悲願の優勝へ 主力も復帰し思いを一つに突き進む

駅伝

 東京箱根間往復大学駅伝(箱根)までちょうど2週間となった12月19日、早大所沢キャンパスにて直前公開取材が行われた。『学生駅伝3冠』を目標にスタートした今季だったが、出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)、全日本大学駅伝対校選手権(全日本)ではともに6位と振るわなかった。しかし駅伝主将の千明龍之佑(スポ4=群馬・東農大二)は「出雲、全日本とは違った早稲田を見せる」と意気込む。悲願の『優勝』に向け、チーム一丸となって突き進む。

写真撮影に応じる箱根メンバー16人

 今回メンバー入りした中で最多の7人を占めた4年生は、中谷雄飛(スポ4=長野・佐久長聖)や山口賢助(文4=鹿児島・鶴丸)ら、これまで幾度も駅伝に出走してきた選手に加え、河合陽平(スポ4=愛知・時習館)、室伏祐吾(商4=東京・早実)ら『叩き上げ』の選手もメンバー入り。さらに千明や太田直希(スポ4=静岡・浜松日体)といった秋に離脱していた主力選手も戻ってきたことで「少し沈んでいたところからだいぶ上がってきている。ようやく歯車がかみ合ってきた」と駒野亮太長距離コーチ(平20教卒=東京・早実)もチームの変化を口にする。チームを引っ張ってきた4年生は、最後の箱根を笑顔で終えられるか。

集団走で先頭を引っ張る千明(右端)と半澤(右から2番目)

 3年生は井川龍人(スポ3=熊本・九州学院)、鈴木創士(スポ3=静岡・浜松日体)、安田博登(スポ3=千葉・市船橋)がメンバー入り。井川は4月にチーム内3人目の1万メートル27分台を記録した。箱根では前半区間を見据えており、チームを勢いづける走りが期待される。

 また、2年生は4人が登録。菖蒲敦司(スポ2=山口・西京)はトラックシーズンから結果を残し、駅伝においても出雲で1区2位、全日本で4区5位と好走した。「全日本の負けが本当に悔しくて、そこからチームに対して考えるようになった」。ミーティングでの発言も増えた次期エース候補は、「4年生には勝って卒業してもらいたい」と熱き思いで勝利に貢献する。さらにチーム内でも特に順調に練習を積んできた1年生の石塚陽士(教1=東京・早実)と伊藤大志(スポ1=長野・佐久長聖)も頼もしい。出雲4区で区間賞を獲得した石塚は、千明から「駅伝シーズンで一番成長した選手」と評される。鍛錬の成果を箱根路でも見せつけたい。

集団走の様子。左端から鈴木、菖蒲、佐藤航、石塚

 相楽豊駅伝監督(平15人卒=福島・安積)は「大エースはいないが、個性を生かし全員でコツコツと貯金を積み上げて戦う」チームだと語る。全員が持てる力を出し切り、出雲と全日本とは違う早大の底力を見せることができるか。このメンバーで挑む最後の戦いは、もうすぐだ。

(記事 芦沢拓海、写真 布村果暖、山崎航平)