フルセットの激戦を制し、準決勝へ

男子バレーボール

 格下相手に快勝で勝ち進んできたワセダにとってはここからが本当の戦い。決勝の切符を手にするまで残り2勝に迫り、関東の強豪チームと顔を合わせる。まずは昨年の王者・中大との準々決勝に挑んだ。

得点源となり勝利に貢献した七里

 先に流れをつかんだのはワセダ。七里幸洋(社4=大阪・清風)のスピンの効いたジャンプサーブで相手を崩すと、セッター・山口頌平(スポ1=長崎・大村工)の2アタックも飛び出し、6連続ポイントで中大を引き離す。終盤に詰め寄られ、ジュースにまでもつれたものの競り勝ち、第1セットを先取した。第2セットは序盤から相手にリードを許す苦しい展開となる。だが、終盤の18-22の場面。再び七里の強烈なサーブがさく裂し、そこから相手に1ポイントも与えない怒涛(どとう)の反撃を見せる。逆転でこのセットもものにした。

 2-0となり決着は着いたかに思われたこの試合。3セット目に入っても一進一退の攻防であることに変わりはないが、七里、専田和也(スポ3=神奈川・弥栄)のスパイクを中心に得点を重ね、ワセダがリードでマッチポイントを迎える。しかし、ここまで接戦を演じてきた中大も簡単に終わるはずがなかった。24-23から3連続ポイントを奪われこのセットを落とすと、流れは中大へ。その勢いのまま4セット目も大差で落とすとフルセットに持ち込まれる。

安定した守りでチームを支えた本間

 なんとか立て直したいワセダだったが、中盤に4連続ポイントで3点差をつけられ、追い込まれてしまう。中大が逆転勝利へ向け、勢いを増す嫌な雰囲気。この窮地からチームを救ったのが福山汰一(スポ2=熊本・鎮西)だった。プレッシャーのかかる場面でもトスが託されると、得意のクイックを冷静に決めていく。福山の活躍で同点に追いつくと最後を締めたのは4年生。吉村康介主将(スポ4=長崎・佐世保南)のスパイクと七里のサーブで逃げ切り、激戦を制した。

 実力が均衡した好ゲーム。勝敗を分けたのは『サーブ』だった。ワセダが要所で持ち味のサーブで得点を奪い、優位に試合を進めた。また、2セットを奪い返され、勢いを失った状態から立て直せたことで、地力の強さを証明した。中大を撃破し、いよいよ次は準決勝。春季関東大学リーグ戦では敗れた明大に挑む。

(記事 中澤佑輔、写真 田中竣)

結果

早大3-2中大(27-25、25-22、24-26、19-25、15-12)