指揮官不在も、後半戦勝利でスタート

男子バレーボール

 春季関東大学リーグ戦は後半戦を迎えた。第7日目となるこの日は専大と対戦。ライトの田中健翔(スポ3=熊本・鎮西)らサイドアタッカーを軸に攻撃を組み立てる。ミスが目立ち第2セットを失ったが、セットカウント3-1(25-19、24-26、25-23、25-18)で勝利し、連勝を3に伸ばした。

 この日はいつもと事情が違った。松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)と加藤久典(スポ3=東京・早実)がU-23の遠征のため離脱。そのため、福山汰一主将(スポ4=熊本・鎮西)を中心に選手自らチームを統率しなければならない。また、得点源であった加藤の不在は、攻撃の組み立てに大きな影響が出ることが予想された。このような状況でチームをけん引したのが、ライトの田中だ。第1セット、レフトからスパイクを放ちチーム最初のポイントを挙げると、その後も得点を重ねる。「絶対に(相手のブロックが)1枚半くらいにはなるので決めて当たり前」。相手のブロックにセンター攻撃を制限される中、高い決定率で攻撃の軸となった。また、加藤に代わり初めてセンターでの先発となった山﨑貴矢(スポ2=愛知・星城)も、長身を生かしてブロックポイントを決める。相手のミスもあり大差でこのセットを取った。次の第2セットはミスが目立つと、立て直すことができない。序盤に6連続失点を喫すると、終盤にはサイドアタッカーのスパイクがシャットアウトされこのセットを失った。

高い決定率を誇った田中

 第3セット、福山と田中がブロックポイントを挙げると相手のミスも絡み、序盤から優位に試合を進める。終盤には、ここまで決定率が上がっていなかった喜入祥充(スポ2=大阪・大塚)がバックアタックを決めるなど復調。サイドアタッカーを軸に攻撃を展開した早大がこのセットを取った。迎えた第4セットは、中盤の連続得点で点差を広げるとエースの喜入がチームを勢いづかせた。試合の終盤、20-16と4点リードの場面。レシーブを崩され、ボールがコート中央付近に上がる。喜入がコースを突いたハーフボールを放つと、そのまま相手コートに落ちた。喜びを体全体で表現するエースのもとに、チームメートが笑顔で集まる。このワンプレーで波に乗ったチームは第4セットを取り、勝利を収めた。

バックアタックを決める喜入

 ミスが目立ったが、監督不在という状況で勝利を手にしたことの価値は大きい。加藤の代わりに出場した山﨑もブロックなど守備で貢献した。モチベーションの維持や課題の克服に関しては今後も影響が懸念されるが、優勝へ向けてチーム一丸となりこの局面を乗り越えたい。

(記事、写真 渡辺新平)


セットカウント
早大 25-19
24-26
25-23
25-18

専大
スタメン
レフト 喜入祥充(スポ2=大阪・大塚)
レフト 藤中優斗(スポ1=山口・宇部商)
センター 福山汰一(スポ4=熊本・鎮西)
センター 山﨑貴矢(スポ2=愛知・星城)
ライト 田中健翔(スポ3=熊本・鎮西)
セッター 山口頌平(スポ3=長崎・大村工)
リベロ 後藤光明(社3=東京・早実)
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コメント

福山汰一主将(スポ4=熊本・鎮西)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

初めて監督不在という中で、加藤(久典、スポ3=東京・早実)の代わりに山﨑(貴矢、スポ2=愛知・星城)が入りました。(山﨑は)公式戦ではセンターで使うのが初めてだったので、どこまでやれるのかなと気にしていました。練習ではきのう見た感じだとトスも合ってきたので、ちょっといけるかなと思っていました。しかし、相手のブロックがスタックで一枚必ずコミットとサイドに二枚というかたちだったため、それをあまりかわせず決定率もあまり上がらなかったのでまだまだだですね。サイドの選手も健翔(田中、スポ3=熊本・鎮西)は良かったのですが、他の選手は途中まで相当(打点が)低かったのでスパイクが決まらなかった結果、無駄に1セットをあげてしまいました。来週の2戦はこのままでは少し厳しいかなと思います。

――ご自身のスパイクを振り返ってみていかがですか

練習の時あまり合っていなかったのでどうなるかと思っていたのですが、実際最後まで合っていませんでした。その中でもフェイントなどを織り交ぜて得点を取れたのは良かったと思います。

――チーム全体としてブロックが良かったと思います

山﨑は加藤に比べてブロックが良いのでそこでちゃんと点数を取ってくれて、サイドも田中を中心に一枚で止めるときは止めてくれたので、その結果、展開的には序盤や最後の方は楽だったと思います。

――きょうはあまりセンターを使っていませんでしたが、振り返っていみていかがですか

あまり打っていないですね。1セット目も2本くらいしか打てていません。一対一でコミットでこられるとうちのセッターもちょっと考えちゃうので。きょうは初めてあのようなかたちでブロックにこられたので、セッター的には少しきつかったのかなと思います。

――次の試合に向けての意気込みをお聞かせ下さい

今週一週間いろいろ練習を重ねて、一人一人もう少し自覚を持たせないといけないと思います。意識させたうえで、残りの2戦も監督がいないなかでしっかり勝ちたいと思います。

田中健翔(スポ3=熊本・鎮西)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

きょうは監督と加藤(久典、スポ3=東京・早実)がU-23の遠征に行っているので、厳しい場面になることも多いかと思っていました。2セット目取られた原因として、まだまだチームとして立て直せる部分がありませんでした。きょうは勝ちはしましたが、問題が残る点があったので次はしっかりとやっていきたいと思います。

――問題点とは具体的に何でしょうか

連続得点がミス、ミス、ミスで、やられている失点ではなくて自分たちのミスで負けていました。そういったところをなくせるようにしたいと思います。

――決定率が高かったと思いますが、ご自身のスパイクを振り返ってみていかがでしょうか

僕は前衛では基本的に3枚攻撃で、絶対に(相手のブロックが)1枚半くらいにはなるので決めて当たり前かなと思っていますね。バックアタックでラインクロスのミスが目立ったので、そういったところをなくせるようにしようと思います。

――ご自身のブロックについて振り返ってみていかがですか

もう少し(ブロックポイントが)欲しかったですね。苦しい場面で決められてしまっていたので、そういった勝負どころで止められるようになりたいと思います。

――次の試合に向けての意気込みをお聞かせ下さい

来週も監督と加藤が不在になるので、いまいるメンバーでしっかりと勝って優勝を狙いたいと思います。