ホームに慶大を迎え入れ行われた伝統の一戦。通算成績では58勝18敗と大きく勝ち越してはいるものの、ここ3年間は負けが続いている。4連覇を阻止するためにも勝利を収めるべく、気合い十分で宿敵との一騎打ちに臨んだ。第1セットこそ、接戦の末に落としたものの、2セット目以降は攻撃陣の勢いが止まらず、次々と得点を重ねていく。第1セットの接戦がうそのように慶大を圧倒し、3-1(24-26、25-18、25-19、25-16)で快勝した。
レフトから力強いスパイクを打ち込んだ専田
前哨戦となった春季関東大学リーグ戦(リーグ戦)での直接対決ではワセダが3-0で勝利。勢いに乗るワセダと大敗の借りを返したい慶大が再び相対した。実力に大きな差はないだけに、どちらが先に主導権を握るかに注目が集まった第1セット。試合開始から両校の意地と意地がぶつかり合う熱戦となる。ライト・七里幸洋(社4=大阪・清風)、レフト・専田和也(スポ3=神奈川・弥栄)を中心に攻撃を組み立てるが、慶大も負けずとスパイクを決めていく。第1セットからジュースにもつれ込む白熱した点の奪い合いは慶大に軍配が挙がり、先行を許した。
エースとして攻撃陣を引っ張った七里
「早慶戦ということを意識しすぎて、こちらのミスが増えていつも通りにプレーできませんでした」(七里)という第1セット。しかし、吉村康佑主将(スポ4=長崎・佐世保南)が「1セット取られて少し身がしまった」と言うように、きょうのワセダはそこからが強かった。第2セットでも変わらず接戦が繰り広げられたが、中盤で5連続ポイントを奪うと落ち着きを取り戻した選手たちが躍動。試合は一気にワセダのペースに。ホームに詰めかけた大応援団の声援に後押しされるようにアタッカー陣が怒涛の攻撃を仕掛ける。圧倒的な力で慶大の反撃を寄せつけず、3セット連取で4年ぶりの勝利を手にした。
リーグ戦での勝利はあったが、定期戦ではここ3年間負け続けていた相手。今回の勝利は4年生にとっては最後にして初めての早慶定期戦勝利となる。「いまの4年生が一度も勝ったことがなかったので、4年生に勝たせてあげられたというのは大きいです」(専田)と言うようにチームの軸となる最上級生が一つのカベを乗り越えたことは自信につながるだろう。次に控えるは東日本大学選手権(東日本インカレ)。「上手くいけば優勝できる」(吉村主将)という言葉通り、優勝が決して不可能ではないと思えるほど、今季の成長には目を見張るものがある。悲願の頂点へ向け、挑戦が始まる。
(記事 中澤佑輔、写真 栗田麻里奈)
結果
早大3-1慶大(24-26、25-18、25-19、25-16)
コメント
吉村康佑主将(スポ4=長崎・佐世保南)
――4年ぶりの早慶戦勝利となりましたが、率直な感想は
プレッシャーもあったんですけど、逆にそれがチャレンジャー精神で臨むことができて、何も後々考えることもなく思いっきりプレーできたので勝てて良かったと思ってます。伝統の一戦でもあって、特別な思いとかもあったと思うので、とりあえず勝てたことはとても嬉しいです。次の東日本インカレにもつながる大会だったと思うので、あしたからまた課題と反省点を練習して次に臨みたいと思っています。
――観客席はほぼ満員でしたが、応援の声というのはどのように感じましたか
ワセダも慶応もどちらも一丸となってオールワセダ、オール慶応というすごい大きな団体としてプレーできたというか、自分たちも後ろからバックアップしてもらったという感じがあって、すごくプレーしやすかったし、これがなかったら負けていたかもしれないので、朝早くからたくさんの方が来てくださったのですごく嬉しかったです。
――1セット目は競って競って、最後は振り切られてしまいましたが、そこで気持ちが切れるといったようなことはなかったのですか
リーグ戦のときにストレートで勝っているというのもあって、全然不安もなく戦えていて、逆に1セット取られて少し身がしまったというか、自分たちがやりたいバレーをできていなかったということに気付いたので、その後のセットは修正して自分たちのバレーができたので、それはすごく良かったと思っています。
――東日本インカレに向けての目標と意気込みは
リーグ戦、早慶戦と一応目標にしていた良い結果を残せたので、東日本インカレも優勝を目標にやっているので、上手くいけば優勝できると思うので、相手どうこうよりも自分たちのバレーがしっかりとできるようにして臨んでいきたいと思っています。
専田和也(スポ3=神奈川・弥栄)
――試合を振り返って
実力は拮抗している中で3-1で勝てたので良かったのではないかと思います。
――慶大の4連覇を阻止しました
いまの4年生が一度も勝ったことがなかったので、4年生に勝たせてあげられたというのは大きいです。
――ご自身のプレーを振り返って
体のキレは良かったのですが、集中力の欠いたプレーを何度もやっていたので、東日本インカレに細かいプレーの精度を上げていきたいと思います。
――サーブがよく決まっていたように思いましたが
サーブはほとんどリベロにいっているので、速いからよく見えるのであってそんないいサーブではないです。リベロの正面にいっているようではまだまだです。
――ケガの具合はいかがですか
ケガはもう治ったんですけど、きょう風邪をひいてしまいまして熱がありました。
――チームで意識したことは
とりあえず相手の柳田くん(将洋、3年)に好きなように打たせないということと、Aクイックをあまり使わせないようにすればこっちのペースになると思ったのでそこを意識しました。
――東日本大学選手権(東日本インカレ)へ向けて
チームの調子は上がってきていて、頑張れば優勝できる位置にいると思うので、優勝を目指して頑張ります。