悪い流れ断ち切れず、リーグ戦初のストレート負け

男子バレーボール

 吹き荒れた風雨のごとく大波乱の結果となった。今年度1部リーグに昇格し、勢いのある日大に対し、強豪校の意地を見せたかった早大。しかし、試合は第1セットから終始日大ペースで進み、セットカウント0-3(23-25、21-25、17-25)でまさかのストレート負けを喫した。

 試合開始直後から立て続けに3得点を奪われ、序盤から日大ペースに持ち込まれる。早大もコンビバレーやバックアタックなどバリエーション豊かな攻撃で反撃を開始するが、相手を押し切るような勢いはつかず、常に一歩前を歩かれるようなもどかしい展開に。セット終盤に投入された加賀優太(商3=東京・早実)が流れを変える働きで追い上げを見せるも一足遅く、最初のセットを落とした。続く第2セット。何としても取りたい早大だったが、悪い流れは止まらない。「相手に先手を取られて消極的になる場面が多かった」と加賀も述べたように、後手に回った結果連続で得点を失う時間が増える。自らのミスと敵エースアタッカーの猛攻に苦しみ、このセットも落としてしまった。

プレーでチームの雰囲気を盛り上げた加賀

 もう後がない3セット目。前の2セットでリズムをつかむことができなかった山口頌平主将(スポ4=長崎・大村工)は小林光輝(スポ2=長野・創造学園)と交代となる。「きのう負けて4年生が変わったところが見えないということで変えられてしまった」(山口)と主将は悔しそうに振り返った。ここで息を吹き返すべく、喜入祥充(スポ3=大阪・大塚)らが果敢に攻撃。しかし、ここまでなかなか早大らしいバレーボールを築けていない歯がゆさからか、選手の顔には疲労の色が見え始める。攻守ともにキレのあるプレーをすることができず、単純なミスを頻発。その後も立て直すことはできず、最後は自らのサーブミスで相手に25点目を与えてしまう。セットカウント0-3。体育館には試合終了を告げるホイッスルが響いた。

果敢に攻撃を見せた喜入

 「負けが続き、勝ち方が分からなくなりつつある」。山口主将の言葉通り、4戦中3敗という厳しい現実は選手たちから自信を奪おうとしている。しかし選手の言葉には、上級生から下級生への思いやり、下級生の上級生を支えたいという思いがあふれていた。全員が同じ方向を向くチームには確かな強さが潜んでいるはずだ。ストレート負けという悔しさをバネにもう一度、上だけを見つめ飛躍を誓う。

(記事 太田萌枝、写真 藤原映乃)

セットカウント
早大 23-25
21-18
17-25

日大
スタメン
レフト 喜入祥充(スポ3=大阪・大塚)
レフト 藤中優斗(スポ2=山口・宇部商)
センター 加藤久典(スポ4=東京・早実)
センター 山崎貴矢(スポ3=愛知・星城)
ライト 田中健翔(スポ4=熊本・鎮西)
セッター 山口頌平(スポ4=長崎・大村工)
リベロ 堀江友裕(スポ1=和歌山・開智)
コメント

山口頌平主将(スポ4=長崎・大村工)

――春季関東大学リーグ戦初のストレート負けとなってしまいました敗因は何でしょうか

きのうはミスを恐れて消極的なプレーが多かったです。バレーを楽しんだり、思い切りやって出たミスはしょうがないですが、きのうは何も出せずに負けました。だからきょうはもっと楽しんで、切り替えて頑張ろうというふうにやりました。しかし、4年生がそれに伴うプレーができなかったというのが負けた原因だと思います。

――3セット目は小林光輝選手(スポ2=長野・創造学園)と交代となりました

田中(健翔副将、スポ4=熊本・鎮西)と僕が変えられたのですが、きのう負けて自分ら4年が変わったところが見えないということで変えられてしまいました。

――4年生の自覚が大切だとわかっていながらそれに伴った結果がついてこないことにもどかしさを感じますか

下級生が入っているので、彼らのカバーをするのが4年生の役割だと思います。しかし、4年生自身が自分のプレーをできていない状況なので、チームを引っ張ったり、中心となる存在がいないので弱いのだと感じます。

――次戦に向けどのように改善していけば良いでしょうか

負けが続き、チームの雰囲気や勝ち方が分からなくなりつつあると思います。自分は早稲田大学に来て4年目ですが、いままでの中で一番練習をしてきていると思います。しかしそれが出せていないので、自信のあるプレーやチームとしてのまとまりを強化して臨んでいきたいと思います。

加賀優太(商3=東京・早実)

――きょうの試合を振り返って率直な感想を教えてください

春のリーグ(春季関東大学リーグ戦)が始まってからずっとそうなのですが、相手がどうこうというよりも自分たちで勝手につぶれてしまうパターンが多いです。今回もそのパターンで、自分たちのプレーができないまま終わってしまいました。

――序盤から苦しい展開の中、加賀選手が入ってから流れが変わった場面もありました ご自身ではどのように感じてますか

自分が出る場面は基本的に自分たちが追い込まれて苦しい場面が多くて、流れを変えることが自分の仕事だと思います。1セット目はうまくできたと思うんですけど、それが最後まで続かなかったのが少し残念です。

――連続でポイントを奪われることが多くありましたが、原因として思い当たることはありますか

やっぱり相手に先手を取られることが多くて、自分たちが消極的になってしまう場面が多く見受けられました。いつもだったら1点目取られた時のミスの仕方がもう少し積極的だったりするのですが、(きょうは)消極的なミスで取られることが多くて、それがどんどん続いていってしまったのかなと思います。

――きょうの試合で個人としてまたチームとして良かった点、課題をそれぞれ教えてください

良かった点はそんなに見受けられません。チームとしての勢いが今はないので、上級生が監督から怒られてますが、下級生がそれをもっと支えていかなければいけないと思っています。

――次戦に向けて改善したい点とご自身の役割をどう考えているか教えてください

また一週間後に試合があるので、チームとしてもう一度何で勝っていくのか、どういうバレーをしていけばいいのかを確認したいです。自分はスタメンで出ることはあまりなくて、出るとしたら悪い場面で流れを変えることがまた求められると思います。きょうみたいなことがないように、しっかりと流れを変えるっていう役割を果たせるように頑張ります。