地力を発揮し、連勝を4に伸ばす

男子バレーボール

 春季関東大学リーグ戦は第8日目を迎えた。第7日目を終えて2位につけている早大。この日は、昨年の秋季関東大学リーグ戦を制した4位の東海大との一戦に臨んだ。喜入祥充(スポ2=大阪・大塚)らサイドアタッカーを中心に攻撃を展開。要所でブロックが決まり、試合を優位に進める。1セットを失ったものの、セットカウント3-1(25-23、30-32、25-23、25-16)で勝利した。

 的確な判断で試合の主導権を握った。相手ブロッカーは高い決定率を誇る福山汰一主将(スポ4=熊本・鎮西)らセンターをマーク。早大のクイックへの対策を講じてきた。こうした状況で、福山はセッターの山口頌平副将(スポ3=長崎・大村工)に対してある指示をする。「サイドでただ打たせるのではなくて中に切り込ませたりさせるように」。配球を増やしてサイドアタッカーを軸に組み立てるが、単調な攻撃になることを避け、変化をつけた。第1セット、福山の指示が奏功する。エースの喜入や対角の藤中優斗(スポ1=山口・宇部商)がバックアタックを決めると、ライトの田中健翔(スポ3=熊本・鎮西)はセンターに回り込んでスパイクを放つ。山口がトスの長短を使い分け、相手ブロッカーを振った。多彩な攻撃を見せ、このセットを取る。

センター付近からスパイクを放つ喜入

 第2セット、山﨑貴矢(スポ2=愛知・星城)がパワーを生かしたクイックで得点を重ねた。サイドからの攻撃に加えてセンターを有効に使い、序盤にリードする。しかし、中盤にスパイクミスが見られると、相手のジャンプサーブに崩され連続失点。接戦となり、ジュースの末に30-32でこのセットを失う。だが、第3セット以降は立て直しを図った。「黙ることなくみんな自分の仕事をやろうとしてくれた」と福山が話すように、ムードを作り各選手が自身の役割を全うする。サイドアタッカーが確実にスパイクを決めると、山﨑らがブロックポイントを挙げた。相手のミスもあり、第3、4セットを連取。第2セットを取られたが、充実した内容で勝利を収めた。

ブロックポイントを決めた山﨑

 監督不在の状況で対戦相手に臨機応変に対応した早大。専大戦では立て直しに課題が残ったが、この試合はそれを修正した。地力がある証拠だと言えるだろう。優勝へ向け、一つずつ勝利を積み重ねたい。

(記事 渡辺新平、写真 佐藤亜利紗)


セットカウント
早大 25-23
30-32
25-23
25-16

東海大
スタメン
レフト 喜入祥充(スポ2=大阪・大塚)
レフト 藤中優斗(スポ1=山口・宇部商)
センター 福山汰一(スポ4=熊本・鎮西)
センター 山﨑貴矢(スポ2=愛知・星城)
ライト 田中健翔(スポ3=熊本・鎮西)
セッター 山口頌平(スポ3=長崎・大村工)
リベロ 後藤光明(社3=東京・早実)
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コメント

福山汰一主将(スポ4=熊本・鎮西)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

きょうの試合の出だしはあまりコンビが合っていませんでした。また、相手がずっとコミットでくるという状態だったので、センターに一枚(ブロックが)つくことが分かっていました。サーブレシーブは意外と返っていたので、全体的に頌平(山口副将、スポ3=長崎・大村工)には(アタッカーに)サイドでただ打たせるのではなくて中に切り込ませたりさせるように指示した結果、相手のブロックが割れました。そのため、サイドの選手たちは決めやすかったと思います。

――相手がコミットブロックで対応してきたため、きょうはセンターのスパイク本数が少なかったのでしょうか

出だしからずっとコミットできていたことと、相手に長身の選手が正面にいたため(セッターが)少し警戒していたのではないかと思います。

――第2セットはジュースの末に落としてしましましたが、振り返ってみていかがですか

12、3点くらいでリードしたときに、いつも回らないローテーションが一個あり、そこで今回連続失点してしまいました。そこがすんなり切れるようになったら2セット目も落とさずに済んだのではないかと思います。

――前回の試合では立て直しの部分で課題が残りましたが、きょうはその点に関していかがでしたか

きょうはみんな黙ることなくみんな自分の仕事をやろうとしてくれたので、取られてもそれほど雰囲気も悪くならずにいけたと思います。

――きょうはチーム全体としてブロックが良かったと思います

意外と東海の選手がコースにきっちりと打つことができず、自分の得意なコースに打ってくるかたちだったので、そこを徹底的に閉めさせた結果、みんなブロックが多く出たと思うのでその点は良かったのではないかと思います。

――次の試合に向けての意気込みをお聞かせ下さい

あしたのチームはキャプテンがセッターになりました。黒鷲旗から突然セッターになり、練習試合のときはスパイカーだったので(相手のキャプテンのポジションが変更になってから)まだ対戦したことはないのですが、自分たちの仕事をしっかりとやって勝ちにいきたいと思います。

喜入祥充(スポ2=大阪・大塚)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

山﨑(貴矢、スポ2=愛知・星城)や健翔さん(田中、スポ3=熊本・鎮西)といった先輩方も調子がよく、気持ちよく試合運びができたと思います。

――第2セットを落とす展開となりました

これぐらいの相手だとストレートで勝つのは、相当な実力差がないとできないことだと思います。第2セットを取られたからこそ第3、4セットを取れたんじゃないかと思っています。

――センターからの攻撃が多いように感じました

相手はブロックが高く、僕は小さいので動いていこうと思っていました。動いていた方が決まっていましたし、決定率の高いところで打とうと決めていました。

――チーム全体としてはセンターを使った攻撃があまり多くありませんでした

相手が攻めてくるサーブで、そう返せるものじゃないと思います。サービスエースを取られるよりかは上にあげて、サイド陣が頑張るかたちができたのではないかと思います。

――あすの試合に向けて意気込みをお願いします

順位を落とさないためには勝ち星を挙げていくことが大事だと思います。きょうはきょう、あしたはあしたということでしっかり勝ちたいですね。

山﨑貴矢(スポ2=愛知・星城)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

2試合しか出場していませんが、きょうは今までで一番良かったと思います。

――センターでの起用となっていますが、ご自身の役割をどのようにお考えでしょうか

基本打つということだけは変わらないので、どのポジションでも頑張ります。

――きょうはサーブも良かったと思いますが、振り返ってみていかがですか

ミスが多かったと思います。

――センターでの練習はいつごろから始められたのですか

3月の最後に合宿でいろいろありましてコンバートとなりました。練習は4月からです。

――次の試合に向けての意気込みをお聞かせ下さい

あしたで自分は最後の試合になると思いますが、勝ちたいと思います。