明大に勝利 秋季リーグ優勝まであとひとつ

男子バレーボール

秋季関東大学リーグ戦 10月12日 小田原アリーナ

 1週間ぶりに行われた秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ)も残すところ3戦。全勝で首位を独走する早大の9戦目の相手は明大。崩れた体制につけ込まれる場面がありながらも2セットを先取する。3セット目は中盤に逆転するも、後半に逆転し返され、セットを奪われる。立て直したい第4セットでは序盤から点差をつけるとその勢いのまま試合を進め、セットカウント3-1(25-20、25-21、23-25、25-19)で勝利をおさめた。勝敗数により優勝まであと1勝となり、タイトル獲得が目前に迫る結果となった。

 第1セット序盤、OH徳留巧大(スポ1=長野・松本国際)が相手の強烈なサーブを綺麗にレシーブし、MB菅原啓(教2=山形南)がクイックを決める。ラリーの場面ではOH佐藤遥斗(スポ2=東京・駿台学園)が落ち着いてリバウンドを取り体制を立て直すと、その後には徳留や菅原のブロックポイントもあり5連続得点で11-6とする。菅原のサーブが早大コートに直接返ると、MB麻野堅斗(スポ2=京都・東山)が高い位置から強烈なダイレクトを放ち相手を圧倒。トスが乱れた際でも徳留が決め切り頼もしさを感じさせる。ディフェンス面ではブロックでワンタッチを取り後ろでレシーブをする噛み合いを見せ、攻撃のチャンスを生み出す。麻野のCクイックで24点目を奪うと、最後は相手のバックアタックがネットにかかりセットを先取した。

ラリー中コート外のボールをレシーブする布台

 リベロ布台聖(スポ2=東京・駿台学園)がフェイントを拾い上げ、菅原がクイックを決め幕開けした第2セット。セッター前田凌吾主将(スポ3=大阪・清風)が崩れた1本目からもアンテナまで伸びるトスを上げ、佐藤がそこからスパイクを決める。麻野のブロックやOP畑虎太郎(スポ3=福井工大福井)のスパイクでブレイクを重ねていく。体制が崩れたところで相手が早大ブロックの指先を狙ってブロックアウトを取る場面もあったが、サーブで相手のハイセットを誘うと、徳留が鋭いクロスを打ち込みその後も度々ブレイクする。熾烈なラリーが多かった本試合。麻野のクイックが連続で返されるが、粘り強くボールをつなぎラリー勝ち。すると相手に慌ただしさが出始めミスが発生する。前田が相手スパイクをパンケーキレシーブで上げ、布台が二段トスで畑に託すとそれに応え5点差に。最後も畑のスパイクでブロックアウトを取りこのセットもものにした。

前田のトス

  続く第3セットは序盤から麻野のブロックが連続して決まり一歩前に出る。中盤、連続でサービスエースを決められ一時逆転を許すが、佐藤の連続バックアタックで逆転し返す。しかし、相手のブロードやフェイント、ブロックでまたも逆転を許し2点差でセットを献上した。第4セットは秋季リーグでこれまでも見せてきた早大らしい巻き返しを見せる。前セットまででも苦しめられてきた相手のブロードを菅原と徳留で封じ込める。畑が相手のブロードをディグすると、明大コートのエンド際にイン。佐藤のスパイクや前田のブロックで9-4と序盤から点差を離すと、その点差を保ちながらセット後半に突入する。後半はサイドアウトを取り合う展開となるが、リードした早大はその後もサイドの攻撃を中心に得点し、最後は前田のブロックでゲームセットとなった。

相手スパイクを仕留める麻野(写真右)

 今試合でも勝利をおさめ、秋季リーグ全勝中の早大。2位の中大は2つの黒星をつけているため、明日の順大戦に勝利できれば早大の優勝が決定する。シーズン前半には自分たちの劣勢時に雰囲気が作れず幾度も悔しい思いをしてきた。その課題をこの秋季リーグでは克服し、早大らしいバレーが展開できている。秋季リーグは残り2戦。どちらも相手は春季関東大学リーグ戦で苦杯を喫した相手である。春からの成長を見せ、是非ともリベンジを果たし、全日本大学選手権大会に向けて駆け上がっていってほしい。

(記事 町田知穂、写真 五十嵐香音、勝呂愛流)

 

セットカウント
早大 25-20
25-21
23-25
25-19
明大
スタメン
アウトサイドヒッター 佐藤遥斗(スポ2=東京・駿台学園)
アウトサイドヒッター 徳留巧大(スポ1=長野・松本国際)
ミドルブロッカー 麻野堅斗(スポ2=京都・東山)
ミドルブロッカー 菅原啓(教2=山形南)
オポジット 畑虎太郎(スポ3=福井工大福井)
セッター 前田凌吾(スポ3=大阪・清風)
リベロ 布台聖(スポ2=東京・駿台学園)
途中出場
浅野翼(スポ4=宮城・東北)
馬渕純(スポ4=岐阜商)
梶村颯汰(スポ3=東京・安田学園)
安食浩士(スポ2=宮城・東北)
伊東昌輝(商2=山梨・日本航空)
大谷陸(スポ2=埼玉・川越東)
コメント

OH佐藤遥斗(スポ2=東京・駿台学園)

――久しぶりのリーグ戦だったことを踏まえ、今日の試合を振り返って 

 1週間空いてからの試合ということで、なかなかスタートが難しくはありました。そのような状況になったとしても実力を発揮できればしっかり自分たちのバレーを展開できるというのは分かっていたので、まずは落ち着くことを意識していました。

――この秋リーグでは劣勢からの立て直しが何度もありました。そこについてはいかがですか

 春リーグ(春季関東大学リーグ戦)と東日本インカレ(東日本大学選手権大会)では、劣勢の中でどうしてもチームとしてバラバラになってしまい一丸となって勝ちに行くことができませんでした。ですが、この秋リーグでは自分たちが苦しい状況でも目を合わせながら、焦らず、勝ち急ぐことなく確実にやるべきことをやっていくという意識をチーム全体で持っていました。

――チームと個人、それぞれの今後への課題を教えてください

 チームとしては、サイドアウトやパスからの確実な得点が取り切れていないので、その精度を上げていきたいです。個人としては、攻撃面が徐々に良くなってきている反面、ディフェンス面はまだ粗さが目立つので、今後の練習で改善していきたいです。

ーー明日勝てば優勝です。明日への意気込みをお願いします

 勝ちを見すぎず、目の前の一戦に集中して頑張りたいと思います。