復調の兆しが見えるも悔やまれる失セット

男子バレーボール

 秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)の第5日目で、前日終了時まで暫定2位の早大は同8位の法大と対戦した。安定した守備からセンターを有効に使った攻撃で、危なげなく第1、2セットを連取する。続く第3セットはミスが出て失うが、第4セットを取ってセットカウント3-1(25-14、25-20、20-25、25-20)で勝利を収めた。開幕から全勝をキープし、後半戦に臨む。

 復調の兆しが見えた2セットだった。要所でミスが見られ、フルセットに持ち込まれた前日の明大戦。主将の福山汰一(スポ4=熊本・鎮西)が「(チームの)雰囲気はあまり良くない」と話すように、最近は思うような内容になっていない。一抹の不安を残し、試合開始を告げる主審の笛が体育館に響いた。早大は立ち上がりからミスの少ない、丁寧なプレーを見せる。コントロールを重視したサーブで相手のレシーブを崩し、攻撃の選択肢を限定。ブロッカーはトスを見てワンタッチを取りに行き、レシーバーが空いたコースに入る。組織的な守備からチャンスボールを得ると、持ち味であるコンビバレーを展開した。セッターの山口頌平(スポ3=長崎・大村工)の元にボールが返り、助走する4人のアタッカー。加藤久典(スポ3=東京・早実)のクイックや田中健翔(スポ3=熊本・鎮西)のバックアタックが次々と決まり、多彩な攻撃で2セットを連取した。

法大のスパイクをブロックする喜入(右)と福山

 しかし、まだ理想とまではいかなかった。続く第3セット。序盤からスパイクミスが見られ、7-10と3点をリードされる。ブロックアウトで得点を重ねる相手スパイカーに対応できず、15-18まで両チームがサイドアウトの取り合いに。ブレイクしたい早大だったが、終盤にスパイクやサーブでミスが出る。次第に点差を広げられてしまい、まさかの失セット。第4セットはエースの喜入祥充(スポ2=大阪・大塚)や田中、加藤がポイントを挙げ、終盤にはここまで出場機会の少なかった選手が登場する。余裕のある展開でこのセットを取っただけに、第3セットを失ったことが悔やまれる内容だった。

センターから多彩な攻撃を見せる早大

 チーム状態は少しずつ上向いてきたが、まだ本来のスタイルを取り戻せたとは言えない。トスがスパイカーと合わない場面や要所でのミスが目につく。1週間のインターバルを経て、10月3日から再開される秋季リーグ戦。今後は昨季の上位校、最終週には全日本代表の石川祐希を擁する中大との対戦が控えている。そのため、この期間でいかに課題を修正できるかが優勝を目指すうえで重要になるだろう。

(記事 渡辺新平、写真 喜田村廉人)


セットカウント
早大 25-14
25-20
20-25
25-20

法大
スタメン
レフト 喜入祥充(スポ2=大阪・大塚)
レフト 加賀優太(商2=東京・早実)
センター 福山汰一(スポ4=熊本・鎮西)
センター 加藤久典(スポ3=東京・早実)
ライト 田中健翔(スポ3=熊本・鎮西)
セッター 山口頌平(スポ3=長崎・大村工)
リベロ 後藤光明(社3=東京・早実)
コメント

福山汰一主将(スポ4=熊本・鎮西)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

きのうは2セット取った後、フルセットに持ち込まれて内容としては最悪でした。きょうは修正しようといろいろ話し合って反省点が挙がっていたのですが、きのうよりかはサーブミスの本数は明らかに減ったとはいえ、やはりサーブミスが出てしまいました。きょうも2セット取られた後に(セットを)取られてしまい、自分たちのミスがセットを取るとどうしても出てしまうようになったので、その点は練習から厳しくやっていかなければいけないと思います。

――落としてしまった第3セットはなかなかブレイクが取れませんでした。その原因をどのようにお考えですか

自分たちのミスで相手には連続得点を与えてしまったのですが、こちらは全然ブレイクが取れませんでした。相手がブロックに当てて弾いてきたので、そこで対応をしっかりと、早くできなかったことが敗因だと思います。

――きょうはチーム全体としてブロックとレシーブの関係が良かったと思います

最初の1セット目は(相手のスパイクが)あまりトスとも合っていなかったのでデータ通りで止まっていました。ですが、2セット目からは相手のトスもスパイクが打ちやすそうなものが上がってきていたので、そこで少し対応が遅れたところはあります。

――きょうは要所でセンターを使うことができていました

ここ最近は決定率が悪いので、どうにか決められればと思ってやっていました。まだまだトスと合っていないので、しっかりと合わせたいと思います。

――リーグ戦は1週間空きますが、その間にどのような調整をしたいとお考えでしょうか

トスが合っておらずその辺を修正できるので、今回の1週間は有り難いです。しっかりとまずはトスを合わせて、あとはディグとブロックの関係とかサーブレシーブとかをやりたいです。藤中(優斗、スポ1=山口・宇部商)も(U21日本代表から)帰ってきてどうなるかは分かりませんが、いろいろなことを試しながらやっていきたいと思います。

――ここまでリーグ戦全勝をキープしています。次戦以降に向けての意気込みをお聞かせ下さい

少しセットを落とし始めてきたので、勝たないといけません。とりあえず最終週まで連勝をキープしてまま中大と当たれればいいかなと思います。

田中健翔(スポ3=熊本・鎮西)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

きのうのフルセットでちょっと内容の悪い試合をして、きょうはどうなるのかなというのはありました。立ち上がりからブロックが連発し、コンビもしっかり合って良いリズムで2セット取れました。3セット目にこちらのミスが目立ち始めて悪い雰囲気になりがちだったのですが、4セット目を何とか立て直せたという感じです。(セットカウント)3―0で勝てた相手だと思いました。

――きょうはチーム全体としてブロックとレシーブの関係が良かったと思います

相手のトスが速いのですが、コースも前々から分かっていたのでブロックをしっかりと閉めて、レシーブも(スパイクが)来るところに入ってという感じで。できてはいたのですが、まだまだこれでは強いチームには勝てないと思います。1週間空くので磨いていきたいと思います。

――きょうはバックアタックの決定率も高かったと思います

そうですかね(笑)。きょうは決定率はあまり高くなかったと思いますよ。トスと合っていなくて、自分がそこをうまく処理できませんでした。まだまだ合わせなければいけないかなと思います。

――ここまでリーグ戦全勝をキープしています。次戦以降に向けての意気込みをお聞かせ下さい

次戦からは他の世界大会で抜けているメンバーが帰りどんどん強くなっていくので、本当にここからだな、やっとスタートラインに立てたかなって感じはありますね。また全力で、チーム全体で戦っていきたいと思います。

加藤久典(スポ3=東京・早実)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

きのう、勝ったんですけど嫌なかたちで試合が終わってしまったので、きょう、どう入りを良くするかというところで1セット目、2セット目が順調に行けたので良かったんじゃないかなと思います。

――第3セットを落としてしまった原因は

向こうの速いレフトに対応できていなかったかなと思います。

――チームとしてブロックが好調でしたが、自身のブロックはいかがですか

僕は基本ブロックが得意じゃないんですけど、きょうは絶対に止めてやろうという気持ちで頑張ってやりました。

――クイックの決定率が高かったと思いますが、自身のスパイクについてはいかがですか

山口(頌平副将、スポ3=長崎・大村工)が毎回良いトスを上げてくれたのですごく助かっています。

――今後の試合への意気込みをお願いします

最後の試合まで、全勝できるように頑張っていきたいと思います。