昨年度は27年ぶりの秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)優勝、続く全日本大学選手権(インカレ)も見事61年ぶりに制覇した早大バレーボール部。快挙を達成した優勝メンバーから選手も大幅に入れ替わり、専田和也主将(スポ4=神奈川・弥栄)のもと新たな布陣で春季関東大学リーグ戦(リーグ戦)の初戦に臨んだ。対するは、今季から1部リーグに昇格した法大。昨季王者の貫禄を見せつけたいところであったが、セットカウント1-3(21-25、21-25、25-23、16-25)でまさかの敗戦。ほろ苦いスタートとなってしまった。
今季からチームをけん引する専田主将
スターティングメンバーには、長身を生かしたプレーが魅力の山崎貴矢(スポ1=愛知・星城)、小柄ながらも優れた跳躍力をもつ喜入祥充(スポ1=大阪・大塚)ら2人のルーキーが名を連ねた。迎えた第1セット。両チームともサーブミスが相次ぎ、一進一退の攻防が繰り広げられる。しかし、中盤から差を広げられ、惜しくもこのセットを落としてしまう。続く第2セット。ワセダは、濱松啓陽(スポ4=佐賀商)の鋭いスパイクや、福山汰一(スポ3=熊本・鎮西)のクイックで得点を稼ぐが、法大の厚いブロックに阻まれ、なかなか連続ポイントを奪えない。持ち味の組織力を生かしたプレーを見せることなく、セットカウントを0-2とされた。
開幕戦デビューを飾ったルーキーの喜入
立て直しを図るべく臨んだ第3セット。序盤から5点を連取され、4-8と突き放される展開に。「サーブミスをしてもいいから思い切り打て」。ストレート負けかという不安が漂う中、専田はチームにそう伝えた。第1、2セットの反省を生かし、徐々に差を縮めていく。そして、専田と濱松の4年生二人による華麗な2枚ブロックが決まり、ついに23-22とリードに成功する。ここですかさず法大がタイムアウトを要求。しかし、勢いに乗ったワセダを止めることはできない。専田主将の強烈なレフトからのスパイクで2点を追加し、25-23で第3セットを終えた。このまま流れをつかみたいワセダであったが、第4セットでは、相手のサービスに崩される場面も見られ、攻撃がやや単調となってしまう。結局、最後まで攻め切ることができずに16-25で試合終了。一矢報いるも、悔しい敗戦であった。
「リーグ戦ではミスの少ないチームが勝つ」と語った専田。初戦でそれぞれが見つけた課題と悔しさを次に生かし、最高のチーム作りが期待される。若い力も加わり、伸びしろの大きさは計り知れない。新たな気持ちで一歩を踏み出したバレーボール部。ことしは、春秋リーグ戦制覇へ。一戦一戦、勝利に向かって突き進む。
(記事 吉原もとこ、写真 谷口武、須藤絵莉)
セットカウント | ||||
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早大 | 1 | 21-25 21-25 25-23 16-25 | 3 | 法大 |
スタメン | ||||
レフト 専田和也(スポ4=神奈川・弥栄) レフト 喜入祥充(スポ1=大阪・大塚) センター 濱松啓陽(スポ4=佐賀商) センター 福山汰一(スポ3=熊本・鎮西) ライト 山崎貴矢(スポ1=愛知・星城) セッター 山口頌平(スポ2=長崎・大村工) リベロ 太田義樹(商4=京都・洛南) |
コメント
専田和也主将(スポ4=神奈川・弥栄)
――敗戦という結果になってしまいましたが、試合を振り返ってどうでしたか
1戦目でかたくなっている部分もあったと思いますが、負けるということは弱いということなので、しっかり結果を受け止めて、ちょっとでも強いチームになりたいなと思いました。
――サーブミスが目立ちましたが
練習時からサーブミスは多く、試合でもこうなるだろうなとは感じていましたが、結局それを解消できないまま試合に入ってしまい、その解消できなかったことが敗因の一つだなとは思います。
――2セットを奪われた後、どのような話し合いをしましたか
みんなサーブを入れようとしてミスをしていたので、サーブミスをしてもいいから思い切り打て、と言いました。そして全員思い切り打った結果、少しずつ入り出したので、それで3セット目は取れたのかなと思う部分はあります。
――今後の課題として何が挙げられますか
まずサーブを入れることです。あと、個人的なミスも多いので、そのミスを少しでも少なくしたいです。リーグ戦はミスの少ないチームが勝つので、ミスの少ないチームを作りたいです。
――春季リーグに向けてこのオフの間、どのようなことを取り組んできましたか
新しく入る1年生が核になるポジションをやるということで、馴染むのに時間はかかりますが、馴染ませるのに精いっぱいでした。そのため、チームとしての進化を図るような練習ができなかったので、仕方ないかなと思う気もします。
――1年生に期待したいことは
1年生は元気良く落ち込まずにやってくれればいいです。あとは4年生が頑張るので。
――今後に向けて、春季リーグの目標を教えてください
初戦負けてしまったのであまり大きいことは言えないですが、一戦一戦勝てるように、対策をしっかりして頑張るしかないと思っています。
濱松啓陽(スポ4=佐賀商)
――チームが一新された中で迎えた開幕戦を戦ってみていかがでしたか
サーブレシーブからの切り返しは思ったより淡々と切れて、春の遠征とか練習試合よりもみんな動きが良かったです。専田もしっかり決めてくれたしキャッチも返っていていいなと思っていました。ただ、あんまり言いたくないですけど、1年生があれだけサーブが入らなかったらだめですね。調子が良くてもそれがだんだん2セット目にちょっと動きが固くなってきてミスも出始めたのでちょっとやばいなと思っていたんですけど。流れでいけなかったのが悔しいです。
――チーム作りは1年生を2人アタッカーで起用するかたちで準備してきたのですか
一応他のメンバーも可能性はあったんですけど、やっぱり最後はこの2人でいくぞということで来ました。
――ことしのチームが目指すかたちはどんなバレーですか
これだけ速く攻撃しているのでサーブレシーブが返らないと小さいぶん攻撃は通用しません。二段トスを打つ選手は山崎で、きょねんの七里(幸洋、平26社卒=大阪・清風)さんよりもミスが多くなるのでキャッチがカギだと思いますが練習試合とかでもそんなに良くないですし、キャッチにしてもサーブにしても味方のボールに対応できるようになることが大事なのかなと思います。
――今後の課題はなんでしょう
とりあえずサーブですかね。あれだけジャンピングサーブがミスしてしまうとフローターも攻め切れていないので。ビデオで研究した感じではそんなにキャッチが良くないということだったんですけどあれだけ返されたのでミスが増えたと思います。
――サーブミスからの悪循環でしたね
そうですね。サーブが決まればって感じです。センターの太一(福山、スポ3=熊本・鎮西)はすごくいい調子ですし、僕がミスったら山口(頌平、スポ2=長崎・大村工)も上げにくくなってサイドに負担がかかってしまうので明日はミスしないようにがんばります。
――濱松選手自身、きょねんと違うところはありますか
僕、結構ふかすじゃないですか。1、2本ぐらいふかしていいかという気持ちでは打ってるんですけどことしはふかしちゃうときついので、上がったボールはミスなくしっかり決めなきゃいけないと改めて思いました。
喜入祥充(スポ1=大阪・大塚)
――大学入学後、初めての試合でしたが高校との違いは
パワーと高さが全然違うので、自分のできる幅が狭まったし、背が小さい選手のバレーの仕方が高校と比べてさらに難しくなっていると思いました。先輩にも自分と同じように背の小さい選手がいるので、それを目標にこれから頑張っていきたいと思います。
――試合が進むにつれて変化はありましたか
序盤はサーブが入らなかったのですが、先輩にアドバイスをもらって入るようになったので、そういうところを先輩に支えてもらいながら頑張っています。
――見つかった課題は
やはりサーブが入らないとリズムが自分たちでとれないので、チーム全体でサーブ力をもう少しあげていけたらと思っています。
――リーグ戦への意気込みをお願いします
出だしは負けてしまったんですけれど、リーグ戦はこれからまだまだ長いので、体調管理に気を付けて、一つでも多く勝てるように頑張りたいです。
山﨑貴矢(スポ1=愛知・星城)
――入学後、初試合を振り返っていかがでしたか
ちょっと緊張してしまいました。プレーが全然できてなかったので、あしたは切り替えて頑張りたいです。
――初戦に向けてどのような練習をしていましたか
主にチーム練習です。ブロックやサーブといった練習を中心にやってきました。
――今回の試合で、ご自身の役割は果たせましたか
自分は主に打つだけだったんですけど、それもできてなかったので今回は何もできなかったので、明日切り替えます。
――具体的に課題は見つかりましたか
まずはミスを減らすこと。これが自分の最初の課題だと思います。
――高校と大学での違いは感じましたか
やっぱり雰囲気が全体的に違って、高校の頃のようにはいかないと思いました。
――今後のリーグ戦に向けて意気込みをお願いします
これから負けないように、全勝目指して頑張ります。