妙高選抜合宿に参加した選手6人のインタビューをお届けする。前半シーズンの自己評価や夏の調子、今後へ向けての意気込みを伺った。
◆鈴木創士駅伝主将(スポ4=静岡・浜松日体)
――夏合宿が始まってからの調子や練習の消化具合はいかがですか
夏合宿の消化具合としてはほぼ100パーセントに近いようなかたちでできていて、与えられた練習はほとんどこなせています。その中で、プラスでちょっとだけでも、1キロ2キロでも距離を踏むというところを、コツコツ継続できているので、ここまではだいぶ順調にできているかなというのが自分の印象です。
――昨年の夏の調子と比べると今年の夏のご自身の調子はいかがですか
去年がケガだったので、それに比べたら今はもう走れているだけでも感謝したいというか、むしろ出来過ぎくらいな感じです。とにかく足元すくわれないように、油断しないように、注意しないとなと思っています。
――4年間の中でも良い方ですか
そうですね。だいぶ良い方だと思います。
――夏合宿で意識しているところや、強化したいところはありますか
僕は夏合宿前にトレーナーさんとかと結構(走りの)課題があるね、という話をして、そこを、走っている練習以外のところでトレーニングを継続していかないといけないという話をしたので、そこは自分の中で一つのテーマとしてあります。定められた練習をこなしつつ、自分で決めたところもやろうということです。
――現段階でその達成具合はいかがですか
まだまだ成果としては出ていないかなと思います。
――前半シーズンの自己評価をお願いします
前半シーズンは、うまく行っていると思ったら行っていなくて、胃腸炎になったり、蕁麻疹(じんましん)が出たり 、厄年かなと思うくらい上手く行かなくて。結局トラックシーズンは試合で全力で走る機会が無かったのですが、なんとか7月には立て直せて、しっかり練習が継続できるようなかたちで、夏合宿まで挑めたので、そこはなんとか秋シーズンに向けて踏みとどまったところかなと思います。夏合宿もケガをせずに乗り切って、秋につなげていけたらなと思います。
◆井川龍人(スポ4=熊本・九州学院)
――夏合宿が始まってからの調子や練習の消化具合はいかがですか
僕は夏合宿入ってからそんなに良くは無いのですが、最低限はやっているので、どうにかしてチームを引っ張れるくらい走れるようになっていけたらいいなと思っています。
――夏合宿のテーマや目標はありますか
故障せずに、与えられた練習以上の練習ができたらいいなと思っています。
――昨年の夏の調子と比べると今年の夏のご自身の調子はいかがですか
僕は基本的に練習が強く無いので、毎年夏合宿は必死にこなしているという感じで、今年も今のところは去年までと変わらない感じです。
――夏合宿で意識しているところや、強化したいところはありますか
僕の課題としては、ポイント練習等できつくなると諦めてしまうというのがあるので、今回の合宿は、それを無くすくらいメンタル強めにいく、というのと、体重を62キロ台くらいまで行きたいねという話を花田さん(花田勝彦駅伝監督、平6人卒=滋賀・彦根東)ともしていたので、合宿全体を通して2キロくらいは、落としていこうかなと思っています。
――前半シーズンの自己評価をお願いします
結果を出すことを意識してやっていて、関カレ(関東学生対校選手権)は優勝を狙っていたのですが、結局勝ち切れずに2位だったりとか、ホクレンの1万メートルでも優勝を狙えた中で2位だったので、悔しさが残るレースが続きました。速さ自体は少し上がってきているので、あとは勝ち切る強さをこの夏、精神的にも鍛えて、駅伝シーズンで勝てる選手になっていきたいと思います。
◆菖蒲敦司(スポ3=山口・西京)
――前半シーズンの振り返りと自己評価について
前半は学生個人(日本学生個人選手権)で優勝してユニバ(ワールドユニバーシティゲームズ)に出るということを目標にしていました。優勝することはできましたが選考から漏れて、そこからは日本選手権で3番以内に入って世界選手権ということを目標にしていました。途中の過程で関東インカレ(関東学生対校選手権)で2種目で入賞できましたが、日本選手権という一番大事な試合で結果を出すことができず、そこだけがうまくいかず結果を出すことができなかったなというのが今年のトラックシーズンの印象です。
――合宿の消化具合に関して教えてください
1カ月ほど前まで1500メートルや3000メートル障害といった中距離を中心にやっていたので、8月いっぱいぐらいまでは長い距離にシフトしていくことがキツイのかなと合宿入る前から感じています。今この合宿中も30キロメートルだったりこの後も長めのポイントが入っていたりと、強化するというよりも長い距離に適応していく準備段階かなと思います。
――夏合宿の個人的なテーマを教えてください
まずは長い距離に体を適応させていくことが目標です。
――距離以外の部分で意識している部分はありますか
距離を走ることがいっぱいいっぱいなので、一旦距離に適応してからかなと思います。
――今後狙っているトラックレースはありますか
個人的にはトラックレースをやりたかったのですが、予選会があったり、今年は箱根(東京箱根間往復大学駅伝)に出たいという思いがあるので、トラックレースで、狙うような大会はありません。予選会(東京箱根間往復大学駅伝予選会)の前に1万キロメートルを1本走るぐらいかなと思います。
――海外遠征で得たものはありますか
本当に多くのことを学ばせていただきました。海外のレースではいろいろなストレスがかかる中での生活で、食事では食べたいものが食べられなかったり、練習場所が確保できずやりたい練習ができなかったりという環境の中でレースをさせてもらって、まだまだ自分の力では世界選手権やオリンピックの舞台には届かない距離にはありますが、手が届いたときに準備しやすい経験ができたのかなと思います。
――秋シーズン以降の目標をお聞かせください
2年間箱根駅伝を走ったことがないので、今年こそは出走できるようにまずはケガをせずに練習を継続したいです。
◆石塚陽士(教2=東京・早実)
――前半シーズンの振り返りと自己評価について
シーズン始めのインタビューでユニバに出たいということを言ったのですが、学生個人で1500メートル走ってタイムを出せず、そこから5000メートルや1万メートルに切り換えていきました。5000メートルで自己ベストが出たり、初の1万メートルで28分30秒台を出せたりとタイム的には出せたのですが、重要な大会で結果を出せなかったので、そこは反省かなと思います。昨年はインカレで入賞など実績があったのですが、そうした入賞がなかったので、残念な部分だったなと思います。
――合宿の消化具合に関して教えてください
7月末に尾瀬合宿があったのですが、軽めの合宿で合宿の感覚をつかめていなかったのですが、今はつかめて、順調にこなせています。4月から7月の授業期間ではなかなか距離をつめていなかったので、8、9月が一番距離を貯金しなければいけない時期なので、ほかの人よりも距離を走ることを重点を置いていきたいなと思います。
――夏合宿の個人的なテーマを教えてください
前半シーズンは全然走れていなかったので、この夏合宿は距離メインでやっていこうと思います。
――距離以外の部分で意識している部分はありますか
ウエイト器具は持ってきていないのですが、休み期間中にはウエイトを重点的にやりたいなと思っています。相楽さん(相楽豊前駅伝監督、平15人卒=福島・安積)や花田監督ともストライドを伸ばしていこうねという話をしていて、ジャンプトレーニングやウエイトが良いよと仰っていたので、取り組んできたいと思います。
――昨年の夏合宿では課題もなく調子がよかったとお聞きしましたが、今年はいかがですか
今年は延長戦があって夏季集中という大学の授業もあってレポートが残留しているので、昨年ほどではないです。ですが合宿地に来ると走りやすい環境で、レポートが残っているとはいえ授業がないだけでストレスフリーで集中できる環境なので、今年も順調に走れるのでは無いのかなと思います。
――昨年の夏に比べて調子はいかがですか
地力がついてきたので、昨年までだと距離走できつかったのですが、今年は疲労はありますが昨年に比べて楽になってきています。ですが、ただ走るだけではなくフォームまで意識したり、大腿骨など大きい筋肉を使おうなどと考えたりしているので、そこは成長しているのではないかなと思います。
――秋シーズン以降の目標をお聞かせください
昨年は出雲(出雲全日本大学選抜駅伝)、全日本(全日本大学駅伝対校選手権)、箱根と走らせてもらって、だいたい一通りの流れはつかめたので、今年は出雲でなく予選会というかたちになりますが、駅伝では、昨年は前半抑えて後半上げていこうという指示が多かったのですが、来年はつっこんで入れという指示ができるように力をつけてくれと相楽さんから昨年言われたので、そうさせないといけないなと思っています。昨年はつなぎという意識が強かったのですが、監督陣にエースの一人として石塚で流れを変えたんだと思ってもらえるように、区間賞などを狙って行きたいと思います。
◆伊藤大志(スポ2=長野・佐久長聖)
――前半シーズンの振り返りと自己評価をお願いします
高校3年生ぶりに(5000メートルの)自己ベストを更新できたことが、上半期のシーズンの中で一番印象に残っています。やはり、昨年大学に入学してから13分36秒というタイムに囚われている部分があって、正直そこで足踏みをしてしまっている部分もあったのかなと思います。その中でベストを更新できたことが安心できましたし、自分が踏んでいるプロセスが間違いではないのだと再確認できたことが一番大きいです。
――この合宿での調子や練習での消化具合を教えてください
トラックシーズンでは5000メートルを中心に走っていた中で、秋シーズンには全日本の10キロを越える距離や箱根の20キロ以上の距離に対応していかなければいけないので、夏の走り込みが一番大事な部分だと思います。走り込みをしっかりとするなかで、昨年の合宿では必要最低限といいますか、故障しないように継続することが一番大事だと思っていましたが、それだけでは最低限の走りでしかなく勝てる走りではないのかなと思ったので、プラスアルファの部分で今年は自分のキャパシティを見ながら追い込めるところまで追い込んでいきたいです。今回の合宿を皮切りに走りも考えもトラックシーズンから駅伝シーズンに切り替えていけるようにしたいです。
――具体的に強化したい部分を教えてください
走り込みが一番だと思いますが、それ以外では走りのフォームを少し変えたいなと思っています。もとから僕は特殊な走り方で、他大学の選手やチーム内と比べて特殊な走り方が強みでもあり弱さでもあると思っていて、その強みを残しつつ、故障しやすく変えていかなければならない部分を修正していかなければ今後長い距離での試合やトラックでの試合で確実に課題になると思うので、早めに直していきたいと思います。ポイント練習のような強度の高い練習の中ではなく、普段のジョギングの中や強度の緩い練習の中で直していきたいです。
――昨年は箱根5区で山上りをされましたが、上りの対策はされていますか
年間を通して上りの対策をしていかないと勝負できないなと痛感したので、トラックの練習や全日本などの駅伝の練習のなかでプラスアルファの練習をしていかなければいけないと思います。箱根の試走はできないので、周りの起伏を使ったり飯能の山まで行って上りに行ったりだとか、今回で言えば上の方の山に上りに行ったりと、特殊な練習にはなりますが、機会を逃しては強化できないかなと思うので。正直僕が山上りを任されるかは分かりませんが、対応できる人が準備をするべきだと思うので、経験を生かして練習していくべきなのかなと思います。
――そうした練習の中でコンディションの乱れはありませんか
昨年大学の練習を1年間積んでから、今年はある程度練習も安定してできているので、最低限の走りのレベルが上がってきているなというのを実感しています。山の練習はプラスアルファだと思うので、優先順位をうまくつけて両方こなせるようにしたいです。
――昨年課題としてあげていらっしゃいました、暑さや風に関してはいかがですか
昨年はこの時期からだいぶへばっていたので、段階的に暑さには慣れてきていると思います。風に関してはトラックだと風が強い時弱い時とあるので、上半期のシーズンは実感できることがありませんでした。そこはこれからの練習で上がってくることだと思うので、少しずつ改善していきたいです。
――昨年はルーキーとして注目されていましたが、今のチームの中でご自身の立ち位置を教えてください
他の大学さんとは人数が違ったり、相楽さんから花田さんに変わり練習メニューやトレーニング方も変わっていったりしている中で、自分の考えや信念はぶらしてはいけないなと思います。逆に、自分の信念だけではいけない部分もあるので、うまく折り合わせながら、合宿や駅伝シーズンに入るとチーム一体となって行動しなければいけないと思いますし、自分の信念をぶらさずにチームに相乗効果を与えられるようにしたいです。チームを引っ張る、と言うと3、4年生みたいになりますが、そこまでいかなくともそう言った雰囲気や言動をしていけたらなと思います。
――他大学の選手の中で意識されている選手はいらっしゃいますか
国学院の平林(清澄)、山本(歩夢)は意識しています。平林に関しては大学に入ってから負け続けていたので勝ちたいなという思いもありますし、国学院のエースとして走っている中でやっぱり同学年として負けていられないなという思いがありますし、個人的には東海の吉田響には勝ちたいなと思います。同じ5区でありながら、区間2位のタイムで、すごいなと思う反面1年間準備できることは羨ましいなと思うので(笑)。見返してやりたいなと思います。
――秋以降の意気込みをお願いします
チームとして昨年のリベンジや立て直しに向かって体制も変わっていく中で、僕自身も主力として上半期戦ってきたので、秋シーズンもしっかりと主力としてやるべきことを果たしながら自分として納得のいく状態で駅伝シーズンを終えられるようにしたいです。
◆山口智規(スポ1=福島・学法石川)
――前半シーズンの振り返りと自己評価をお願いします
トラックシーズンは故障や貧血に悩まされて課題や反省が残る部分が多くありましたが、少しずつ練習もできるようになって、今は本当に練習についていくのでいっぱいいっぱいなのですが、納得のいく練習をできるようになってきたことは自信をもって駅伝シーズンにつながるのではないかなと思います。
――この合宿での調子や練習での消化具合を教えてください
駅伝シーズンに向けて走り込みももちろんですが、トラックにつながるような夏場の走り込み、長い距離に対応する練習が本当に苦手なので、しっかりと克服できるようにしたいです。今はいっぱいいっぱいなのですが、少しずつ強くなれるように頑張りたいです。
――具体的に強化したい部分を教えてください
駅伝シーズンに向けて苦手な部分を基礎から作れる期間だと思うので、少しずつ体も仕上げていって、目標を達成できるようにしたいです。
――先月のハーフの感触はいかがですか
3分ペースというのは余裕があるペースだったので、15キロはいけるかなと思っていました。案の定ラスト5キロはきつかったですが、なんとなくタイムが出てしまったのでハーフに対する恐怖心はなくなりましたが、この甘い考えだと箱根で勝負できないと思うので常に緊張感をもって意識高く取り組んでいきたいと思います。
――後半シーズンもトラックを主軸にしつつ、駅伝も取り組んでいくかたちになるのでしょうか
ハーフや箱根だけの練習という捉え方ではなく、トラックの中でも距離走は必要なので、しっかりとトラックにつなげられるように監督と相談しながらやっている段階です。
――大学に入って初めての合宿ですが、高校時代との違いを教えてください
高校時代は最終日に30キロというイベントに向けて少しずつ頑張るぞというかたちでしたが、この合宿では初っ端から30キロを走り、それでさえいっぱいいっぱいだったのに次の日も練習があったので、苦手な練習な上にタフさも求められるので、先輩方を本当に尊敬しています。
――秋以降の意気込みをお願いします
駅伝シーズンでは慣れていない長い距離が始まりますが、他大のエースと渡り合えるような存在になりチームに貢献できるように頑張りたいです。
(取材・編集 及川知世、森田健介、湯口賢人、戸祭華子、堀内まさみ)