順調な滑り出し 開幕白星発進!

男子バレーボール

 

 春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)がついに開幕を迎えた。昨年のスタメンの半分が抜け、新たな布陣となった早大。喜入祥充主将(スポ4=大阪・大塚)率いる新体制で明大との初戦に臨んだ。序盤からセンターを使った攻撃で得点を重ね2セットを先取する。第3セットは終盤に追い上げを許し、デュースにもつれ込むがセットは渡さず。セットカウント3—0(25—18、25−19、29−27)で開幕ストレート勝ちを飾り順調な滑り出しを見せた。

 新体制となって初めての公式戦ということもあり、試合前からコートには緊張感が漂っていた。動きに硬さの見られる両校。先に普段のプレーを取り戻したのは早大だった。加賀優太(商4=東京・早実)の鋭いスパイクで最初のブレイクポイントを奪うと、山﨑貴矢副将(スポ4=愛知・星城)が重いスパイクを相手コートに叩き込む。早大らしいセンターを使った攻撃が決まると、円陣を組んだ選手からは笑顔が見られるようになった。勢いに乗った早大はそのままこのセットを取り切ると、第2セットも序盤から主導権を握る。サーブで相手を崩しブロックの的を絞ると、第1セット同様センター中心の攻撃を展開。序盤は打数の少なかった喜入主将も、スパイクやサービスエースで存在感を見せる。今季の早大の戦い方の方針が見えたセットとなる。連続失点を最小限に抑えこのセットも取り切った。

重みのあるスパイクで活躍を見せた山﨑

 続く第3セット。武藤鉄也(スポ2=東京・東亜学園)のサーブで相手を崩すと、ミスも絡んで6連続得点を奪う。このまますんなり勝利をつかむかと思われたが、エンジンがかかってきた明大に追い上げを許す展開に。藤中優斗(スポ3=山口・宇部商)のスパイクを連続でブロックされ18—17と1点差に詰め寄られる。盛り上がりを見せる明大コート。この嫌な空気を振り払ったのは加賀だった。「大事な場面でしっかり決め切りたい」という言葉通り角度のあるスパイクを決めると、渾身のガッツポーズでチームを盛り上げる。その後ブロックポイントでリードを広げるものの、自分たちのミスによる失点で再び詰め寄られる。喜入の連続得点で24—21とマッチポイントをつかんだが、ここぞという場面でセンター攻撃を決めきることができない。相手エースに3連続得点を許し、試合はデュースへ。要所でのサーブミスやスパイクミス、レシーブの乱れなど課題を残すセットとなる。それでも最後は加賀のバックアタックでこのセットを奪い、開幕戦ストレート勝ちを収めた。  

今季主将としてチームを引っ張る喜入

 昨年は初戦で黒星を喫し苦い経験がある早大。チームカラーとして共通点もある明大相手に終始主導権を握り、ストレートで勝利を収めたことは大きい。それでも、選手たちは試合後それぞれ課題を口にした。新チームはまだ始動したばかりだ。実戦を通し課題を解決することで、どこまで成長できるか。今季も早大バレー部から目が離せない。

(記事 杉山睦美、写真 藤原映乃)

 

セットカウント
早大 25-18
25-19
29-27
明大
スタメン
レフト 喜入祥充(スポ4=大阪・大塚)
レフト 藤中優斗(スポ3=山口・宇部商)
センター 武藤鉄也(スポ2=東京・東亜学園)
センター 山﨑貴矢(スポ4=愛知・星城)
ライト 加賀優太(商4=東京・早実 )
セッター 小林光輝(スポ3=長野・創造学園)
リベロ 堀江友裕(スポ2=和歌山・開智)
コメント

喜入祥充主将(スポ4=大阪・大塚)

――開幕ストレート勝ちを収めました

良いスタートが切れたとは思いますが内容的にはまだ改善点がたくさんあるので、これに満足せず一試合一試合やっていきたいと思います。

――具体的に改善点とはどのような点がありますか

サーブレシーブです。サーブレシーブの返球率が悪かったり、ブロックの脇を抜けてきたコースをしっかり上げられてなかったりというのがありました。そこで落としてしまったボールを自分たちのものにできれば、もっと良い展開がつくれると思います。

――ブロックについてはいかがですか

粘り強くワンタッチを取ったり、手に当たったものはしっかり止まっていたと思うので、練習の成果は出ていたと思います。

――チームとしてサーブで相手を崩そうという意図が感じられました

強いサーブが打てるということがこのチームのカラーで、どんな状況になっても強いサーブを打っていこうとチームで決めているのでその結果がいいかたちで出たと思います。

――得点後や失点後の声掛けなどチームでコミュニケーションが取れていました

春季リーグ戦はチームでのコミュニケーションを取ることが大切だと思うので、そこは自分たちの中でしっかり話合っていこうというふうにはしています。

――あしたは専大との試合となります

自分たちのバレーがいつでも、どんな相手でもできるようにしっかり準備していきたいと思います。

山﨑貴矢副将(スポ4=愛知・星城)

――副将として臨ラストイヤーだがどんな意気込みで試合に臨見ましたか

最後の春季リーグ戦ですし初戦ということもあるのでしっかり自分たちのバレーができるようにと思っていました。

――初戦をストレート勝ちで終えたことについて

(セットカウント)3ー0のストレート勝ちということでいいスタートダッシュを切れたと思います。継続して戦えるようにしていきたいです。

――ストレート勝ちの要因は何だと思いますか

早い段階でしっかり相手のことを見て戦えたことだと思います。

――4年生が中心にチームを引っ張ることができていますね

そうですね。ぼちぼち(笑)

――クイックの調子は良さそうだったが振り返って

クイックに関してはきょうは最低ラインのことはできていたのかなと思います。

――セッターの小林光輝選手(スポ3=長野・創造学園)とのコンビネーションはどうですか

最近まで少し合ってなかったんですけど、きょうやってだいぶ合っていたので自信になりました。

――サーブで崩してブロックの的を絞れているようでした

ブロックはきょうはあまりよくなかったです。自分で相手を予測して飛んでしまっていたり、もしくは相手を見てしまっていました。

――サーブを振り返って

サーブはチームとして重点的にやってきていたのでそれが出てよかったです。

――あしたの専大戦に向けて

あしたもきょうに続いて3ー0で勝ちたいと思います。

加賀優太(商4=東京・早実)

――最上級生として臨む春季リーグ戦ですが、どのような意気込みで試合に入りましたか

新入生で宮浦(健人、スポ1=熊本・鎮西)というオポジットの選手がいるのですが、ユースの代表で抜けてしまい、慣れないオポジッットでの出場となりました。なので最上級生としてというよりも1年生のつもりで思い切っていこうと思っていました。

――オポジットというポジションは慣れないものですか

昨年もオポジットでプレーする機会はありましたが、急遽というかたちで練習しないで臨むことが多く、できなくて当たり前といった感じがありました。今回は練習からオポジットでやっていたのでそういった部分で違いはありました。

――そんな中できょうのプレーを振り返って

トスを待ちきれずに助走に入ってしまい、ブロックに引っかかってしまう場面があったので、そこは修正したいです。

――4年生中心に試合を引っ張っていました

藤中や堀江(友祐、スポ2=和歌山・開智)は昨年からレギュラーで出ていましたが、小林(光輝、スポ3=長野・創造学園)や武藤(鉄也、東京・東亜学園)はレギュラーとして出るのは初めてだったので、大事な場面でしっかり決め切って楽にしたいと思っていました。

――開幕ストレート勝ちという結果についてはいかがですか

春の初戦は上手くいかないことの方が多いので、どんな試合になるかわからない部分はありました。思いの外みんな調子が良かったので、良いスタートにはなったと思います。

 

藤中優斗(スポ3=山口・宇部商)

――4ヶ月ぶりの公式戦だったが入りはどうでしたか

春リーグ(春季関東大学リーグ戦)の初戦ということで、去年は(初戦で)負けてて難しい試合になるだろうなとは思っていました。結果として内容はどうであれ(セットカウント)3ー0で勝てたということは良かったと思います。

――初戦での勝利の大切さということをチームで意識していましたか

3ー0で勝とうというよりは入りを意識していました。自分たちのバレーをやれば結果はついてくると思っていたので。自分たちのバレーはあまりできていなくて課題もあるんですけど、3ー0で勝てたのは良かったかなと思います。

――課題というのは

僕たちはサーブで攻めるということと、相手のサーブを一本で返して切るというのをずっとやってしました。その辺に関して最後の24ー21のところから追いつかれたりしていたので、そういうところをしっかり切っていけたらいいなと思います。

――サーブが機能している場面もあったが振り返って

攻めすぎて自分たちからミスを吐き出してしまう時がありますが、相手のチーム状況によって自分たちのサーブをしっかり入れておこうというときと、ミスしてもいいので攻めるときの二通りをきょうは場合によって使い分けれたかなと思います。

――攻撃面でバックアタックについて

練習試合ではもう少し打数多かったんですけど、きょうは僕もあまり調子が良くなくて1本しか打ってないですがこれから増やしていけたらいいなと思います。

――正セッターが小林光輝選手(スポ3=長野・創造学園)になりましたがコンビネーションはどうか

相手を振って、いい状況で上げてくれるセッターです。きょうは僕が二段トスだったりをしっかり打ち切れずにリズムを崩してしまいました。二段トスをしっかり打ち抜いて僕自身が調子を上げ、コンビの中で(小林)光輝のトスを打っていけたらなと思います。

――上級生になりレフトというエースポジションということで何か意識の変化はありますか

僕は割と盛り上がってガーガー言ってるタイプじゃないのでしっかり精神的、プレー面で僕自身が安定してチームを引っ張っていかないといけないと思っています。僕がサーブレシーブやスパイクが崩れたら(チームが)バタバタしてしまうので、そういうところを安定して決めるところは決めて、返すところは返すというプレーをしようと思っています。

――あしたの専大戦に向けて

自分たちのやりたいことや目指していることの軸をぶらさずにしっかりサーブで攻めていけたら十分戦えると思うので、自分たちのバレーの軸をぶらさずにしっかりあしたも戦っていきたいです。

小林光輝(スポ3=長野・創造学園)

――正セッターとして臨んだ初戦でした

試合前は緊張してたんですけど試合が始まったら楽しくできました。

――初戦、明大にストレート勝ちしたことについて

やっている時は自分としてもゲームメイクとかしっかりできていると思っていたんですけど、振り返ってみると反省点が多かったので次につながる勝ちだったんじゃないかと思います。

――反省点とは

センター線は決まってたのですが、レフト陣が気持ちよく打てていませんでした。トスの質も全然よくなかったのでそこを改善していきたいです。

――1セット目で 喜入祥充主将(スポ4=大阪・大塚)への配球が少なかったが

相手と駆け引きしながらミドルを中心に使っていくというチームスタイルでもありますし、僕の組み立て的にもミドルをどんどん使っていたので必然的に喜入さんへのトスは少なくなりました。

――チームとしてコミュニケーションがよく取れているようですが

まだチーム作りたてなので全カレ(全日本大学選手権)でピークに持っていきたいと思っています。チームとしての完成度はまだ全然上がっていないのでここでみんなでコミュニケーションを取りながらワンプレーワンプレーごとにチームをつくっていきたいです。4年生が中心に雰囲気をつくってくれているので僕たちとしてはやりやすいです。

――あしたの専大戦に向けて

きょうはきょうでしっかりできたのでそれをあしたにつなげていきたいです。リーグ戦なので一戦一戦負けられないので楽しみながらやっていきたいです。