きのうに続き春の雪辱を果たす、全勝で後半戦へ

男子バレーボール

 この日の相手は春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)で早大が負けた東京学芸大。きのうの日大戦では春季リーグ戦のリベンジを果たし、きょうも勢いそのままにいきたいところだ。互いに競り合いになりながらも、早大は要所で決め切るプレーを見せ、セットカウント3ー0(25ー23、25ー21、25ー19)でストレート勝ち。格下相手にしっかり勝ち切り、見事前半戦を全勝で締めくくった。

 第1、第2セット序盤は両チーム、点を取り合う展開となる。春季リーグ戦ではこのような場面で相手に競り負けてしまっていたが、秋季リーグ戦では終始声を掛け合ってコミュニケーションを取りながらじわじわと点差を広げることができていた。学芸大が追い上げてきた場面でも「相手は速攻の選手が本数も多く叩いてくるので序盤から速攻のマークを厚めにした」という山口頌平主将(スポ4=長崎・大村工)の言葉通りブロックで相手の攻撃に対応し、勢いづかせない。一方、攻撃面ではレシーブを確実にセッターの山口に返すことでサイドに加えセンターからの速攻も効果的に使い、相手にブロックを絞らせないことで確実に得点を積み重ねていった。

ブロックで相手を止める加賀

 2セットをもぎ取り迎えた第3セット。序盤はリードしていた早大だったが、終盤にささいなミスが出て相手に連続ポイントを許し、19ー18と1点差に攻め寄られてしまう。ここですかさず早大はタイムアウトを要求し、悪い流れを断ち切ろうとする。タイムアウト後に相手がサーブミスをし、サーブが加賀優太(商3=東京・早実)に回ってきた。「自分のサーブはあまり攻めるサーブではないですが、相手の弱点を狙って崩すようなサーブで、きょうはたまたまエースが重なった」と加賀が言うように勝負どころでサービスエースを決めると、勢いを取り戻し25ー19でこのセットも取り、見事ストレート勝ちを決めた。

速攻、ブロックと多くの活躍を見せた加藤

 下位チームと当たる秋季関東大学リーグ戦前半、きちんと勝っておかなければいけない試合で白星を重ねることができたのは春季リーグ戦からの大きな成長だろう。後半戦からは春季リーグ戦で早大より上位だったチームと対戦することになるため、今まで以上に厳しい戦いが予想される。現在抱える課題を克服していかなければ上位陣に勝利することは難しい。不安要素をなくし、早大らしいチームプレーで優勝争いに絡んでいってほしい。

(記事 石黒歌奈恵、写真 藤原映乃、佐藤詩織)

※掲載が遅れて申し訳有りません

セットカウント
早大 25-23
25-21
25-19

東京学芸大
スタメン
レフト 加賀優太(商3=東京・早実)
レフト 藤中優斗(スポ2=山口・宇部商)
センター 加藤久典(スポ4=東京・早実)
センター 山﨑貴矢(スポ3=愛知・星城)
ライト 田中健翔(スポ4=熊本・鎮西)
セッター 山口頌平(スポ4=長崎・大村工)
リベロ 堀江友裕(スポ1=和歌山・開智)
コメント

山口頌平主将(スポ4=長崎・大村工)

――きょうの試合はどのような対策で臨みましたか

速攻の選手が本数も多く叩いてくるので序盤から速攻のマークを厚めにしました。サーブでできるだけ崩してサイドになったときにも思い切り打ってくる選手が多いので、そこでしっかり手を前に出してブロックの形をつくるということを意識して取り組みました。

――サーブで崩してサイドにブロックの的を絞ることができていたと思うのですがいかがでしたか

終盤手に当たってはいるのですが吸い込みや、はじかれたりなど完成度は納得いくものではなかったです。来週は1週間空くのでそこを修正していきたいと思います。

――これから強いチームと当たっていく中でブロックの質が大事になってくると思います

対策とかビデオとか見ながら捨てるところを捨てたり絞ったりしながら対策通りにいっている場面は多いと思います。そこからしっかり点数につなげるためにも質というのは大事になってくると思います。

――きょうのストレート勝ちの要因はなんでしょうか

きのうは2セットを取って3セット目で足が動かなくなり、前のボールを何本か落とすなどでの取りこぼしで3セット目を落としてしまいました。会話を絶やさずに足を動かすことをみんなで意識しながら3セット目も集中できたので、勝ち取ることができたと思います。

――やはり声やチームの雰囲気が大事になってきますか

春リーグは初戦から落としたりだとか、負けが多かったりして(気持ち的に)吹っ切れない部分があり、雰囲気が悪い部分もありました。今季は良いスタートを切れてチームの雰囲気としてもよくしゃべれていると思うし、ミスしたり1セット落とした後も気持ちの切り替えだとか会話だったりというのはみんな意識しながらできていると思います。

――きょうはセンターの攻撃が機能していました

センターのマークというのはどこのチームも早大に対して厚くなると思うので、それでセンターの本数が少なくなってくるとリズムもできにくくなってしまいます。センターのマークが厚い分、サイドの選手が今のところよく決めてくれて、(センターを)良いところで使うことができているので結構楽に試合運びができているのでそれを続けていきたいと思います。

――前半戦を全勝で折り返すこととなりましたがいかがですか

(前半戦は)自分たちより春リーグの順位が下位のチームと当たるので9月の前半戦を全勝で折り返すというのが一番の目標でした。その目標が達成されたというのは大きいと思います。今のところ優勝争いに絡んでいるので10月からの後半戦で自分たちより春リーグ上位のチームと当たる中でもっと厳しい戦いになると思いますが、自分たちがやってきたことを全部出せばどんな相手でもじゅうぶん戦えると思うので自分たちの力が出せるように準備していきたいと思います。

――インターバル期間は選抜チームでの大会などもありますが

外国のチームと戦えるということで国際試合を経験できるということは貴重なことだと思うので思い切りプレーしたいです。そこでまた色々学ぶことがあると思うのでいっぱい吸収して帰ってきて、ワセダに還元したいと思います。

 

加藤久典(スポ4=東京・早実)

――きょうはセンターからの速攻がよく決まっていました

きょうはブロックを見て落ち着いて打つということを試合前の目標としていました。序盤から良いかたちでそれが機能して、リズムができるとどんどん決まるということが多いので、そういうかたちが取れて良かったと思います。

――ブロックを振り返っていかがですか

サイドの選手の(ブロックの)位置の取り方が良くて、ブロックが引っかかったり、止めれたりというかたちが取れていたので、良かったと思います。

――きょうは試合を通してとても良い雰囲気で、プレーができているように見えました

ミスをしても次は切り替えたり、序盤からしっかり走って呼び込んだりとか、声を出してコミュニケーションを取るということをいつも言っているので、それが良いかたちでできたと思います。

――きょうで前半戦が終了しましたが、これまでの秋季リーグ戦を振り返って課題はありますか

3セットで終えられるところを、2セット落としたりすることが多いと思います。リーグ戦は長丁場になるので体力的なことや、順位を決める上でもセット率が関わってくることを考えると、落とすセットを無くすということが課題だと思います。

――ここまで全勝ということで手応えも感じていますか

春は落としてはいけないところを落としたりして、ダメだったのですが、逆に秋は負けはないのでそこは良いと思います。

――Uー23の代表にも選ばれましたが、合宿の中で刺激を受けたことはありますか

トップレベルの選手がたくさんいるので、そういう選手の良いプレーを見て盗んだりや、トップの選手の立ち振る舞いを見て学んでいきたいと思います。

――ハードスケジュールになると思いますが、コンディションを整える面で気を付けることはありますか

海外に行くので、日本とは食事も違うとは思いますが、偏った食事にならないように、栄養をしっかり摂って、コンディションを整えたいです。

――筑波大戦への意気込みをお願いします

お互いU―23で抜けているメンバーがいる中ですが、その中でも絶対に勝つという強い気持ちを持って戦いたいです。

山﨑貴矢(スポ3=愛知・星城)

――ブロックについて何か気をつけた点はありますか

ブロックアウトされないように気をつけました。

――きょうはストレートで勝つことができましたがいかがですか

後半戦ではセット数なども順位に関係してくるので勝ててよかったです。

――スパイクを振り返っていかがでしたか

個人的にスパイクは全くだめでした。

――次の筑波戦をどのように戦いたいですか

次からは一つ一つの試合が優勝に関わる大事な試合なので強気で勝ちにいきたいと思います。

 

加賀優太(商3=東京・早実)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

きょうは結構、調子に乗せると面倒なチームだったのですが、序盤から自分たちのかたちでバレーができていました。一瞬焦りましたが、そんなに負ける雰囲気もなく良い感じで試合運びができたと思います。

――サービスエースを決めるなど、随所にサーブの好調がみられました

そんなに自分のサーブは攻めていくサーブではないですが、相手の弱点を狙って崩すようなサーブで、きょうはたまたまエースが重なったかたちで、ラッキーといえばラッキーでした。

――スパイクについてはいかがでしたか

早稲田はセンター線がマークされるので自分が一枚、一枚半で打つケースが増えてくる。きのうは決めきることができなかったが、切り替えてうまく相手のいないところにスパイクが打てていたので良かったです。

――きのう足をつってしまったということでしたが、きょうのコンディションはいかがでしたか

きのう試合が終わってすぐ治療をして、きょうもトレーナーさんが来ていたので足のケアもしっかりできていました。フルセットになっていたら分からなかったのですが、ストレートで終わったので全然大丈夫でした。

――前半を全勝で折り返すことができました。次の試合までインターバルがありますが、後半に向けて意気込みをお願いします

ここから上位陣と戦うのに加え、後半戦の初戦はアジアカップに行っている組が帰ってきてすぐの試合なので、日本にいるメンバーでどれだけチームとして高めていけるかがカギだと思う。加藤さんと頌平さん(山口主将、スポ4=長崎・大村工)が戻ってきた時に安心してもらえるよう、自分たちの調子を整えていけたらいいと思います。

 

藤中優斗(スポ2=山口・宇部商)

――きょうの試合の振り返りをお願いします

きのうと同じように戦えないのはわかっていましたが、相手の速攻をブロックで止めることが最後までできなかったので相手のミスに助けられた試合でした。

――レシーブは安定していたように思いますが、その点についてはどうでしょうか

相手のサーブがそこまで強くなかったので、堀江(友裕、スポ1=和歌山・開智)と僕を中心にサーブレシーブをしました。先輩2人が決めてくださったので、やりやすかったです。

――3セット目はスパイクが光っていたように思いますが、何かセット間で意識されたことはありますか

主務さんを始めとするベンチにいるメンバーに自分のフォームや、打ち方に対して意見を求めていました。素直に打ちすぎだと注意されたので、工夫して打ちましたが、最初からしっかり決められるようにしなければならないと思います。

――きょうの拮抗(きっこう)した試合展開でしたが、相手に連続ポイントを取られて主導権を握られる展開は見られなかったように思います。個人、チームで何か気をつけていたことはありますか

ラリー負けしないことはもちろんですが、ブロックとレシーブの関係を1番に考えると、おのずと相手がミスをしていくという感じでした。

――きょうはストレート勝ちですが、その点についてはいかがですか

競ったり、危なかった部分はありましたが、結果的に格下の相手に3-0で勝てたことはよかったです。

――前半戦を全勝で終えることができたことについてコメントをお願いします

春リーグは格下の相手に負けるなど思うようなプレーができなかったので、秋リーグはこういう試合を取りこぼさなかったことはよかったです。ただ、3-0で勝てる試合があったと思うので、そこは練習して後半に修正していきたいと思います。

――ここから後半戦に向けてまだ、時間がありますが修正すべき点はブロックとレシーブの関係ということになるのでしょうか

そうですね。チームとしてはそこを強化していく必要があると思います。

――次の筑波戦に向けて意気込みをお願いします

頌平さんと加藤さんが抜けて、チームがベストの力を出すことが難しいと思いますが、合宿に行っていないメンバーで頌平さんと加藤さんをしっかりサポートして、できる限りの力を出せるようにこれから練習していきたいと思います。