早慶戦、フルセットの末敗れる

男子バレーボール

 秋季関東大学リーグ2戦目の相手は慶大。優勝を目指すワセダは、この負けられない一戦に気を引き締めて臨んだ。第1セットはジュースの末に落としたものの、第2、第3セットでは大差をつけ2セットを連取する。しかし第4セットを落とすと、そのまま慶大の勢いを止められず、フルセットの末惜しくも2-3(30-32、25-17、25-14、20-25、13-15)で敗れた。

技術が光る専田のスパイク

 今シーズン慶大に対して3連勝をかけての早慶戦。第1セットは序盤2-6と4点のビハインドとなるも、専田和也(スポ3=神奈川・弥栄)のスパイクやサーブなどで試合を五分の状態に運ぶ。そのままの勢いで先に1セット先取したいところだったが、相手の粘りの前にジュースへと持ち込まれてしまう。ジュースは終始後手に回ってしまい、その状態を覆せないまま先に1セットを献上してしまった。

 続く第2セットでもお互い譲らない展開になるかと思われたが、一転してワセダが慶大を圧倒し始める。いきなり4点を連取すると、その後も専田や七里幸洋(社4=大阪・清風)の強烈なサーブやスパイクが決まり、慶大に勢いを与えず、25-17でこのセットを奪う。第3セットでもワセダの勢いは止まらず、中盤は福山汰一(スポ2=熊本・鎮西)のブロックやクイックスパイクなどでリードを広げる。点を取られてもすぐさま取り返し、反撃の余地を与えない。吉村康佑主将(スポ4=長崎・佐世保南)の言っていた「サーブで流れをつくって、得意なセンター攻撃を使ってコンビをつくる」という理想のバレーを見ることができた。

一枚で相手を止める福山

 そして慶大を後一歩まで追いつめての第4セット。お互い一歩も譲らない一進一退の攻防が繰り広げられたが、後半に入り疲労の色が見え始めたのか、ミスから相手に連続ポイントを許してしまう。北地航(スポ4=東京・早実)のサービスエースで勢いを取り戻したかに見えたが、続くサーブをミスしてしまい、そのままこのセットを落としてしまった。フルセットとなった第5セットでも負の連鎖は止まらず、これまで決まっていたスパイクがことごとくブロックされてしまう。その後は反撃を見せ、七里のスピンの効いた好サーブからの専田のスパイクという左右の両エースの活躍で13-14とついに1点差に詰め寄ったが最後はまさかのサーブミス。必死の追い上げも及ばず、悔やみきれぬ敗戦になってしまった。

 好敵手・慶大に勝ち、開幕2連勝で勢いをつけたかったワセダ。後半は中盤にできていた理想のバレーができず、連勝を飾ることができなかった。リーグ戦はまだまだ始まったばかり。課題に向き合う時間もあるだろう。そのためにも来週、ホームでの歓声を背に全員バレーで3連勝し、一つずつ勝利を積み重ねていきたいところだ。

(記事 谷口武、写真 田中竣)

セットカウント
早大 30-32

25-17

25-14

20-25

13-15
慶大
スタメン
レフト 吉村康佑(スポ4=長崎・佐世保南)

レフト 専田和也(スポ3=神奈川・弥栄)

センター 濱松啓陽(スポ3=佐賀商)

センター 福山汰一(スポ2=熊本・鎮西)

ライト 七里幸洋(社4=大阪・清風)

セッター 山口頌平(スポ1=長崎・大村工)

リベロ 本間隆太(スポ4=神奈川・弥栄)
コメント

吉村康佑(スポ4=長崎・佐世保南)

――おしい試合でしたが、内容を振り返っていかがですか

序盤が悪いっていうワセダの悪いところが出てしまって、1セット目も勝てた試合だったんですけど自分たちのミスで負けたセットでもったいなかったです。2、3セット目を取れたんですけど、自分たちがしたいバレーを相手がやってきたっていうのがあって、リズムを作れずに結局自分たちのミスで負けた試合だったので反省すべきところが多くあります。

――その中でも2、3セット目はワセダらしいバレーができていたように思いますが

2、3セット目はサーブで流れをつくって、得意なセンター攻撃を使ってコンビをつくるっていうバレーができて戦えていた部分もあっていけるかなとは思ったんですけど、やっぱりそこで油断がありました。最後は4年が引っ張っていかないといけないんですけどまだまだ下級生頼みになっているところがあったので来週は3連戦のホームなので頑張っていきたいです。

――敗因は技術的なことより精神的なところにあるということですか

プレーがどうこうというよりまずは気持ちの問題というのもあります。ミスをすると相手の得点だし、ファーストブレイクを決めたらこっちの1点だしということでミスが出ると負ける試合になっているので、ミスのないように今後練習して課題を克服していかなければいけないと思います。

――最終セットで次々とブロックに捕まってしまった理由はどういうところにあると思いますか

うーん、なんでしょうね。サーブカットが返っていたのに決めきれなかったっていうのがあって、下級生が上げるトスを上級生が決められなかったっていうのが気持ちの問題で一つ考えなければいけないことですね。

――1敗してしまい、今後も負けられない試合が続きますがどのような戦いをしていきたいですか

まだまだあと10戦あるので切り替えて残り全勝できるように、とりあえずホームの3連戦を全勝で飾りたいです。一つ一つ頑張っていきます。

本間隆太(スポ4=神奈川・弥栄)

――試合を終えていまのお気持ちは

とても悔しいです。

――きょうの試合を振り返って、敗因はどこにあると思いますか

やっぱり負けているセットは、自分たちのミスが多くて、ミスを怖がってはいけないんですけど、5セット目は固くなってしまったかなと思います。

――5セット目は終盤追い上げましたが

でも勝てなきゃ意味がないので、負けは負けですね。

――きょうの試合ディフェンス面はどうでしたか

相手のエースはすごい打つ選手なので、多少拾いきれないボールもあるんですけど、きょうはブロックもいいところに跳んでくれていて、レシーブはしやすかったです。

――慶大にはここ最近2連勝でしたが、きょうはなにか違いはありましたか

自分たちの気持ちの中で、そのうち点差が開いて勝てるんじゃないかという気の緩みはあったと思うので、次当たることがあれば、最初から3-0で勝つ気持ちでやりたいと思います。

――リーグ戦2試合を終えて、チームの状況や課題があれば教えてください

セッターの山口が世界ジュニアの選抜でずっと抜けていて、いま1週間しか合わせていない状態でリーグ戦を迎えていて、バックアタックの質とかコンビネーションが合っていないところはあります。ここから戦っていく中で合わせていって、最終的には全日本インカレ(全日本大学選手権)で優勝することが目標なので、焦らず一つずつやっていきたいです。

――次戦に向けて抱負をお願いします

3連戦、ホームの早稲田大学の記念会堂での開催なので3連勝できるように頑張りたいと思います。

専田和也(スポ3=神奈川・弥栄)

――どのような心境できょうの早慶戦に臨みましたか

全勝優勝を目指して頑張っていたので、早慶戦っていうのにこだわらずに全部の試合に勝てるように頑張っていたんですけど負けてしまいました。この後全勝すればまだ優勝もあるので切り替えたいです。

――1セット目はジュースが続く展開となりました

1セット目はチーム全体にミスが多かったんですが2、3セット目はそれを修正できていました。でもまた4、5セット目でミスが出ちゃったのでそれが敗因です。

――きょうのご自身のプレーについてはスパイク、レシーブともに良いプレーが見られたと思いますが

スパイクに関して言えば、ちょっとしたミスが多かったので決められる球をもったいないミスをしちゃったり、レシーブも相手のエースのクロスをあんまり拾えていなかったのでそんなに良くはなかったです。

――チーム全体の動きはいかがでしたか

ミスが多かったんですけどいいセットはすごく良い雰囲気だったので、可もなく不可もなくという感じですね。

――次戦の東海大戦に向けて意気込みをお願いします

もう負けると優勝できないので全部勝てるように頑張りたいと思います。

濱松啓陽(スポ3=佐賀商)

――きょうを振り返って

山口(頌平、スポ1=長崎・大村工)がジュニア(世界ジュニア選手権)から帰ってきて、サイドに対してのコンビが微妙に合わないのは仕方ないと思っていて。でもやっぱり決め切れなかったというのもありますし、1セット目のジュースで取れなかったのが一番大きいです。

――課題はなんでしょう

気持ちの面で押されたというのがあります。慶大の主将も緊張していて。ああいう状態にも関わらず決め切れなかったのはいけないと思います。

――ワセダのブロックについては

ちょっと位置取りが上手くいかないときもありましたが、ある程度決まっていたのでまあまあだと思います。

――東海大戦に向けて意気込みをお願いします

東海は若い選手が多くて、勢いがあると思うので最初しっかりつぶしていきたいと思います。