上位進出へ 復路での力走が欠かせない/箱根復路展望

駅伝

 東京箱根間往復大学駅伝(箱根)の往路を5位で終えた早大。前を行く国学院大とはわずか23秒差の一方、6位の順大は8秒、7位東京国際大とは16秒差と接戦の様相を呈している。目標の総合5位、そして上位戦線に生き残るためには復路のメンバーの活躍が必須だ。

 6区には一昨年も山下りを経験している北村光(スポ3=群馬・樹徳)がエントリーされた。その時は11位でスタートし、順位を上げることはできなかったが58分台という好タイムをマーク、総合6位に貢献した。今回は5位からスタートできるため、さらなる好タイムも期待できそうだ。復路のスタート区間となる6区、勢いをつけるべく、前々回を上回る記録を残したい。

昨年は体調不良に苦しんだが今季はトラックシーズンで対校戦にも出場している北村。前々回を超える走りを見せることができるか

 続いて7区には小指卓也(スポ4=福島・学法石川)が入った。いわゆる「つなぎの区間」とされてきた7区だが、早大はここ3年、この区間で順位を上げており、チームを勢いづけてきた区間といえる。大学最後のレースとなる小指は、これまでの早大のように流れをもたらすことができるか。

全日本大学駅伝対校選手権では苦しい走りとなった小指。箱根で有終の美を飾れるか

 8区には伊福陽太(教2=京都・洛南)がエントリー。伊福は一般入試を経て入学してきた選手だが、ここまでの2年間で確かに成長。そして11月に行われた上尾ハーフマラソン(上尾)では、62分台の好タイムをマークした。アップダウンと気温差が影響を及ぼす過酷な区間を伊福はどのように攻略するのか。一般組の走りに注目だ。

上尾でゴールする伊福。ハーフマラソンの自己ベストはチーム内2位だ

 2区と並んで最長区間である9区にエントリーされたのは菖蒲敦司(スポ3=山口・西京)だ。今シーズン後半は病気やケガの影響もあり、予選会ではチーム内11番手、全日本大学駅伝対校選手権(全日本)6区で区間15位と、長距離では苦しんだ。それでも関東学生選手権3000メートル障害で連覇を果たすなど、トラックシーズンで結果を残している。「良い結果でチームに恩返しをしたい」と語る菖蒲は、初めての箱根路でどのような走りを見せるのか。

珍しく冬季にケガ無く練習が積めていると言う菖蒲。次期主将として結果でチームに貢献したい

 箱根の締めくくりとなる10区は辻文哉(政経3=東京・早実)が担う。辻は2020年の全日本では1区で区間新記録(区間6位)の好成績を残したスピードランナーだ。今季もケガで出遅れていたが、上尾で自己ベストを記録し、箱根に向け準備を整えてきた。当日変更がなければ、初めての箱根路となる辻。力強い走りで、早大の箱根を締めくくってくれるだろう。

上尾でゴールする辻。今年こそ箱根出走なるか

 また、往路では4区でのみ当日変更を使ったため、復路では3人まで補欠選手を起用できる。補欠として残るのは5人。鈴木創士駅伝主将(スポ4=静岡・浜松日体)は箱根では3年間全て区間上位と結果を残している。諸冨湧(文3=京都・洛南)は一昨年5区でブレーキを起こした雪辱を誓う。たゆまぬ努力で一般組ながらメンバー入りを勝ち取った菅野雄太(教2=西武学園文理)は、長距離で力を発揮するタイプだ。須山向陽(スポ1=鹿児島城西)も入学後徐々に成績を上げていき、上尾でも結果を残した。そして、往路の重要区間での出走も期待された山口智規(スポ1=福島・学法石川)は復路での出走となった。ここまでも他校のルーキーたちが活躍を見せているだけに山口も続けるか。

全日本4区区間3位と好走した山口。初の箱根路は何区での起用となるのか

 首位駒大のスタートから4分23秒後、5番目にエンジのタスキをかけた走者が芦ノ湖を出発する。この順位を大手町まで保つことができれば、ひとまず目標達成だ。しかし、往路で出遅れた順大や創価大も復路での逆襲を狙っており、まだ油断はできない。復路でも持ちうる力を存分に発揮し、強い早大復活への狼煙(のろし)を上げろ。

(記事 芦沢拓海)

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