3強崩しへあと一歩の総合4位 目標達成ならずも確かな力を示す

駅伝

第101回東京箱根間往復大学駅伝競走復路 1月3日 神奈川・芦ノ湖~東京・読売本社前

 前日の東京箱根間往復大学駅伝(箱根)往路を3位で終え、目標の「総合3位以内」へ大きく前進した早大。当日のエントリー変更では7区に伊藤大志駅伝主将(スポ4=長野・佐久長聖)が入り、アンカーの10区までは出走経験のある4年生の4人でつなぐという盤石の布陣を組んだ。レースは6区の山﨑一吹(スポ2=福島・学法石川)が区間5位と上々の滑り出しを見せると、その後は4年生がタスキをつなぎ、3位で10区の菅野雄太(教4=埼玉・西武学園文理)へ。最後は国学院大との3位争いにわずかに敗れ、総合4位でフィニッシュした。

 6区を任されたのは3大駅伝初出走となった山﨑。前の中大とは42秒差、後ろの駒澤大とは47秒差という中でのスタートとなった。本格的な山下りに入ると、ペースを切り替え2位の中大に迫る。12キロ手前で駒澤大に抜かされ4位に後退するが、それでも粘りの走りで駒澤大の背後につき並走に。最後3キロの平地で再び離され3位の駒澤大と20秒の差が開いたものの、区間5位の58分45秒と堂々の箱根デビューを飾った。

6区を走る山﨑

 7区には当日変更で伊藤大がエントリーされた。3位の駒澤大とはスタート直後から大きな差が生じ、レースは終始一人旅となる。やや抑えたペースで入った伊藤大だったが、後半に入ってもなかなかペースが上がらない。3位とは1分7秒差に広がる区間11位の走りとなったものの、1年間チームに尽力してきた駅伝主将は笑顔のタスキリレーで最後の箱根路を走り終えた。

7区を走る伊藤大

 続く8区には、3年連続の起用となった伊福陽太(政経4=京都・洛南)が一人で淡々と3位の中大を追い上げる。レース中盤に中大を追い抜き3位に上昇すると、その後も単独走が続いた。終盤に待ち構える慣れ親しんだ遊行寺の坂に別れを告げ、区間11位で戸塚中継所に飛び込んだ。

8区を走る伊福

 3位でタスキを受けた石塚陽士(教4=東京・早実)だったが、9区7.7キロ地点で区間17位と低調な走り出しに。10キロ付近では4位の国学院大に戸塚中継所では1分29秒あった差を追いつかれ、4位に下がる。しかし、ここから石塚が意地を見せ、ラスト1キロを切ると国学院大に追いついた。最後は石塚がスパートで競り勝ち、3位の順位をキープしたまま最終区間へと向かった。

9区を走る石塚

  目標の総合3位以内へ、3年連続で10区を任された菅野に託された。1秒後にタスキを受けた国学院大と3位集団を形成し、菅野が引っ張るかたちでレースを進める。並走のままレースが終盤へ差し掛かると、17キロを過ぎたところで国学院大がペースアップ。菅野はついていくことができず、徐々に国学院大との差が開く。菅野は10区の早大記録を20年ぶりに塗り替える区間5位の好走も、3位の国学院大にわずか10秒及ばず、4位で大手町のゴールテープを切った。

10区を走る菅野

 目標の総合3位以内は惜しくも達成できなかったが、3強の牙城(がじょう)を崩しかけた早大は確かな力を示した。7年ぶりの総合4位以内に、総合タイムでも従来の早大記録を大幅に上回るなど、数字にもその力が表れている。花田勝彦駅伝監督(平6人卒=滋賀・彦根東)体制4年目となる来年度は、往路を走った5人、そして6区の山﨑も残り、かかる期待は大きい。強いワセダの復活は、すぐそこまで迫っている。その栄光を取り戻すため、真価の問われる1年が始まる。

(記事 沼澤泰平、写真 田島凜星、飛田悠那、石澤直幸、田中瑠花、西本和宏)

復路結果