駅伝シーズンの開幕戦となる出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)が2年ぶりに開催される。早大は前回の2019年大会は出場していないため、3年生以下は初めての出雲となる。昨年度の早大は全日本大学駅伝対校選手権(全日本)で5位、東京箱根間往復駅伝(箱根)で6位に終わった。しかし今季は1万メートル27分台の選手を3人もそろえた上に、トラックシーズンでは好記録が続出するなど戦力は十分だ。目標は、2010年度以来の「学生駅伝3冠」。そのためにまず不可欠となるのが出雲の優勝。勝負の準備は整った。
日本選手権男子3000メートル障害に出場した菖蒲
優勝を目指すためには脱落が許されない1区には、2019年の全国都道府県対抗男子駅伝で1区区間賞の菖蒲敦司(スポ2=山口・西京)が起用された。同区間には日本学生対校選手権(全カレ)5000メートル王者の近藤幸太郎(青学大)がいるが、集団からこぼれ落ちることなく、菖蒲の武器であるラストスパートを終盤に発揮したい。出雲の最短距離の2区には1万メートル27分台トリオの一角である井川龍人(スポ3=熊本・九州学院)を投入。全カレ5000メートルでは16位にとどまったが、駅伝ではチームに流れをもたらせるか。3区には同じく1万メートル27分台の記録を持つ太田直希(スポ4=静岡・浜松日体)が入った。今年は不調もあり苦しんだが、「区間賞争いをして、チームの優勝に貢献したい」と話していた太田の快走に期待したい。
日本選手権男子5000メートルに出場した伊藤
4区と5区にはそれぞれ、石塚陽士(教1=東京・早実)と伊藤大志(スポ1=長野・佐久長聖)のルーキー二人がエントリーした。石塚は高校3年時に1500メートルで高校歴代3位(当時)を記録。伊藤も5000メートル高校歴代2位(当時)を記録し、いずれも高校時代の実績は十分。黄金ルーキーはどんな大学駅伝デビューを果たすか。そして勝負を決定づけるアンカー区間、6区は1万メートルチーム最速の27分54秒06の記録を持つ中谷雄飛(スポ4=長野・佐久長聖)が務める。6区には他校も日本学生長距離界のエースである田澤廉(駒大)や箱根で2区と3区の区間記録を保持するイエゴン・ヴィンセント(東国大)などエース級がエントリー。彼らと遜色ない走りを見せ、早大を11年ぶりの優勝に導く。
補欠選手は5000メートルでチームトップの記録を持つ千明龍之佑駅伝主将(スポ4=群馬・東農大二)と前年の全日本1区で区間新記録の辻文哉(政経2=東京・早実)が控えている。出走した場合の、彼らの好走にも期待がかかる。また、東京オリンピック3000メートル障害7位の三浦龍司(順大)をはじめ、他校も主力を補欠としてエントリー。補欠選手をどこに配置するかも勝敗のカギとなる。
「今年に関しては、非常にワクワクというか、ドキドキというか、そのような気持ちが日々増していっている」。相楽豊駅伝監督(平15人卒=福島・安積)は駅伝シーズン直前インタビューでそう語った。夏季合宿でも下級生を中心に調子を上げていることは好材料だ。優勝候補と言われる駒大、青学大、順大、東国大など強力なライバル校に打ち勝ち、臙脂のたすきを最初にゴールへ届ける。
(記事 芦沢拓海)
第33回出雲全日本大学選抜駅伝 | |||||
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区間 | 距離 | 名前 | 学部・学年 | 出身校 | |
1区 | 8・0キロ | 菖蒲敦司 | スポ2 | 山口・西京 | |
2区 | 5・8キロ | 井川龍人 | スポ3 | 熊本・九州学院 | |
3区 | 8・5キロ | 太田直希 | スポ4 | 静岡・浜松日体 | |
4区 | 6・2キロ | 石塚陽士 | 教1 | 東京・早実 | |
5区 | 6・4キロ | 伊藤大志 | スポ1 | 長野・佐久長聖 | |
6区 | 10・2キロ | 中谷雄飛 | スポ4 | 長野・佐久長聖 | |
補欠 | 千明龍之佑 | スポ4 | 群馬・東農大二 | ||
補欠 | 辻文哉 | 政経2 | 東京・早実 |
メンバー一覧
1区 菖蒲敦司(スポ2=山口・西京)