東京学芸大に逆転負け 東日本インカレをベスト8で終える

男子バレーボール

東日本大学選手権大会 6月26日 富山県西部体育センター

 東日本大学選手権大会(東日本インカレ)第2日、準々決勝となる第2試合目は東京学芸大と対戦した。1セット目を早大らしい溌剌(はつらつ)とした動きと雰囲気で先取。2セット目は相手の調子が出始め、ミスが増え出し落としてしまう。3セット目は早大が粘り、着実に一点を取りに行く場面もあったが、デュースにもつれ込み惜しくもセットを献上。4セット目も一進一退の攻防を見せるも、流れを完全に引き寄せることができず、セットカウント1―3(25―19、19―25、24―26、23―25)で敗戦を喫した。細かいミスが重なり、最後の最後で決め切ることができないという早大の課題が顕著に現れた一戦だった。

 OH小野駿太(スポ1=静岡・聖隷クリストファー)の強打スパイクから始まった第1セット。MB麻野堅斗(スポ1=京都・東山)のクイックやOP徳留巧大(スポ1=長野・松本国際)が自らレセプションし、レフトから相手のブロックアウトを誘うスパイクを決めるなど序盤から着実に点数を重ねていく。後半に差し掛かり、OH佐藤遥斗(スポ2=東京・駿台学園)が相手コートから何度も返ってくるボールに対して粘り強くアプローチし、4連続得点。相手の3枚ブロックにつかれ、得点が決まらない場面もあったが、最後は佐藤のパイプが決まり、セットを先取した。

レセプションをする徳留

 続く第2セット。相手の調子が上がり始め、ブロックの隙をつかれるフェイントやスパイクに苦戦し、序盤から相手に走られる。コートの真ん中を打ち抜く麻野の速攻で相手の流れを切ったが、その後も点差を詰めることができず、試合は中盤へ。MB菅原啓(教2=山形南)のライン際に打ち込んだサーブや佐藤の相手ブロックを超える高さからの強打といった強気なプレーも続出したものの、相手に自分たちのミスや弱点につけ込まれ点差が埋まらず、このセットを落とした。

菅原のサーブ

  徳留に代わりOP畑虎太郎(スポ3=福井工大福井)がスタメン出場した第3セット。レシーブの穴をつかれたり、相手のブロックに揺さぶられるも、早大は相手のサーブミスにも助けられ、序盤から混戦状態となる。中盤以降もスパイカー陣の強打が決まっていてもブロックアウトを誘う相手のスパイクや高いブロック、レシーブによって点差は縮まることなくセットを落とす。第4セットも展開は変わらず、序盤から4連続失点。2−6に追い込まれるも、佐藤のコート奥を狙ったクロススパイクや相手のミスで5−7に。その後も佐藤のパイプ、菅原の速攻が決まり、中盤には一進一退の攻防にもつれこんだ。しかし、長いラリーが続く中で、打っても打っても返ってくるという状況で決め切ることができず、セットを落とした。

佐藤のスパイク

 この東日本インカレでは小さなミスの積み重ねや決めるべき場面で決められないなど、チームとしての粗さが目立った。今大会をもってシーズン前半が終了し、体制強化の夏に入る。春季リーグ、そして今回の東日本インカレでの悔しさを選手一人一人の、そしてチームの成長のカギを見つけるきっかけにしてほしい。シーズン後半の秋季リーグでこそ早大らしいバレーを見られることに期待したい。

(記事 井口瞳、写真 指出華歩、町田知穂)

 

セットカウント
早大 25-19
19ー25
24-26
23-25
東京学芸大
スタメン
アウトサイドヒッター 佐藤遥斗(スポ2=東京・駿台学園)
アウトサイドヒッター 小野駿太(スポ1=静岡・聖隷クリストファー)
ミドルブロッカー 麻野堅斗(スポ2=京都・東山)
ミドルブロッカー 菅原啓(教2=山形南)
オポジット 徳留巧大(スポ1=長野・松本国際)
セッター 前田凌吾(スポ3=大阪・清風)
リベロ 布台聖(スポ2=東京・駿台学園)
途中出場
梶村颯汰(スポ3=東京・安田学園)
畑虎太郎(スポ3=福井工大福井)
伊東昌輝(商2=山梨・日本航空)
大谷陸(スポ2=埼玉・川越東)
コメント

前田凌吾副将(スポ3=大阪・清風)

――今日の試合を振り返って

 1戦目は相手どうこうという気持ちでチームで自分たちの形をしっかり作っていこうということで臨みました。東日本インカレでは試合をするにつれてチームを作っていくということで一戦一戦戦いました。2戦目は1セット目は自分たちの攻めのバレーができましたが、そのあとは自分たちのバレーができなく、我慢できずに負けてしまうという結果になりました。

――学芸戦での敗因は。疲労はありましたか

 疲労はありませんでしたが、自分たちが練習でやってきたことができなく、練習での甘さやチャレンジーの気持ちが薄く、受けてしまう場面が多くあったと思います。

――今大会で見つかったチームの課題

 やはり、自分たち1人1人の厳しさがないなと感じました。もっと一球に対する気持ちであったり、チームのことをもっと考える必要があると考えました。コートに入る6人の責任感を持つのはもちろんですが、普段からチーム一人一人が考え直す必要があると思いました。

――シーズン後半に向けて

 もう一度自分たちのチームの強みを見つけ、チーム内で切磋琢磨し、また違った今年の早稲田の強さを出していければ良いかなと思います。自分自身もコートに下級生が多いので、コート内の振る舞い方であったり、リーダーとしての行動を見直していきたいと思います。

 

佐藤遥斗(スポ2=東京・駿台学園)

――今日の試合を振り返って

 今日の2戦について、1日2試合行うという難しい状況で上手くいかない事が起きることは分かっていたのですが、いざその場面になると焦りが出てしまったので、全カレでそうならないように改善しなきゃいけないところだと感じました。

――学芸戦の1セット目はチーム全体として声が出ていて府に気もよかったですが、2セット目以降、崩された原因は

 学芸戦の1セット目はチーム全体で相手に向かっていく気持ちを持って自分たちの思うようなゲーム展開を作れたと思います。ですが、2セット目レセプションの乱れから、なかなかうまく攻撃が決まらず、焦りにつながって崩れてしまったと思います。

――今大会で見つかった個人、チームの課題や収穫は

  東日本ではチームとして数値的にもサイドアウトが上手くとれていないことが多かったのでそこを修正しなければいけないのと、サーブとブロックの精度が課題になってくると思います。個人としてはディフェンス面での貢献が少なく、簡単なボールがミスに繋がることがあったのでそこの精度が課題だと思います。

――シーズン後半に向けて

 シーズン後半に向けて、東日本の敗戦で学ぶべきことは個人としてもチームとしても多く、これから改善すべきところは明確だと思います。普段の練習でチーム全体としてのまとまりを持ち、お互いに高め合いながら、後半戦に向けて頑張りたいと思います。

 

ローゼンマーク有廉ジュニア(スポ1=茨城・土浦日大)

――1試合目を振り返って

 途中から麻野選手(麻野堅斗、スポ2=京都・東山)との交代出場で、その後スタメンとなり、とても緊張しましたが、試合が進むにつれて自分の役割を理解し、個人的に初めてにしては意外と動けたんじゃないかなと思います。

――昨日より出場時間が長かったですが、気持ち面では

 とても緊張しました。最初はワンポイントブロッカーでの出場でその後サーブを打ちましたが、ミスをしてしまったので今後は途中出場でもミスをしない選手になりたいです。

――今大会が大学で初出場の大会ですが、高校との違いは

  高校と違って、高さ、パワー、速さ、技術面でも全く違うなと感じました。

――1試合目ではサービスエースが4本出ました。サーブの時に意識していたことは

 途中出場より、体が会場に慣れていていつもよりジャンプできていて、打点を消さずにコースに打つことを意識しました。

――クイックやブロックは

 クイックの決定率は割とよかったと思いますが、ワンタッチからの切り返しが遅くラリー中のクイックが少なかったです。ブロックはまだまだサイドへの寄りが遅い所とブロックの完成が遅いと感じました。

――シーズン後半に向けて

 東日本インカレが思うような結果にいかずとても悔しいですが、シーズン後半は途中出場ではなくスタメンで試合に出場し、活躍できるよう、今後の練習から気持ちを入れ替えて頑張ります。