【競走】15年ぶり総合優勝へ「まだまだ調子は上がっていく」(花田勝彦駅伝監督)/箱根駅伝直前公開取材

駅伝

箱根駅伝直前公開取材 12月13日 埼玉・織田幹雄記念陸上競技場ほか

 東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根)まで残り3週間を切ったこの日、早稲田大学所沢キャンパスで箱根駅伝直前公開取材が行われた。スーパールーキーを迎えた今季の早大は、出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)、全日本大学駅伝対校選手権(全日本)で先頭争いを経験するなど、チームとして着実に力を伸ばしてきた。例年以上に戦力が充実し、箱根駅伝に向けた期待は高まっている。そうした注目を背景に、当日は多くの報道陣が所沢キャンパスを訪れた。選手たちは写真撮影や個別取材に応じ、目前に迫る大舞台への思いや、これまで積み重ねてきた取り組みを丁寧に語った。

 最初に行われたのはフォトセッション。選手たちは早大応援部からエールを受け、校歌「都の西北」を織田幹雄記念陸上競技場に響かせた。続いて集合写真や集団走の様子が撮影され、その後、個別の記念撮影が行われた。学年別や出身校別などに分かれて撮影が進められ、選手たちは終始リラックスした表情で、仲睦まじい姿を見せた。

 続いて行われた記者会見には、花田勝彦駅伝監督(平6人卒=滋賀・彦根東)や江本亘長距離コーチ(令4スポ卒=愛知・岡崎北)、エントリーメンバー16人が登壇し、箱根駅伝に向けた意気込みを語った。花田監督は「チーム内で競い合いながら、今年もいいかたちでエントリーできた」とチームの充実ぶりを強調。「チーム力をしっかり発揮し、大手町で笑顔でゴールできれば」と本番への決意を口にした。会見後は、監督・選手がそれぞれ個別取材に応じ、箱根駅伝直前公開取材は締めくくられた。

 今季、出雲は準優勝、全日本は5位と、掲げてきた「優勝」には届かなかったものの、山口智規駅伝主将(スポ4=福島・学法石川)は「直近の早稲田とは違う、『強い早稲田が帰ってきた』という証拠を見せることができた」とこれまでの戦いを振り返った。箱根駅伝に向けては「みんな状態が良いので期待してほしい」と力強く語った。はたして、15年ぶりの総合優勝達成なるか。目標を現実のものとするため、限られた1日1日を大切にしながら、早大はチーム一丸となってスタートラインへと向かっていく。

(記事 佐藤結、写真 會川実佑、植村皓大、佐藤結、髙杉菜々子、長屋咲希)

第102回東京箱根間往復大学駅伝競走 早大チームエントリー(12/10時点)

監督・コーチ・選手コメント(記者会見から一部抜粋)

 12月10日に16人のエントリーが確定しました。そこに向けて、チーム内で競い合いながら、今年もいいかたちでエントリーできたと思っています。11月の下旬から12月にかけてハードな練習を重ねていましたので、この1週間はリカバリーの期間にあてまして、非常に選手たちの状態も上がってきていると思っております。これからの3週間は、強化というよりは、今までやってきた成果を出すための、調子を上げていく期間だと思っていますので、まだまだ調子は上がっていくと思っております。

 箱根駅伝に向けては、今年は優勝という目標で1年間取り組んできましたので、そこに向けて、しっかり取り組んでいきたいと思っております。優勝するためには、往路で勝たないと早稲田の優勝につながらないと思っておりますので、前半、少なくとも半分はエンジで染めたいと思っています。山を終えてどこまで貯金がつくれるかが、私たちが優勝を目指す上では、結果につながってくる大事な展開だと思っています。復路にも力のある選手を配置できる層になっておりますので、勢いに乗って、最後まで、大手町まで駆け抜けたいと思っております。

 ライバルは、今は5強、6強と言われていますが、どの大学も非常に力のある大学ですので、どれかと挙げるのはなかなか難しい面もあります。やはり箱根駅伝で来年9回目の優勝を目指している青山学院が一番強いのかなと私は思います。そこに勝たないとまず優勝はないと思いますので、私的にはやはり原さん(原晋、青学大陸上競技部長距離ブロック監督)の前をぜひ走りたいと思っております。原さんとは、GMO時代に6年間一緒に実業団の指導に携わらせていただいて、原さんのチームビルディングを見させてもらいました。非常に箱根駅伝のチームづくりに向けて素晴らしい指導をされていると思いますので、指導者としては目指すべき方だと思っています。他の大学も、皆さん優勝に向けて良い指導をされています。私も、コーチの江本と2人でチームづくりをしっかり進めてきましたので、まずは私たちの力をしっかり出し切るということが一番大事だと思っています。

 今年が(駅伝監督就任後)4年目で、今の1年生から4年生まで全員、私が指導に携わった学年になります。優勝を狙う1回目のチャンスだと思っていますので、チーム力をしっかり出して、大手町で笑顔でゴールできればと思っています。

 私はコーチに就任して2年目となります。花田監督の側で仕事をさせていただいており、学生の成長も肌に感じながら、箱根駅伝優勝を目指すチームになってきたと感じております。今のチームは智規を胴上げしたい、それに向かって学生が一丸となって頑張れている、努力できているいいチームだと思っております。まずはしっかり往路優勝して、その先に見える総合優勝を目指して、残り少ない日数ですが、チーム一丸となって我々スタッフも頑張っていきたいと思っております。

 小さい頃から早稲田に憧れてきて、エンジに対する思いや箱根駅伝に対する思いは誰よりも強いと思います。競技人生ラストランとなるので、気持ちを込めた走りに注目してもらいたいと思います。

 4年間箱根駅伝のメンバーに選んでいただいているので、最後笑って終われるように頑張りたいと思います。

 これまで4年間エントリーされてきて、一度も走ることができていないので、最後、自分が任された区間をしっかり区間上位で走ること、その上で智規主将や花田監督を胴上げできるように頑張りたいと思います。

 第101回箱根駅伝の報告会を大手町で行った時に、花田監督が(来年は)総合優勝をするとおっしゃって、このチームが発足しました。111代目ということで、1がそろう縁起のいい代です。『One早稲田』として選手はもちろん、白石(幸誠主務、人4=愛媛・八幡浜)をはじめとするスタッフ、または瀬古さん(瀬古利彦氏、昭55教卒)などOB会、クラウドファンディングなどで応援してくださる全ての方々とワンチームとなってこの1年間戦ってきました。出雲、全日本と優勝には届きませんでしたが、一学生の域を超えて、シニアで世界大会を目指すような選手、または早稲田実業高などの付属校から大学に上がってきて主力を担う選手、もしくは文武両道を極めている学生が出てきたということで、直近の早稲田とは違う「強い早稲田が帰ってきた」という証拠を見せることができたと思います。みんな状態が良いので、そこは期待してほしいと思います。箱根に向けて走る練習はもちろん、大手町で『都の西北』を今日よりもっと上手に歌えるように練習したいと思いますので、1月3日の大手町、楽しみにしていてほしいと思います。最後の箱根駅伝になるので、自分の4年間を最大限に表現して、1人でも多くの人たちがエンジに憧れるような1時間にできるように頑張っていきたいと思います。応援よろしくお願いします。

 昨年までの実績と経験に加え、全日本大学駅伝での日本人最高記録を含めて勢いがあるというのが自分の強みだと思っています。早稲田の中の明確なストロングポイントとして力を発揮できるように頑張ります。

 今回初のエントリーになりますが、1年間総合優勝に向けてチームとしてもやってきましたし、個人としてもそこに貢献するための走りを追求してきたと思っています。当日もそのような走りができるように頑張りたいと思います。

 チームの総合優勝に貢献できるような走りがしたいです。

 当日はどこを任されてもしっかりと走れるように、最後にみんなで智規さんを胴上げできるように頑張っていきたいと思います。

 昨年は6区で総合順位を1つ下げてしまったので、今年は少しでも順位を上げる、もしくは後ろとの距離を少しでも離せるように、気持ちを見せる走りをしたいと思っています。

 1年生から、3大駅伝全てにエントリーさせていただいているにも関わらず、まだ出走できていないので、今回の箱根駅伝では、チームに貢献できる走りをしたいと思います。

 今の状態としては4割、5割くらいなので、走れるかは分かりませんが、走ることができたら頑張ります。

 出雲、全日本とあまり良い走りができなかった分、箱根駅伝では、区間3番以内くらいを目標に、チームに貢献できる走りをしたいと思います。

 総合優勝という目標に向けて、チームに貢献できるよう頑張ります。

 初めての出走となりますが、このメンバーで走れるのは最初で最後なので、楽しんで、笑顔で終われるように頑張ります。

 1年生でのメンバー入りとなりましたが、臆せず、当日はチームの総合優勝に貢献できるよう頑張ります。

 区間賞を取れるように頑張ります。