ストレートで開幕戦勝利!

男子バレーボール

 秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)がついに開幕を迎えた。春季関東大学リーグ戦6位からの巻き返しを図る早大は順大と対戦。ジュースまでもつれるセットもあったものの、最後は逃げ切り、セットカウント3−0(25−16、26−24、25−20)でストレート勝ち。優勝へ向けて幸先の良いスタートとなった。

 第1セット序盤は両チームともに決定打に欠ける場面も見られたが、サイド攻撃を中心に後半連続ポイントを奪い、順大を突き放す。相手ブロッカーからマークされていたため、本数自体は少なかったものの要所でセンターからの速攻も取り入れた。攻撃のバリエーションが増えたセンター線は今後大きな武器となるだろう。第2セットはミスもあり終盤に追い付かれたが、このセットをしっかりと取り切ると、第3セットでは安定した試合運びを見せる。最後は小林光輝(スポ2=長野・創造学園)のサービスエースで締めくくり開幕戦白星を挙げた。

開幕戦勝利で喜ぶ選手

 背番号9が好調ぶりを見せつけた。春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)ではリザーブとして途中出場が多かった加賀優太(商3=東京・早実)だが、この日は喜入祥充(スポ3=大阪・大塚)の代わりにフルセットでの出場となった。初戦ということで序盤は固さも見られたものの、サイドからの攻撃はもちろんバックアタックやサービスエースでも得点を重ねていく。「この大会期間を通して全セット出るつもりで臨んでいる」(加賀)と気合も十分。秋季リーグ戦制覇に向けて、加賀の活躍が大きなポイントとなりそうだ。また、「固さがある中で4年生が引っ張っていけた」と試合後、田中健翔副将(スポ4=熊本・鎮西)が語ったように、リーグ戦を戦う上で4年生の力は欠かせない。主将・副将を中心に4年生がどこまでチームの軸となれるか。学生最後のリーグ戦にかける思いに期待したい。

スタメンフル出場を果たしチームに貢献した加賀

 春季リーグ戦では初戦で手痛い一敗を喫した経験があるだけに、今回ストレートで勝利を収めたことは大きな意味を持つ。秋季リーグ戦の優勝、そしてシード権を得て全日本大学選手権へ臨むためにーー。負けられない戦いは始まったばかりだ。

(記事 杉山睦美、写真 藤原映乃)

セットカウント
早大 25-16
26-24
25-20

順大
スタメン
レフト 加賀優太(商3=東京・早実)
レフト 藤中優斗(スポ2=山口・宇部商)
センター 加藤久典(スポ4=東京・早実)
センター 山﨑貴矢(スポ3=愛知・星城)
ライト 田中健翔(スポ4=熊本・鎮西)
セッター 山口頌平(スポ4=長崎・大村工)
リベロ 堀江友裕(スポ1=和歌山・開智)
コメント

松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)

――春リーグ6位、東日本大学選手権では準優勝という結果で課題も収穫も多かった前半でしたが夏場はどのようなところを強化しましたか

一本目のボールをいかにセッターの山口(頌平主将、スポ4=長崎・大村工)に入れるかということを基本的には徹底してやってきました。難しいボールを処理するということではなくて、簡単なボールを必ず山口のところに入れてそれからどうしていくかということを相当やりました。

――企業合宿もありましたが収穫と課題をお願いします

早大の一本目のボールをセッターに入れるという基本的なことが得点や勝ち負けに関係なくできたっていうことは非常に大きな収穫だったと思います。

――秋リーグが始まりましたが初戦で勝利することができましたが、初戦の勝利は大きいですか

大きいですね。4年生がその中でも一番不安もあっただろうし、春リーグ6位ということもあっただろうから、その中で自分たちの力をだいぶ出せたんじゃないかということで少しはほっとしています。あした以降さらに自分たちの良さが出てくるんじゃないかと思います。

――プレー面できょうの試合を振り返っていかがでしたか

まだまだ一戦目ということで硬い部分はあったんだけども山口のトス回し、田中健翔(スポ4=熊本・鎮西)が良いところで決めていた。そして加賀(優太、商3=東京・早実)がだいぶ安定していて、得点を良いところで決めていたので安定したゲーム展開をすることができたのではないかなと思います。

――きょうは加賀選手がレフトでスタメン出場となりました

レフトは加賀、喜入(祥充、スポ3=大阪・大塚)、藤中(優斗、スポ2=山口・宇部商)と鵜野(幸也、スポ2=東京・早実)を交代でうまく使っていきたいと考えています。きょうは加賀がいままで調子も良かったということで、加賀でいくことに決めました。

――秋リーグでも要所でセンター攻撃を使っていくのでしょうか

やっぱりうちはセンター中心なのでいろいろとトスを分散しながら大事なところはセンターということになってくると思います。

――きょうの試合ではブロックがなかなか機能することができませんでした

相手スパイカーに対して思い切り打ってくる選手ではないけれどそこに対して対応できていない部分はありましたが、他の部分ではブロックとレシーブの関係はできてきたんじゃないかと思っています。

――リーグ戦は後半に中大戦や筑波大戦が控えていますが、そこで勝利するために必要なことは

前半戦は自分たちと同じくらいかもしかしたら少し力がないチームが対戦相手です。春リーグはそこで落としてしまっているので、やはり相手どうこうということではなくて早大のバレーを常にやり、力を全部出すということを常に心掛けてやっていこうと思います。

――秋リーグで注目すべき選手は誰でしょうか

やはり背番号1の山口、2番の田中、3番の加藤(久典、スポ4=東京・早実)の3人が軸となって頑張れれば他の加賀、藤中、喜入、山﨑(貴矢、スポ3=愛知・星城)、堀江(友裕、スポ1=和歌山・開智)がのびのびとプレーできるのではないかと思うので、やはりキーは4年生になると思います。

――秋リーグの意気込みを改めてお願いします

東日本インカレ2位というのを受けて、秋リーグは優勝を目指していくことと、常に自分たちの力を全部出すということができるかどうかが一つの彼らの出来が良い悪いという尺度にしていこうと思っています。

山口頌平主将(スポ4=長崎・大村工)

――夏場どのようなことを中心に強化してきましたか

2週間近くの長い合宿を組んで企業のチームを相手に練習をしてきました。その中でも特にファーストブレイクを取るというのが春(春リーグ)と東日本インカレ(東日本大学選手権)の目標だったので、この秋リーグはもっとブロックやサーブという切り返しで連続得点を取るということに少し重きを置いてゲームをこなしてきました。ブロックとレシーブの関係やブロックに当ててリバウンドを取ってからの二次攻撃、三次攻撃を仕掛けていくという細かな部分をポイントとして挙げながらやってきました。

――企業合宿を通して見つかった課題と収穫を教えてください

1部リーグの中でも早大は背が小さい方ですし、企業相手となるとまた体格、高さ、パワーや一人一人の能力に格段の差は出てきます。その中でもブロックでどこを閉めて、どこに打たせて、どこを拾うのかということや高いブロック相手でも自分たちの状況が悪かったらブロックに当ててみんなでフォローして何回でも攻撃を仕掛けていくということを貫いてやってきて企業相手にセットを取ったり勝ち越して帰ったりもしました。チームとしても一人一人としても手応えのある充実した合宿になったと思います。きょうは一試合目ということで緊張もありなかなか内容的には細かなところまで(力を)出せてはいないと思うのですが、あした以降、慣れてきた中でどんどん夏やってきたものが出せればいいと思います。

――きょうの試合ではあまりブロックを機能させることができませんでした

相手のスパイカーが少し癖のあるフォームで打ち所のわからないスパイカーでなかなかブロックが機能しなかったとは思いますが、春リーグは出だしちょっと失敗して負け越しが多かったので、それを考えるときょう3-0で勝てて良いスタートを切れたと思います。

――きょうはサイドの選手の活躍が見られました

センターにブロックが厚く来ていましたが、それでもできるだけセンターに上げる本数を少なくするということはしたくなかったので、要所で速攻を使いました。センターのマークが厚かった分、サイドが(ブロック)一枚になることが多かったのでそこをしっかりサイドの選手が決めてくれたことでリズムが出てきたと思います。

――AクイックだけでなくBクイックを打つなどセンターの攻撃のバリエーションが多くなりました

山﨑(貴矢、スポ3=愛知・星城)は春リーグ、Aクイックばっかりだったのですが夏場練習してきました。練習してきたことがもっともっと出せていけば良い感じになると思います。

――秋リーグの目標と意気込みを改めてお願いします

4年生として、大学4年間で最後のリーグ戦です。秋リーグとインカレ(全日本大学選手権)でインカレはトーナメント戦なので一つ一つの試合が対戦相手としては最後になるかもしれないです。目指すところは秋リーグ優勝や全日本インカレ優勝ということはあるのですが、一つ一つの試合を流さずに早大のバレーができるように目の前の試合を必死に戦っていけば結果は付いてくると思うので頑張りたいと思います。

田中健翔副将(スポ4=熊本・鎮西)

――夏の間に強化したことはありますか

合宿に8月の17日から9日間行ったんですけど、企業さんを渡り歩いて関西学院と早関戦をやってきました。細かいところなのですが、ブロックフォローとBパスからの攻撃の組み立て方など、そういったところを意識して9日間練習してきました。きょうはそれがあまり出てこなかったかなということを感じました。

――それがやはり初戦の難しさということですか

初戦はやはりみんな緊張や硬さがあるので、そこを今日は4年生が引っ張っていけたかなということで3−0で終わらせることができたと思います。

――ご自身のサーブを振り返っていかがですか

ミスが3本くらいあり、入れに行ってミスをしているのであすには修正したいです。

――スパイクの面ではいかがですか

きょうは高さを意識して、肘を伸ばして狙って打つというイメージでいきました。こちらのセンターに(相手が)コミットブロックで来てたので、僕には一枚ブロックしか来ていなかったので、頌平(山口頌平主将、スポ4=長崎・大村工)が楽に組み立ててくれたと思います。

――4年生にとって最後のリーグ戦となります

学生最後のリーグ戦になるので最後は笑って終わりたいです。またこの秋リーグの順位が全日本インカレ(全日本大学選手権)のシード権にも関わってくるので、もちろん優勝を目指して頑張りたいと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

あすは国士舘さんなのですが、やることは決まっているのでそれを自分たちがどれだけできるかということが勝利につながると思います。相手どうこうということよりも、自分たちがやってきたことを出せるように頑張りたいです。

加賀優太(商3=東京・早実)

――きょうはフルセットでの出場となりました

合宿中に普段スタメンで出ている喜入(祥充、スポ3=大阪・大塚)が膝を故障してしまい、代わりに出ることが決まっていました。代えの選手もあまりいないので、自分がこの大会期間を通して全セット出るつもりで臨んでいたので、心境に変化は無かったです。

――夏の間はどのようなことを強化しましたか

夏合宿を通してサーブの狙いを明確にすることと、Bキャッチからのトスの組み立て方を工夫することをチームの目標として取り組んでいました。

――きょうは初戦ということで硬さはありましたか

正直とても硬くて、本来の力は出し切れてはいないですが、結果としてストレートで勝てたということが重要だったと思います。

――ブロックポイントがあまりありませんでした

そうですね。相手のセッターもそんなにうまいわけではなかったのですが、どこに上がってその人(スパイカー)がどこに打つのかが分かってる状態でも止められなかったので、そこは初戦の硬さを差し引いても反省すべきだと思います。

――ご自身のスパイクについてはいかがですか

相手のリベロに打つ本数が多くて、コースの甘さを自分では感じていました。

――秋リーグを通してのチームとしての目標をお願いします

全日本大学選手権(インカレ)のシード権に関してとても重要な大会なので、最低でもインカレのシード権が取れる4位以内に入りたいと思っていますが、3位以上は果たしたいです。

――秋リーグを通してのご自身の目標をお願いします

コンディションなどの面でみんないい状態で迎えられてない中で、自分はコンディションに悪い面を抱えていないので、自分がチームの雰囲気を良くしたり、引っ張っていくつもりで臨んでいきたいと思います。

――あすへの意気込みをお願いします

あすは国士舘大なのですが、2部から上がってきて勢いのあるチームなので、勢いに負けないよう、1セット目の入りから集中してきょうのようなかたちで3ー0で勝てればいいかなと思います。