春季関東大学リーグ戦の第4日目終了時点で、3勝1敗の4位につけている早大。この日は兒玉康成(4年)、高橋健太郎(3年)の二人の全日本代表選手を擁する筑波大との一戦に臨んだ。第1セットから相手のミスに乗じて試合を優位に進めると、藤中優斗(スポ1=山口・宇部商)らサイドアタッカーを軸に攻撃を展開する。第3セットを失ったものの、セットカウント3-1(25-20、25-18、23-25、25-19)で勝利を収めた。
鮮やかなモデルチェンジだった。過去4試合はセンターを起点に攻撃を展開していた早大。しかし、平均身長の高い相手のブロックを考慮し、この日はサイドアタッカーを軸に組み立てた。第1セット、立ち上がりから相手のミスでリードすると藤中や田中健翔(スポ3=熊本・鎮西)のスパイクで確実に得点を重ねる。また、各選手のコースにコントロールされたサーブは効果的で、相手の攻撃を限定した。終始優位を保ったままこのセットを奪う。続く第2セット、センターへの配球を少しずつ増やし攻撃にアクセントをつけるとサイドアタッカーが生きた。その中でも攻守に渡る活躍を見せたのが藤中だ。ブロックアウトやコースへ的確な打ち分けなど高い技術を見せる。18-15と3点をリードしている場面では、味方のサーブレシーブが乱れて難しい体勢となったが、コースを巧みに突いた。また、サーブレシーブを確実に返すなど守備面でも貢献。大差をつけ2セットを連取した。
スパイクをコースに打ち分ける藤中
第3セットは、序盤にトスやリバウンドの処理など連携にミスが見られ、相手にリードを許してしまう。中盤以降は喜入祥充(スポ2=大阪・大塚)や田中らサイドアタッカーがスパイクを決めると、相手もサイドアタッカーを中心とした攻撃を見せ、サイドアウトの応酬に。結局、序盤の差を埋められずこのセットを失う。迎えた第4セット、福山汰一主将(スポ4=熊本・鎮西)のクイックやブロックでリードすると、田中や喜入が要所でスパイクを決める。相手のサーブミスもあり、セットカウント3-1で勝利した。
この日の得点源となった田中
ミスが目立ち、フルセットの末に敗れた国士舘大との試合から一週間。チームは立て直しを図り、それが結果に結び付いた。次の対戦は、昨年の全日本大学選手権で敗れた明大。雪辱を果たせるか。早大の真価が問われる。
(記事、写真 渡辺新平)
セットカウント | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 3 |
25-20 25-18 23-25 25-19 | 1 | 筑波大 | スタメン |
レフト 喜入祥充(スポ2=大阪・大塚) レフト 藤中優斗(スポ1=山口・宇部商) センター 福山汰一(スポ4=熊本・鎮西) センター 加藤久典(スポ3=東京・早実) ライト 田中健翔(スポ3=熊本・鎮西) セッター 山口頌平(スポ3=長崎・大村工) リベロ 後藤光明(社3=東京・早実) |
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コメント
福山汰一主将(スポ4=熊本・鎮西)
――きょうの試合を振り返ってみていかがですか
この間国士舘大に負けて次のオフにミーティングを行いました。いろいろ改善点を学年ごとに聞いてアップの開始時間などを改善した結果、意外と良い動きができていました。これ以上負けたら優勝争いにも入れなくなるので、その意識が高くみんな比較的良い動きができたのではないかと思います。
――センターからの攻撃をあまり使っていませんでした
1セット目終わって頌平(山口、スポ3=長崎・大村工)に聞いたのですが、筑波大の選手の体格が良く、どこに(トスを)上げてもしっかりついてくるというイメージがあったようなのであまり(センターからの攻撃を)使えませんでした。点差が開きキャッチが開いても加藤(久典、スポ3=東京・早実)とかを少し使えていたので、1、2セット目の後半はそれが効いて相手のブロックが割れてきたと思います。
――筑波大には全日本代表の選手が在籍していますが、どのような対策を練っていたのでしょうか
とりあえず今までのデータを集めた結果打つコースとかが出てくるので、そこをしっかりとブロックで閉めるということを確認しました。相手はことしから全員ジャンプサーブを打っているのですが、最初にリードすれば攻めてサーブがたくさん入る選手はそれほどいないと読んだので、前半点差を広げられるようにという話をしました。
――きょうはチーム全体としてブロックが良かったと思いますが、振り返ってみていかがですか
相手を崩せて、そこから攻撃を絞りました。序盤にクイックに対しコミットをかけて、決められたりもしたのですが最終的には来るというのが分かっていたので、閉めた結果止まったりしていたので良かったと思います。
――きょうはサイドアタッカーが良かったと思います
サイドアタッカーがしっかりブロックに当てるなり工夫し、抜くところは抜くという感じで打ってくれたので非常に面白く楽な展開で進めることができたと思います。
――あすは明大との試合ですが意気込みをお聞かせ下さい
最近明大には勝っていないので、そろそろ1回試合でもしっかり勝っていきたいと思います。
藤中優斗(スポ1=山口・宇部商)
――きょうの試合を振り返ってみていかがですか
先週国士舘大に負けて悪い雰囲気だったのですが、今週一週間駄目なところを修正してきました。きょうはそれが少しは出せたかなという試合でした。
――きょうはコースに打ち分けるなどご自身のスパイクが良かったと思いますが、振り返ってみていかがですか
思いきり打つ場面が自分は少なかったので、練習のうちからしっかり頌平さん(山口、スポ3=長崎・大村工)とコミュニケーションをとってトスにしっかり合わせて思い切って入れるように一週間練習してきました。それが少しは自信になって思い切り打てたと思います。
――持ち味である守備も良かったと思いますが、振り返ってみていかがですか
自分としては40点とか全然貢献できていないと思います。先輩に助けられる場面ばかりなので。自分がチームを後ろから押していけるようにやっていきたいと思います。
――あすは明大との試合ですが意気込みをお聞かせ下さい
今まで負けているというのは聞いていますが、自分たちの一番のパフォーマンスができればじゅうぶん戦える相手だと思います。自分たちの気持ち次第だと思うので、しっかり気持ち作って戦いたいと思います。