首位攻防戦で中大に敗れ、優勝争いから後退

男子バレーボール

 最大のヤマ場を迎えた。秋季関東大学リーグ戦の第7日目は、セット率でワセダを上回り首位に立つ(20日終了時点)中大との一戦。この試合の勝敗が秋季リーグ戦の順位を左右すると言っても過言ではない。第1セットを落として迎えた第2セット。ワセダは終盤に濱松啓陽(スポ4=佐賀商)がクイックを決めて流れをつかむと、ジュースの末にこのセットを奪う。しかし第3、4セットを立て続けに失い、セットカウント1-3(19-25、33-31、21-25、20-25)で敗れ、首位に立つことはできなかった。

 重要な一戦ということもあってか第1セットは両チームとも硬さが見え、ミスが目立った。中大のスパイクミスなどに助けられ、序盤はワセダが優位に試合を運ぶ。しかし、中盤にサーブで崩され6連続ポイントを許すと、試合の流れが変わる。途中出場のライト、今村貴彦(中大)を抑えることができず、このセットを落とした。第2セット、序盤は喜入祥充(スポ1=大阪・大塚)、専田和也主将(スポ4=神奈川・弥栄)の両レフトが的確にコースを打ち分けながらスパイクを決める。そして、中盤以降はここまであまり使えていなかったセンターを積極的に使う。特に終盤での濱松のクイックはワセダに流れを引き寄せた。専田がバックアタックを決め、ジュースにもつれ込んだこのセットを奪取。セットカウントを五分に戻した。

本調子ではないものの、十分な働きを見せた喜入

 第3セット以降はレシーブが乱れる場面が、それまで以上に多く見られる。そのため、センターからの攻撃があまり使えず、サイドアタッカーの負担はこれまで以上に大きくなった。第3セットは、そのような状況でも喜入が高い決定率でスパイクを決め、接戦に持ち込む。しかし、トスが合わないなど中盤で連携のミスが見られ、連続ポイントを許し第3セットを失う。あとがなくなり迎えた第4セット、不調だった福山汰一(スポ3=熊本・鎮西)を加藤久典(スポ2=東京・早実)に代え、ここまであまり機能しなかったセンターからの攻撃の活性化を図る。加藤は交代直後こそ連携がうまくいかない場面も見られたが、終盤ではクイックを決めて期待に応え、チームに勢いをもたらす。しかし、最後は中大の攻撃力に押し切られ、セットカウント1-3で敗れた。

レシーブをするリベロの後藤光明(社2=東京・早実)

 「実際技術面というか、気持ちの差もあります」と専田はこの試合を振り返った。サーブレシーブといった技術面の他に、選手間で意思統一がうまくできていない部分もあったようだ。この中大との重要な試合で、チームのもろさや未熟さを露呈してしまうかたちとなった。2敗目を喫したが、まだ十分に優勝の可能性は残っている。2連覇へ向け総力を結集し、残りの4試合に臨む。

(記事 渡辺新平、写真 井上雄太、三佐川唯)

セットカウント
早大 19-25
33-31
21-25
20-25

中大
スタメン
レフト 専田和也(スポ4=神奈川・弥栄)
レフト 喜入祥充(スポ1=大阪・大塚)
センター 濱松啓陽(スポ4=佐賀商)
センター 福山汰一(スポ3=熊本・鎮西)
ライト 山﨑貴矢(スポ1=愛知・星城)
セッター 山口頌平(スポ2=長崎・大村工)
リベロ 後藤光明(社2=東京・早実)
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コメント

松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)

――きょうは中大との首位攻防戦でした。どのような意気込みで臨まれましたか

きょねんの秋季リーグでは優勝していますが、実際には挑戦者という気持ちで戦うように言いました。自分たちのすべきことを全部出せとも言っていましたが、相手に自分たちの良さを消されてしまったところがあったので、相手のほうが上手ではあったかなという感じはしています。

――中大対策としては何か考えていたことはありましたか

サーブが良いチームなので、サーブを受けるレセプションがきちんとセンターに入れば、ワセダはセンターが非常に速い攻撃ができるので、そこを中心に攻めていけばと考えていましたが、それが少しうまくいかなかったかなと感じています。

――やはりきょうはセンター陣がうまく機能していなかったと思われますか

そうですね。特に福山(汰一、スポ3=熊本・鎮西)は少し調子が悪かったようで、残念だったかなと思います。

――試合途中からは福山選手に代えて、加藤選手(久典、スポ2=東京・早実)を投入する場面も見られました

加藤は高さのある選手なので、うまく突破口になればと思って使いました。

――相手セッターにブロックを振られる場面も目立ったように思いますが

相手のセッターは大学でもナンバーワンのセッターなので、その中でワセダのセンターブロッカーが負けてしまっていましたね。その部分をもう一回修正してセッターと勝負できるようにしていかなければ、ワセダのブロックの良さがなくなってしまうと思います。

――タイムアウトを取ってもなかなか相手の流れを切ることができませんでした。やはりタイミングの難しさもありましたか

難しいですし、自分たちの中でまだ一つにまとまりきれていない部分もあったので、きょうは中大がそういった部分でもセッターを中心に一つになっていたなという感じをすごく受けましたね。

――リーグ戦優勝に向けては手痛い1敗になったかと思いますが、今後はどのような戦いをしていきたいですか

混戦なので、まずは残りの4戦をきちんと勝つ、と。そして自分たちの良さを出す、と。これをしっかりとやっていけば、結果というのは求めるものではないので、それでやってダメだったら仕方ない、インカレに向けてまた課題を見つけるということで、残り試合全力で戦います。

専田和也主将(スポ4=神奈川・弥栄)

――中大との首位攻防戦を終えて、いかがでしたか

どちらもあまり実力は出ていなかったと思います。まだうちに自信がないというか、各個人で不安になってしまいそこをつけ込まれてしまいました。

――第1セットはタイムアウトを挟むも流れを断ちきれませんでした

そういう時もあります。

――第2セットはジュースの末勝ち取れました

第2セットは相手のミスもあったので。第1セットでディグされていたスパイクが第2セットはほとんど落ちていたので、向こうの油断だったと思います。特に自分らが勝ったというわけでもなかったです。

――第3、4セットも連続得点を奪われてから巻き返せませんでした

キャッチが悪いのと、それでセンターが使えませんでした。加えてセンターの調子も悪くて、レフトに(ブロックが)ついてレフトも攻めきれず。それでブレイクされるという、まあ元を言えば全部キャッチが悪かったです。そこをみんなでフォローできないことには勝てないので、今後の課題ですね。

――専田主将のキャッチは良い印象でしたが、中大のジャンプサーブはいかがでしたか

正直サーブはそんなによくないのに、こちらが崩されているだけでした。

――勝敗を分けた差というのはどのようにお考えですか

実際技術面というか、気持ちの差もあります。中大が勢いよく攻めてきているのに対して、早大は勢いよくできた人とできていない人がいたので、その差だと思います。

――次戦以降へ向けて一言お願いします

あとはもう中大が負けてくれることでしか優勝はないですけれど、なるべくいまの順位(2位)を維持できるように、全部勝てるように頑張っていきます。

加藤久典(スポ2=東京・早実)

――きょうの振り返っていかがでしたか

きょうは中大戦ということもあり、勝ちたい一戦でした。(結果的に)1-3で負けてしまったので、次の試合は切り替えて臨みたいと思います。

――途中出場となりましたが、何か準備はされていましたか

いつ試合に出てもいいように体を動かしていたので、いきなり言われても準備できていました。

――勝負所でクイックが決まっていた印象でした

セッターの山口(頌平、スポ2=長崎・大村工)と翔馬さん(大木、教育4=東京・早実)が良いトスを上げてくれたおかげでクイックを決めることができたのだと思います。

――次戦に向けての意気込みをお願いします

優勝できるかまだ分からない状況ですので、一戦一戦頑張っていきたいです。試合にいつ出てもいいように準備だけはしていこうと思います。

後藤光明(社2=東京・早実)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

自分の出来は全然よくないし、チームとしてもあまりまとなれていなくてバタバタしていたかなと思います。

――きょうのご自身の調子はいかがでしたか

全然まだまだなのでしっかり頑張っていきたいです

――首位攻防がかかった試合でしたがどのような意気込みで臨みましたか

やっぱり勝ちたいという気持ちで臨みましたね

――中大の印象はどうでしたか

中大はやっぱり相手のエースである石川(祐希)抜きだったのですが、それでも勝てなかったのは悔しいです。

――やはり手強い相手でしたか

サーブミスが多くて攻めることができなかったですね。

――ジャンプサーブが多い中央大にリベロとしてどのような対策で臨みましたか

ジャンプサーブはどこのチームも同じなので特にしてないです。

――反省点や修正点などは見つかりましたか

レセプションとセンターブロックとレシーブの関係ですね。

――最後に次戦に向けての意気込みをお願いします

もう2敗しているので勝てるように頑張っていきたいです。


山口頌平(スポ2=長崎・大村工)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

相手はサーブで押してくるチームなのですが、ミスも多くて、相手もそんなに良い状態ではなかったと思いました。ただ、そのサーブが入ったときにキャッチが乱されて、自分たちが得意なセンター攻撃もなかなか使えず、サイドに偏るときょうみたいな苦しい展開になってしまうのだなと感じました。

――第1セットを落としてしまった原因は何だったとお考えですか

相手のスタメンで出ていたオポジット(江頭広樹)は結構やりやすいなと思っていたのですが、彼が早めに代わってからはなかなかブロックを絞ることができませんでした。最後までブロックをばらされて、なかなかこっちのディフェンスもうまくいかなくて、内容的には良くなかったですね。

――センターとのトスが合わない場面も見られましたが、ご自身のトスを振り返ってみていかがですか

速攻をきれいに使うという場面がちょっと少なかったので、無理やり使おうとういう場面も多かったです。平日自分が体調を崩してしまい、あまりコンビの練習ができていないまま試合に臨んだというのもあるのですが、また今後の練習でしっかり修正していきたいです。きょう勝てば暫定1位になっていたんですけど、それでも優勝の可能性がなくなった訳ではないので次からの試合は全部勝つつもりで、修正して頑張りたいです。

喜入祥充(スポ3=大阪・大塚)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

個人的には、データとかとってもらっても、結構良い数字は残せたと思うんですけど、チームとしてのまとまりっていうのが少し欠けていて連続得点を取れる部分で取り切れなかったりしたので、そこが一番の敗因ではないかなと思います。

――現在首位の中大が相手でしたが、試合前の意気込みは

相手のエースである、石川(祐希)がいなかったので、そういうチームに負けるわけにはいかないっていう意気込みで臨みました。

――さきほどおっしゃったように、きょうは打数も多く、高い決定率を残しましたがご自身のスパイクを振り返っていかがですか

相手のコートのブロックがよく見えていたので、今まで以上に調子も良くて、どんどん持ってきてもらってもいいというぐらいの気持ちでした。

――レシーブについてはいかがですか

ストレートに打たれる部分に対応しきれなくて、(相手が)ストレートを打てば100パーセント決まるぐらいの勢いだったので、そこをもうちょっと早めに対応できていたらと思います。

――相手のセッターにブロックをふられる場面も多くありましたが

背が低いので、ブロックは得意じゃないので、ついていけたらついていって、相手も全体的にスパイクも強いので、そこでレシーブの方でしっかり頑張ってもらいたかったんですけど、って感じですね。

――脚の調子はいかがですか

たぶん、もう大丈夫です。きょうこれだけ出来たので、大丈夫です。

――次戦への意気込みをお願いします

2敗してしまいましたが、まだ優勝の可能性はあると思うので、これから勝ちを並べていけるように頑張っていきたいと思います。