連敗脱出!4戦目で今季初勝利を挙げる

男子バレーボール

 ここまで開幕から3連敗と、いまだ勝ち星がないワセダ。思うように結果が出ない現状を打破するべく大幅にメンバーを入れ替え、専大戦に臨んだ。立ち上がりは先行を許したが専田和也主将(スポ4=神奈川・弥栄)ら4年生がチームを引っ張り、得点を重ねていく。交互に2セットを取り合い迎えた最終セット。ミスが多発した相手に対し、最後まで集中力を切らさなかったワセダが粘り勝ち、セットカウント3-2(25-23、23-25、25-21、23-25、15-10)で待望の春季関東大学リーグ戦(リーグ戦)初勝利を挙げた。

 苦心を続けるチームは開幕4戦目にしてスターティングメンバーの変更を決断した。期待に応える活躍をできずにいたルーキー山﨑貴矢(スポ1=愛知・星城)に代えて三宅徹副将(人4=岡山・金光学園)をライトに、そして守備の要・リベロには一般入試で入学してきた1年生の土屋健太郎(スポ1=群馬・高崎)を起用。心機一転を図り挑んだ試合は一進一退の攻防が繰り広げられる。第1セット序盤はペースを握られたが濱松啓陽(スポ4=佐賀商)の速攻で点差を詰め、終盤に逆転。それでも、第2セットでは流れをつかみ切れず試合を振り出しに戻されてしまう。高い技術と安定した決定力を持つ専田にボールを集めることで確実に得点を稼いでいたワセダ。その攻撃に照準を絞り始めた相手ブロックにつかまり始めていたのだ。

今季初の先発出場となった三宅副将

 だが、ワセダの守備陣も負けてはいない。福山汰一(スポ3=熊本・鎮西)、濱松を中心にことごとく相手のスパイクを封じ込める。第3セットは6本のブロックポイントを奪って、再び流れを引き戻すことに成功した。サーブで崩し、ブロックで仕留める。得意のかたちを取り戻し始めたところで勝負ありかに思われた試合。一気に決めたいところだったがまたもや専大の反撃にあう。相手ブロッカーが、得点源の専田をこれまで以上に徹底的にマーク。思うように得点を奪えなくなると僅差で押し切られ、フルセットへ持ち込まれてしまう。どちらに転ぶかわからない展開。最後に勝敗を分けたのは主将の意地だった。相手が分かっていても専田にボールを託すのがいまのワセダ。「向こうもこちらも、ここは専田で勝負するだろうという考えが一致するので、僕が何とかするしかなかった」(専田)。2連続で止められる場面もあったが、大黒柱が役目を果たし接戦をものにした。

得点後、喜びに湧く選手たち

 「専田が打って負けたら仕方がないというスタイルでやっている」(専田)。それほどまでに全幅の信頼を置かれる主将の大車輪の活躍でつかんだリーグ戦初勝利。多彩なコンビで展開する全員バレーで頂点に立った昨季とは違う、新しいワセダのバレーが生み出されようとしている。だが、ひたすらレフトにボールを集める単調な攻撃で勝ち抜けるほど、この先の戦いは甘くないだろう。百戦錬磨の専田と言えども、試合終盤にはブロックにつかまる場面が目立ったことを考えると逆サイドからの攻撃も必要になってくることは間違いない。きょうフル出場を果たした三宅がこのまま定着するのか、山崎が頼れるアタッカーに成長するのか、それとも他の選手が救世主に名乗りを上げるのか。新エースの台頭が待たれる。

(記事 中澤佑輔、写真 谷口武)

セットカウント
早大 25-23
23-25
25-21
23-25
15-10

専大
スタメン
レフト 専田和也(スポ4=神奈川・弥栄)
レフト 喜入祥充(スポ1=大阪・大塚)
センター 濱松啓陽(スポ4=佐賀商)
センター 福山汰一(スポ3=熊本・鎮西)
ライト 三宅徹(人4=岡山・金光学園)
セッター 大木翔馬(教4=東京・早実)
リベロ 土屋健太郎(スポ1=群馬・高崎)
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コメント

専田和也主将(スポ4=神奈川・弥栄)

――リーグ戦初勝利となりましたが、きょうの試合を振り返って、どうでしたか

僕は若干調子悪かったですけれど、きょうはみんなよく頑張ってくれていて、フォローしてくれていたので僕自身とても心強い試合ができました。

――勝因としては、やはりミスを少なくできたことですか

そうですね。僕以外がミスを出さなかったので、僕も心置きなく勝負できましたし、周りが決めてくれるから楽だったので、それが勝因かなと思います。

――スタメンのリベロを変えて臨まれましたが

1年生のリベロを使うのは怖かったですけれど、大活躍してくれたのでちょっとホッとしています。

――第5セットでは終盤反撃される場面もありましたが、疲れなどはありましたか

疲れというのももちろんあるとは思いますが、あの場面は向こうもこちらも専田で勝負だろうというのが一致するので、あそこは僕が何とかするしかない場面でした。もう少しキレるように頑張ります。

――来週以降はどのようなバレーをしていきますか

バレースタイルはずっと一緒ですね。専田が打って、負けたら仕方ない。これをみんながフォローしていくのがうちのスタイルなので、もうずっとそのバレーで行くつもりです。

――キーマンとなるのはやはり専田主将になりますか

そうですね。僕がどうにかするしかないので、そういう風に考えています。

三宅徹副将(人4=岡山・金光学園)

――初勝利となりましたがいまのお気持ちは

率直にうれしいですね。やっと勝てたのでこのまま負けていたら負けぐせもついちゃうし、きのうは負けましたけど先週2連敗してから練習の雰囲気が変わったりしていたのでやっとかたちになりつつあるかなと思います。

――先発でフル出場でしたが、ご自身のプレーはいかがでしたか

僕はプレーとかは全然なので、とりあえず気持ちを出してチームを盛り上げたりするっていうところでプラスになれたらいいなと思ってやっていました。まあきつかったですね、フル出場は(笑)。しかもフルセットだったので。

――ムードメーカーとしての役割を十分に果たしていたのではないでしょうか

それを目標にしているというかそういう感じでやれたらいいなと思っていたのでそのへんはうまくできたかなと思います。

――1年生も多く出場していますが、副将としていまのチームはどう見ていますか

やっぱりきょねんまでは4年生が中心となって日本一という目標に向かって行って、僕らはただ付いて行っていただけなので、その4年生が抜けて今度は自分たちが引っ張っていかないといけないという自覚がやっとみんなの中に出てきたかなという感じです。下級生もみんな素直なのでしっかり付いてきてくれればいいかなと思っています。

――今後、チームが勝ち続けるために必要なことは何でしょう

いままで出てなかった人たちが出たりしているので経験も必要だし、もっと上級生のいままでも出ていた選手が引っ張ったりやりやすい環境を作って伸び伸びできるようになればそんなに弱くもないのでないのでなんとかかたちにはなっていくんじゃないかなと思っています。

――フルセットまでもつれた末の粘り勝ちでしたが、勝因はどのような点にありましたか

やっぱり大事なところで僕がスパイクを決めたというのが勝因ですかね(笑)

――4年生を中心にチームを引っ張っていると思うのですが、どのような学年ですか

みんな仲良くて、しっかり話し合って目標を立ててやっていてまとまりがありますね。まだあと7試合ありますけどその間でもっと成長すると思いますし、インカレまでもまだ一皮もふた皮もむけると思っているので期待していてください。

――来週に向けて抱負をお願いします

いまはまだ負け越している状況ですけど、あと7つ取れば優勝も見えてくるので7つ全部取る勢いでがんばります。