2年ぶりのシード権獲得! 6位で箱根路を終える/箱根復路

駅伝

 2日の往路を5位で終えた早大。2年ぶりのシード権獲得、そして目標である『総合5位以内』を達成すべく復路へと挑んだ。6区からいい流れを掴むことに成功した早大は、7区以降、順大、国学院大、創価大といった各大学と熾烈な順位争いを繰り広げる。順位変動を繰り返しながらも一人一人の選手が持てるものを最大限に出し、大手町にエンジのタスキは6番目に届けられた。

 復路のスタートである6区に起用されたのは北村光(スポ3=群馬・樹徳)。スタート直後から23秒差で前を行く国学院大との差を確実に埋めていき、8キロ過ぎに国学院大を掴まえる。そのまま並ぶことなく前を目指し、芦ノ湖では2分10秒差あった青学大との差をじわりじわりと詰めていく。すると14キロ過ぎ、ついにフレッシュグリーンのユニフォームをかわし前に出た。勢いそのままに小田原に飛び込んできた北村は、3番手で7区鈴木創士(スポ4=静岡・浜松日体)にタスキリレー。4位国学院大に38秒の差をつける、区間3位の快走だった。

大平台を走る北村

 7区の鈴木はこの区間3回目の起用。前半から国学院大に徐々に差を詰められ、二宮の手前で追いつかれてしまう。しかしここから離されることなく、しっかりと並走をし、ペースを保つ。残り5キロ付近からは徐々に離されていってしまったものの、最後まで粘りを見せて、国学院大と13秒差の4位で平塚中継所を通過した。

7区中盤を走る鈴木

 8区を任されたのは伊福陽太(政経2=京都・洛南)。これがエンジデビュー戦となった。前半こそ単独走の中で国学院大からじわりじわりと離されていったものの、しっかりと自分のペースを刻み続け、大きく差は広げられないまま後半へとレースを進めた。そして後半の遊行寺の坂で広げられていた差を逆に詰めていくと、18キロ付近でついに国学院大を捉える。一時は前に出たものの、最終盤のスパート合戦でわずかに及ばず1秒差で9区へとタスキをつないだ。

茅ヶ崎の海岸沿いを走る伊福

 9区の菖蒲敦司(スポ3=山口・西京)は国学院大、そして後ろから追いついてきた法大、順大、創価大の4校と集団を形成しながらレースを進める。中盤青学大の岸本に抜かれたが、ここでは無理について行くことなく冷静にレースを進めた。後半、創価大、法大には置いて行かれ、一時は国学院大にも離されかけたものの最後は追いつき、6位で鶴見中継所にやってきた。

9区終盤を走る菖蒲

 最終10区を任されたのは菅野雄太(教2=埼玉・西武文理)。これが大学駅伝のデビュー戦となった。国学院大に離されて単独走になってしまったものの、自分のペースを見失うことなくレースを進める。後半にかけて、前の大学との差をじわりじわりと詰めていくと、20キロ付近で法大、創価大の2校を交わして5位になる。最後は、区間賞を獲得した順大の西澤の猛烈な追い上げに遭い、目標順位の5位は譲ってしまったものの、仲間の待つ大手町にエンジのタスキを6番目に運んできた。

10区終盤を走る菅野

 『総合5位以内』を掲げて箱根路に挑んだ早大。その目標にはあと一歩届かなかったものの、二年ぶりにシード権を獲得し、昨年忘れてきたものを取り返すことには成功した。昨年六月の監督交代で生まれ変わった新生早稲田。一人一人が当日の状態の中で出せる力をしっかりと出し、冷静にレースを進める展開はそれを象徴するものだったといえる。

 また今年の箱根路では8区を走った伊福や、10区の菅野といった一般組の力走も目立ち、戦力の底上げがなされていることも感じられた。来年は今年のメンバー10人のうち8人が残り、特にエース区間の2区や箱根の山の5区、6区といった重要な区間には経験者が残る。名門復活ののろしは上がった。一人一人が着実に力をつけていけばさらなる上のステージも目指していけるだろう。早大の戦いはここから始まる。

(記事 出口啓貴、写真 飯田諒、戸祭華子、濵嶋彩加、鬼頭里歩、川上璃々)

結果
第99回東京箱根間往復大学駅伝競走(復路・総合成績)
区間 距離 名前 記録 区間/総合
6区 20.8キロ 北村光(3) 58分58秒 3/3
7区 21.3キロ 鈴木創士(4) 1時間04分12秒 12/4
8区 21.4キロ 伊福陽太(2) 1時間05分20秒 10/4
9区 23.1キロ 菖蒲敦司(3) 1時間09分12秒 9/6
10区 23.0キロ 菅野雄太(2) 1時間10分06秒 10/6
早大 復路  5時間27分48秒 第7位
早大 総合 10時間55分21秒 第6位

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