですけど。レフトの方が自分としてはやりやすいです。

――3セット目終盤から4セット目と下級生が多い中でのチームの雰囲気はいかがでしたか

2セット連取されて下級生中心で頑張っていて、元気の良さはありましたしあと1点取られたら負けという劣勢の場面で諦めずに全員で食らいついてもうちょいというところまで追いつけました。下級生はすごく頑張ってくれてるなと思いました。

――最上級生1人の場面では負担が大きかったと思います

そうですね。最上級生1人でしたし、自分自身きょうはプレーがうまくいってなかったのでメンタル的にもしんどい部分はありました。でも、下級生のプレーに不安な部分などは全然ないのでそこの心配はしていませんでした。ただ、4セット目の中盤でそれまで通っていたセンターの攻撃が通らなくなってきてみんなうまく噛み合わないとどうしても下向いちゃう場面があります。相手もそれなりにやってきますし全部が全部こっちがうまくいくとは思ってはいません。そういう時にしょげさせないように最上級生1人だったので、それぞれにモチベーション維持させることは意識しました。

――黒鷲旗での目標

去年も春リーグで前半戦6試合やって3勝3敗であんまりいいスタートが切れてなくて実際いまも納得のいく試合は春リーグを通してできていません。去年は自分たちのやりたいバレーをVリーグのチーム相手にも通用するのかということを思い切ってやるということをテーマにしていました。ことしはサイドアウトをしっかり取ってサーブをしっかり攻めていくというのが自分たちのテーマとして掲げています。負けてもともとでというわけではないのですがせっかくいいチームとやれる機会があるのでそこがどれだけ通用するのかということをチーム全員で思い切ってやれればいいなと思います。