2度のジュースを制すも、悔しい敗戦スタート

男子バレーボール

 前半戦、思うような成績を残せなかった早大。その借りを返す舞台となる秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)が幕を開けた。1年間の集大成となる秋季リーグ戦の初戦の相手は専大。試合は早大が第2、4セットのジュースをものにしフルセットに持ち込む。しかし、最後にミスを連発してしまい、セットカウント2-3(23-25、38-36、11-25、26-24、11-15)で競り負けた。

 いよいよ始まった、4年生にとっては最後のリーグ戦。第1セットはその4年生が躍動した。専田和也主将(スポ4=神奈川・弥栄)や濱松啓陽(スポ4=佐賀商)を中心に攻め、終盤まで競り合いを演じる。しかし一方で、スパイクのミスなども多く、このセットは惜しくも取れずに終わった。第2セットでは18-23と苦しい点差を、相手のサーブミスをきっかけに畳み掛け、同点に追い付く。そしてジュースとなったところから、早大が夏の間に取り組んできた真骨頂が発揮される。「2点を取り切る練習をしてきた」(専田)と語るように、必死に粘った。点数は35点を越えていき、しびれを切らした専大側がスパイクを外してしまう。長きにわたるジュースをなんとか制し、試合を振り出しに戻した。

力強いスパイクを決める濱松

 第3セットを大差で落とし、あとがなくなった早大はここから再び粘りを見せる。第2セット同様、徐々に点差を詰めていき、喜入のスパイクで24-24の同点に。この試合2度目のジュースとなった。ここは専田のバックアタック、そして相手のタッチネットにより早々と決着をつけ、試合はフルセットへ。春季リーグ戦では苦手としたフルセットの試合。しかし、今回も結果はうまくいかなかった。専田のサーブミスを機に5連続失点。1点差まで追い上げたものの、最後はサーブレシーブなどにミスが相次いだ。またもフルセットを落としてしまった。

第4セット、マッチポイントとなる25点目を決めた専田のバックアタック

 2度のジュースを制すなど、収穫はもちろんあった。しかし、秋季リーグ戦2連覇を目指す早大にとっていま一番求められるものは勝利である。次戦の相手は2部リーグから昇格してきた国士舘大。油断大敵ではあるが、ミスを出さずにいけば苦戦することはないだろう。まずは一勝をつかみとり、優勝への足掛かりとしたい。

(記事、写真 谷口武)

セットカウント
早大 23-25
38-36
11-25
26-24
11-15

専大
スタメン
レフト 専田和也(スポ4=神奈川・弥栄)
レフト 喜入祥充(スポ1=大阪・大塚)
センター 濱松啓陽(スポ4=佐賀商)
センター 福山汰一(スポ3=熊本・鎮西)
ライト 山﨑貴矢(スポ1=愛知・星城)
セッター 山口頌平(スポ2=長崎・大村工)
リベロ 後藤光明(社2=東京・早実)
コメント

専田和也主将(スポ4=神奈川・弥栄)

――あと一歩及ばない試合となってしまいました

レシーブのミスですね。第3、4セットあたりは安定していましたが、第2、5セットはレシーブががさつでした。攻撃面では十分やり合えていましたし、やはりサーブでしょうか。サーブとレシーブで、きょうは負けました。

――レシーブの面では、第5セットの終盤ミスが相次いでしまいましたが

その場面もそうですけれど、その前に真ん中から1本打たれたバックアタックがあったのですが、それを一回とったのをリベロが片手でいってしまいました。そういうのを両手で行けるようにいつも練習しているのに、それを片手で行ってしまうのはまだまだということです。結果最後レシーブでやられたのもダメなんですけれど、中盤流れを作るときにそういうミスが出ると、勝ちきれないのでそういうところが課題です。

――サーブでいうと、山﨑貴矢(スポ1=愛知・星城)選手も途中から堅実に入れるサーブをしていましたが

彼はミスの出る選手なので、それは想定内です。フローター陣と、僕もきょうサーブミスをしてしまったので、フローター陣がミスをしだすとジャンプサーブで攻められなくなって、入れにいけたのにそれをミスしてしまい・・・といった悪い流れが出てくるので、そこの役割分担をしっかりしなくてはいけないです。フローターは絶対にミスしてはいけないし、ジャンプサーブは攻めないといけないです。そこはあしたに生かしたいです。

――リベロも後藤光明(社2=東京・早実)選手と土屋健太郎(スポ1=群馬・高崎)選手を併用されていますが、どのような使い分けをされているのでしょうか

合宿から後藤一本で鍛えてきましたが、ちょっと崩れてしまったので、しかたなく代用というかたちでした。いままであまり出ていなかった土屋がきょうは頑張ってくれました。

――第2セットは長いジュースでしたが、振り返っていかがでしたか

2点差で負けるゲームが多くて、そういうゲームを取る練習をしてきました。打ち手を増やしたり、コンビを増やしたりと、相手にブロックを絞らせないようにして2点を取り切る練習をしてきたので、取れた第2、4セットは2点差をきっちり取れているのでそれは収穫です。でも最後勝ちきれないのはやはり反省です。

――第3セットは大敗になってしまいましたが

そういう時もあります。そういう時は次のセットにかけるしかないです。

――あすに向けて一言お願いします

あしたは取りこぼしのできない相手なので、頑張って勝とうと思っています。

濱松啓陽(スポ4=佐賀商)

――惜しくも敗戦してしまいましたが、きょうの試合を振り返っていかがでしたか

序盤はみんな体も動いていて、スパイクもキレがよかったです。サーブキャッチが返らない分、スパイクでかわしていましたが、後半になるにつれてサイドサイドでブロックに引っかかって、1セット目も最後勝負までいきましたが、キャッチが返らず25点取れませんでした。自分らの負けパターンが出てしまったというのはあります。

――一方で第2、4セットと長いジュースを取れたのは収穫になると思いますが

そうですね。ラリーをしっかり定位置に戻って確認してまたブロックを取りに行くという動きもよかったです。

――序盤は濱松選手自身攻撃の起点となっていましたが、調子はいかがでしたか

調子が良すぎると力んでしまうこともありますが、きょうは力まずやれていました。

――夏に克服してきた課題などは成果として表れましたか

夏はサーブとサーブカットというバレーの基本に取り組みました。ジャンプサーブが全く入らず、今回も入らなかったんですけれど、その課題はリーグ戦を通して取り組んでいかなくてはいけないですし、専大も弱いサーブなのに、専田以外が崩れてしまい、そこを返せなくてはきついと思います。対策できれば、コンビネーションも広がり戦えるので、そこをしっかりしたいです

――あすに向けて一言お願いします

あしたは格下相手ではありますけれど、自分らのやるべきことをしっかりやらないと競った試合になってしまうので、サーブやサーブカットをしっかりやってストレートで勝ちたいと思います。