春の借りを返上、開幕5連勝を決める

男子バレーボール

 秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)が開幕してからの4試合、早大は全ての試合を勝ち続けている。今回対する日大は春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)は9位と早大より下位のチームだが、早大にとっては黒星を喫したチーム。確実に白星を積みたいが油断はできない相手であった。1、2セット目は順調に試合を進めたが3セット目にブレーキがかかってしまう。4セット目は熱戦が繰り広げられたが終盤で日大のローテーションミスがあり試合終了。セットカウント4-1(25-16、25-15、23-25、25-23)で早大が5連勝を決めた。

 第1セットは田中健翔副将(スポ4=熊本・鎮西)や藤中優斗(スポ2=山口・宇部商)らサイドの攻撃を中心に点数を稼いでいく。序盤、4―4からの5連続ポイントで一気に日大を突き放しその後も危なげなく得点を重ね、25―16で1セット目を先取した。続く第2セットでは、1セット目はブロックに飛ぶために攻撃に参加しづらかった加賀優太(商3=東京・早実)が覚醒。気迫あるプレーでスパイクを決めていく。7番の山崎貴矢(スポ3=愛知・星城)のブロックで相手を封じると、25―15でこのセットも早大のものとなった。

対策通りに的を絞り機能したブロック

 このまま早大のストレート勝ちを予想させる展開だったが、第3セットはスタートからなかなか流れがつかめない。9―10でこの試合で初めて日大にリードを許し、波に乗る相手にずるずると押されていってしまった。加賀らが力強いスパイクで相手に連続ポイントを与えないものの、早大も連続ポイントを取れない。藤中が「僕たちのブロックの対策が遅かった」と振り返るように、相手エースにブロックの的を絞りながらも止め切ることができなかった。このセットは日大に取られ、第4セットにもつれ込んだ。4セット目も一進一退の攻防戦となる。しかし24―24の場面で審判から日大のローテーションミスが告げられ、そのままゲームセット。終わりは呆気なかったが、早大の勝利が決まった。

攻守において活躍を見せた藤中

 1セット目と2セット目を「ブロックのつき方についてはほぼ完璧な試合」と山口頌平主将(スポ4=長崎・大村工)は語った。3セット目は、「ブロックの絞り方としては別に間違ってはなかった」(山口)と言うが、相手のエースに「終始好き放題に打たれてしまった」(山口)と反省点も述べた。データや状況から適切な判断をしながらも、止め切れなかったり、スパイクを打ち抜かれたところを上げきれない点がまだ課題として残る。しっかり前半戦を全勝で終えるためにも課題を修正し、次の東京学芸大戦はストレート勝利を収めてほしい。

(記事 越智万里子、写真 藤原映乃、杉山睦美)


*掲載が遅れて申し訳ありません

セットカウント
早大 25-16
25-15
23-25
25-23

日大
スタメン
レフト 加賀優太(商3=東京・早実)
レフト 藤中優斗(スポ2=山口・宇部商)
センター 加藤久典(スポ4=東京・早実)
センター 山﨑貴矢(スポ3=愛知・星城)
ライト 田中健翔(スポ4=熊本・鎮西)
セッター 山口頌平(スポ4=長崎・大村工)
リベロ 堀江友裕(スポ1=和歌山・開智)
コメント

山口頌平主将(スポ4=長崎・大村工)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

1セット目、2セット目はブロックの的が絞れて、ノーマークにしてるところに上がったときでもレシーブで上げて切り返すという作戦がはまり、ブロックのつき方についてはほぼ完璧な試合となりました。しかし、3セット目に自分が相手のパイプのフェイントを足が動かずに落としてしまったり、ブロックが少しずつ間が開いてそこを抜かれたりだとかがありました。相手のエースの本数も1、2セットに比べて完全に多くなって終始好き放題打たれてしまったという反省点があります。

――3セット目ではブロックとレシーブの関係が悪くなってしまったというより疲れが出てしまったのでしょうか

確かにそれもあります。しかし、さっきミーティングでも出たんですけど、疲れたからといってレシーブが上がらなくなりそれで負けるというのは後悔しか残らないので、後半は疲れも出ますが粘り勝っていかないといけません。

――きょうの課題はどのようなものでしょうか

(背が)小さいチームなので万遍なく(ブロックに)つくと、背の高いあっちのスパイクを止めたりや、ブロックとレシーブの関係をつくって連続得点をしていくというのはちょっと難しくなります。もっとサーブで崩したりやデータ、その時の状況で考えて、頭を使ってブロックで的を絞っていかないと普通にブロックで勝負しようと思っても相手に分があると思います。きょうの3、4セット目も試合的にもつれはしましたけどブロックの絞り方としては別に間違ってはなくて、絞っていたところに向こうのトスも上がってきていたんですけどそこで止めきれなかったりや、抜かれたところを上げ切れないという場面がありました。そうなってくるとマークしてるのに決められるという場面が続き、ちょっときつい部分があります。きょうは終始マークのつき方としては良かったのですが、3、4セット目に(ブロックの)間が開いたりしてしまったような部分をしっかりしていけば3セット目を取ってストレートで終われた試合だと思います。

――Uー23の練習が週の前半はあると思うのですがそちらはいかがですか

土日は早大として試合をして、選抜チームで月火水やってという今までやったことのないハードスケジュールです。自分も早大のチームと選抜のチームで一人一人上げるトスが違ったりで困惑する部分はあるんですけど頭と気持ちを整理して切り替えながらどちらも疎かにならないようにしていきたいと思います。

――あすは前半最終戦となりますが意気込みをお願いします

きょうの日大戦では春リーグに負けたチームにリベンジできたということで、あすの学芸大も春リーグに負けたチームなのでしっかり勝ってリベンジするということと、前半戦最後ということで良いかたちで勝って後半戦につなげられるように切り替えて勝ちに行きたいと思います。

田中健翔副将(スポ4=熊本・鎮西)

――きょうの振り返りからお願いします

とりあえず勝てたことはとても良かったですし、3-0で勝てる相手かなというのは感じました。3セット目、みんな疲労もあったと思うんですけど、相手のエースの郡くん(浩也、日大)にとても気持ちで押されて止めきれない、対応しきれない場面があったのでそこだけ悔いが残りましたね。

――ご自身は安定したプレーでスパイクなど見せていましたが

山口と加藤(久典、スポ4=東京・早実)がU-23の合宿で疲れていて加賀も足をつってしまったりというのもあったので僕が頑張らなきゃいけないなというのもあったし、結果的に結構決めることもできました。またレシーブはもう少し返せたらなと思いますね。

――日大の粘り強さに少し押されている感じも見受けられましたが

そうですね、3セット目に相手がまとまってきたところで自分たちは押されきってしまったところがありました。そこをしっかり押さえ切らなきゃいけないなと思いましたね。最後のセット取られていたらまだ分からなかったかなという感じですね。

――ブロックに関して、1、2セット目ほど決まらなくなってしまいましたが

相手はバックアタックがないチームだったのでクイックでしっかり飛んで、サイドの郡選手のコースをクロスしっかりしめて、裏のレフトの選手はストレートをしめるということを徹底していました。セッターも結構打ってくる選手なのでそこもケアしながらやったら1、2セット目は楽に取ることができたのですが、3セット目は相手セッターがトスを上げる選手を1人に絞ってきました。分かってはいるんですけど高さというところで負けてしまいましたし、彼もすごく気合いを込めて打っていたのでそこは敵ながら感心しました。やはりこういう選手が決まるんだなと思いましたし、しっかり勝ち切らなきゃなと思いました。

――押されている時のチームの雰囲気はいかがでしたか

やはり疲れが出たなとは思いました。そこで僕がレシーブもあまりやらないので後ろから声を出していたんですけど、きょうは気温も高かったですし、みんな疲れてるなとは感じましたね。

――最後にあしたへの意気込みをお願いします

あした前半戦6試合が終わるので、今5連勝で来ているのでしっかりあした勝って6連勝で秋リーグの前半全勝で終わりたいなと思います。

加賀優太(商3=東京・早実)

――1セット目はスパイクで決めきれない場面がありました

きょうはスパイクというよりも、ブロックで相手の攻撃を絞るというかたちを取っていました。今まではレフトに対して、三枚目が(ブロックに)行くことは少なかったのですが、きょうは余裕があれば全部三枚目のブロックに飛んでいたので、攻撃に参加しづらい状況だったというのが一因だと思います。

――2セット目はスパイクがよく決まっていましたがどのような修正をしましたか

自分の高さを生かせる攻撃が、普通のレフトのアンテナまでの並行ではなく、少し短めの切り込む形が得意なのですが、頌平さん(山口主将、スポ4=長崎・大村工)がそれをうまく使ってくれたので自分のリズムで打てたと思います。

――3セット目はなんとか流れを変えようというプレーが見られましたが、振り返っていかがですか

1、2セット目は勝ってはいたのですが、自分があまり貢献できていませんでした。それまで決めきっていた他のプレーヤーが決まらなくなってきた場面で自分が少しでも決めて楽になれば良いなと思っていたので、上がってきたトスを全部決めようと考えていました。

――中央学院大戦ではあまり良い雰囲気でバレーができていなかったとおっしゃっていましたが、きょうのチームの雰囲気はいかがでしたか

先行していて、特にブロック(ポイント)などが出ると雰囲気は良くて、自分たちのやりたいバレーができていました。でも、3セット目のようなかたちで相手の勢いのあるプレーやエースに決められ続けたりして、自分たちが対応できなくなると中央学院大戦の4セット目のような感じになってしまいます。ゲームをつくってくれていた喜入(祥充、スポ3=大阪・大塚)の代わりに自分は入っているので、そういう流れになったときに、どうやって変えていくのかということを自分なりに考えていにたいと思います。

――4セット目は足がつっての交代となってしまいましたが、疲れの影響ですか

元々つりやすい体なのですが、先週の日曜日の試合からつっていて、今週の練習を通しても足がなかなか軽くなりませんでした。あまり良いコンディションで(きょうの試合を)迎えられていなかったので、嫌だなと思っていた中でつってしまったので…。自分の中でもう少しコンディションの整え方を考えて一週間を過ごしたいと思います。

――前半戦最後の試合へ向けての意気込みをお願いします

セットを取られても、苦しい状況ではありますが、勝ち切ることができていて、勝ち切ることが重要だと思います。あしたもセットを取られても、自分たちでどうやって流れを取り戻すのかということを考えて、勝ち切りたいと思います。

藤中優斗(スポ2=山口・宇部商)

――振り返りからお願いします

春リーグで自分たちは負けているので、向こうはしっかりやってくるんですけど、僕たちがやる事をやってしっかり戦おうというのを一番の意識してやっていました。しかし、結果的に1セット取られてしまいました。3-0で勝たないといけない試合だったので、あしたも同じような試合展開になると思いますが3セット目をしっかり押さえて行けるようにしないといけないなときょうは思いました。

――3セット目を押さえられなかった原因はなんだと思いますか

相手のトスが相手のエースに集まり始めてそれをしっかり打ってきていましたが僕たちが早い段階で相手のエースにマークを移すことができませんでした。3セット目取られた原因としては僕たちのブロックの対策が遅かったからだと思いますね。

――1セット目ではよくスパイクが決まっていたと思いますが

1、2セット目までは良かったと思うんですけど、3セット目、4セット目は大事な部分でシャットされたりしていました。僕はスパイクをどんどん決める派手な選手ではないですけど、キャッチを返しながらしっかり上がったボールはコンスタントに入れていかないといけないと思っているので、その部分があまり3、4セット目ではできなかったと思います。

――2セット目では連続でドシャットを決める場面もありました

絞っていたので止めやすかったり、相手のキャッチが崩れていたのでブロックしやすかったかなと思います。

――3セット目、日大に押されていましたがその時のチームの雰囲気はいかがでしたか

早大の負けパターンとしては相手が勢いに乗ってきたときに僕らはキャッチが返らなくなったり、みんながうまくいかなくなりギクシャクしてしまう部分があります。きょうも3セット目そのような場面が見受けられたので、そこで流れを打ち切るプレーであったりというのを僕自身やっていかないといけないのと、学年が下なので雰囲気をつくっていかないといけないなときょうは思いました。

――守備の貢献度についてはどうでしょうか

相手のサーブがあまり強くなかったのでサーブレシーブはしっかり返せたと思うんですけど、やはりディグの面では相手の打ってくるコースなどがあまり読めなくて上がらなかったので、合格点はあげられないかなと思います。

――あしたへの意気込みをお願いします

あしたはきょうみたいな戦いになってくると思います。相手が勢いに乗ったときに僕らがすぐ対策を練ってブロックから、自分たちのバレーが出できたら十分戦えると思います。負ける相手ではないと思うので、僕たち1、2年がしっかり雰囲気をつくって、4年生のためにも盛り上げて頑張っていきたいです。