【競走】逆転かなわず総合4位 示した111代目の力

駅伝

第102回東京箱根間往復大学駅伝競走復路 1月3日 神奈川・芦ノ湖~東京・読売本社前

 前日、東京箱根間往復大学駅伝(箱根)往路を9年ぶりに2位で折り返した早大。トップとの差を詰め、逆転を狙うため、花田勝彦駅伝監督(平6人卒=滋賀・彦根東)は当日のエントリー変更で復路3枚替えの勝負手を打った。7区に間瀬田純平(スポ4=佐賀・鳥栖工)、8区に堀野正太(スポ1=兵庫・須磨学園)、9区に小平敦之(政経3=東京・早実)をそれぞれ起用。3大駅伝経験者やロードの実力者を並べ、自信を持って送り出した。

 6区には2年連続で山﨑一吹(スポ3=福島・学法石川)が抜てきされた。最初の4キロを登り切り、間もなく迎える4・8キロ地点の芦之湯を、昨年より5秒速く通過。下りに本格的に入ると、一気にスピードを上げた。しかし、18秒差であった青学大のルーキー・石川浩輝との差はなかなか縮まらず。13・4キロ地点では1分近くまで広がった。差は拡大する一方で、ラスト3キロの平地に差しかかると、30秒ほど後方に中大の並川颯太が迫った。最終的には首位と1分33秒差まで広がってしまったものの、最後の3キロでは最大限の力を振り絞り、昨年より14秒速い58分31秒を記録。三浦雅裕氏(平28スポ卒)と並ぶ早大記録タイの好タイムをマークした。56~57分台が5人続出するハイレベルな区間の中で、山﨑はベストを尽くして2位を死守。仲の良い先輩・間瀬田へとタスキを託した。

 3年連続でスターターを務めてきた間瀬田は最初で最後の復路・7区に出走した。序盤、小田原中継所で23秒差あった中大の七枝直が徐々に接近。6キロ手前で七枝が間瀬田の前に出ると、差を広げにかかったが、間瀬田も意地を見せ、11キロ過ぎに追いついて並走する展開となった。しかし、国学院大の高山豪起が颯爽と2人を抜き去り、16キロ地点では中大にも置き去りにされてしまう。ラストランは区間12位と悔しい結果に終わったものの、4年間の思いを胸に走り抜け、箱根路に別れを告げた。4年間、早稲田のために走り続けた間瀬田の左肩には「ILove早稲田」の文字。間瀬田と同じく1年目から出走を果たし、これからの早稲田を担う後輩へ、4位でタスキをつないだ。

 続く8区には、登りを得意とする堀野が起用された。前を行く3位の中大を視界に捉えられず、終始単独走が続いた。出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)や全日本大学駅伝対校選手権(全日本)では、序盤からのハイペースに対応できなかった堀野は、今回はやや抑えめに入り、徐々にペースを上げていった。8区の鬼門・遊行寺の坂を登り始めると、他の選手が険しい表情を浮かべる中、堀野は大観衆を前に笑顔を見せる。アップダウンへの高い対応力を発揮し、順位をキープしたままタスキをつないだ。地元のある8区を、最も走りたかったであろう宮岡凜太(商4=神奈川・鎌倉学園)の思いを背負い、初めての箱根路21・4キロを駆け抜けた。

 箱根最長区間の9区に起用されたのは小平。4キロ手前でじわじわと迫っていた順大の石岡大侑に追いつかれ、差を広げられたものの、小平は至って冷静。淡々とペースを刻んだ。14キロ手前で再び4位へ浮上すると、余裕の見える表情のまま一気に差を引き離し、大手町に向かう後輩へ笑顔でタスキを渡した。記録は、菖蒲敦司(令6スポ卒=現花王)が持っていた早大記録を1分以上更新する1時間7分45秒。区間2位の快走で、流れを引き戻した。

 最終10区は、念願の3大駅伝初出走をかなえた瀬間元輔(スポ2=群馬・東農大二)に任された。前半、50秒近い差があった中大の吉中祐太との差を徐々に詰め、15キロ手前で前に出ると、並走しながら3位争いを繰り広げた。しかし、ラストスパートを前にした19キロ地点で、順大の山本悠が2校を大胆に抜き去る。必死に食らいついたものの、21キロ付近で引き離された。それでも最後は、山口智規駅伝主将(スポ4=福島・学法石川)や伊藤幸太郎(スポ4=埼玉・春日部)が待つゴールへ全力で駆け、吉中とのスパート勝負を展開。総合4位でゴールテープを切った。

 「総合優勝」を掲げて臨み、総合4位で大会を終えた早大。2年連続の4位という結果は、決して現状維持ではない。8年ぶりの区間賞、9年ぶりの往路2位、4区間・往路・復路・総合での早大新記録。区間5位以内が4人と、得たものはあまりにも大きかった。そして、出雲、全日本、箱根。今季の3大駅伝すべてで、早大から区間賞獲得者が誕生した。102回大会は他大学の強さが際立つ大会ではあったが、それでも言える。111代目がつくり上げたこのチームは、間違いなく「強かった」。早大の歴史を揺るがした111代目の思いは、112代目へと受け継がれる。早大の歴史、そして箱根駅伝の歴史を変える挑戦は、まだ終わらない。16年ぶりの頂点へ、早大はここから出発する。

(記事 佐藤結、写真 佐藤結、植村皓大、田中瑠花、荒川聡吾、田島凜星)

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