今季初の早慶戦は、ワセダに軍配

男子バレーボール

 残り試合もわずかとなった春季関東大学リーグ戦(リーグ戦)。リーグ戦序盤は力を出し切れずに勝ち悩んでいたワセダだったが、最近はチームとしての調子も上がりつつある。きょうは、同じくこのリーグ戦で勝ち悩んでいる慶大を相手に迎えた。試合は両者の意地がぶつかり合う接戦に。ワセダは、第1セットを2点差で勝ち取るが、第2セットは逆に僅差で奪われてしまう。気持ちを入れ替え臨んだ第3セットを勝ち切ると、流れに乗り第4セットも連取。セットカウント3-1(25-23、23-25、25-23、25-17)で見事勝利を収めた。

 伝統の早慶戦にふさわしい戦いだった。第1セット、序盤から両校ともエースを軸とした、鋭いスパイクの応戦が続く。互いになかなかリードを奪えない展開の中、ワセダは19-17から5連続得点を許してしまい、19-22とされる。慶大に流れがいきかけたその時、濱松啓陽(スポ4=佐賀商)のスパイクでその勢いを断ち切ると、そこから5連続得点。25点目も濱松のスパイクでポイントを奪い、辛くも1セットを先取した。続く第2セットは、慶大のエース、柳田将洋主将(4年)のレフトからのスパイクに苦戦する。一進一退の攻防が続き、カウントは23-23。しかし、先に2点を奪われ、2セット連取とはならず。これでセットカウントは1-1となり、試合は振り出しに戻った。

攻守に活躍を見せた濱松

 なんとしてでも取りたい第3セット。ワセダのエース、専田和也主将(スポ4=神奈川・弥栄)には、3枚のブロックがつくなど徹底的にマークされる。しかし、センター中心の攻撃も見せることで攻め方の幅を広げて対応した。濱松、喜入祥充(スポ1=大阪・大塚)らが、好調だった慶大の柳田のスパイクのブロックに成功し、流れをつかむ。専田はキレのあるサーブで相手の守備を乱し、またもや2点差でこのセットを制した。このまま逃げ切るべく迎えた第4セット。専田のスパイクなどでポイントを重ね、徐々にリードを広げる。終わってみれば、25-17と大きく突き放し、セットカウントは3-1。今季初の伝統の一戦で見事勝利を飾った。

専田主将には3枚のブロックが張り付いた

 リーグ戦も残りあと2試合。あすは宿敵、日体大と対戦する。「どこと戦ってもいい試合ができる自信がある」(濱松)と語るように、チーム状態は上り調子だ。昨季学生日本一に輝いた覇者として、残り2試合も勝ちをつかみに行く。

(記事 吉原もとこ、写真 上田密華、谷口武)

セットカウント
早大 25-23
23-25
25-23
25-17

慶大
スタメン
レフト 専田和也(スポ4=神奈川・弥栄)
レフト 喜入祥充(スポ1=大阪・大塚)
センター 濱松啓陽(スポ4=佐賀商)
センター 福山汰一(スポ3=熊本・鎮西)
ライト 三宅徹(人4=岡山・金光学園)
セッター 山口頌平(スポ2=長崎・大村工)
リベロ 土屋健太郎(スポ1=群馬・高崎)
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コメント

専田和也主将(スポ4=神奈川・弥栄)

――今季初の慶大戦でしたが、振り返っていかがでしたか

きょうはお互いに調子が良くないというか力を出し切れていない試合でした。来月の早慶定期戦では互いに全力を出し切ってやりたいなと思いました。

――どちらに勝ちが転ぶかわからない試合展開でしたが、勝敗の差を分けた点は何だったと思いますか

早大も専田、慶大も柳田(将洋、4年) という軸となる選手がいますが、その周りの選手がうちの方が層が厚かったので、その差で接戦を取れたのかなと思います。

――柳田選手に対して何か対策などはされましたか

彼に関しては対策しても仕方ないというか、決められるところは決められると思っていたので、センターのブロックがどれだけ決まるかに賭けていました。

――専田主将自身、ブロックが3枚付くなど徹底的にマークされていましたが、そのような中でどのように攻めようと考えていましたか

3枚付くのは予想できていたので、上に打ってブロックを外したり横ではじいたり、まあそんなに思いっきり打たなくても決まることもいくらかあるので、そういう方向で攻めていました。

――リーグ戦も終盤ですが、2連勝と波に乗ってきました。あすの日体大戦への意気込みをお願いします

自分たちがミスを出さなければ良い試合ができると思うので、ミスを出さずに全力を出せば、勝ちも見えてくるので頑張ります。

濱松啓陽(スポ4=佐賀商)

――きょうの試合を振り返って

2点差のゲームが3つあったんですけれど、最初から柳田(将洋、慶大4年)をふさいでいこうということにして、こちらの攻撃のリズムもよくなり、4セット目をこうして勝ち切れたので、チームの雰囲気もいいですし、すごくいいゲームができたと思います。

――第2セットを落としてからの切り替えは

1本のミスなどワンプレーの差だと思っているので、いつも通りやるという感じで気負うことなくやりました。

――慶大の柳田選手への対策は

やはり柳田にほとんど本数が上がってくるので、対策としてはレシーブの位置取りをしっかりして、具体的には前衛のレフトがアタックラインまで下がって、リベロが奥に入るというクロス寄りのシフトを置いて、抑えにいくことにしていました。

――ご自身の調子はいかがでしたか

きょうはスパイクが固くなりすぎて、自分の調整不足だと思いました。その分、ブロックは、向こうのセンター攻撃がない分、ブロックがつきやすくて、ちゃんと止めるところで止めることができたのはよかったです。

――チームの状況は

リーグの最初からいままでずっと上がり調子で、練習もだらけずやれているので、どことやってもいい試合ができる自信はあります。

――6月に控える早慶戦に向けての手応えは

気持ちとしては最後突き放すことができたので、自分たちが強いという感触はあるんですけれど、2点差でのぎりぎりのゲームも3つもあるので、気を抜かず、早慶戦もしっかり勝って、東日本大学選手権につなげられるようなゲームをしたいと思っています。

――残りのリーグ戦に向けての意気込みをお願いします

あと2戦、絶対勝つしかないです。リーグの最初に負けが続いても、これだけ後半にチーム力もあがって勝てているので、少しでもいい順位で終われるように頑張りたいです。